のぼうの城(映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『のぼうの城』とは、和田竜の日本の歴史小説を元にして2012年に公開された映画である。犬童一心と樋口真嗣の共同監督で制作された。主人公の長親(ながちか)は忍城(おしじょう)城代の息子である。関白秀吉の家臣である三成によって、忍城は開城を迫られていた。しかし長親は世の理不尽に真っ向から対抗するため、三成に相対する。長親は周りの力を借り、ついには三成軍を退けることになった。この作品は時にはしんみりしつつも、長親という「でくのぼう」の奇策によって観た人を気分爽快にさせる歴史映画となっている。
一方、三成の陣では将らが三成によびだされた。吉継が尋ねると、三成は忍城から近づく小舟を指す。船が忍城と三成の陣の間で止まると、笠をかぶった人物が「これよりお見せするは、忍城に伝わる田楽踊りじゃ。存分にお楽しみあれ!」と言う。忍城にいる人々は「のぼう様?のぼう様じゃ」と口々に言う。長親は、おもしろおかしく踊り始める。忍城方も三成方も大笑いしたが、甲斐姫は突然険しい表情で駆け出す。
その頃長親の背後には、丹波と和泉が小舟で近づいていた。長親はさらに船を三成方に近づけるように指示した。正家が笠の人物が長親であることに気付き、三成も驚く。甲斐姫は靭負に船をこがせて長親の船に近づく。甲斐姫は「あいつ死ぬ気だ…」と険しい表情で言い、靭負は表情を変えて長親のもとに急ぎ船を漕ぐ。
三成の陣では関白殿下から知らせがきていた。知らせの中には、秀吉が水攻め見学に来るということだった。功を焦った三成は、鉄砲衆を呼ぶように命じる。長親を討とうとした三成を吉継は止める。今長親を殺せば敵にも味方にも遺恨が残ると考え、丹波も長親の考えを見抜いていた。
三成の元には鉄砲衆が到着し、指示を出した。吉継は事実を明かし、三成は動揺するが撃つ事を命じる。長親は左肩を撃たれ、水中に落ちる。吉継が戦の行く末を案じるが、三成らのやり取りをかぞうが盗み見ていた。
水上では甲斐姫が長親の名を叫び、丹波は長親を助けるため水に飛び込んだ。夜が明け、忍城では百姓らが「弔い合戦じゃ!」と言うのを靭負が止める。長親は手当てされていた。夜になり三成の堤では、数人の百姓がある一か所に向かった。そこでは、先にかぞうが何やら作業をしている。百姓が話しかけると、かぞうがびくっと振り返る。互いに顔見知りだったようで何の用かを聞く。百姓らは長親に手を出したことに怒り、堤を壊しにきた。百姓らの手で堤が決壊した。
忍城では水が引くのを皆が見た。丹波は三成が攻めてくると忠告し、皆を持ち場に戻した。三成の元にかぞうらが連れてこられ、かぞうは毒づく。三成は城を攻めると宣言する。
開城
三成方の正家軍は、進軍した。靭負はこれ以上は防げないと言い、かへえも意気込む。だが丹波は「侍どもは、命に代えても百姓どもを守れ。(百姓は)戦なんぞで命を落としてはならん。長親に心を酔わせ、命をかけるなど馬鹿者のすることじゃ」と言う。
丹波は馬に乗りながら一人で正家軍の前に出る。そこに一人の侍がやってきて、小田原が落城したと伝えられる。丹波や和泉は長親の元に集まった。丹波と和泉は開城するべきだと言うが、長親は無表情だ。
一方三成たちは忍城に入城しようとした。正家は呆れ、三成は長親に会いに忍城に入る。
三成と長親が対面し、三成が上座に座る。外では甲斐姫が盗み聞きをしている。三成が自ら名乗りを上げると、丹波らは総大将自らやってきたことに驚く。三成は開城の条件を話す。「一両日以内に、士分(武士、侍のこと)、町人、百姓ことごとくは城を退去し、百姓は必ず村に返すこと。士分は所領を去られよ。ただし武士を辞める者についてはその限りではない」。長親は「承った。それだけかな」と返し、正家が「士分は一切の家財を置き捨て所領を出よ」と言う。すかさず丹波が反論し、和泉も憤る。
長親は丹波と和泉を黙らせて「あ、それ。それよそれ。石田殿よ、当主氏長が命で開城を承知し申したが城の財、米の持ち出しを禁じるとあらば兵や領民共に飢えるほかありません。なれば我らは城を枕にことごとく討死いたす。幸い、当方には武辺確かな家臣どもが未だ壮健にござる。この上まだ戦がし足りぬと申されるなら存分にお相手致すゆえ、軍勢を差し向けられよ!!」と宣言する。後ろの家臣らもそれを聞き、にわかに色めき立つ。
正家は前言撤回した。だが長親はまだ戦うと続ける。正家と長親が言い合い、三成が二人をなだめる。
長親も開城の条件を伝えた。開城する側が条件を付けることはないので、正家は驚く。長親は構わず、水攻めの際の土を片付ける事を言い、三成は了承した。二つ目の条件として百姓を斬った人の首を渡せと、三成を見据える。三成も顔色を変え、約束をした。三成が甲斐姫を殿下に差し出す条件も出した。長親は考えた後、「承知した」と簡潔に返答した。甲斐姫は、何かを決意したように立ち去った。
三成らが去る時に長親と言葉を交わして笑った。最後に和泉が「北条方の城は、いか程が残った」と聞く。それに三成は落ちなかったのは忍城だけと答え、去って行った。残された忍城の家臣らは、やりきった表情の者ばかりだった。
戦のあと
三成らは、自陣の帰途についた。三成は天下一の大戦を指揮すると意気込む。しかし三成は秀吉の死後、関ヶ原の大戦を画策するも敗戦する。そして近江で捕らえられて斬首される。
甲斐姫は長親が開城の条件で快諾した事が悲しかった。この後、甲斐姫は秀吉の寵愛を受け、大阪城で暮らす。
丹波は領内の村を回った。ちえや和尚らが、死んだ村人を弔っており、丹波も声をかける。そこにかぞうが帰ってきて、再会を喜ぶ。丹波はそれを横目に百姓らの墓に手を合わせた。正木丹波守利英は、この年佐間口に高源寺(こうげんじ)を開基し、戦没者の供養につとめる。長親は城から、復興する村々を眺めた。
成田長親はこの戦の後、家臣の士官先斡旋につとめた。その多くを徳川家康が召し抱えた。長親自身は、晩年尾張に住み、67歳で没した。忍城は何度か主をかえ、松平氏の時代に明治維新を迎えた。現在城は取り壊され、湖も埋められている。だが三成がつくった人工堤の一部が現存している。
『のぼうの城』の登場人物・キャラクター
成田家
成田 長親(なりた ながちか/演:野村 萬斎)
忍城城主である成田氏長の従兄弟。城主の従兄弟であるのに不器用でつかみどころの無い様子から、百姓らからは「でくのぼう」を略して「のぼう様」と呼ばれている。農作業が好きで手伝いたがるが、必ず失敗するので迷惑がられている。運動神経も非常に悪く、一人で馬に乗ることができない。しかしどこか愛嬌があり百姓らにも分け隔てなく接することから、家臣はもちろん領民みんなから好かれている。
甲斐姫(かいひめ/演:榮倉 奈々)
忍城城主である成田氏長と、珠の娘。非常に勝気な性格で、以前領民に手を出した家臣を自ら粛清した。そのことにより、ちよなどの百姓からも人気が高い。美人で靭負に一目ぼれされるほどだが、見かけによらず武芸に長けている。剣はもちろん、薙刀や体術も男性にひけをとらない。長親に惚れているが、忍城での戦の後は秀吉の側室となることが決まった。
成田 氏長(なりた うじなが/演:西村 雅彦)
忍城の城主。珠や甲斐姫が勝気な性格であるため、尻に敷かれている。従兄弟である長親の、つかみどころがない性格にも辟易しており、同じ成田家の者として信頼していない。また、城主として最低限の先見の明や戦略の見識は持ち合わせているが、根性がない。小田原攻めが始まると「勝つことは出来ない」と、いち早く秀吉に内通の意を申し出る。しかし長親らが戦を始めてしまったため、頭をかかえることとなる。
珠(たま/演:鈴木 保奈美)
忍城城主である氏長の妻。勝気な性格で、根性のない氏長のことをひそかに「腑抜け」と呼んでいる。夫よりも、根性があり猛々しい性格の泰季や丹波と気が合う。倒れた泰季には、憎まれ口をたたきながらも激励する姿が見られる。また、丹波にも信頼を寄せている様子。忍城の開城にあたり、戦に決した長親を見直し「あの腑抜けの言うことなど聞かずともよい」と背中を押している。奥を取り仕切る責任者として、快く男たちを送り出す気概がある女性。
成田 泰季(なりた やすすえ/演:平泉 成)
忍城城主である氏長の叔父。長親の父。長親とは正反対の性格で、義にあつく若いころは戦場を駆け回っていた武辺者。小田原からの使者が来た際に、胸をおさえて倒れる。しかし氏長の妻の珠には、数々の敵の首をあげてきた泰季が「畳の上で往生するなど虫が良い」と激励される。長親のことを頼りないと思っており、自分のあと(城代)は丹波に譲りたいと思っている。忍城が開戦に転じた直後に亡くなる。
成田家の家臣
正木丹波守 利英(まさきたんばのかみとしひで/演:佐藤 浩市)
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『ザ・マジックアワー』とは三谷幸喜が脚本・監督したエンターテインメント映画である。佐藤浩市の主演映画で妻夫木聡や深津絵里など豪華キャストが多数出演している。三谷幸喜が監督する4作品目の映画で、第32回日本アカデミー賞で4部門にノミネートされた。マフィアの天塩商会が牛耳る港町の守加護。彼らの怒りを買ってしまった備後は、助かるために三流俳優の村田を騙し、映画撮影と称して殺し屋のデラ富樫を演じさせる。天塩の者たちに村田が偽のデラ富樫だとバレないよう備後が四苦八苦する、大ヒットコメディ映画。
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六番目の小夜子(小説・ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ
『六番目の小夜子』とは恩田陸の小説と、それを原作としたNHKで放送されたTVドラマ、および舞台作品である。恩田陸のデビュー作であり、新潮社の第3回日本ファンタジーノベル大賞にて最終選考まで残った作品だ。とある高校(ドラマでは中学校)に伝わる「サヨコ」という言い伝えを軸に、少年少女たちの瑞々しい青春とファンタジーホラーの一面も持つ。2000年にNHK教育『ドラマ愛の詩』でドラマ化された。また2022年1月、乃木坂46の鈴木絢音の主演で舞台化もされている。
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目次 - Contents
- 『のぼうの城』の概要
- 『のぼうの城』のあらすじ・ストーリー
- 天正10年
- 天正18年
- 忍城(おしじょう)
- 籠城の準備
- 忍び寄る三成の軍
- 使者
- 軍議
- 戦の始まり
- 初戦勝利
- 水攻め
- 田楽踊り
- 開城
- 戦のあと
- 『のぼうの城』の登場人物・キャラクター
- 成田家
- 成田 長親(なりた ながちか/演:野村 萬斎)
- 甲斐姫(かいひめ/演:榮倉 奈々)
- 成田 氏長(なりた うじなが/演:西村 雅彦)
- 珠(たま/演:鈴木 保奈美)
- 成田 泰季(なりた やすすえ/演:平泉 成)
- 成田家の家臣
- 正木丹波守 利英(まさきたんばのかみとしひで/演:佐藤 浩市)
- 柴崎 和泉守(しばさきいずみのかみ/演:山口 智充)
- 酒巻 靭負(さかまき ゆきえ/演:成宮 寛貴)
- 忍城領内の人々
- たへえ(演:前田 吟)
- かぞう(演:中尾 明慶)
- ちよ(演:尾野 真千子)
- ちどり(演:芦田 愛菜)
- 和尚(演:夏八木 勲)
- 秀吉方の人々
- 石田 三成(いしだ みつなり/演:上地 雄輔)
- 大谷 吉継(おおたに よしつぐ/演:山田 孝之)
- 長束 正家(ながつか まさいえ/演:平岳 大)
- 山田 帯刀(やまだ たてわき/演:和田 聰宏)
- 豊臣 秀吉(とよとみ ひでよし/演:市村 正親)
- 『のぼうの城』の用語
- 水攻め
- 聚楽第(じゅらくてい/じゅらくだい)
- 兵糧米
- 城代
- 丸墓山古墳
- 所領の安堵
- 坂東武者
- 田楽踊り
- 『のぼうの城』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 成田 長親「イヤになった、降るのがだよ!」
- 百姓の立場にもなることができる長親
- 成田 長親「儂は決めた、儂は悪人になる!」
- 正木丹波守 利英「儂か、儂はその馬鹿者だからよ」
- 『のぼうの城』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- あまりにリアルな水攻めのシーン
- 意外なオファーだった、長親役
- 田楽踊りは野村 萬斎の創作
- 『のぼうの城』の主題歌・挿入歌
- 主題歌:エレファントカシマシ「ズレてる方がいい」