のぼうの城(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『のぼうの城』とは、和田竜の日本の歴史小説を元にして2012年に公開された映画である。犬童一心と樋口真嗣の共同監督で制作された。主人公の長親(ながちか)は忍城(おしじょう)城代の息子である。関白秀吉の家臣である三成によって、忍城は開城を迫られていた。しかし長親は世の理不尽に真っ向から対抗するため、三成に相対する。長親は周りの力を借り、ついには三成軍を退けることになった。この作品は時にはしんみりしつつも、長親という「でくのぼう」の奇策によって観た人を気分爽快にさせる歴史映画となっている。

秀吉の家臣で側近。秀吉からは佐吉と呼ばれる。知識はあるが軍略に乏しく、なかなか武功をあげられずにいる。そのため、他の秀吉の家臣からは「後方支援担当」と蔑まれている。小田原攻めに際して秀吉から二万の軍勢を預けられ、武功をたてて他の家臣を見返すように言われる。忍城が内通してきていることを初めは聞かされておらず、無理に忍城攻略を進めようとする。8年前に秀吉が備中高松で行った水攻めの豪快さに憧れを抱いていた。

大谷 吉継(おおたに よしつぐ/演:山田 孝之)

秀吉の家臣であり、三成の盟友。秀吉や三成からは「紀之介」と呼ばれている。秀吉から忍城が内通の意を示してきていることを聞かされており、三成に武功を立てさせるように任される。しかし実際忍城とは戦となり、困惑している。武功を焦る三成や軍師としての才覚が無い正家を何度も諌めつつ、なんとか勝利に持ち込もうとするが報われない。長親に対しては、突飛もない策ばかりではあるが大将の器がある人物と評価している。

長束 正家(ながつか まさいえ/演:平岳 大)

秀吉の家臣。態度が非常に高飛車で高慢。強いものには弱く、弱い者には強く接するので、吉継に「天下の威を借る男」と言われる。三成により軍師に命じられる。しかしこれは正家のような人物に対して忍城の面々がどのような対応をするのか、はかるための策略に利用されただけである。態度は大きいが、兵を無駄に死なせてしまうような軍才の無さである。

山田 帯刀(やまだ たてわき/演:和田 聰宏)

正家の家臣。かねてより、正家の軍才の無さや態度に呆れている。正家が主君として頼りないので、正家を侮る様子が態度に出てしまっている。強いものに挑む男らしさがあり、戦場で丹波を見つけた際はさっさと正家を置いて丹波に挑みに行った。丹波との戦いは、一瞬にして帯刀の首が落とされて終わった。

豊臣 秀吉(とよとみ ひでよし/演:市村 正親)

当時の関白。天下統一まであと一歩のところで、残りの関東一帯を支配する小田原征伐に手をかける。自身が目をかけている三成が他の家臣にないがしろにされているので、すでに内通の意を示してきている忍城攻めで武功を立てさせようとする。豪快な人物で、8年前の備中高松ではかなりの銭を使って百姓らを雇い、大がかりな水攻めを行った。小田原征伐でも三成に二万もの兵を預けて送り出した。

『のぼうの城』の用語

水攻め

城の周りに堤防を作り、河川の水を城側に引き入れて城の周囲を水没させる作戦のこと。川の水をせき止めるため大規模な土木工事が必要であり、秀吉や三成は銭や米と引き換えに近隣住民を雇っていた。水攻めされた城は、周りが水で囲まれるため脱出はもちろん外からの救援や物資調達も難しく、開城せざるを得ない場合が多い。

聚楽第(じゅらくてい/じゅらくだい)

豊臣秀吉が、現在の京都に建てた建造物。竣工後約8年で取り壊されたため、詳しくわかっていない部分が多い。政を執り行う政庁、邸宅、城としてなど様々な役割があったと思われる。

兵糧米

戦における食料(米)のこと。従軍する兵が消費するために必要なのはもちろんのこと、「兵糧攻め」と言って攻める相手の食糧調達ルートを遮り戦えなくするという戦い方もある。いずれにしても、戦をするうえで非常に大切な物資の一つ

城代

城主の留守中に城を守る役割を任せられた者。基本的には、城の中でも上位の家老がその役を担うことが多い。城主が留守の間、城の一切を取り仕切る。

丸墓山古墳

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