三つ目がとおる(手塚治虫)のネタバレ解説・考察まとめ

『三つ目がとおる』とは、手塚治虫による漫画及び、それを原作とするアニメ作品である。無邪気な性格の中学生、写楽保介は古代種族三つ目族最後の生き残り。額の絆創膏を剥がすと第三の目と共に超知能、超能力を操る冷酷な人格が現れ悪魔のプリンスと化す。写楽は世界征服を目論む一方で、時にクラスメイトの和登さんらと共に古代遺跡絡みの陰謀に巻き込まれる。オカルトブームの中、人気を博し第1回講談社漫画賞を受賞。漫画の神と呼ばれた作者の没後初のアニメ化作品でもある。

出典: middle-edge.jp

最終局面でのモエギ

声:天野由梨

アニメオリジナルキャラクター。原作での吾平の役割を受け継ぐ少女。額に鉢巻きを巻いて登場。ある村で誰の世話にもならず、誰とも関わらない変わった子と認識されていた。ナマズに似たボルボックの球根を持っているため「ナマズっ子」と呼ばれる。これは原作で写楽たちが吾平を「ナマズ男」と呼んでいたことの名残りである。青玉ではなく草井に保護されており、ボルボックの球根ではなくお宝を持ってこいと脅されていた。ボルボックとは、友達のような関係だった。
完全な開眼が遅く、長いこと第三の目を傷だと思い込んでいた為、吾平同様自分が三つ目族だということは知らなかった。その後、写楽たちにボルボックには関わらないよう頼み込んだ。開眼後も特に性格は変わらない(やや強気かつ冷徹になる程度だが、人間に怒りを抱いているためでもある)。

『怪植物ボルボック編』終結後はボルボックの球根を持って旅をし、デビル・コンツェルンなる組織に拾われる。組織に従い、三つ目族の遺跡の調査を行っていた。メキシコのピラミッドで生体強化細胞を発見。ボルボックを強化し、スーパーボルボックを誕生させるに至った。
三つ目族に対する同族意識はない。むしろ三つ目族も二つ目族も関係なく、自然を汚す人間を嫌っていた。スーパーボルボックと共に人間の町を破壊。自然と仲良くしなくては人間は生きられないと主張し、写楽を追い詰めるが、ケツアルに第三の目を狙撃され死亡する(原作ではメキシコの遺跡にて焼身自殺を図ったケツアルだが、テレビ東京版では最終決戦時にも生存していた)。

ボルボック関連では吾平の代理だが、ある意味では『怪鳥モア編』のセリーナ、ひいては写楽の闇の部分を受け継いでいると言える。セリーナはモエギと同じく三つ目族の女性で、最終的には死んでしまう(アニメのセリーナは二つ目族で生存)。その点ではセリーナの役割を受け継いでいる。またセリーナは、死の間際写楽に三つ目族の再興はあきらめ、二つ目族と共存して今を生きろと口にした。つまりは、直接あるいは間接的に、写楽に二つ目族との共存という選択肢を与えるきっかけとなった点が共通している。
モエギに三つ目族再興の意思はないが、二つ目族を滅ぼす為に三つ目族の遺物(生体強化細胞とボルボック)を使用しており、その点では三つ目写楽の闇の部分を思い起こさせる。
最終決戦で写楽はスーパーボルボックと同じ三つ目族の遺物(魔弾球)に乗り込み、三つ目族の能力を使うが、脳裏には和登さんや犬持、ヒゲオヤジなどが浮かんでいた。二つ目族ではあるが、写楽は彼らを仲間と認識してスーパーボルボックと戦ったのである。

セリーナ

出典: d.hatena.ne.jp

声:松井菜桜子

メキシコで出会った、和登さんにそっくりな女性。飲んだくれの父、ペペと二人暮らしだった。ペペは賞金目当てに写楽を殺そうとしたが、命を救われたことで逆に写楽たちを助け、「娘を頼む」と息絶えた。
写楽を「トッポイ(変な)日本人」と称しながらも気にかけていたが、三つ目の写楽の傲慢さは嫌っていた。葉っぱなどで三つ目が隠れる度に幼児状態になるのを見て、額の目に秘密があると、何となく感ずる。
ケツアルと写楽の最終決戦の為の人質として連れ去られたが、三つ目族の生き残りであることが発覚。第三の目は小さい頃できたものだったがペペにより切除されていた(ペペとは実の親子ではない)。それでも念力は使用可能で、「やめろ」と怒鳴っただけでケツアルの動きを止め、写楽と力を合わせてバイクを引き寄せた。
ケツアルが遺跡で焼身自殺をした際、放火をしたと思い込まれて警官に狙撃される。写楽から一緒に三つ目族を復活させようと励まされるが、「三つ目族はもう滅んだのだから、現代人と共に生きるべきだ」と言い残して息を引き取る。
三つ目族に関することは何も知らず、死の間際写楽から「もう滅んでしまったが聡明な人たちだった」と教えられる。「そんな賢い人たちが何故滅んだの?」と聞いた上で写楽に三つ目族再興を諦めて現代人との共存するように勧めたのだった。

テレビ東京版では三つ目族ではなく、死ぬこともなかった。モアの死後ずっと打ちひしがれていた写楽を励ましていた。日本でスーパーボルボックが暴れていることを知った写楽自身に頼まれて絆創膏を剥がし、日本へ戻る写楽に一緒に来るか尋ねられるが、見送るにとどめた。

ホクサイ

出典: www.ebookjapan.jp

声:大谷育江

厳密には三つ目族ではない、ただの犬。母犬や兄弟犬と共に、写楽や和登さんと同じ学校の生徒の家に飼われている。額に写楽と同じ形の絆創膏を貼っていた為写楽に興味を持たれた。飼い主の少女は「傷みたいなのがあったから貼った」と言うが、実際には胎児期に成される皮膚や頭骨の自然縫合が不完全な状態のまま生まれた個体である。
傷の正体を知った三つ目の写楽は、傷が脳髄に通ずるとして、ホクサイの脳を改造して額に第三の目を作り出す実験手術を施した。
実験は成功し、三つ目犬となって知能が上がったホクサイは言葉を操るようにもなる。しかし写楽のことは嫌っていたようで命令を聞かず、写楽を上回る念力で圧倒。和登さんと共に母が現れたことで動揺し、写楽共々絆創膏を貼られる。第三の目は手術で封印され元の犬に戻った。
ホクサイに施した実験は二つ目の生物を三つ目にできるかというもので、写楽は実験成功の際人間の女性をさらわせて三つ目にし自分の母にしようとした。このエピソードのラストで、絆創膏を貼られた写楽が、母と一緒にいるホクサイを見て羨ましがっていた。

リメイク版『三つ目黙示録~悪魔王子シャラク~』

出典: tezukaosamu.net

新生写楽&和登さん。写楽が手にしているのは赤いオロチ。

原作:手塚治虫/脚本:藤澤勇希/作画:柚木N'

2016年より、秋田書店刊『チャンピオンRED』にて連載された。高校生になった写楽と和登さん、新キャラクターの鳩村すず(考古学マニアの女子高生)を加えた物語となっている。スマホやインターネットツールと言った現代風のアレンジや一部設定の変更はあれど、概ね原作の持つオカルティックな面、文明や人間の持つ欲への風刺や警鐘を踏襲している。もっと言えば更なる掘り下げが成されており、人間がかつての三つ目族と同じ轍(文明の発達による驕りなど)を踏もうとしていることが、写楽の口から語られた。

2018年4月に連載終了。
全4巻、19話。中編として『半獣人(バンパイヤ)編』、『インドラ編』がある。

原作からの変更点や掘り下げ

三つ目族を巡る描写

出典: www.zerobyw.com

三つ目族に関する掘り下げがされている。古代三つ目族は文明こそ高度なものであったが、驕りが原因で滅んだとされる。『三つ目黙示録』では神になろうとし、遺伝子操作の果てに半獣人バンパイヤを生み出している。この他、数千年を生き延びるための長期睡眠装置などを発明した。長きにわたる眠りから覚めた三つ目族は血を求める性質があり、長期睡眠装置には近づく者の血を吸い取る機能が存在。復活後もたびたび血を求め、携帯用の吸血道具を対象に刺して血を奪う。

結局自然進化を遂げたサル族こと二つ目族に地上の支配者の座を取って代わられて、生き残りは世界各国で細々と暮らす羽目になる(二つ目族の観察も面白半分に行っており、いくらかの傲慢さがうかがえる)。
それでも神話などで三つ目の超常的存在のモデルになっており、皮肉にも衰退後に「神」となった。事実、『三つ目黙示録』においては三つ目族を崇拝し、神として迎える為に富と権力を築いてきたローカ・ダートゥなる組織も登場している。
作中でのローカ・ダートゥ総帥はクリシュナ・シンという若者。クリシュナたちは写楽を神にし、二つ目族を支配させようとしたが、写楽保介という人間としての人生を捨てようとさせたため断られている。その後、クリシュナたちは古代三つ目族の王子、インドラとその部下数名を数千年の眠りから復活させた。

能力の差は遺伝で決まり、王族ともなれば桁違いの力を持つ、とはインドラの部下だった古代三つ目族、ロック(本名ドゥーシャナ)の談。インドラはクリシュナから日本にいる写楽のことを教えられるも自分に従わないであろう三つ目族の存在を認めず、ロックに写楽の抹殺を命じた。
初めは優位に立っていたロックだったが、須武田博士の持ち帰った古代文字による知識で血を吸われることを予期していた写楽が服の下に安酒を仕込んでいた為ロックは抹殺に失敗、このままではインドラに殺されるとして写楽側に寝返るのだった。
インドラ率いる古代三つ目族たちはほんの数名で軍隊を相手に優勢どころか余裕の反撃を見せ、核兵器さえ無力化させるなど、二つ目族とはあらゆる点でかけ離れた力を持つ。ある程度他の三つ目族の存在や力を感じることができるらしい。『インドラ編』では、写楽、並びにロックがインドラの力を感じ取るシーンがある。

写楽が陰でプロデュースしたV(ヴァーチャル)保育園では写楽の思想や能力をある程度モニターの子供たちにコピーしていた。子供たちは互いの脳を補完し合うことで三つ目族と同じ力を得、写楽をも捕縛する。しかし補完し合っているとはいえ二つ目族の脳で三つ目族の能力をフルに活用するのには無理があり、脳に限界が来て倒れ込んだ(一時的に眠っただけ)。
能力の使用は呪文の詠唱やブラフマン(後述)で行い、第三の目から念力を発することはない。

三つ目文字は日本に伝わるイヅモ文字やインダス文字の原型になっており、その解読の為に写楽が利用されることもある。遺跡は数千年以上経過しても機能しており、呪文だけで長らく眠っていた遺跡の扉を開けることも可能である。

『三つ目黙示録』には写楽以外で現代に生きる三つ目族は登場しない。

絆創膏からカツラ

中央が写楽。

写楽の第三の目を塞ぐものが機械式のカツラになっている。和登さん曰く写楽の危険度が上がったため、目立つ上に剥がされやすい絆創膏ではなくカツラに変更となった。暗証番号を打ち込まない限り、外れることはない。しかし、写楽の存在を嗅ぎ付けた組織は皆、簡単に暗証番号を割り出しカツラを外している。
カツラ着用時には額が完全に隠れるので、絆創膏の使用時と同じく無邪気で幼い性格となる(一度だけ絆創膏で封じられたことがある)。

ブラフマン

出典: 3f.ldblog.jp

写楽の武器が赤いコンドルではなく、赤いオロチと呼ばれるものになっている。一言「熱と化せ」と命ずるだけで熱そのものとなって重火器を溶かすこともできる。「ブラフマン」と口にするのが能力発動のキーらしい。
ブラフマンとは赤いオロチの正式名称ではなく、すべての物質や物体の始原の状態を指す。エネルギーや時間でさえも、ブラフマンを通せばあらゆる物質や物体、エネルギーへの変換が可能となる。言ってみれば、一度無に戻した上で行う別の物への組み換えであり、クリシュナが言うところの錬金術に等しい。
赤いオロチは個人携帯用の変換器に過ぎず、個体や状況によっては変換器なしで別の物へと変えることができる。
作中では古代三つ目族の王子インドラ(実際には一度王位についている)が「砂と化せ、ブラフマン」「石と化せ、フラフマン」と口にしただけで、ロックの体が砂に、写楽の体が石になった。最終話では写楽がアメリカによりかき集められた遺物を、変換器なしで全て無に帰している。
尚、三つ目族は核兵器に当たるものは持っていなかったが、それは必要がなかったため。現代人の使用する核燃料などは遅れた文明の産物であると、写楽やインドラが口にしている。
ちなみに、赤いオロチを始めとする変換器は赤いコンドルに比べ装飾が複雑化しているが、自由自在に動くので軽く持てると1巻巻末のおまけページに書かれている。

写楽の目的

出典: www.mangaup.net

原作では三つ目族の再興を目指していた写楽だったが、『三つ目黙示録』では現代人の文明の破壊を目的とする。これは単に現代人を妬んでのことではなく、既に滅んだ種族としてのけじめだった。

三つ目族はその文明に驕って滅び、細々と生きていく羽目になった。しかし遺跡や遺産は機能し続け、知性の点ではるかに劣る他種族(二つ目族やバンパイヤ)の手に渡っては結果的に悲劇や騒動を起こしている。
自分たちの文明をも滅ぼしてしまった三つ目族の最後の末裔である写楽は、現代人が先祖と同じ道を辿らないよう二つ目族の産んだ文明を滅ぼすつもりだったのだ(原作でも『三つ目族の謎編』で後に現れる地上の支配者が同じ過ちを繰り返したら、その種族を滅ぼすよう遺言が遺されていた)。

最終話で、写楽は二つ目族ではなく危険な三つ目族の遺産の方を破壊する旅に出た。この旅には、和登さんが進んで同行を申し出ている。

えどまち
えどまち
@edono78

Related Articles関連記事

マガジンの歴代ヒロインまとめ

マガジンの歴代ヒロインまとめ

『少年マガジン』は、日本でもっとも長く続いている週刊の少年漫画誌の1つである。その長い歴史の中で幾多の傑作を生み出し、日本の漫画文化を支えていった。「少年漫画」という縛りがあるため主人公の多くは少年だが、その活躍を支えるヒロインたちもまた物語に欠かせない存在として魅力たっぷりに描かれている。 幼馴染に学生、人外や異世界人と設定も様々なら、その関係性も恋人から友人、ライバルまで多種使用である。ここでは、マガジン作品を彩ったヒロインたちを紹介する。

Read Article

トキワ荘とは?歴史・逸話・トリビア・暮らしていた漫画家・メンバー・どこにあるかを紹介!

トキワ荘とは?歴史・逸話・トリビア・暮らしていた漫画家・メンバー・どこにあるかを紹介!

トキワ荘(トキワそう)とは、かつて東京都豊島区南長崎三丁目にあった木造2階建アパート。1953年から1962年頃まで、手塚治虫や藤子不二雄などの日本の漫画界の黎明期を支えた超一流の漫画家たちが共同生活を送っていたことで知られる建築物である。1982年に老朽化により解体されるも、「漫画の聖地」として非常に知名度が高い。現在も「トキワ荘マンガミュージアム」や「トキワ荘プロジェクト」の形で漫画界にその名を残している。 本記事では、トキワ荘に関する情報と、ここで暮らしていた漫画家たちについて紹介する。

Read Article

火の鳥(手塚治虫)のネタバレ解説・考察まとめ

火の鳥(手塚治虫)のネタバレ解説・考察まとめ

『火の鳥』とは漫画界の巨匠、手塚治虫の描く漫画作品。その血を飲むと永遠の命が得られる伝説の鳥である「火の鳥」。この伝説の鳥を巡り、古代から未来へ、未来から古代へ。またミクロからマクロへ、マクロからミクロへと想像を絶するスケールで世界が流転する。文明の進化と衰退、科学の罪、生命進化、人間の心と、「火の鳥」を狂言回しに、あらゆる要素を紡ぎ、手塚治虫が読者へ送る「究極の物語」だ。

Read Article

ブッダ(手塚治虫)のネタバレ解説・考察まとめ

ブッダ(手塚治虫)のネタバレ解説・考察まとめ

『ブッダ』とは、漫画家・手塚治虫が手がけた、仏教を生み出した釈迦こと「ブッダ」の物語についての漫画作品である。少年漫画雑誌『希望の友』(潮出版社)にて、1972年〜1982年まで連載された。後のブッダである主人公「ゴータマ・シッダルタ」が苦悩しつつ仏教をどのように悟ったのかを描き出している。実在の人物と手塚治虫自身の創作の人物が入り混じっているも、2000万部を超える売り上げを記録し、非常に評価されている作品である。

Read Article

ブラック・ジャック(BLACK JACK)のネタバレ解説・考察まとめ

ブラック・ジャック(BLACK JACK)のネタバレ解説・考察まとめ

『ブラック・ジャック(BLACK JACK)』とは、手塚治虫の代表的な漫画作品の1つで、天才無免許医師が法外な治療費と引き換えに多くの怪我や難病を治療していく人間ドラマ作品。1973年~1983年に『週刊少年チャンピオン』で連載され、連載終了後も読み切り作品が掲載された。さらに、他の漫画家の執筆による作品も数多くあり、医療漫画のパイオニアにして、金字塔と言われる。映画、OVA、実写のTVドラマ、アニメなど、さまざまな形で映像化されてきた。

Read Article

奇子(手塚治虫)のネタバレ解説・考察まとめ

奇子(手塚治虫)のネタバレ解説・考察まとめ

『奇子』とは手塚治虫が小学館『ビッグコミック』に1972年1月25日号から1973年6月25日に連載していた漫画作品。戦後史最大の闇とされた下川事件をモデルにした事件を核に、旧家一族の愛憎劇を絡めた物語となっている。第二次世界大戦直後、天外仁朗(じろう)が外地から復員すると、実家には末の妹・奇子(あやこ)が増えていた。実は奇子は仁朗の義姉と彼の父親の不義の子であり、彼女の存在が家族間に緊張を生む。一方仁朗はGHQのスパイに成り下がり、司令部からの命令で様々な汚れ仕事や諜報活動に手を染めていく。

Read Article

アドルフに告ぐ(手塚治虫)のネタバレ解説・考察まとめ

アドルフに告ぐ(手塚治虫)のネタバレ解説・考察まとめ

『アドルフに告ぐ』とは、漫画家・手塚治虫が手がけた第二次世界大戦中のドイツと日本、そして3人のアドルフについての漫画作品である。『週刊文春』にて1983年1月6日〜1985年5月30日まで連載された。ヒットラー、カウフマン、カミル、3人のアドルフの人生が入り混じり、狂言回しの峠草平を中心に物語が進んでいく。1986年度の第10回講談社漫画賞一般部門を受賞し、手塚治虫の作品の中でもトップクラスの名作である。

Read Article

どろろ(手塚治虫)のネタバレ解説・考察まとめ

どろろ(手塚治虫)のネタバレ解説・考察まとめ

『どろろ』とは手塚治虫によって描かれた、戦国時代を舞台に奪われた自身の身体を取り戻すべく48の魔物を追う百鬼丸と、泥棒の少年どろろの旅を描く時代劇漫画である。1967年から1968年までは『週刊少年サンデー』に、1969年には『冒険王』で連載された。父親の野望によって、48の妖怪に身体を奪われた姿で誕生した百鬼丸。医者・寿海に助けられた彼は身体を取り戻すため妖怪退治の旅を続けていたある時、泥棒少年どろろと出会う。手塚オリジナルの妖怪が多数描かれており、カルト的なファンも多い。

Read Article

ジャングル大帝(手塚治虫)のネタバレ解説・考察まとめ

ジャングル大帝(手塚治虫)のネタバレ解説・考察まとめ

『ジャングル大帝』とは、手塚治虫による日本の漫画、及びそれを原作とするアニメ作品である。 壮大な自然を舞台に、主人公のレオを中心とした物語で、その中で動物たちの弱肉強食や人間の欲望、自然の脅威や素晴らしさを知ることができる。学童社の月刊漫画誌「漫画少年」に1950年(昭和25年)11月号から1954年(昭和29年)4月号にかけて連載された。アニメ作品も制作されており、手塚治虫初期の代表作であると共に、現代アニメの基礎となった作品である。

Read Article

七色いんこ(手塚治虫)のネタバレ解説・考察まとめ

七色いんこ(手塚治虫)のネタバレ解説・考察まとめ

『七色いんこ』とは1981年より手塚治虫が『週刊少年チャンピオン』で連載していた漫画、およびそれを原作とした舞台作品。シェイクスピアなどの海外古典から近代演劇まで、実在の演劇をベースにした1話完結の犯罪活劇。 七色いんこは、代役専門の天才役者。本人そっくりのメーキャップに、時には本人以上の演技力で観客を魅了する一方、劇場内の金持ちから金品を巧みに奪う泥棒でもある。警察から送り込まれた射撃・格闘に秀でた刑事、千里万里子(せんり まりこ)は七色いんこを追ううちに次第に彼に好意を抱くようになる。

Read Article

ばるぼら(手塚治虫)のネタバレ解説・考察まとめ

ばるぼら(手塚治虫)のネタバレ解説・考察まとめ

『ばるぼら』とは、手塚治虫によって『ビッグコミック』で連載された、芸術を題材とした大人向けの漫画。「耽美派の天才」と呼ばれる主人公の小説家が、アルコール依存症のフーテン娘バルボラと出会ったことで芸術家としての絶頂を味わい、そして転落するまでを描いている。男女の性愛だけでなく、異常性欲、黒魔術、薬物といったアングラ要素が満載の、いわゆる「黒手塚」と呼ばれる作品のひとつだ。 2020年、稲垣吾郎と二階堂ふみの主演で映画化されたことで話題になった。

Read Article

MW(手塚治虫)のネタバレ解説・考察まとめ

MW(手塚治虫)のネタバレ解説・考察まとめ

『MW(ムウ)』とは、手塚治虫による漫画作品。『ビッグコミック』誌上にて、1976年から1978年まで連載された。2009年には、玉木宏と山田孝之のダブル主演で実写映画版が公開されている。手塚治虫は1970年代の商業青年誌において、「同性愛」と「猟奇殺人」そして「個人VS国」や「善悪とは何か?」というタブー的な要素に取り組んだ。それらの要素が渾然一体となって作り出すドラマが作品の魅力である。南西諸島のとある小島で起きた事件で、人生を大きく狂わされた2人の青年を描いたピカレスクロマン作品である。

Read Article

鉄腕アトム(手塚治虫)のネタバレ解説・考察まとめ

鉄腕アトム(手塚治虫)のネタバレ解説・考察まとめ

『鉄腕アトム』とは、手塚治虫による漫画作品。テレビアニメ版や実写版など様々なメディアミックスが行われていることでも有名であり、手塚治虫の代表作の1つに挙げられている。『鉄腕アトム』の原作漫画は、光文社の月刊漫画雑誌『少年』にて1952年から1968年まで連載された。コミックスは、『講談社手塚治虫全集』全18巻をはじめ様々なバージョンが存在する。人間に似た心を持つ少年型ロボットアトムが、人間とロボットとの関係の狭間で地球の平和のために数々の難事件や敵に挑む姿を描いたSF作品である。

Read Article

シュマリ(手塚治虫)のネタバレ解説・考察まとめ

シュマリ(手塚治虫)のネタバレ解説・考察まとめ

『シュマリ』とは、手塚治虫による明治時代初頭の北海道を舞台にした歴史漫画作品。『ビッグコミック』誌上にて、1974年から1976年まで連載された。手塚作品の中でメディアミックスされていないが、ファン人気の高い作品として知られている。骨太の主人公を中心に激動だった明治初期の北海道を描き切った大河ドラマ的作風は、手塚漫画の魅力をさらに広げたとも評されている。主人公の元旗本は、自分から逃げた妻と間男を追って北海道へやって来た。そこでアイヌの人々と文化に魅せられて「シュマリ」と名を変え生きていく。

Read Article

ユニコ(手塚治虫)のネタバレ解説・考察まとめ

ユニコ(手塚治虫)のネタバレ解説・考察まとめ

『ユニコ』とは手塚治虫がサンリオより出版の『リリカ』で1976年11月から1979年3月まで、小学館より出版の『小学一年生』で1980年5月号から1983年7月号まで連載した児童向けファンタジー漫画である。1981年には『ユニコ』、1983年には『ユニコ 魔法の島へ』のタイトルで映画化した。 一角獣の子どもユニコは、いじわるなビーナスに神の国を追い出され、西風の精に運ばれ様々な時空を旅することとなる。不思議な魔法を使えるユニコは、訪れる先で様々な人々と交流し、彼らに愛と友情を届けていく。

Read Article

上を下へのジレッタ(手塚治虫)のネタバレ解説・考察まとめ

上を下へのジレッタ(手塚治虫)のネタバレ解説・考察まとめ

『上を下へのジレッタ』とは、手塚治虫がバーチャルリアリティーのような妄想世界「ジレッタ」を巡る騒動を描いたブラックユーモア漫画。才能と野心あふれるプロデューサー門前市郎(もんぜん いちろう)が「空腹の間だけ絶世の美女になる」という特異体質を持つ越後君子(えちご きみこ)と、その恋人の山辺音彦(やまべ おとひこ)を利用して名誉欲を満たそうと七転八倒する物語。 手塚作品の中では知名度は高くないが、2017年には妄想歌謡劇『上を下へのジレッタ』のタイトルで舞台化され、横山裕が主演を務めた。

Read Article

リボンの騎士(手塚治虫)のネタバレ解説・考察まとめ

リボンの騎士(手塚治虫)のネタバレ解説・考察まとめ

『リボンの騎士』とは、手塚治虫による少女漫画、およびそれを原作にしたアニメや舞台などのメディアミックス作品。1953年から1956年まで連載された『少女クラブ』版、1963年から1966年まで連載された『なかよし』版、1967年連載の『少女フレンド』版の3種類がある。異世界を舞台に、男女の心を持ってしまった主人公サファイアが、悪人たちと戦う物語がファンタジックに描かれている。少女向けストーリー漫画の先駆け的な存在として知られており、後続作品に多大な影響を与えた。

Read Article

神の手を持つ男 ブラック・ジャックの生い立ちと謎について考察まとめ

神の手を持つ男 ブラック・ジャックの生い立ちと謎について考察まとめ

手塚治虫の漫画『ブラック・ジャック』。一話完結の作品の中に完璧な人間ドラマを描きだす手塚治虫は間違いなく天才だったといえるでしょう。漫画を読んだことのない人はもちろん、ある人にとってもブラック・ジャックは謎の多い人物です。今回は間黒男がいかにして伝説の無免許医ブラック・ジャックになったのか、ブラック・ジャックとはいったい何者なのか、その本性に迫ります。

Read Article

火の鳥の名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

火の鳥の名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

『火の鳥』はあの『鉄腕アトム』を生み出した漫画界の巨匠、手塚治虫による『火の鳥(不死鳥)』を題材とした長編漫画である。日本の漫画文化を代表する作品の一つ。仏教の「六道輪廻」の考え方を軸に「死と再生」を主なテーマとした壮大なストーリーとなっている。 全12編ともなる独立したストーリーの舞台が過去と未来を行き来する独特な構成や、宗教思想と漫画の融合が当時画期的であり、現在でも数々の作品に影響を与え続けている。 この記事では、生命の本質や人間の業を説くような火の鳥の名セリフの数々を紹介する。

Read Article

ぐるなびにて連載のエッセイ漫画【田中圭一のペンと箸-漫画家の好物-】をご存知ですか?

ぐるなびにて連載のエッセイ漫画【田中圭一のペンと箸-漫画家の好物-】をご存知ですか?

田中圭一先生と言えば、漫画界の巨匠・手塚治虫先生の絵柄で下ネタギャグな作風を確立したパイオニア。その田中先生が現在webサイト「ぐるなび」にて、漫画家ご本人とそのご家族にまつわる“食”にスポットを当てたエッセイ漫画を連載しており、これが大変おもしろい!ですのでこちらでは、田中先生の作品を通して、ご自身も漫画家や他分野で活躍されているご家族も紹介させて頂きます。

Read Article

宮崎駿とウォルト・ディズニーはどっちが上かアニメファンが大論争!「手塚治虫と比較するべき」という声も【ジブリ】

宮崎駿とウォルト・ディズニーはどっちが上かアニメファンが大論争!「手塚治虫と比較するべき」という声も【ジブリ】

数々の名作を世に送り出してきた宮崎駿とウォルト・ディズニー。どちらがすごいのか、アニメファンの声をまとめました。両者が偉大過ぎて比べられないといったものや、それぞれを支持する理由を掲載。中には「宮崎駿ではなく、手塚治虫とウォルト・ディズニーを比べるべきだ」といった声も。ファンたちのツイートや、宮崎駿の反応を紹介しています。

Read Article

【ブラック・ジャック】記念すべき第1話「 医者はどこだ!」のネタバレと感想

【ブラック・ジャック】記念すべき第1話「 医者はどこだ!」のネタバレと感想

「鉄腕アトム」や「火の鳥」「ジャングル大帝」などの名作を世に生み出した手塚治虫先生。そんな彼の作品の中で「医療漫画の傑作」と言われ、現在でも高い支持を集めているのが「ブラック・ジャック」です。今回は2004年に発売された新装版の特徴を踏まえながら、第1巻収録話についてまとめていきます。(※参考画像なし)

Read Article

ブラック・ジャック名言・名セリフまとめ【それを聞きたかった】

ブラック・ジャック名言・名セリフまとめ【それを聞きたかった】

ここでは手塚治虫の傑作漫画の一つ、『ブラック・ジャック』に登場する名言・名セリフを紹介する。ブラック・ジャックの台詞だけでなく、彼の恩師の「人間が生きものの生き死にを自由にしようなんておこがましいとは思わんかね」など、手塚治虫の哲学がうかがえる台詞をまとめている。

Read Article

いつの時代も面白い!テレビアニメ『ブラック・ジャックシリーズ』

いつの時代も面白い!テレビアニメ『ブラック・ジャックシリーズ』

どうも。最近話題になっている「ヤング ブラック・ジャック」効果で再びB・Jブームが到来した筆者です。子供の頃に何気なく見ていたストーリーは、今改めて見ると中々に感慨深いものがあったりします。という事で今回は、テレビで連続放送されていたB・J各シリーズを1話無料動画と合わせてご紹介。

Read Article

手塚治虫の名作『ブラックジャック』の集大成! 『ブラックジャック大全集』

手塚治虫の名作『ブラックジャック』の集大成! 『ブラックジャック大全集』

手塚治虫の名作が最も美しく甦る。 『ブラックジャック』は過去、秋田書店等で何度か単行本化されているが未収録作品がいくつかある。 しかし本書は、過去の単行本化された中で未収録作品が3話と一番少ない。 なお、この3話(「指」・「植物人間」・「快楽の座」)は手塚プロダクションの意向により今後も掲載されることはないため、この『ブラックジャック大全集』が〈完全版〉と言えるだろう。

Read Article

心揺さぶられる!漫画に登場する名言・名セリフまとめ

心揺さぶられる!漫画に登場する名言・名セリフまとめ

日常的に何気なく読んでいるマンガのセリフに、ふと心を揺さぶられて思わず涙を流したことがあるという人は多いのではないだろうか。スポーツ・医療・ファンタジーなどマンガには様々なジャンルがあるが、その中には著者の想いが込められた「アツい」名言・名セリフがちりばめられている。本記事では漫画に登場する「名言・名セリフ」を、五十音順にまとめて紹介する。

Read Article

目次 - Contents