ばるぼら(手塚治虫)のネタバレ解説・考察まとめ
『ばるぼら』とは、手塚治虫によって『ビッグコミック』で連載された、芸術を題材とした大人向けの漫画。「耽美派の天才」と呼ばれる主人公の小説家が、アルコール依存症のフーテン娘バルボラと出会ったことで芸術家としての絶頂を味わい、そして転落するまでを描いている。男女の性愛だけでなく、異常性欲、黒魔術、薬物といったアングラ要素が満載の、いわゆる「黒手塚」と呼ばれる作品のひとつだ。
2020年、稲垣吾郎と二階堂ふみの主演で映画化されたことで話題になった。
『ばるぼら』の概要
『ばるぼら』とは、手塚治虫によって『ビッグコミック』で連載された、芸術を題材とした大人向けの漫画。「耽美派の天才」と呼ばれる主人公の小説家が、アルコール依存症のフーテン娘バルボラと出会ったことで芸術家としての絶頂を味わい、そして転落するまでを描いている。
男女の性愛だけでなく、異常性欲、黒魔術、薬物といったアングラ要素が満載の、いわゆる「黒手塚」と呼ばれる作品のひとつだ。手塚は本作を「デカダニズムと狂気にはさまれた男の物語」と語っている。
手塚作品の中での知名度は高くないが、クラウドファンディングを経て英語版が出版され、2013年の「アイズナー賞最優秀アジア作品部門」にノミネートされている。
2020年に稲垣吾郎と二階堂ふみの主演で映画化された。上映館が79という小規模な公開ではあったが観客動員は3万人を突破し、初週の国内興行ランキング総合11位、実写作品では4位という好評を博した。映画はイタリアの「ファンタ・フェスティバル」最優秀作品賞、プエルトリコの「LUSCA国際ファンタスティック映画祭」監督賞を受賞し、美術担当の磯見俊裕と露木恵美子が「第75回毎日映画コンクール」美術賞を受賞している。
『ばるぼら』のあらすじ・ストーリー
フーテン女バルボラ
耽美派の人気小説家、美倉洋介(みくら ようすけ)はある日、新宿駅で「バルボラ」と名乗るフーテンの少女を拾った。薄汚れて酔いつぶれ、柱に寄りかかって座り込んでいた彼女を発見し、なりゆきで自宅に連れ帰ったのだ。美倉はバルボラを「都会が何千万という人間をのみ込んで消化し、たれ流した排泄物のような女」と思った。バルボラは常に酒を飲んで酔っ払っており、風呂場に追い立てられるまでシャワーも浴びない。美倉の家にある酒を勝手に飲んではヴェルレーヌの詩をそらんじ、何日も遊び歩いたかと思うとふらりと戻ってくるのだった。
バルボラとの奇妙な生活を始めた美倉には、異常性欲という悩みがあった。有名作家の美倉は好きなだけ恋を楽しめたが、自身の性欲という狂気にたびたび振り回され、思わぬ事件に出くわすのだ。
あるとき、美倉は四谷という作家仲間の許嫁に出会う。気品に満ちたなんとも美しい女で、手入れのゆきとどいたメスのアフガンハウンドを連れている。四谷が留守の間に美倉が許嫁の家を訪ねると、彼女は美倉を歓迎してもてなした。美倉は彼女を口説き、熱く唇を合わせて抱き合う。するとバルボラが乱入してきて、女に家具を投げつけて殺してしまった。美倉はバルボラが嫉妬のあまり女を殺したものと思って仰天するが、倒れていたのはアフガンハウンドだった。美倉は性欲に目がくらむあまり、犬を女だと思い込んでいたのだ。バルボラは部屋を荒らして強盗の仕業に偽装し、美倉を連れて脱出した。
またある夏の日、バルボラを連れて避暑地に出かけた美倉は、10キロ以上続く渋滞に辟易して、よく熱心なファンレターをよこす人物の屋敷を訪ねた。文学好きだというその人妻は「ぜひ先生に来ていただきたい」と書いた手紙を出しており、住所も添えてあったので、美倉はバルボラと共に休憩させてもらうつもりでその家を訪ねる。すると壮年の男性が応対して、「家内は半年前に死んだ」と言う。美倉が受け取ったファンレターには1週間前の消印がついていた。困惑する亭主だったが、美しいひとり娘を紹介しつつ美倉とバルボラをもてなす。亭主の言葉に甘えて泊めてもらうことにした美倉だったが、なぜかバルボラは嫌がり、「外で寝る」と言い張る。その日の晩、芝生の上で服を脱いで暑さをしのいでいたバルボラは、親子が言い争う声を聞いた。美倉に熱を上げるあまり離婚するとまで言い出した妻を、亭主は手にかけていた。そして妻に似て美しく成長した娘に欲情していたのだ。母に偽装してファンレターを出したのは娘だった。父を拒絶した娘は美倉の寝室に忍び込み、「あたしを抱いて」と迫る。するとそこに怒り狂って猟銃をかまえた父親が怒鳴り込んできて、美倉を殺そうとした。バルボラは美倉の手を引いて逃げ、後を追った父親は階段から足を踏み外して死んでしまった。
芸術の女神バルボラ
美倉の海外の友人、ルッサルカが美倉を訪ねてきた。ルッサルカはウルカ共和国を代表する作家だが、反政府運動に力を入れてからはほとんど書いていない。彼は活動のために特務機関に追われて亡命中の身だった。ルッサルカは空港で美倉に会い、傍らにいるバルボラを見るなり血相を変えた。
ルッサルカはバルボラのかつての恋人だった。バルボラを連れて京都に行った際にバルボラを見失い、それっきりになっていた。ルッサルカは「バルボラなしでは書けない」とバルボラを取り戻そうとするが、バルボラはけんもほろろに振ってしまう。ルッサルカは何も知らない美倉に、「彼女はミューズなんですよ」と語った。芸術の女神ミューズたちの末の妹、それがバルボラなのだ。ルッサルカは黒人の娘の姿をしたバルボラに出会い、数々の傑作を生み出した。しかしバルボラが彼の元を去ったことでツキに見放され、彼女の正体を知った。
ルッサルカの言葉を信じない美倉だったが、それどころではなくなってしまった。ルッサルカを追ってきた殺し屋がマンションの入り口までやってきたのだ。美倉とルッサルカはバルボラの手引きで、バルボラの母親だという「ムネーモシュネー」が住んでいる骨董品店に駆け込む。そこは路地裏にあるにも関わらず、山のような芸術品に埋もれていたが、美倉は「どうせすべて模造品だろう」と高を括る。
美倉がふと気づくと、ルッサルカがいない。バルボラによるとパスポートを落として探しに行ったのだという。あわてて追いかけた美倉だったが、「お前が殺し屋に情報を流してパスポートを盗んだのだな」と怒るルッサルカに殴られる。そのままルッサルカはどこかへ消えてしまった。
訳もわからず友情が壊れてしまった美倉が店に戻ると、バルボラがパスポートを持っている。ルッサルカから盗んだのだ。怒り狂う美倉だったが、ムネーモシュネーは「娘があんたのためにやったんだ」と言って美倉をたしなめた。彼女いわく、「芸術家とはただ芸術にだけ打ち込んでいなければならず、政治や金にうつつを抜かせばたちまち腐ってしまう。ルッサルカと付き合っていれば美倉も遅かれ早かれそうなっていた」という。美倉はやけになってムネーモシュネーとバルボラと共に前後不覚になるまで飲みあかした。別れ際、ムネーモシュネーは「娘をかわいがってやって」と言って、美倉に1枚の絵をくれた。
後日、美倉はルッサルカから電話で助けを求められる。美倉はルッサルカにムネーモシュネーの店の場所を教えてそこに逃げ込むように言ったが、美倉が駆けつけたときルッサルカは撃たれて死んでおり、ムネーモシュネーの店は煙のように消えていた。混乱と悲しみにくれる美倉をさらに仰天させたのは、ムネーモシュネーからもらった絵が本物のピカソだという鑑定結果だった。
この事件の後、美倉がバルボラをモデルに書き上げた小説『狼は鎖もて繋げ』は大当たりし、作家・美倉洋介を代表するベストセラーとなる。
魔女バルボラ
人気小説家である美倉に、その父親と同郷だという政治家の里見権八郎(さとみ ごんぱちろう)が接近してくる。美倉の人気を見込んで、次の選挙で後援会会長になってくれと言うのだ。政治に関心がなく、自分に政治が務まるとも思えない美倉は「厄介なことになった」と辟易するが、里見の娘の志賀子(しがこ)も美倉に接近してくる。志賀子はバルボラをあからさまに敵視し、とっくみあいの喧嘩にまで発展してしまう。
里見の強引な勧誘を美倉が断り切れず困っていた頃、里見が急病に倒れるという事態が起きた。美倉が目を白黒させながら家に戻ると、バルボラが「これ買ったんだ」といって、こぎれいなワンピースを着て現れる。小汚く品のないフーテンではなく、蠱惑的な女になったバルボラがそこにいた。バルボラは「先生の奥さんになろうと思って」と言って、美倉にしなだれかかった。
バルボラへの愛情を自覚した美倉だったが、家の中に針の刺さった人形が落ちているのを発見する。その人形は里見に似ていた。「政治家なんかと口をきかないで」と言い募るバルボラを振り払った美倉が病院へ行くと、里見は「わしに変わって都知事選に出てくれ」と美倉に頼み込んで死んでしまった。
図書館で人形を使った魔術について調べて美倉は、あの人形が間違いなくブードゥーの魔術の産物であり、バルボラが魔女なのだと確信する。美倉は魔女を愛してしまったのだ。
バルボラが魔女であることを知った美倉だったが、バルボラへの愛情は強固なものだった。美倉はバルボラと結婚するという希望を胸に、新作『緋の棘(ひのとげ)』の執筆にとりかかる。するとバルボラから、「結婚式は黒ミサの方式でやる」という通達が出された。バルボラの「親戚」がうるさいのだという。美倉側の参列者は、立会人ひとりだけが許されるという。半信半疑の美倉だったが、後日「偉大なる地母神」協会の日本支部長という人物が訪ねてきて、怪しげな手続きをしていった。
美倉は立会人に、作家仲間の筒井隆康(つつい たかやす)を選んだ。悪魔的ユーモアに満ちた小説を書く筒井は、喜んで立会人を引き受ける。
結婚式の当日、美倉は筒井と共に会場へ向かった。どこかの建物の地下で行われる黒ミサの儀式は、全員が裸で参列し、生贄が捧げられ、マリファナまで用いた本物の儀式だった。しかし、儀式が終わる前にどういう訳か警官隊が押し寄せ、式は中止になってしまう。美倉と筒井が警察に尾行されていた。美倉が式の前に、出版社の社長に結婚のことを話したのが警察へ伝わったのだ。バルボラは泣き崩れ、ムネーモシュネーは美倉を徹底的に非難する。
それっきり、バルボラは美倉の前から姿を消した。美倉は方々を探したが、バルボラの消息を掴むことはできなかった。スキャンダルが災いしたのか小説家・美倉の人気は地に落ち、『緋の棘』もお蔵入りとなった。美倉に残されたのは三流雑誌の仕事だけだった。
そんなある日、大阪にいる筒井から電話がかかってきた。バルボラに似たフーテンが目撃されているというのだ。美倉は大阪へ飛んで町を歩き回り、とうとうバルボラを発見する。しかし彼女は「ドルメン」と名乗って関西弁で話し、美倉のことなど全く覚えていなかった。美倉は「彼女はバルボラではないのだ」と判断し、帰るしかなかった。
バルボラを求めて
バルボラの失踪から1年後、美倉は志賀子と結婚した。志賀子はまだ名声の名残があった美倉を政治家にしようと考えて色々と手を回したが、美倉が政治家になることはなかった。さらに5年後、三流以下の小説家として貧しい生活を送る美倉は全く書けず、生まれたばかりの子どもと金策に奔走する妻に当たり散らす生活を送っていた。
あるとき、美倉は偶然にも画家の家に住みついているバルボラを発見する。バルボラはやはりドルメンと名乗って関西弁を話し、大阪で会ったときの美倉しか覚えていなかった。美倉は自分を強く拒絶するバルボラに逆上し、土手で首を絞めて殺してしまう。錯乱して自殺を試みた美倉だったが、志賀子が医者を呼んだことで怪我で済んだ。美倉は新聞を確認したが女の死体など見つかっておらず、バルボラを殺した土手にも何もない。さらに、生きているバルボラを目撃して魔術や呪いについてわめきちらした美倉は精神病院に入れられてしまった。
バルボラを求めて正気を失っていく美倉だったが、病院でバルボラの母親のムネーモシュネーに遭遇する。バルボラはムネーモシュネーに助けられていたのだ。「金輪際会いたくない」というバルボラの意思も無視して彼女に会いたがる美倉に、ムネーモシュネーはある人物を紹介する。それは「偉大なる母神」協会日本支部の会長で、偉大な呪術師である立場陰堂(たちば いんどう)だった。立場は神聖な儀式を冒とくした美倉を糾弾し、「これ以上われわれに関わろうとするならただではおかない」と警告する。それでもバルボラに会おうとする美倉は無理矢理病院を抜け出してムネーモシュネーについていき、バルボラに対面する。バルボラは美倉を見て「人殺し!」と叫んだ。ムネーモシュネーによると、あまりにもショックが大きかったバルボラの記憶をムネーモシュネーが消したのだという。
なんとしてもバルボラと添い遂げようとする美倉は力づくでバルボラを連れ出した。ひどい幻覚に襲われ、立場の声に脅されても、美倉は決してバルボラを手放さない。立場は「お前はあと5時間の命だ」と宣告して、幻覚をといた。
美倉はバルボラとふたり、人気のない場所に寝転んで最後の時間を過ごす。バルボラはいつのまにか記憶が戻っていた。バルボラは自分の人生を振り返って「どこへ行ったってうまくいきっこない」「ズボラだから普通の生活あわねーんだ」と話して聞かせる。美倉が「これまで何人の芸術家と付き合ったんだ」と聞くと「100人くらい」と答えた。バルボラが見切りをつけた男はみんな野垂れ死んだという。
5時間が経つと、バルボラが金でやとったチンピラが運転する車がつっこんできた。交通事故に見せかけると後が楽なのだという。もっとロマンティックな死に方だと思っていた美倉は思わず逃げ惑う。するとチンピラが運転する車がバルボラにぶつかってしまい、バルボラは意識を失った。美倉は意識のないバルボラを抱えて逃亡することを決める。
美倉が行きついたのは、筒井が用意してくれた小屋のような別荘だった。何日経ってもバルボラは目を覚まさず、ある日とうとう心臓が止まってしまった。しかし体温を失うことも腐り始めることもなく、まるで毒りんごを食べた白雪姫のように目を閉じたままなのだった。小屋は深い霧に包まれ、食料はつきた。美倉はなんとか脱出しようとするがどうにもならず、死んだままのバルボラを前に飢えていった。すると、美倉の中にものを書いてみたい衝動が沸き起こった。美倉は朦朧とする意識のまま、原稿用紙に最後の作品を書き殴った。
美倉が飢えで指一本動かせなくなった頃、小屋にドライブ中のチンピラ集団がやってきた。チンピラたちは2つの死体と、原稿用紙の束を発見する。彼らは小屋に火をかけ、原稿用紙を持ち去った。
松本麗児(まつもと れいじ)という本好きの漫画家が、バルボラとムネーモシュネーというふたりの女に出会う。彼は失踪した美倉洋介の最後の作品について語る。『ばるぼら』という、怪奇と不条理に満ちた私小説だ。書き出しは「都会が何千万という人間をのみ込んで消化し、たれ流した排泄物のような女…それがバルボラ」。
美倉は記憶をなくしたただの老人となって、二度と表舞台に戻ってくることはないのだった。
『ばるぼら』の登場人物・キャラクター
美倉洋介(みくら ようすけ/演:稲垣吾郎)
『ばるぼら』の主人公で、「耽美派の天才」と呼ばれる売れっ子小説家。本人は「耽美主義をかざして文壇にユニークな地位を築いた流行作家」と思っている。
異常性欲に悩まされており、美女と思い込んでマネキンを抱こうとしたり、父と娘の愛憎劇に巻き込まれたりする。新宿駅でフーテンのばるぼらを拾ったことをきっかけに、芸術の神にまつわる妖しく恐ろしい世界に踏み込んでいく。
バルボラ(演:二階堂ふみ)
美倉が新宿駅で拾った、アルコール依存症の浮浪者。いつも酔っており、町をふらついては喧嘩やセックスに明け暮れている。
正体は芸術を司る女神であり、魔女でもある。愛した男は素晴らしい作品を生み出すが、彼女に見限られた男は破滅する。
ムネーモシュネー(演:渡辺えり)
自称、バルボラの母親。新宿の裏通りで骨董屋を営んでいる。
ギリシア神話で芸術を司るミューズたちの母親が「ムネーモシュネー」という。記憶を司る神だ。
立場陰堂(たちば いんどう)
Related Articles関連記事
トキワ荘とは?歴史・逸話・トリビア・暮らしていた漫画家・メンバー・どこにあるかを紹介!
トキワ荘(トキワそう)とは、かつて東京都豊島区南長崎三丁目にあった木造2階建アパート。1953年から1962年頃まで、手塚治虫や藤子不二雄などの日本の漫画界の黎明期を支えた超一流の漫画家たちが共同生活を送っていたことで知られる建築物である。1982年に老朽化により解体されるも、「漫画の聖地」として非常に知名度が高い。現在も「トキワ荘マンガミュージアム」や「トキワ荘プロジェクト」の形で漫画界にその名を残している。 本記事では、トキワ荘に関する情報と、ここで暮らしていた漫画家たちについて紹介する。
Read Article
火の鳥(手塚治虫)のネタバレ解説・考察まとめ
『火の鳥』とは漫画界の巨匠、手塚治虫の描く漫画作品。その血を飲むと永遠の命が得られる伝説の鳥である「火の鳥」。この伝説の鳥を巡り、古代から未来へ、未来から古代へ。またミクロからマクロへ、マクロからミクロへと想像を絶するスケールで世界が流転する。文明の進化と衰退、科学の罪、生命進化、人間の心と、「火の鳥」を狂言回しに、あらゆる要素を紡ぎ、手塚治虫が読者へ送る「究極の物語」だ。
Read Article
ブッダ(手塚治虫)のネタバレ解説・考察まとめ
『ブッダ』とは、漫画家・手塚治虫が手がけた、仏教を生み出した釈迦こと「ブッダ」の物語についての漫画作品である。少年漫画雑誌『希望の友』(潮出版社)にて、1972年〜1982年まで連載された。後のブッダである主人公「ゴータマ・シッダルタ」が苦悩しつつ仏教をどのように悟ったのかを描き出している。実在の人物と手塚治虫自身の創作の人物が入り混じっているも、2000万部を超える売り上げを記録し、非常に評価されている作品である。
Read Article
ブラック・ジャック(BLACK JACK)のネタバレ解説・考察まとめ
『ブラック・ジャック(BLACK JACK)』とは、手塚治虫の代表的な漫画作品の1つで、天才無免許医師が法外な治療費と引き換えに多くの怪我や難病を治療していく人間ドラマ作品。1973年~1983年に『週刊少年チャンピオン』で連載され、連載終了後も読み切り作品が掲載された。さらに、他の漫画家の執筆による作品も数多くあり、医療漫画のパイオニアにして、金字塔と言われる。映画、OVA、実写のTVドラマ、アニメなど、さまざまな形で映像化されてきた。
Read Article
三つ目がとおる(手塚治虫)のネタバレ解説・考察まとめ
『三つ目がとおる』とは、手塚治虫による漫画及び、それを原作とするアニメ作品である。無邪気な性格の中学生、写楽保介は古代種族三つ目族最後の生き残り。額の絆創膏を剥がすと第三の目と共に超知能、超能力を操る冷酷な人格が現れ悪魔のプリンスと化す。写楽は世界征服を目論む一方で、時にクラスメイトの和登さんらと共に古代遺跡絡みの陰謀に巻き込まれる。オカルトブームの中、人気を博し第1回講談社漫画賞を受賞。漫画の神と呼ばれた作者の没後初のアニメ化作品でもある。
Read Article
奇子(手塚治虫)のネタバレ解説・考察まとめ
『奇子』とは手塚治虫が小学館『ビッグコミック』に1972年1月25日号から1973年6月25日に連載していた漫画作品。戦後史最大の闇とされた下川事件をモデルにした事件を核に、旧家一族の愛憎劇を絡めた物語となっている。第二次世界大戦直後、天外仁朗(じろう)が外地から復員すると、実家には末の妹・奇子(あやこ)が増えていた。実は奇子は仁朗の義姉と彼の父親の不義の子であり、彼女の存在が家族間に緊張を生む。一方仁朗はGHQのスパイに成り下がり、司令部からの命令で様々な汚れ仕事や諜報活動に手を染めていく。
Read Article
アドルフに告ぐ(手塚治虫)のネタバレ解説・考察まとめ
『アドルフに告ぐ』とは、漫画家・手塚治虫が手がけた第二次世界大戦中のドイツと日本、そして3人のアドルフについての漫画作品である。『週刊文春』にて1983年1月6日〜1985年5月30日まで連載された。ヒットラー、カウフマン、カミル、3人のアドルフの人生が入り混じり、狂言回しの峠草平を中心に物語が進んでいく。1986年度の第10回講談社漫画賞一般部門を受賞し、手塚治虫の作品の中でもトップクラスの名作である。
Read Article
どろろ(手塚治虫)のネタバレ解説・考察まとめ
『どろろ』とは手塚治虫によって描かれた、戦国時代を舞台に奪われた自身の身体を取り戻すべく48の魔物を追う百鬼丸と、泥棒の少年どろろの旅を描く時代劇漫画である。1967年から1968年までは『週刊少年サンデー』に、1969年には『冒険王』で連載された。父親の野望によって、48の妖怪に身体を奪われた姿で誕生した百鬼丸。医者・寿海に助けられた彼は身体を取り戻すため妖怪退治の旅を続けていたある時、泥棒少年どろろと出会う。手塚オリジナルの妖怪が多数描かれており、カルト的なファンも多い。
Read Article
ジャングル大帝(手塚治虫)のネタバレ解説・考察まとめ
『ジャングル大帝』とは、手塚治虫による日本の漫画、及びそれを原作とするアニメ作品である。 壮大な自然を舞台に、主人公のレオを中心とした物語で、その中で動物たちの弱肉強食や人間の欲望、自然の脅威や素晴らしさを知ることができる。学童社の月刊漫画誌「漫画少年」に1950年(昭和25年)11月号から1954年(昭和29年)4月号にかけて連載された。アニメ作品も制作されており、手塚治虫初期の代表作であると共に、現代アニメの基礎となった作品である。
Read Article
七色いんこ(手塚治虫)のネタバレ解説・考察まとめ
『七色いんこ』とは1981年より手塚治虫が『週刊少年チャンピオン』で連載していた漫画、およびそれを原作とした舞台作品。シェイクスピアなどの海外古典から近代演劇まで、実在の演劇をベースにした1話完結の犯罪活劇。 七色いんこは、代役専門の天才役者。本人そっくりのメーキャップに、時には本人以上の演技力で観客を魅了する一方、劇場内の金持ちから金品を巧みに奪う泥棒でもある。警察から送り込まれた射撃・格闘に秀でた刑事、千里万里子(せんり まりこ)は七色いんこを追ううちに次第に彼に好意を抱くようになる。
Read Article
MW(手塚治虫)のネタバレ解説・考察まとめ
『MW(ムウ)』とは、手塚治虫による漫画作品。『ビッグコミック』誌上にて、1976年から1978年まで連載された。2009年には、玉木宏と山田孝之のダブル主演で実写映画版が公開されている。手塚治虫は1970年代の商業青年誌において、「同性愛」と「猟奇殺人」そして「個人VS国」や「善悪とは何か?」というタブー的な要素に取り組んだ。それらの要素が渾然一体となって作り出すドラマが作品の魅力である。南西諸島のとある小島で起きた事件で、人生を大きく狂わされた2人の青年を描いたピカレスクロマン作品である。
Read Article
鉄腕アトム(手塚治虫)のネタバレ解説・考察まとめ
『鉄腕アトム』とは、手塚治虫による漫画作品。テレビアニメ版や実写版など様々なメディアミックスが行われていることでも有名であり、手塚治虫の代表作の1つに挙げられている。『鉄腕アトム』の原作漫画は、光文社の月刊漫画雑誌『少年』にて1952年から1968年まで連載された。コミックスは、『講談社手塚治虫全集』全18巻をはじめ様々なバージョンが存在する。人間に似た心を持つ少年型ロボットアトムが、人間とロボットとの関係の狭間で地球の平和のために数々の難事件や敵に挑む姿を描いたSF作品である。
Read Article
ユニコ(手塚治虫)のネタバレ解説・考察まとめ
『ユニコ』とは手塚治虫がサンリオより出版の『リリカ』で1976年11月から1979年3月まで、小学館より出版の『小学一年生』で1980年5月号から1983年7月号まで連載した児童向けファンタジー漫画である。1981年には『ユニコ』、1983年には『ユニコ 魔法の島へ』のタイトルで映画化した。 一角獣の子どもユニコは、いじわるなビーナスに神の国を追い出され、西風の精に運ばれ様々な時空を旅することとなる。不思議な魔法を使えるユニコは、訪れる先で様々な人々と交流し、彼らに愛と友情を届けていく。
Read Article
シュマリ(手塚治虫)のネタバレ解説・考察まとめ
『シュマリ』とは、手塚治虫による明治時代初頭の北海道を舞台にした歴史漫画作品。『ビッグコミック』誌上にて、1974年から1976年まで連載された。手塚作品の中でメディアミックスされていないが、ファン人気の高い作品として知られている。骨太の主人公を中心に激動だった明治初期の北海道を描き切った大河ドラマ的作風は、手塚漫画の魅力をさらに広げたとも評されている。主人公の元旗本は、自分から逃げた妻と間男を追って北海道へやって来た。そこでアイヌの人々と文化に魅せられて「シュマリ」と名を変え生きていく。
Read Article
上を下へのジレッタ(手塚治虫)のネタバレ解説・考察まとめ
『上を下へのジレッタ』とは、手塚治虫がバーチャルリアリティーのような妄想世界「ジレッタ」を巡る騒動を描いたブラックユーモア漫画。才能と野心あふれるプロデューサー門前市郎(もんぜん いちろう)が「空腹の間だけ絶世の美女になる」という特異体質を持つ越後君子(えちご きみこ)と、その恋人の山辺音彦(やまべ おとひこ)を利用して名誉欲を満たそうと七転八倒する物語。 手塚作品の中では知名度は高くないが、2017年には妄想歌謡劇『上を下へのジレッタ』のタイトルで舞台化され、横山裕が主演を務めた。
Read Article
リボンの騎士(手塚治虫)のネタバレ解説・考察まとめ
『リボンの騎士』とは、手塚治虫による少女漫画、およびそれを原作にしたアニメや舞台などのメディアミックス作品。1953年から1956年まで連載された『少女クラブ』版、1963年から1966年まで連載された『なかよし』版、1967年連載の『少女フレンド』版の3種類がある。異世界を舞台に、男女の心を持ってしまった主人公サファイアが、悪人たちと戦う物語がファンタジックに描かれている。少女向けストーリー漫画の先駆け的な存在として知られており、後続作品に多大な影響を与えた。
Read Article
神の手を持つ男 ブラック・ジャックの生い立ちと謎について考察まとめ
手塚治虫の漫画『ブラック・ジャック』。一話完結の作品の中に完璧な人間ドラマを描きだす手塚治虫は間違いなく天才だったといえるでしょう。漫画を読んだことのない人はもちろん、ある人にとってもブラック・ジャックは謎の多い人物です。今回は間黒男がいかにして伝説の無免許医ブラック・ジャックになったのか、ブラック・ジャックとはいったい何者なのか、その本性に迫ります。
Read Article
マガジンの歴代ヒロインまとめ
『少年マガジン』は、日本でもっとも長く続いている週刊の少年漫画誌の1つである。その長い歴史の中で幾多の傑作を生み出し、日本の漫画文化を支えていった。「少年漫画」という縛りがあるため主人公の多くは少年だが、その活躍を支えるヒロインたちもまた物語に欠かせない存在として魅力たっぷりに描かれている。 幼馴染に学生、人外や異世界人と設定も様々なら、その関係性も恋人から友人、ライバルまで多種使用である。ここでは、マガジン作品を彩ったヒロインたちを紹介する。
Read Article
火の鳥の名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ
『火の鳥』はあの『鉄腕アトム』を生み出した漫画界の巨匠、手塚治虫による『火の鳥(不死鳥)』を題材とした長編漫画である。日本の漫画文化を代表する作品の一つ。仏教の「六道輪廻」の考え方を軸に「死と再生」を主なテーマとした壮大なストーリーとなっている。 全12編ともなる独立したストーリーの舞台が過去と未来を行き来する独特な構成や、宗教思想と漫画の融合が当時画期的であり、現在でも数々の作品に影響を与え続けている。 この記事では、生命の本質や人間の業を説くような火の鳥の名セリフの数々を紹介する。
Read Article
罪か癒しか?『火の鳥』各編の女性キャラ抜粋
手塚治虫氏未完の大作『火の鳥』。永遠の命、愛、名誉。種々の欲望入り乱れるこの物語を、火の鳥同様に彩る女性陣をまとめました。
Read Article
ぐるなびにて連載のエッセイ漫画【田中圭一のペンと箸-漫画家の好物-】をご存知ですか?
田中圭一先生と言えば、漫画界の巨匠・手塚治虫先生の絵柄で下ネタギャグな作風を確立したパイオニア。その田中先生が現在webサイト「ぐるなび」にて、漫画家ご本人とそのご家族にまつわる“食”にスポットを当てたエッセイ漫画を連載しており、これが大変おもしろい!ですのでこちらでは、田中先生の作品を通して、ご自身も漫画家や他分野で活躍されているご家族も紹介させて頂きます。
Read Article
手塚治虫の嫉妬伝説まとめ!とんでもない暴言の数々を紹介
「漫画の神様」と呼ばれた手塚治虫ですが、実は「嫉妬の鬼」としても有名でした。水木しげるや石ノ森章太郎など、人気漫画家への歯に衣着せぬ物言いにトラブルも絶えなかったそうです。ここでは著名漫画家への嫉妬にまみれた発言を紹介していきます。
Read Article
その姿は遠い過去か、近い未来か…?『火の鳥 未来編』まとめ
手塚治虫作品の代表格として頻繁に語られる作品・『火の鳥』。シリーズごと様々な時代の話があるこの作品の中、"最初にも最後にも置ける"、一風変わった立ち位置に在る未来編についてまとめました。
Read Article
天才音楽家・ベートーヴェンを独自の解釈で描く…!!
言わずと知れた天才音楽家・ベートーヴェン。彼の半生をある男の数奇な運命と絡めて描く、『ルードウィヒ・B』と言う作品について紹介します。
Read Article
宮崎駿とウォルト・ディズニーはどっちが上かアニメファンが大論争!「手塚治虫と比較するべき」という声も【ジブリ】
数々の名作を世に送り出してきた宮崎駿とウォルト・ディズニー。どちらがすごいのか、アニメファンの声をまとめました。両者が偉大過ぎて比べられないといったものや、それぞれを支持する理由を掲載。中には「宮崎駿ではなく、手塚治虫とウォルト・ディズニーを比べるべきだ」といった声も。ファンたちのツイートや、宮崎駿の反応を紹介しています。
Read Article
[このキャラどっかで見たかも!]スターシステムのあるマンガまとめ
マンガを読んでいて、自分の思入れのあるキャラが同じ作者の違う作品に出ていたらテンションあがりますよね。 そこでそんな「スターシステム」が使われている作品をまとめました。
Read Article
【ブラック・ジャック】記念すべき第1話「 医者はどこだ!」のネタバレと感想
「鉄腕アトム」や「火の鳥」「ジャングル大帝」などの名作を世に生み出した手塚治虫先生。そんな彼の作品の中で「医療漫画の傑作」と言われ、現在でも高い支持を集めているのが「ブラック・ジャック」です。今回は2004年に発売された新装版の特徴を踏まえながら、第1巻収録話についてまとめていきます。(※参考画像なし)
Read Article
何でも治せる手腕と心。『ブラック・ジャック』に登場した「人間以外の患者」たち
漫画の神にして医学博士、手塚治虫の遺した医療漫画『ブラック・ジャック』。どんな難病、怪我も手術で治してしまえる手腕を持つ彼のこと、人間以外の動物や、果ては無機物も治療してるんです。
Read Article
ブラック・ジャック名言・名セリフまとめ【それを聞きたかった】
ここでは手塚治虫の傑作漫画の一つ、『ブラック・ジャック』に登場する名言・名セリフを紹介する。ブラック・ジャックの台詞だけでなく、彼の恩師の「人間が生きものの生き死にを自由にしようなんておこがましいとは思わんかね」など、手塚治虫の哲学がうかがえる台詞をまとめている。
Read Article
いつの時代も面白い!テレビアニメ『ブラック・ジャックシリーズ』
どうも。最近話題になっている「ヤング ブラック・ジャック」効果で再びB・Jブームが到来した筆者です。子供の頃に何気なく見ていたストーリーは、今改めて見ると中々に感慨深いものがあったりします。という事で今回は、テレビで連続放送されていたB・J各シリーズを1話無料動画と合わせてご紹介。
Read Article
死生観にドストライクなマンガまとめました
誰の中にもある「死生観」。客観的に見つめている深いマンガをまとめてます
Read Article
完結済の面白い漫画まとめ!寄生獣やAKIRAなど盛りだくさん!【全部名作】
完結しているおすすめの漫画をまとめてます!知らなかった作品や読んだことのない作品があった人はぜひ読んでみてください! 寄生獣やAKIRAなど今でも愛されている名作だらけですので最後までご覧ください!
Read Article
手塚治虫の名作『ブラックジャック』の集大成! 『ブラックジャック大全集』
手塚治虫の名作が最も美しく甦る。 『ブラックジャック』は過去、秋田書店等で何度か単行本化されているが未収録作品がいくつかある。 しかし本書は、過去の単行本化された中で未収録作品が3話と一番少ない。 なお、この3話(「指」・「植物人間」・「快楽の座」)は手塚プロダクションの意向により今後も掲載されることはないため、この『ブラックジャック大全集』が〈完全版〉と言えるだろう。
Read Article
心揺さぶられる!漫画に登場する名言・名セリフまとめ
日常的に何気なく読んでいるマンガのセリフに、ふと心を揺さぶられて思わず涙を流したことがあるという人は多いのではないだろうか。スポーツ・医療・ファンタジーなどマンガには様々なジャンルがあるが、その中には著者の想いが込められた「アツい」名言・名セリフがちりばめられている。本記事では漫画に登場する「名言・名セリフ」を、五十音順にまとめて紹介する。
Read Article
神の手を持つ男、ブラックジャックが進化して戻ってきた!!
10月よりアニメ放送が開始された『ヤングブラック・ジャック』。腕は確かながらも、常識では考えられない高額な手術費を要求するブラックジャックが闇医者になるまでの過程を描いた物語。口調は相変わらずながら若干ピュアさの残る医学生時代のブラックジャックに注目!
Read Article
1話から迫力のある手術シーンが…!【ヤングブラック・ジャック】第1話 まとめ
秋から放送されている新アニメ『ヤングブラック・ジャック』の第1話を簡単にまとめてみました!ネタバレを含みますので、ご覧になる際はご注意を。
Read Article
タグ - Tags
目次 - Contents
- 『ばるぼら』の概要
- 『ばるぼら』のあらすじ・ストーリー
- フーテン女バルボラ
- 芸術の女神バルボラ
- 魔女バルボラ
- バルボラを求めて
- 『ばるぼら』の登場人物・キャラクター
- 美倉洋介(みくら ようすけ/演:稲垣吾郎)
- バルボラ(演:二階堂ふみ)
- ムネーモシュネー(演:渡辺えり)
- 立場陰堂(たちば いんどう)
- 甲斐(かい)
- 里見権八郎(さとみ ごんぱちろう/演:大谷亮介)
- 里見志賀子(さとみ しがこ/演:美波)
- 筒井隆康(つつい たかやす)
- 松本麗児(まつもと れいじ)
- 『ばるぼら』の用語
- 狼は鎖もて繋げ(おおかみはくさりもてつなげ)
- 緋の棘(ひのとげ)
- 『ばるぼら』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 美倉洋介「のんだくれでグータラでうすぎたなくてあつかましくて…無責任で気まぐれでおせっかいで気違いじみてる」
- 『ばるぼら』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 目標額の262%を達成したクラウドファンディング
- 映画『ばるぼら』の監督は手塚治虫の息子・手塚眞