
『未来人カオス』とは、手塚治虫原作のSF漫画。『週刊少年マガジン』にて、1978年に連載された。連載当時一大ブームを巻き起こしたSF映画『スターウォーズ』の影響が濃い作品と評されており、SFに友情の要素を絡めたストーリーテリングや個性的な異星人キャラクターなどが描かれて多くのファンを魅了した。主人公の青年、須波光二(すなみこうじ)が無二の親友大郷錠(だいごうじょう)に裏切られて宇宙に捨てられた後、名前をカオスと改めて生き延び異星人との邂逅を果たして友情を育んでいくという大河SF作品である。
『未来人カオス』の概要
『未来人カオス(みらいじんカオス)』とは、手塚治虫原作の長編SF漫画。『週刊少年マガジン』誌上にて、1978年4月16日号から1979年1月1日号まで連載された。コミックスは、講談社手塚治虫漫画全集全3巻、講談社グランドコレクション版全2巻、講談社漫画文庫版全2巻、講談社手塚治虫文庫全集版全2巻など、様々なバージョンが刊行された。また、講談社手塚治虫全集版が電子書籍化された。アニメ化や実写化などメディアミックスされることの多い手塚漫画の中で、それが展開されていない珍しい作品でもある。
『未来人カオス』の大きな特徴の1つに、大ヒットSF映画『スターウォーズ』の影響がある点が挙げられる。同作品が連載された1978年は、『スターウォーズ』シリーズの記念すべき第1作目エピソード4が日本で公開された年でもあり、国内で一大ブームを巻き起こしていた。特撮作品では、東映が制作した映画『宇宙からのメッセージ』とテレビ作品『宇宙からのメッセージ 銀河対戦』や、東宝制作の映画『惑星大戦争』などが『スターウォーズ』の影響下にあると言われているが、漫画においては『未来人カオス』をそうした作品に挙げる声も多い。但し、手塚治虫自身は、同作品が『スターウォーズ』の影響下にあるとは明言していない。
また、『未来人カオス』は、「友情とは何か」というテーマがストーリー全体に流れている作品として知られている。手塚は、長編大河ドラマを得意にしている漫画家であり、人間関係の複雑さを描くことに長けていた。そのような彼が、真っ向から友情を描くことは珍しいとされており、同作品に太い骨子を与えることに成功したと高く評価されている。なお、『未来人カオス』は「第1部完」という形で終了しており、手塚の死去に伴って未完作品と位置付けられている。
『未来人カオス』は、須波光二(すなみこうじ)と大郷錠(だいごうじょう)の2人を狂言回しにして、2人の友情とその崩壊が描かれている。そして、大郷によって殺害され、復活後流刑星バカラ・サテライトに放り出された須波が、カオスと名前を変えて多くの異星人との邂逅を果たし、多くの困難に立ち向かいながら友情を温めていく長編SF大河ドラマ作品である。
『未来人カオス』のあらすじ・ストーリー
親友の裏切り
須波光二(すなみこうじ)と大郷錠(だいごうじょう)は、幼馴染で無二の親友だった。2人はともに頭脳明晰で、超難関の銀河総合アカデミーの最終試験に残っていた。試験直前、大郷は謎の男性奇本(きもと)に拉致され、「須波を殺害すればアカデミーに合格しその後の地位も約束する」という恐るべき計画を提案された。その場では断った大郷だったが、自身が最終試験に落第し須波は受かり、恋人の由利アンヌ(ゆりアンヌ)が須波に色目を使ったことを知って須波殺害を実行に移す。一方の須波は、突如自分の前に現れた由利アンヌのクローンから自分が大郷に殺されようとしていると忠告されるも、信用しなかった。そして、最終試験以降行方をくらましていた大郷のことを心配していたが、彼に刺殺されてしまう。アンヌのクローンは、須波の遺体を宇宙の果てへと運んだ。そこには、謎の存在オパスがいた。アンヌのクローンは、オパスによって遣わされていた。オパスは、須波をクローン技術で生き返らせたのだった。
宇宙で生き延びるカオス
オパスのクローン技術で蘇った須波は、大郷が自分を殺した理由を知りたがる。そして、アンヌのクローンを騙して瞬間移動を使って地球へと戻った。地球は10数年の時が流れており、大郷は宇宙移民局局長に出世している。須波は大郷の前に姿を現し、真意を問い質したが、大郷は何も語らず部下に彼を捕らえさせて囚人として流刑星バカラ・サテライトへと追放した。バカラ・サテライトの所長は、大郷に楯突いた須波を要注意人物と位置付け、「カオス」という名前を与えて徹底的に虐待する。気持ちが折れそうになったカオスを支えたのは、彼と同じように裏切りに遭って囚人となった男性エランバだった。エランバの励ましを受けたカオスは、所長のいじめに耐え続けた。ある日、バカラ・サテライトに流星群が襲来し、カオスとエランバ以外の人間が全員死亡する事件が起きる。自由を手に入れた2人は、バカラ・サテライトの開拓作業に勤しむが、今度はエランバが惑星の生物に襲われて亡くなった。誰も助けが来ないバカラ・サテライトに1人置かれてしまったカオスは、寂しさを紛らわすためにロボットを製作するも、ロボットの反乱に遭い破壊してしまう。果てしない孤独が、カオスを襲うのだった。
カオスと異星人たちの邂逅
ある日、バカラ・サテライトにて独りぼっちとなったカオスの前に、熊のような顔をした宇宙人が現れた。名前はムーザルといい、ホーカ星人という異星人である。ムーザルは、乗っていた宇宙船のアクシデントでバカラ・サテライトに不時着し、負傷していた。最初は彼を敵だと思い、捕虜のように扱っていたカオスだったが、次第に親交を深めていき彼に初めての異星人の親友ができたのだった。
ムーザルを迎えに来たホーカ星人は、カオスにある異星人の討伐を依頼する。とある惑星に住むベデルゴという種族は、星を訪れた者にタマゴを産みつけて殺害する寄生生物であり、ホーカ星人もその犠牲となっていた。カオスは、ベデルゴの女王と接触し、彼女から1人娘のマユを託されてしまう。その結果、カオスとマユはホーカ星人によってバカラ・サテライトに戻される。地球へ戻るチャンスを失ったカオスは、人の心を読むことのできるマユに苛立ちを覚えるが、マユの優しさに触れて以降は彼女とともにバカラ・サテライトで生きていくことを決意した。
マユは、カオスに宇宙人を相手にした商売を行うことを提案する。実はカオスは自分では気づいていなかったが、非常に弁が立ち商才に長けていたのだ。カオスが、バカラ・サテライトで商売を始めたことを通信すると、1人の宇宙コジキがやって来た。ジダールという名前のコジキに辟易するカオスだったが、チンピラ集団「ゼドー一家」の襲撃から助けられたことをきっかけに、ジダールと親交を結んでいくのだった。
惑星ダフネスへ向かうカオスと苦悩する大郷錠
ジダールの正体は、惑星ダフネスの元将軍だった。彼は先の王に仕えていたものの、政変に巻き込まれて今のダフネスの女王に妻と子供を殺害され、母星を捨てて宇宙コジキとなった経緯があった。ある時、バカラ・サテライトにダフネスの大臣がやって来て、ジダールに助けを乞う。固辞するジダールに対して、カオスが協力を申し出て2人は留守をマユに任せてダフネスへと向かう。
ダフネスの非常事態には、大郷が関わっていた。大郷は裏社会を牛耳っている老人、脾藤狂心(ひどうきょうしん)に脅されて強力な兵器ドギスをダフネスから奪ってくる任務を強制された。彼は脾藤の部下の閻魔(えんま)たちとともにダフネスへ赴き、そこでカオスと再会する。ダフネスの女王は、ドギスを大郷たちに渡した。そして、大郷たちはカオスとジダールをある惑星に置き去りにした。大郷はその後、閻魔からドギスを奪って、別の惑星へ彼らを置き去りにしてドギスを処分した。大郷の心の中には常にカオスへの嫉妬と劣等感があり、彼を殺害して以降は誰も信じられない孤独な心の持ち主となってしまった。大郷は、自分の心を潤してくれた女性の小郷千鶴(こごおりちづる)や婚約者のアンヌを殺害する。さらに、ドギスを処分したことが発覚したことで脾藤に殺されるが、奇本のクローン技術で生き返り脾藤を逆に殺害した。
一方のカオスは、ジダールの仲間の宇宙コジキたちに救出されてダフネスへと舞い戻った。カオスとジダールは、ダフネスでクーデターを起こす。その過程でカオスは、馬のような姿に変貌するケチャ症状に苦しむ女王の娘オリビヤと知り合った。オリビヤは実母の圧政を快く思っておらず、カオスたちのクーデター計画に手を貸す。クーデターは成功に終わるかに見えたが、ジダールが戦死するなど多くの犠牲を払ってしまう。ジダールに宇宙一の商人になれと励まされたカオスは、オリビヤの協力を得てロケットに乗り込み、無事にバカラ・サテライトへと生還したのだった。
宇宙商人カオスと宇宙移民局長大郷錠
バカラ・サテライトに戻ったカオスは、マユとともに商売を再開した。そこへムーザル夫婦が訪れ、彼らもカオスの仲間に加わった。カオスは次々に商売を成功させていき、宇宙商人として地球にまでその評判が届く存在となる。一大成功を収めた彼は、地球買い占めの野望を抱くようになり、それを実現させるべく一行を率いて地球を訪れた。しかし、大郷の襲撃を危惧したマユによって眠らされ、当初の約束だったタマゴを産みつけられそうになる。その場へカオスを殺害せんとする大郷が現れ、抵抗するマユを殺害した。目が覚めたカオスは、マユの死を知って大郷と肉弾戦を繰り広げる。すると、アクシデントが起きて2人はある小部屋に閉じ込められてしまった。次第に酸素が減りこのままでは2人とも窒息死してしまう状況下で、カオスは死を覚悟した大郷を鼓舞して、2人で協力し合って助けを呼び続けた。すると、救出隊がやって来て、カオスと大郷は生き延びた。カオスは一旦バカラ・サテライトに帰還することを決める。カオスの前に、クローン技術で蘇ったマユが現れ、彼は歓喜した。そして、大郷は再会を確信して、カオスたちの宇宙船を見送った。こうして、『未来人カオス』の物語は、『第1部完』の形で終了したのである。
『未来人カオス』の登場人物・キャラクター
メインキャラクター
須波光二(すなみこうじ)/カオス

須波光二
本作品の主人公。物語開始時点での年齢は不明だが、銀河総合アカデミーの試験を受けていることから10代後半だと考察されている。黒髪の日本人青年で、超難関の銀河総合アカデミー最終試験に合格するほどの頭脳の持ち主である。須波光二(すなみこうじ)は、大郷錠(だいごうじょう)と無二の親友の間柄であり、ともに銀河総合アカデミーに入ることを目指していた。しかしながら、須波だけが最終試験をパスしたことで、落第した大郷のことを気遣っていた。また、大郷の恋人由利アンヌ(ゆりアンヌ)が自分に靡いてきたことについても、彼女を打算的だと酷評したほど真面目で親友思いの性格だった。その後、奇本(きもと)に唆された大郷によって刺殺されたが、アンヌのクローンによって宇宙の彼方へと転送され、オパスのクローン技術で蘇生した。地球に戻った須波は、大郷に真意を問い質そうとするも、宇宙移民局局長となった大郷によって流刑星バカラ・サテライト送りとなるのだった。

カオス
バカラ・サテライトに送り込まれた須波は、所長から「カオス」という名前を与えられ、囚人として過酷ないじめを受けた。しかし、星に降り注いだ流星群の影響で収容所が全滅すると、生き残った囚人エランバとともにバカラ・サテライトで共同生活を営む。エランバの死後も、ホーカ星人のムーザルやベデルゴの少女マユ、そして宇宙コジキのジダールなど異星人たちとの交友を深めていく。ジダールの故郷ダフネスでの内戦を生き延びて以降は、宇宙商人として身を立てる決意をし、宇宙全体に名を馳せるほどの存在へと成長した。機械工学・地質工学などの知識や弁舌と商売の才能を有するカオスは、やがて地球を買い占める野望を持つに至り、大郷との関係にもケリをつけるべく地球を訪れた。大郷の妨害を恐れたマユの命懸けの抵抗と、その後に起きたアクシデントを大郷と2人で乗り越えたことを受けて、クローン技術で蘇ったマユや仲間たちとともにバカラ・サテライトへと戻った。なお、クローン技術蘇生以後のカオスの容姿は、髪が茶髪へと変化している。宇宙商人になって名を馳せた彼は、右眼に眼帯をするようになったが、その経緯は明らかにされていない。
大郷錠(だいごうじょう)

金髪を有する地球人の青年。須波の親友であることから、彼と同年であることが示唆された。親友思いの優しい性格だったが、自分よりも須波の方が優秀であることにコンプレックスを抱いている。その心の隙を奇本に突かれてしまい、須波殺害を条件とした銀河総合アカデミー合格・然るべき地位の確保を持ちかけられた。最終試験で不合格となったことと、アンヌの心変わりを受けて須波殺害を実行に移し、その後はアカデミー入学を経て宇宙移民局局長へ昇り詰める。この頃の彼は冷酷非道な性格に変貌しており、再会した須波をバカラ・サテライト送りにした。また、地球の増え過ぎた人口を抑制するべく宇宙移民政策を徹底して行っている。自分を脅迫してきたヤクザの大物、脾藤狂心(ひどうきょうしん)やアンヌを殺害するなど、その状況は常に孤独である。カオスに対する劣等感や嫉妬心も、決して消えることはなかった。宇宙商人として地球へやって来たカオスを殺害しようとしたが、2人とも生命の危機に瀕した際に力を合わせて乗り切ったことで親友時代を思い出し、バカラ・サテライトへ戻るカオスたちを見送った。
ムーザル
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数々の名作を世に送り出してきた宮崎駿とウォルト・ディズニー。どちらがすごいのか、アニメファンの声をまとめました。両者が偉大過ぎて比べられないといったものや、それぞれを支持する理由を掲載。中には「宮崎駿ではなく、手塚治虫とウォルト・ディズニーを比べるべきだ」といった声も。ファンたちのツイートや、宮崎駿の反応を紹介しています。
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![[このキャラどっかで見たかも!]スターシステムのあるマンガまとめ](https://renote.net/files/blobs/proxy/eyJfcmFpbHMiOnsiZGF0YSI6MTMwMiwicHVyIjoiYmxvYl9pZCJ9fQ==--3995fcd2a116cd4801ca083f2b401816216c5b53/img_0.jpeg)
[このキャラどっかで見たかも!]スターシステムのあるマンガまとめ
マンガを読んでいて、自分の思入れのあるキャラが同じ作者の違う作品に出ていたらテンションあがりますよね。 そこでそんな「スターシステム」が使われている作品をまとめました。
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ブラック・ジャック名言・名セリフまとめ【それを聞きたかった】
ここでは手塚治虫の傑作漫画の一つ、『ブラック・ジャック』に登場する名言・名セリフを紹介する。ブラック・ジャックの台詞だけでなく、彼の恩師の「人間が生きものの生き死にを自由にしようなんておこがましいとは思わんかね」など、手塚治虫の哲学がうかがえる台詞をまとめている。
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【ブラック・ジャック】記念すべき第1話「 医者はどこだ!」のネタバレと感想
「鉄腕アトム」や「火の鳥」「ジャングル大帝」などの名作を世に生み出した手塚治虫先生。そんな彼の作品の中で「医療漫画の傑作」と言われ、現在でも高い支持を集めているのが「ブラック・ジャック」です。今回は2004年に発売された新装版の特徴を踏まえながら、第1巻収録話についてまとめていきます。(※参考画像なし)
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何でも治せる手腕と心。『ブラック・ジャック』に登場した「人間以外の患者」たち
漫画の神にして医学博士、手塚治虫の遺した医療漫画『ブラック・ジャック』。どんな難病、怪我も手術で治してしまえる手腕を持つ彼のこと、人間以外の動物や、果ては無機物も治療してるんです。
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いつの時代も面白い!テレビアニメ『ブラック・ジャックシリーズ』
どうも。最近話題になっている「ヤング ブラック・ジャック」効果で再びB・Jブームが到来した筆者です。子供の頃に何気なく見ていたストーリーは、今改めて見ると中々に感慨深いものがあったりします。という事で今回は、テレビで連続放送されていたB・J各シリーズを1話無料動画と合わせてご紹介。
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死生観にドストライクなマンガまとめました
誰の中にもある「死生観」。客観的に見つめている深いマンガをまとめてます
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目次 - Contents
- 『未来人カオス』の概要
- 『未来人カオス』のあらすじ・ストーリー
- 親友の裏切り
- 宇宙で生き延びるカオス
- カオスと異星人たちの邂逅
- 惑星ダフネスへ向かうカオスと苦悩する大郷錠
- 宇宙商人カオスと宇宙移民局長大郷錠
- 『未来人カオス』の登場人物・キャラクター
- メインキャラクター
- 須波光二(すなみこうじ)/カオス
- 大郷錠(だいごうじょう)
- ムーザル
- マユ
- 須波光二の関係者
- 由利アンヌ(ゆりアンヌ)
- 由利アンヌのクローン
- オパス
- 所長
- エランバ
- カオスのロボット
- 大郷錠の関係者
- 脾藤狂心(ひどう きょうしん)
- 閻魔(えんま)
- 小郷千鶴(こごおりちづる)
- 奇本(きもと)
- 異星人
- ベデルゴの女王
- ジダール
- 宇宙コジキたち
- ボス
- 大臣
- ダフネスの女王
- オリビヤ
- イロン
- お尋ね者
- リガ第3星人の女性
- 『未来人カオス』の用語
- 須波光二と大郷錠に関する用語
- 銀河総合アカデミー(ぎんがそうごうアカデミー)
- クローン技術(クローンぎじゅつ)
- 宇宙に関する用語
- バカラ・サテライト
- ホーカ星人(ホーカせいじん)
- ベデルゴ
- 惑星ダフネス(わくせいダフネス)
- 惑星ダフネスに関する用語
- ドギス
- ケチャ症状(ケチャしょうじょう)
- 『未来人カオス』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 無二の親友である須波光二を刺殺した大郷錠
- カオス「さみしい…おれはここにいるぞー」
- マユ「カオス愛してるわ」
- 大郷錠「助けに来るぞ。よ…か…った…」/カオス「ワハーッ!!や…やったーッ!!」
- 『未来人カオス』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 手塚治虫最後の『週刊少年マガジン』連載作品となった『未来人カオス』
- 手塚治虫版『スターウォーズ』と評されることが多い『未来人カオス』
- 2人の青年を通して友情を真っ向から描いた『未来人カオス』
- 須波光二に似ているキャラクターが登場した『ブラック・ジャック』