三つ目がとおる(手塚治虫)のネタバレ解説・考察まとめ

『三つ目がとおる』とは、手塚治虫による漫画及び、それを原作とするアニメ作品である。無邪気な性格の中学生、写楽保介は古代種族三つ目族最後の生き残り。額の絆創膏を剥がすと第三の目と共に超知能、超能力を操る冷酷な人格が現れ悪魔のプリンスと化す。写楽は世界征服を目論む一方で、時にクラスメイトの和登さんらと共に古代遺跡絡みの陰謀に巻き込まれる。オカルトブームの中、人気を博し第1回講談社漫画賞を受賞。漫画の神と呼ばれた作者の没後初のアニメ化作品でもある。

公卿(くぎょう)

出典: tezukaosamu.net

声:佐々木望

『三つ目族の謎編』に登場。代々琵琶湖の底に眠る三つ目族の財宝を守っていた一族最後の生き残りで、琵琶湖で和登さんと出会う。
公卿曰く、自分の一族は短命の家系。公卿自身は白血病だった。額の札は少しでも長生きできるようにとのまじないであるのと同時に、超能力を封じるためのもの。遺跡の天井が崩れ下敷きとなる。

テレビ東京版ではゴブリン伯爵を超能力で倒し、力を使い切って死亡している。

マヌイ

出典: kuzure.but.jp

声:鷹森淑乃

『地下の都編』に登場した、精霊の巫女。和登さんに似ている。写楽が見つけた地下都市の石棺に眠っていた。住んでいた都が富士山の噴火で地下に埋没した時、一人石棺の中で祈りを捧げていたという。
写楽の前に姿を現すが幽霊ではなく、直接過去の世界を見せていた。写楽に、遺跡に眠る宝物を守ってほしいと頼み込む。

エビラ

出典: kuzure.but.jp

声:片岡富枝

『地下の都編』に登場。マヌイを護衛する女戦士。胸が大きすぎるためか弓は得意ではない模様。マヌイを和登さんと思い込んで無礼な態度をとる写楽を弓で殴るなど、若干過激な面はあるもののマヌイへの忠誠心は高い。
写楽が絆創膏を貼った状態でノラキュラたちを遺跡から追い払った後、出口まで案内をする。外に出ると土偶になっていた。

上底(あげぞこ)

写楽たちの学校に赴任してきた教員。担任の説明によるとコロンビア大学卒業後特殊才能の育児についての博士号を持つという。全ピキ連こと「全女性ピンカラキリマデ連盟」の一員であり、上底を怒らせると全国の女性が学校に怒鳴り込んでくる為、生徒がどんな体罰を受けても学校側は上底に厳しくできない。
徹底的に写楽を痛めつけることで和登さんを挑発し、絆創膏を剥がさせることに成功。三つ目になった写楽に主導権を握られるも、グリーブの元まで案内させた。最期はグリーブの暴走で行方不明となる。
雑誌掲載時はICPOの捜査官でCIAエージェントという設定。この時はグリーブの暴走で死んでいる。

ブラックホーン

上底の夫で、ナバホ族の学者。上底とはコロンビア大学で知り合い結婚したという。グリーブの研究をしており、グリーブの正体が重力制御装置であることを見抜いていた。重力異常に巻き込まれグリーブの危険性を思い知り、「仲間を大勢殺した」として自らの死を受け入れるが、妻のことは助けてほしいと写楽に懇願した。CIAのことは「鬼より怖い」として写楽と和登さんにCIAから逃げるよう促すも、ポーク・ストロガノフに撃ち殺される。

ポーク・ストロガノフ(雑誌掲載時はマクドナルド・ハンバーガー)

CIAの部長。インディアンを嫌っている差別主義者。ポーク曰くナバホ・インディアンは過激分子とのこと。インディアンたちからは鬼として恐れられていた。実際、写楽たちには表向き友好的に接したものの、グリーブの重力異常から逃れた生き残りのインディアンを、赤ん坊に至るまで徹底的に殺させている。
写楽たちを拉致し、グリーブ(重力制御装置)を作らせようとした。拉致の際和登さんと写楽に食事を出すが、それには睡眠薬を仕込んでいた。
写楽はインディアン虐殺を行うようなポークが単なる親切で食事を出すわけがなく、自分たちの行き先を知らせまいと睡眠薬を仕込んだポークの目論見を見抜いており、手をつけていない。

モア

出典: video.unext.jp

声:大谷育江/安達忍

トルテカ人の忘れ形見の巨鳥。写楽は親鳥から卵を託された。尻を膨らませ、尻袋に空いた穴から出るガスで空を飛ぶ。モアという名前は種名だが、写楽たちは雛鳥の方を「モア」と呼ぶ。写楽は卵から孵ったモアの子と友情を育んでいく。
一時犬持家で飼われており、ひと月で急激な成長を遂げてからは別荘に移された。貨幣やビール瓶のふたなどを飲み込むことがある。
行佐により、メキシコで調査をするよう説得された写楽は、モアや犬持らと共にメキシコに行く。金属を嗅ぎ付け飲み込むのは、かつてトルテカ人にそうしつけられた名残りで本能化しており、生きた金属探知機ともいえる。
ナチの生き残りであったヘパトームとその息子アドルフにより抹殺指令が出ていた。他者にトルテカ人の財宝を渡さない為である。
写楽が死んだと思い込み、ヘパトーム親子を殺すが逆にケツアルに殺されてしまい、写楽はモアの仇を討つ意味もあってケツアルと戦う。決戦の前、写楽はモアの心臓を焼いて食べたが、これは古代マヤ人が行っていた弔いの儀式である。結局モアの心臓が「うまかった」為全身平らげられたが、三つ目の写楽が泣いて弔うほど強い友情を持っていたことが分かる。

テレビ東京版では絶滅した種を復活させようとして失敗し、結果生まれた突然変異種とされる。原作同様にメキシコの地で死ぬが、三つ目ではなく絆創膏の写楽に墓を建てられて弔われた。モアの死で、写楽は日本に帰るとの気も起きないほど落ち込み、日本がスーパーボルボックの襲撃を受けていることを知っても墓の前から離れられずにいた。
この時写楽は、モアの幻を見、日本に帰るように言われていると感じている。

ペペ

声:辻村真人

メキシコ人で、セリーナの父(養父)。酒におぼれる日々を送っており、懸賞金目当てに写楽とモアをケツアルに売ろうとしたが、写楽たちに優しくされて考えを改めた。ケツアルの凶弾に倒れ、命を落とす寸前写楽に「セリーナを頼む」と言っている。
養女であるセリーナは三つ目族の子孫で、小さい頃にできた第三の目を「結婚に差し支える」として除去した。

ケツアル

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