三つ目がとおる(手塚治虫)のネタバレ解説・考察まとめ

『三つ目がとおる』とは、手塚治虫による漫画及び、それを原作とするアニメ作品である。無邪気な性格の中学生、写楽保介は古代種族三つ目族最後の生き残り。額の絆創膏を剥がすと第三の目と共に超知能、超能力を操る冷酷な人格が現れ悪魔のプリンスと化す。写楽は世界征服を目論む一方で、時にクラスメイトの和登さんらと共に古代遺跡絡みの陰謀に巻き込まれる。オカルトブームの中、人気を博し第1回講談社漫画賞を受賞。漫画の神と呼ばれた作者の没後初のアニメ化作品でもある。

出典: www.ebookjapan.jp

声:谷口節

殺し屋。モアの抹殺を依頼されていたが、それとは別にかつて三つ目族を大量虐殺したトルテカ人の血を引く者として写楽との直接対決を行う。トルテカ人の遺跡で致命傷を負い、死なばもろともと遺跡に火を放った。

テレビ東京版では悪の組織デビルコンツェルンの一員。メキシコの遺跡で死ぬことはなく、日本へ向かう潜水艦の中でスーパーボルボックに痛めつけられている。日本へ上陸し、モエギの第三の目を狙撃して殺害した直後に力尽きる。

ヘパトーム / ブラッドリー

声:島香裕

『怪鳥モア編』に登場。第二次大戦時、SSと呼ばれるヒトラーの親衛隊に所属していた。ケツアルを雇い、モアの暗殺を依頼した。ケツアルからは将軍と呼ばれている。目的はトルテカ人の財宝を資金に、ナチスを復活させることである。原作では、息子のアドルフと共に行動していた。
アラブとの強いつながりがある為「政治問題」としてインターポールでさえ手出しできない。トルテカ人の遺産を持ってヘリコプターで高跳びを試みるが、写楽が死んだと思い込んだモアにより殺される。

テレビ東京版ではブラッドリーという名前で登場。悪の組織、デビルコンツェルンのボス。スーパーボルボックの名付け親でもある。完成したスーパーボルボックの威力を知る為、手始めに日本を襲わせた。
しかしスーパーボルボックやモエギは人類を憎んでいた為デビルコンツェルンの言いなりにはならず、ブラッドリーはスーパーボルボックの反乱にあい死亡。

ガンケット、アロンゾ、ブッチャー

声:金尾哲夫(ガンケット)/森利也(アロンゾ)/安西正弘・桜井敏治(ブッチャー)

アニメオリジナルキャラクター。ブラッドリーの部下で、デビルコンツェルンの工作員。ガンケットはマシンガン、アロンゾは毒針の吹き矢、ブッチャーはブーメランと両端に重りの付いたロープをそれぞれ武器とする。
ブラッドリーの命令で、モアを狙って日本へ来た。

青玉(あおだま)

『怪植物ボルボック編』に登場。吾平の兄を名乗る古美術商。普段は東京におり、三途ヶ浜の実家の留守を吾平に任せているという。職業柄、三つ目の像などを目にする機会が多く興味を持っており、三つ目族のことをある程度知っていると話す。吾平がどこからか持ってきたエメラルド入りの土偶を目当てにしていたが、ナマズ(ボルボック)の球根ばかり持って来るので折檻していた。
吾平がいつも出入りする場所を探り当て、中に入るがボルボックにより温泉に引きずり込まれて白骨化する。吾平と似てはいるが青玉には第三の目がなく、吾平との正確な関係は不明。
テレビ東京版には登場せず、草井が青玉の役割りを受け継いでいる。

マクベス

声:大友龍三郎

『三つ目族の謎編』に登場。写楽の叔父だというゴブリン伯爵の部下。大柄だが少々間抜けな面もある。写楽を眠らせる為に睡眠薬を飲ませるが、通常の三倍飲ませすぎてなかなか目を覚まさない事態に陥っていた。ゴブリン伯爵もろとも琵琶湖の水に飲まれる。

写楽以外の三つ目族

写楽の母(しゃらくのはは)

声:高島雅羅

赤ん坊の写楽を犬持に託した。誰かに狙われているようなそぶりを見せ、落雷により頭部を失い死亡する。遺留品はその時着ていた服や靴のみで、写楽にとっては母との繋がりを示す唯一の品。

24時間テレビ版では実母ではなく乳母が写楽を犬持に託した。片言で写楽の名(「写楽保介」ではなく「写楽」とだけ言った)を告げ、パンドラたちに狙撃された後落雷を受け焼死している。

ゴブリン伯爵(媒体によっては男爵)

出典: tezukaosamu.net

声:青野武

『三つ目族の謎編』に登場。写楽の叔父を名乗る人物。写楽の母とは反りが合わなかったと語る。三つ目のサングラスを着けている。第三の目は痕跡(眼窩)しかなく、能力も使えない。青銅で出来た球体を犬持邸に送りつけてきた張本人である。絆創膏状態の写楽を連れ去り球体の謎を解かせようとするが肝心の絆創膏が剥がせずに断念。一旦写楽を帰して泳がせ、謎を解かせた。
絆創膏が剥がれた写楽により球体の解明が成されて琵琶湖に三つ目族の遺産があることが分かるが、湖の蓋が開いたことでその水圧により、湖底に飲まれていった。

テレビ東京版では公卿の超能力により死亡。

ゴダル王子

出典: video.unext.jp

声:伊倉一恵/和登さん憑依時:松井菜桜子

紀元前2400年、レムリヤで栄えた三つ目族の王子。頭頂部から辮髪を垂らし、まつげが濃い(テレビ東京版では眉毛が太めである)こと以外は三つ目の写楽に似ている。ウル王朝を滅ぼし、絶世の美女との噂のあるシグアナ姫を手に入れた。三つ目の写楽と同じかそれ以上に残忍で恐怖政治を敷き、三つ目族にとっても恐れられる存在だった。
そんなゴダルでも唯一頭が上がらなかったのがシグアナ姫である。ゴダルは姫に惚れこんで尻に敷かれた状態にあり、第三の目が弱点であることを見抜かれて絆創膏で封じられることも多かった。そんなある日、生きたまま魂を体から出す三つ目族の秘術、ホア・カバリ・キルマを見せるようせがまれる。初めは失敗の危険性や見世物ではないことを説いたゴダルだったが、根負けして秘術を実行、自ら薬を作り、自分の魂と肉体を分離した。
魂が抜けている間、シグアナ姫はゴダルの体を溶かし、壷に魂を封印した。これは姫による復讐だったが、ゴダルはそれを知っても尚彼女を愛していると言った。姫と瓜二つの和登さんの体から強制的に魂を追い出し、憑依する。
三つ目族の中でも特に強い念力を持っていたため、二つ目の体でも念力を使うことができる。和登さんの体に入った状態で下水の水を操り、かつての自分と似た写楽を翻弄して写楽の体に移動しようとした。初めは単に容姿が似ているという理由で乗っ取ろうとしたが、写楽が三つ目族だと知りますますその体を欲する。しかし(ゴダル曰く「幼稚な」)二つ目の脳ゆえに写楽の念力に勝てず、一旦体の自由を封じられる。
写楽からレムリヤ王国並びに三つ目族が滅亡したことを聞き、衝撃を受ける。二つ目族を滅ぼすのではなく、配下にするという写楽に表向きは大人しく従うが、写楽の体を乗っ取るべく隙を伺っていた。その目論見は失敗し、ホア・カバリ・キルマによって和登さんの魂が入っていた猫の体に入れられる。猫の体ではホア・カバリ・キルマを行えず、この秘術に必要な壷も火災で焼失したと思われる為五条大橋の辺りで薄汚い野良猫として暮らすこととなった。

テレビ東京版ではシグアナ姫に一目惚れをして妃として連れ帰る。自国の強大さに絶対の自信を持って疑わず、レムリヤ王国の妃となりながら自分になびかないシグアナ姫の心情を理解できなかった。また絆創膏を貼られることもなく強気の態度を取り、自ら三つ目族の偉大さを知らしめる為ホア・カバリ・キルマを行った。
原作では猫の元々の魂が壷に入り込んだ警官に入っていたが、アニメではゴダルと猫の魂が一つの体に同居する形となっている。

吾平(ごへい)

出典: anurito.genin.jp

ボルボックについて知る男。ナマズ(ボルボックの球根)を地面に植えるなど奇行が多く、誰からも相手にされない。吾平の兄を名乗る青玉の庇護のもと暮らしているが、陰で虐待を受けていた。写楽に脅されてナマズの元に案内させられた際、写楽がボルボックを怒らせたことで地盤が揺れて、吾平の額のコブに岩が直撃する。コブが割れて、吾平が三つ目族であることが発覚。自分の正体は知らなかったものの、コブに隠されていた第三の目の開眼により頭が冴えた吾平は、ボルボックに関する知識を写楽に話した。
ボルボックの意思を伝える者を自称し、写楽たちに「ボルボックには関わらない方がいい」と忠告する。
その後ボルボックによりコブで三つ目を封じられるが、後に三つ目状態となって再登場。ただし、味方として現れたわけではなくボルボックの使者として、ボルボックが三つ目族を滅ぼした理由を語る。組み立て直した環状列石(いざという時にボルボックに海水の雨をかけるためのもの)の操作により降ってきた豚に乗って逃走。そのまま物語から退場した。
兄だという青玉には第三の目が見られず、コブで三つ目を封じられているようでもなく青玉と吾平の正確な関係は不明。尚、テレビ東京版ではモエギが登場したため吾平の出番はない。

モエギ

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