地球を呑む(手塚治虫)のネタバレ解説・考察まとめ

『地球を呑む』とは、手塚治虫原作のサスペンス漫画。『ビッグコミック』誌上にて1968年から1969年まで連載された。長編漫画でありながら、随所にアナザーストーリーとしての短編が挿入された作風は後の漫画作品に多大な影響を与えた。また、所謂青年漫画のはしりとしても知られている。『地球を呑む』は、男性たちを翻弄して世界を滅ぼさんとする「ゼフィルス」という名前の絶世の美女、そして唯一ゼフィルスに惑わされない主人公の青年との人間ドラマを通して、世界の変容を描いたサスペンス大河漫画である。

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『地球を呑む』の概要

『地球を呑む』とは、手塚治虫原作の長編サスペンス漫画である。小学館刊の青年雑誌『ビッグコミック』の創刊号1968年4月号から1969年7月25日号まで連載された。同作品のコミックスは、小学館手塚治虫全集版全3巻、COMコミックス増刊版全2巻、小学館文庫版全2巻、講談社手塚治虫漫画全集版全2巻、小学館叢書版全1巻、講談社手塚治虫文庫全集版全1巻など多くのバージョンが刊行されている。また、講談社手塚治虫全集版が、電子書籍化された。

『地球を呑む』の大きな特徴は、少年漫画の絵柄で青年向きの物語が描かれた点である。それまでの大人漫画は、シンプルな描線によるナンセンスな展開の作品が多く、そこへ『ビッグコミック』によって手塚治虫の大河ドラマ的なストーリーが世に送り出されたことは、当時の読者に大きな衝撃を与えた。『地球を呑む』や、さいとう・たかを原作の『ゴルゴ13』、石森章太郎(現・石ノ森章太郎)原作の『佐武と市捕物控』を擁する『ビッグコミック』は、青年漫画というジャンルの形成に多大な貢献を果たした。また、同誌は手塚治虫の青年漫画作品の発表の場としても有名であり、『きりひと賛歌』や『陽だまりの樹』など多くの傑作が生み出されたのだ。さらに、長編漫画のストーリー内に、アナザーストーリー的な短編を挿入する手法は、後の漫画界に影響を与えたと評されている。

『地球を呑む』は、男性を誑かす絶世の美女ゼフィルスの復讐劇と唯一彼女に靡かない主人公の青年関五本松(せきごほんまつ)との関係を軸にして、世界恐慌と世界の崩壊を描いた長編サスペンス作品である。

『地球を呑む』のあらすじ・ストーリー

絶世の美女ゼフィルス

昭和17年8月、ガダルカナル島へ従軍していた帝国軍人で中尉の安達原鬼太郎(あだちはらきたろう)と少尉の関市松(せきいちまつ)は、脱走した捕虜のアメリカ人兵士を捕らえて処刑した。アメリカ人兵士が脱走した理由は、ゼフィルスという謎の美女に会うためだった。兵士からゼフィルスの写真を見せられた安達原と市松は、その絶世の美貌と妖艶な魅力に憑りつかれてしまい、腑抜けた状態になってしまう。ガダルカナル島の戦闘は敗色が濃厚となるが、2人はそれでもゼフィルスの面影を忘れることができず、彼女の情報を集めるのだった。

日本敗戦後の昭和4X年のある日、起業して大成功した安達原は市松の家を訪問した。2人はゼフィルスのことを今でも思っており、安達原は彼女が来日しているという情報を掴んでいた。そして、市松に協力を要請する。市松はその要請を受けて、1人息子の関五本松(せきごほんまつ)にゼフィルスの調査をさせることを約束したのだ。

関五本松とゼフィルス

関五本松は、父親と同じくその日暮らしをしている青年だが、腕っぷしが強いためゼフィルスの調査にはうってつけの人材だった。さらに、五本松は性欲や食欲よりも酒を愛する呑兵衛であり、地球を呑みつぶすという野望を持っていた。ゼフィルスが宿泊するホテルに潜入した彼は、程なくしてゼフィルスに出会い、彼女の手練手管で誘惑されそうになる。しかし、大酒飲みの五本松は、自分が幻覚剤を飲まされてダッチワイフを抱かされようとしていることに気づき、逆にゼフィルスを返り討ちにした。ゼフィルスの正体である女性ミルダは、自分のプライドを著しく傷つけた五本松を恨み復讐を誓うも、一方で彼に惹かれていくのだった。

ゼフィルスの過去

ゼフィルスの正体は、同じ名前を持つ女性の7人の娘たちだった。母親のゼフィルスは、かつて夫から酷い裏切りを受けて父親を亡くしており、自らも早逝してしまった女性である。ゼフィルスは、娘たちに世界へ復讐するように話しており、彼女らはその言いつけを忠実に守ってきた。ゼフィルスの協力者には、人工皮膚デルモイドZの開発者モンテ・クリトスがいて、デルモイドZのおかげでゼフィルスは絶世の美女として男性を騙すことができた。また、モンテ・クリトスが莫大な黄金を発掘したことで、ゼフィルスたちは自由に活動し、母親の遺言である「男性への復讐」、「社会秩序と貨幣経済の破壊」を実行している。しかしながら、ミルダが五本松を愛してしまい、彼女は姉たちを裏切って彼を守ろうとするのだった。

大恐慌

ミルダの裏切りという予期せぬ出来事があったものの、ゼフィルスの計画は順調に進んでいた。モンテ・クリトスが安達原コンツェルンにデルモイドZの権利を無償提供し、商品化されたことで犯罪が爆発的に増えて社会秩序が破壊される。また、ゼフィルスの住処であるマムウ共和国から大量の黄金が世界中にばら撒かれたことで、貨幣経済も破壊された。これらの出来事によって、世界恐慌が起き、やがて世界は本格的に崩壊していくこととなる。その最中、国防軍一等陸佐の野末風太郎(のずえふうたろう)は、ゼフィルスとミルダの鍵を握る人物である五本松を捕らえ、情報を得るために苛烈な拷問を加えた。そのことを知ったミルダは、かつて敵対していたモンテ・クリトスと協力して五本松の救出に成功する。五本松とミルダは、とある山奥で芋焼酎を造っている老婆の家へと逃げ込んだ。無限に酒を造る環境を得たことで喜ぶ五本松に対して、ミルダは本気の求愛をするのだった。

文明崩壊の果て

文明が崩壊した東京では、男性たちが物を取り争うことでその日の暮らしが決まるという原始時代を彷彿とさせる状況が繰り広げられていた。そこへ、山奥から絶品の芋焼酎を持って物々交換に来る2人の男女がいた。その正体は五本松とミルダである。五本松はある男性から結婚指輪を受け取り、対価として他の戦利品を全て彼に渡した。そして、教会へ赴くと2人だけの結婚式を挙げた。五本松はミルダの本気の愛を知り、酒以外にも愛する者を得たのだ。幸せの絶頂にある2人だったが、ミルダの姉たちが彼女を連れ戻しに来て、策略に嵌められた五本松が死亡してしまう。失意のミルダであったが、彼女のお腹には新たな命が宿っていた。

それから数十年後、五本松の忘れ形見である関六本松(せきろっぽんまつ)は、マムウ共和国の船乗りとして世界各地を回っていた。航海から戻った六本松は、ミルダを誘ってマムウ共和国から出ることを提案する。しかし、六本松の暴力性を危惧したミルダの姉たちに阻止されそうになり、ミルダは息子を庇って息を引き取った。家族という概念を持たない六本松だったが、ミルダの死に怒りを露わにして大暴れする。そして、爆弾でマムウ共和国と叔母たちを滅ぼすと、船に乗ってあてのない航海へと旅立った。こうして、『地球を呑む』の物語は完結したのだった。

『地球を呑む』の登場人物・キャラクター

メインキャラクター

関五本松(せきごほんまつ)

本作品の主人公。関市松(せきいちまつ)の息子で、父と2人で生活している。その日暮らしをしているようで常に極貧状態だが、酒が飲めて市松と一緒にいられることが関五本松(せきごほんまつ)にとってベストである。「飲む・打つ・買う」の中でも「飲む」に特化した嗜好の持ち主で、何よりも酒を愛している。安達原鬼太郎(あだちはらきたろう)の依頼でゼフィルスの調査に赴き接触するが、ゼフィルスの色仕掛けに全く靡かずにトリックを見破ったことで彼女たちの攻撃対象となった。次第にゼフィルスの正体の1人であるミルダに好意を寄せられていくが、全く意に介することなく常に酒を愛し続ける。世界崩壊の後もひたすら酒を求め、山奥で芋焼酎を作る老婆の跡をミルダとともに継いだ。ミルダの本気の求愛を受け入れて以降は彼女を真剣に愛するようになり、晴れて夫婦となった。しかし、ミルダを連れ戻しに来た彼女の姉たちの策略で爆死してしまい、息子の関六本松(せきろっぽんまつ)を見ることはなかった。

ミルダ

本作品のヒロインで、ゼフィルスの末娘。ハワード・H・ブリードを虜にするためにゼフィルスとして来日しており、その際に調査にやって来た五本松と出会った。ゼフィルスのトリックが全く通じない五本松に女性としてのプライドを傷つけられたことで復讐を誓ったものの、酒以外に欲のないある意味真っ直ぐな彼の人間性に惹かれていく。遂には五本松を救うために姉たちを裏切り、幽閉された。五本松と再会を果たした後、彼に真剣に求愛して結婚するも、姉たちに夫を殺害されてしまう。その後はマムウ共和国に閉じこもり、息子の六本松の成長を見守るが、彼を危険分子として殺害しようとした姉たちの襲撃から庇って命を落とした。

関五本松の関係者

関市松(せきいちまつ)

5scaprimavera1994
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