MW(手塚治虫)のネタバレ解説・考察まとめ

『MW(ムウ)』とは、手塚治虫による漫画作品。『ビッグコミック』誌上にて、1976年から1978年まで連載された。2009年には、玉木宏と山田孝之のダブル主演で実写映画版が公開されている。手塚治虫は1970年代の商業青年誌において、「同性愛」と「猟奇殺人」そして「個人VS国」や「善悪とは何か?」というタブー的な要素に取り組んだ。それらの要素が渾然一体となって作り出すドラマが作品の魅力である。南西諸島のとある小島で起きた事件で、人生を大きく狂わされた2人の青年を描いたピカレスクロマン作品である。

『MW』の概要

『MW(ムウ)』とは、手塚治虫による漫画。小学館刊行の青年漫画雑誌『ビッグコミック』にて、1976年9月10日号から1978年1月25日号まで全26話連載された。同作品のコミックスは『ビッグコミックス』版全3巻、『小学館漫画文庫』版全2巻、『小学館叢書』版全2巻、『講談社手塚治虫全集』版全3巻、『講談社手塚治虫文庫全集』版全2巻、『My First Wide』版全1巻、『復刊ドットコム 』版全2巻など様々な形態で発売されている。電子書籍で読むことができるのは、『講談社手塚治虫全集』版である。一方で『復刊ドットコム』版には、単行本化の際に加筆やカットされた雑誌連載時のオリジナルエピソードや全扉絵が収録された。『MW』は2009年に実写映画版が制作・公開されており、玉木宏と山田孝之のダブル主演で話題となった。実写映画版についてはDVDが発売されたほか、複数の動画配信サービスにて視聴することができる。原作者の手塚治虫は、青年誌において『ビッグコミック』を主要な作品発表媒体にしており、『きりひと賛歌』、『ばるぼら』、『陽だまりの樹』などの大ヒット作品を描いてきた。いわゆる世間一般でのタブーに切り込んだ作品も多く、『奇子(あやこ)』では「戦後日本の混乱」と「閉鎖的な村社会」、そして「近親相姦」などがストーリーの核となってる。『MW』については「同性愛」と「猟奇殺人」そして、「個人と国との戦い」や「善悪とは何か?」などの重苦しいテーマが暗い作風と共に描かれた。特に「商業誌で”同性愛”を描いた最初の漫画」と位置付けられており、ボーイズラブ漫画の先駆けと評する意見も少なくない。また、『鉄腕アトム』や『リボンの騎士』などの大ヒット作にもそこはかとなく散りばめられている手塚治虫の異形のものに対する好奇心や、自身の闇を表現したファン曰く「黒手塚」と呼ばれる作品群の中でも『MW』は代表的な作品だと言われている。

少年時代に誤って「MW」と呼ばれる毒ガスが散布された事件に巻き込まれた結城美知夫(ゆうきみちお)と賀来巌(がらいいわお)が、同作品の主人公である。成長した結城は善悪の区別やモラルが一切欠落した殺人鬼になり、賀来は神父になった。しかし、2人は道ならぬ関係にあることが判明する。結城は自分をこのような人間にした「MW」の謎に迫り、やがて「MW」を手中に収めんと動き始めた。結城と賀来の関係を中心に、1970年代中盤の日本の世相や世界における立場などを描いたピカレスクロマン作品である。

『MW』のあらすじ・ストーリー

プロローグ

ある日の早朝、子供の誘拐事件に絡む身代金取引が行われていた。警察が張り込んでおり、犯人を捕まえようとしたが失敗に終わってしまう。誘拐犯人はまんまと身代金を持った子供の父親を拉致することに成功し、父親をモーターボートに乗せて身代金を強奪したのだ。驚くことに誘拐事件は青年男性の単独犯であった。父親は息子を返してくれと懇願したものの、警察に知らせたことが犯人の逆鱗に触れたようで、ボート内には息子の変わり果てた遺体があった。犯人は激高した父親を海へ落として、そのままボートの車体をぶつけて惨殺してしまう。一方、とある教会では賀来巌(がらいいわお)という神父が悪夢にうなされていた。司教に理由を尋ねられても、賀来は悪夢の真実を答えることができない。すると、教会へ懺悔をしたいという男がやって来た。その男とは、なんと件の誘拐犯人だった。誘拐犯人が変装を解くと、そこには中性的な雰囲気をまとった美青年が表れた。青年の名前は結城美知夫(ゆうきみちお)といい、賀来とは旧知の関係であることが窺える。賀来は警察に追われている結城をシスターに変装させて逃がし、協力を求めてきた警察を煙に巻いたのだった。

道ならぬ関係

誘惑する結城(右)と拒否する賀来(左)

結城は、普段は「関都銀行新宿支店」に勤めている。彼が誘拐事件の標的にした人物は、銀行のお得意様だった。結城は猟奇的な殺人犯人でありながら、表では優秀な銀行員として振る舞っているのだ。今回の誘拐事件についても、結城が身代金1億円のナンバーを残さず控えて警察に渡すなど協力的な態度を取っている。このような功績が評価されて支店長は結城に栄転を打診するが、なぜか彼は「どこまでも支店長とご一緒に仕事を」と断るのだった。その日の夜、結城は繁華街で賀来と待ち合わせした。結城の部屋を訪れた賀来は、「もう君には協力できない」と話を始める。しかし、結城は彼の前で悩ましいポーズを取ると、そのまま彼に抱きついた。2人は同性愛の関係にある。しかも、1人は猟奇殺人鬼で1人は神父という奇妙な関係だ。結城の性技に溺れながらも、賀来は「主よ私をおさばきください!」と苦悩するのだった。

闇に葬られた事件

結城との関係に堪りかねた賀来は、翌日司教に懺悔を込めて自身の秘密を打ち明けた。賀来と結城の出会いは、15年前に遡る。当時の賀来は不良少年で、「カラス」という非行グループに所属していた。ある時、グループは沖縄県寄りの南西にある沖ノ真船島を訪れ、そこで島民相手に悪さの限りを尽くしていた。賀来はまだ下っ端だったためあまり知らなかったようだが、この島には某国軍の貯蔵庫があり、不良少年たちはそこから何かめぼしいものを盗もうと企んでいたのだ。そこへ、水をもらいに島を訪れたのが結城と彼の知人の青年である。結城が歌舞伎役者河本玉之丞(かわもとたまのじょう)の双子の弟だと知ったグループは、良い金蔓ができたと喜んで少年の世話を賀来に任せた。賀来と美知夫は、グループが潜む洞穴にて2人きりの一夜を過ごした。この時、賀来が結城に迫り、2人は肉体関係を結ぶこととなる。翌朝、グループのメンバーが誰も戻ってこなかったことを不審に思った賀来は、結城を連れ立って集落へと向かう。すると、グループのメンバーのみならずそこにいた島民たちが残らず苦悶の表情を浮かべて亡くなっていた。また、家畜や野鳥も死んでいた。すると、突然結城が頭痛と苦しさを訴えて嘔吐し始める。賀来は、何か毒ガスのようなものがばら撒かれたと敏感に察知して、結城を連れて島から脱出した。しかし、それ以来結城には善悪の判断や道徳心というものがなくなってしまい、殺人に手を染めるまでになる。どうやら、沖ノ真船島で撒かれたガスの影響のようだった。賀来の告白を聞いた司教は、彼に結城を導いて罪を償わせ、自分も懺悔するように説教した。沖ノ真船島の事件については、一切が隠蔽され日本国民の目に触れることなく現在に至り、事件に巻き込まれた側の生き残りは結城と賀来のみだった。

結城の復讐

善悪の区別がつかない、それでいて頭脳明晰で体力もある結城は、ただ無差別に殺人をしているわけではなかった。彼の目的は、自分の人生を狂わせた毒ガスをばら撒いた人物・関係者に対する復讐である。そのために結城は沖ノ真船島の住民を徹底的に調べ上げ、事件の関係者や毒ガスが「MW(ムウ)」という名前であることを突きとめていた。関都銀行新宿支店長が沖ノ真船島出身者だとわかった結城は、彼の娘の美保に近づき性行為の途中で薬物を注射して死亡させると、美保に変装して銀行強盗や要人誘拐を働いて支店長を精神的に追い込む。遂には、沖ノ真船島事件の内容を話した上で、支店長をも殺害するのだった。賀来は、結城が何とか悔い改めてくれんと願い、その後も彼の凶行を手伝いながらも傍らにいた。その過程で、賀来は女性信者の谷口澄子(たにぐちすみこ)を結城に奪われたり、日本新聞社会部記者の青畑(あおはた)と協力関係を結び結城の反対側に立つなど、彼なりに懸命に行動している。しかし、結城の脳は「MW」に侵され始めており、先行きが長くないことを知った彼は更なる暴走をする。

誰が最後に生き残ったのか

結城は遂に沖ノ真船島事件の黒幕の1人である政治家の中田英覚(なかたえいかく)に近づくことに成功し、彼の娘美香(みか)と婚約した。そして、某国軍中将で沖ノ真船島事件の関係者サチュリフ・ミンチにも接触し、その肉体でミンチと彼の妻を籠絡させると「MW」が本土の都内近郊にあるという情報を掴む。結城は「MW」を手に入れて、東京中にそれをばら撒いて都民を皆殺しにする恐るべき計画を実行に移した。その過程で美香が殺害され、結城の復讐に嵌った中田英覚は廃人同然となった。また、ミンチ中将は結城が「MW」を強奪して飛行機を奪った際の人質となる。結城の側には賀来がいた。また、某国軍の飛行機に乗り込んで犯行声明を出した結城を止めるべく、日本の警察が動き出す。彼の兄の河本玉之丞が名乗り出て、警察が提案したすり替わりに協力することになったのだ。飛行機が停止した一瞬の隙を突いて、玉之丞は乗り込みに成功し、再び浮上した飛行機の中で兄弟の戦いが始まった。賀来は結城から「MW」を奪い、飛行機のハッチを開けて海へ飛び込み毒ガスごと果てた。結城は、ミンチ中将に撃たれて死亡し、彼の猟奇的な計画は失敗に終わった。その後、事情聴取後に警察署を後にした玉之丞は、それまでに見せたことのない不敵な笑みを浮かべた。そして、東京の大都会の街並みが描かれて『MW』の物語は完結したのだった。

『MW』の登場人物・キャラクター

メインキャラクター

結城美知夫(ゆうきみちお/演:玉木宏)

『MW(ムウ)』の主人公の1人。実写映画版では、「結城美智雄(ゆうきみちお)」という名前に改められている。年齢は明らかにされていないが、沖ノ真船島事件の時小学4年生だったことから24~25歳だと推察される。普段は関都銀行新宿支店の行員をしており、社交的で男性・女性行員どちらの受けも悪くない。しかしながら、彼の真の姿は世間を騒がせている連続猟奇殺人犯人である。少年時代に毒ガス「MW」を吸った影響で脳が破壊されたことが示唆されており、そのため善悪の区別がつかないサイコパス的な青年に成長してしまった。自分の人生を狂わせた「MW」に怒りの感情を持っているようで、当初は沖ノ真船島事件の関係者に復讐をしていた。自分の命が長くないことを悟ると、目的を「MWの強奪」と「東京都民皆殺し」へと変えている。基本的に人間のことは男女問わず自分の目的のための道具、或いは自分の快楽を満たすためのオモチャとしてしか考えていないが、唯一賀来巌(がらいいわお)神父には友情や愛情のようなものを抱いている様子。

賀来巌(がらいいわお/演:山田孝之)

『MW』のもう1人の主人公ともいえる人物で、同作品の狂言回し的キャラクターでもある。実写映画版では、「賀来裕太郎(がらいゆうたろう)」という名前に変更された。年齢は不明だが、沖ノ真船島事件の時にティーンエイジャーっぽい容姿だったことから30代前半だと示唆されている。かつては「カラス」という非行グループに所属する不良少年だったが、沖ノ真船島事件からの生還後は悔い改めて神父職となった。非常に敬虔なクリスチャンでありながら結城と同性愛の関係にあり、その発端が自分にあることを負い目に感じているようで結城の犯行の協力をしている。しかしながら、その行為は決して賀来の本意ではなく、結城が元の優しい性格に戻れないか苦悩しながら常に彼の側に居続けている。

結城・賀来の関係者

谷口澄子(たにぐちすみこ)

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