流星の絆(ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ
『流星の絆』とは、東野圭吾の同名小説『流星の絆』が原作となったミステリードラマである。子どものころに両親を殺された三兄妹が復讐を誓い、真犯人にたどり着くまでを描く。2008年10月から12月に、TBS系22時からの金曜ドラマ枠で放送された。脚本は宮藤官九郎が手掛け、基本のストーリーは守りつつも青春ドラマ的な要素やコメディー的な要素が加わったことで、原作とは大きく異なる世界観となっている。主役の三兄妹を二宮和也、錦戸亮、戸田恵梨香が演じる。
静奈は血のつながりについての事実を知る(第6話)
「なんで黙ってたの?なんで今更?もっとはやくいってほしかったよ。じゃなきゃ黙っててほしかった。」(静奈)
「最悪だよ。」(泰輔)
「ああ、最悪だよ。」(功一)
静奈が、自分だけに兄二人との血のつながりがないことを知った場面である。功一と泰輔はずっと静奈に事実を話そうとしていたが、結局話すことができなかった。結局、功一と泰輔の言い争いを静奈が聞いてしまったことがきっかけで事実を話すことになり、二人は最悪の結果になったと嘆いた。兄たちに対する信頼を裏切られた静奈の悲しみや、大事なことを後回しにして余計に事態を悪くしてしまった功一と泰輔の後悔が、静かながらも深い気持ちのこもった言葉として現れている。静奈が血のつながりについての事実を知るこの場面は、ドラマ中盤の一番の山場だと言える。
静奈の昔話を聞いた行成は静奈に温かい言葉をかける(第6話)
「いや、あなたの話ですよ。たとえ静奈ちゃんの話でもあなたの心に残っている大事なエピソードですから、それは僕にとっては大事なあなたの話なんです。素敵なお話、ありがとうございました。」(行成)
佐緒里としての静奈は行成にハヤシライスを食べた家の子がである友達の名前が「静奈」だと話している。したがって、この時点の行成にとっての「静奈ちゃん」は、佐緒里(静奈)の友達である。功一と泰輔が本当の兄ではないことを知ってショックを受けた静奈は、友達の話だといいつつ、自らの思い出と兄達に対する気持ちを話す。その話を聞いた行成は「いい話だ」と感動し、静奈は、友達の話なのになぜ親身になって聞いてくれるのかと問いかける。行成は、たとえ友達の話であっても、佐緒里(静奈)の心に残っている話であればそれは佐緒里(静奈)の話だと答えた。自分の話を「大事な話」であり、自分の大切な思い出を「素敵な話」だという行成の言葉を聞いた静奈は、再び涙を流した。佐緒里(静奈)に対する行成の想いが、温かい言葉となってはっきりと現れ、行成に対する静奈の恋心がますます強まっていくきっかけになった場面である。
功一と泰輔は静奈の気持ちの変化に戸惑う(第7話)
出典: cmail.exblog.jp
「兄貴、あいつ本気だよ。芝居じゃない。あいつ、戸神が好きなんだ。本気で俺たちの仇の息子にほれてるよ。」(泰輔)
「知ってるよ。」(功一)
「えっ?」(泰輔)
「そんなの、ずいぶん前から気づいてたよ。」
「いいのかよ、兄貴。」(泰輔)
「いいわけないだろ!!」(功一)
静奈が行成を本気で好きになったことを知った功一と泰輔が言い争う場面である。それぞれに一人の女性として好意をもっている静奈が仇である行成のことを好きになったという事実に、功一と泰輔はやりきれない思いを抱く。静奈には幸せになってほしいが、犯人は捕まえたいという矛盾した気持ちに、二人は頭を悩ませる。なお、「妹(あいつ)は本気だよ。俺たちの仇の息子に惚れてるよ」というセリフは、原作小説でキャッチコピーとして取り上げられている。
功一と柏原は互いの決意を確認する(第8話)
出典: cmail.exblog.jp
「犯人分かったらどうする?」(柏原)
「殺しますね。柏原さんは、刑事じゃなかったらどうします?」(功一)
「殺すね。まあ一応、その位の覚悟でやってるよ。」
政行の取り調べの後にジョージクルーニーに来た柏原から、功一は捜査状況が芳しくないことを聞いていた。いらだちを隠せない功一に、柏原は犯人が分かったらどうするつもりかと問いかけた。それに対して功一は、即座に「殺す」と言い、犯人への恨みをはっきりと示した。功一は柏原に刑事じゃなかったらどうするか、と問いを返し、柏原も「殺す」と、功一と同じ気持ちであることを告げる。功一と柏原は、お互いの強い決意を知る。
三兄妹と柏原の最終対決(第10話)
出典: cmail.exblog.jp
柏原が功一に真実を告げてから兄妹に謝罪するまでの一連のやりとりの場面は、このドラマの最大の山場だと言える。緊迫したセリフの応酬が続き、兄妹と柏原、それぞれのこれまでの思いや葛藤が爆発するように語られた。幸博と塔子を殺したのは金のためだったことを柏原から聞いた功一は「レシピのための方がマシだった」と激怒した。対する柏原は命を断とうとするが、それを功一が止めたところに泰輔、静奈、萩村がやってくる。功一、泰輔は、自分が柏原を殺すと言い、静奈は、「あんた(柏原)のせいで助け合って生きているんだ」と柏原を詰った。ようやく信用できる大人が見つかったのに、それが事件の犯人だった。悲しみに打ちひしがれる三兄妹に、柏原は土下座して謝るのだった。
『流星の絆』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
原作とドラマにおける設定の相違点
ドラマオリジナルキャラクター
ドラマには存在しない登場人物が多数存在する。とくに、尾美としのり演じる「林ジョージ」、特別出演の中島美嘉演じる「サギ」は、ドラマ中でも極めて重要な人物として多くの場面に登場する。
主要人物間の接点
功一と行成、泰輔と柏原は、原作では物語の終盤になるまで出会うことはない。それに対してドラマでは、功一と行成は、行成がジョージクルーニーの客として頻繁に訪れ、第1話の時点ですでに顔見知りである。また、泰輔と柏原は、泰輔がDVD屋で働いていることを知っていた柏原と萩村が捜査のために泰輔に会いに行くことで、中盤頃で出会っている。
静奈が血のつながりの事実を知るタイミング
静奈本人が、自分だけが本当の兄妹ではないことを知るタイミングが異なる。原作ではもともと兄たちとの血のつながりがないことを知っているが、ドラマでは途中でそのことを知る。何も知らない静奈に功一が事実を告げる場面は、ドラマ中盤の山場とも言える。また、静奈が事実を知ることが、泰輔が静奈を一人の女性として見ていることを自覚するきっかけにもなった。
詐欺のターゲット
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目次 - Contents
- 『流星の絆』の概要
- 『流星の絆』のあらすじ・ストーリー
- 子供時代
- 三兄妹の詐欺行為の始まり
- 高山への詐欺行為
- 三兄妹と戸神行成の関わり
- 戸神政行への疑惑と証拠固め
- 矢崎夫妻との関わり
- 静奈の行成に対する気持ちの変化
- 功一・泰輔と静奈の関係
- 警察の捜査の足取り
- 計画の失敗
- 三兄妹・行成・警察の結託
- 政行の告白
- 犯人の告白
- エピローグ
- 『流星の絆』の登場人物・キャラクター
- 有明家
- 有明功一(ありあけこういち/演:二宮和也)
- 有明泰輔(ありあけたいすけ/演:錦戸亮)
- 有明静奈(ありあけしずな/演:戸田恵梨香)
- 有明幸博(ありあけゆきひろ/演:寺島進)
- 有明塔子(ありあけとうこ/演:りょう)
- 戸神家
- 戸神行成(とがみゆきなり/演:要潤)
- 戸神政行(とがみまさゆき/演:柄本明)
- 戸神貴美子(とがみきみこ/演:森下愛子)
- 矢崎家
- 矢崎信郎(やざきのぶろう/演:国広富之)
- 矢崎秀子(やざきひでこ/演:麻生祐未)
- 警察関係者
- 柏原康孝(かしわばらやすたか/演:三浦友和)
- 萩村信二(はぎむらしんじ/演:設楽統)
- 係長(演:金田明夫)
- その他の人物
- 林ジョージ(はやしじょーじ/演:尾美としのり)
- 高山久伸(たかやまひさのぶ/演:桐谷健太)
- 桂木美和(かつらぎみわ/演:池津祥子)
- 西郷一矢(さいごうかずや/演:杉浦太陽)
- 沢井武雄(さわいたけお/演:デビット伊東)
- ちえみ(演:徳永えり)
- 月村勝男(つきむらかつお/演:村杉蝉之介)
- 寺西(てらにし/演:半海一晃)
- 泰輔の幼少時の担任(演:ムロツヨシ)
- サギ(演:中島美嘉)
- 『流星の絆』の用語
- 作中に登場する店名
- アリアケ
- とがみ亭
- ジョージクルーニー
- ハヤシライス(林ライス)
- アリアケ3
- 『流星の絆』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 泰輔は「遺族」であることからの解放を願う(第2話)
- 功一は知らなかった両親の一面を知ってしまった静奈を励ます(第3話)
- 静奈は血のつながりについての事実を知る(第6話)
- 静奈の昔話を聞いた行成は静奈に温かい言葉をかける(第6話)
- 功一と泰輔は静奈の気持ちの変化に戸惑う(第7話)
- 功一と柏原は互いの決意を確認する(第8話)
- 三兄妹と柏原の最終対決(第10話)
- 『流星の絆』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 原作とドラマにおける設定の相違点
- ドラマオリジナルキャラクター
- 主要人物間の接点
- 静奈が血のつながりの事実を知るタイミング
- 詐欺のターゲット
- レシピノートを戸神家に置く計画が失敗した後の展開
- 最後の計画を実行する前後の展開
- 真犯人発覚後の展開
- エンディング
- 詐欺行為や重要エピソードを描くドラマ内ドラマ
- カナダからの手紙
- 妄想係長、高山久伸
- ダイヤと嘘とやさしいレストラン
- さわやかオン・ザ・ラン
- 黒革のハンドバック
- 刑事遺族
- 幸福の黄色いポストイット
- 『流星の絆』の主題歌・挿入歌
- 主題歌:嵐『Beautiful days』
- 挿入歌:中島美嘉『ORION』