山田太郎ものがたり(やまたろ)のネタバレ解説・考察まとめ

『山田太郎ものがたり』とは、TBS系列毎週金曜22時より、2007年7月から9月に全10話放送されたコメディドラマである。森永あいの同名漫画を原作としている。二宮和也演じる主人公の山田太郎は成績優秀、容姿端麗でお金持ちが多く通う学園のなかで貴公子のような存在である。しかし、実際は家族7人弟妹の長男で絵に描いた貧乏生活を送る。貧乏でありながらも家族を大切に前向きな山田太郎と家族、学園で出会う仲間たちとの愉快な物語が描かれたドラマである。

『山田太郎ものがたり』の概要

『山田太郎ものがたり』とは、2007年7月6日から2007年9月14日にTBS系列毎週金曜22時より全10話放送された、森永あいの同名漫画を原作としたドラマである。原作は『月刊Asuka』で1995年から連載。単行本全15巻で、14巻で一度完結していたが、2007年にドラマ化にあわせサイドストーリーをまとめた15巻を発売した。また、2001年には台湾で邦題『貧窮貴公子〜山田太郎ものがたり〜』としてドラマ化されている。
主演は嵐の二宮和也と櫻井翔。ヒロインは多部未華子。二宮和也演じる山田太郎(やまだたろう)は、容姿端麗で成績優秀、一ノ宮高校の王子様のような存在。しかし、実際は王子様とはかけ離れたビルの谷間に立つ、小屋のような家に住んで生活している。山田太郎の家族は、6人の弟妹と母、彼のバイト代が生活を支えている状態。山田家は、貧乏でありながらもいつでも明るく、前向きに毎日を過ごしている。山田太郎は、そんな家族や高校のクラスメイトが巻き起こす様々な出来事に振り回されながらも、全力で家族を愛してたくましく生きている。そんな愉快で、視聴者を前向きな気持ちにさせる物語が描かれたドラマである。

『山田太郎ものがたり』のあらすじ・ストーリー

山田家の暮らし

山田家の家計は、山田太郎(やまだたろう)のバイト代が支えているほどに貧乏な生活を送っている。太郎は、学校や家事を終えてから、夜工事現場のバイトをする生活を送っており、授業中寝てしまっていることもある。太郎の父・山田和夫(やまだ かずお)は画家で放浪癖があり家にいないことが多い。また母・山田綾子(やまだ あやこ)は体が弱いため仕事にでることが難しい。また、太郎は家の庭で野菜を育てており、家族の食事となっている。
太郎の姉弟構成は、次男の次郎(じろう)、三男の三郎(さぶろう)、長女のよし子(よしこ)、次女の五子(いつこ)、四男の六生(むつみ)、三女の七生(ななみ)である。山田家では、毎日夕食を家族全員で囲んでとるようにしている。兄弟姉妹の仲はよく助け合いながら生きている。特に太郎は、家族の困りごとや望みを聞いて叶えてあげるべく、毎日悩み奮闘している。

横綱コロッケをめぐる戦い

山田家の三女である五子が誕生日のお祝いに食べたいと言い出した「横綱コロッケ」。
横綱コロッケは、横綱スーパーで売られている安くて美味しさの評判が高く、主婦との争奪戦が行われているコロッケ。太郎は五子のために1人1つ奮発することを約束した。太郎はスーパーでの決戦の日、売場に残り1つ残ったコロッケを池上隆子の母・に取られてしまう。
そのため、コロッケを買うことができず落ち込みながら帰宅したが、五子は怒ることなく笑って代わりに太郎が買ってきた唐揚げを喜んで食べた。
しかし、次の日隆子のお弁当に入っていた横綱コロッケをクラスメイトに邪魔をされながらももらうことができた。
横綱コロッケを持って帰った太郎は、五子に食べさせようとしたところ、五子が横綱コロッケを食べたっかたのは以前食べることができなかった太郎に食べさせたいという。その言葉に太郎は感激し、泣きながら横綱コロッケを食べた。

山田太郎と御村託也の出会い・友情

山田太郎(右)と御村託也(左)

山田太郎と御村託也(みむらたくや)は私立一ノ宮高校3年1組「特別進学クラス」のクラスメイトで、前後の席である。託也も太郎同様、容姿端麗で成績優秀のため女子生徒からの人気が高いが、家が華道の家元のため裕福である。
託也は授業中に空腹でお腹がなったり、授業終わり即帰宅する太郎の存在が気になっていた。そんな託也は、太郎が学校のトイレットペーパーを盗もうしたことがばれそうになったところや、横綱コロッケのお弁当をとられそうになったところをが助けた。このことをきっかけに太郎と託也はクラスでもよく話すようになる。
託也は、太郎の自宅を突き止め貧乏な生活を送っていることを知る。そこから託也は太郎の存在を面白がり、家族とも多く関わりをもつようになる。次男・次郎を野球クラブに入れるためにハウスメイドのバイトとして太郎をメイドとして雇ったこともある。
託也は面白さ半分で太郎と接しているところがあったが、太郎が家族に対して全力で悩んだり奮闘したり姿をみて助けずにはいられない存在となった。太郎もまた託也は、自分を理解してくれているよき相談相手であり友達として心を許す存在となっていた。

山田太郎と池上隆子の出会い・恋模様

池上隆子(いけがみたかこ)は将来玉の輿にのるべくお金持ちの御曹司と勘違いしている山田太郎に少しでも近づこうと努力する。隆子は、山田太郎のクラスメイトで一般家庭の生まれだが、玉の輿にのるべく私立一ノ宮高校に入った。
太郎を追って御村家にきたところを御村託也に見つかり一緒にバイトをするようにすることになる。託也の協力も得ながら太郎に近づこうとする。そして、校長の農園のお手伝いを太郎と2人で行うことで、徐々に距離を縮めていった。隆子はお手伝いの後に太郎に山田家で行われるバーベキューに誘われ、山田家を見て貧乏であることを知ってしまう。貧乏であることを知り驚き落胆し太郎のことは忘れると決意する。
しかし、その後も太郎の妹・よし子のために隆子が小学生の頃着ていた浴衣をおさがりであげたり、卒業生・小谷カンヌの映画に太郎の相手役として自分から参加したりし、太郎が貧乏であることを知りながら太郎への思いを諦められずにいた。その後も勉強合宿で太郎と2人切りになる場面もあったが思いは告げられないままでいた。最終回では、隆子は太郎と同じく城南大学に進学することとなり恋模様は続いていく様子である。

エアギター選手権への出場と福引き大会

エアギター選手権の優勝賞品がアメリカンジャンボハンバーグということを知り家族全員で食べるため、太郎は託也と隆子を誘って出場することを決める。3人は放課後や休み時間に練習を行った。選手権には、太郎家一家全員が応援にきた。太郎は他の出演者のパフォーマンスに圧倒されながらもアメリカンジャンボハンバーグのため頑張ることを誓う。太郎たちは、本番で最高のパフォーマンスをお客さんの前で披露し優勝することができた。
しかし、太郎の姉弟たちは選手権を途中で抜け出していた。それは、お祭りの福引き大会で1等の10万円を当て太郎に大学へ行ってもらうためだった。隆子の母・池上まりあ(いけがみまりあ)に福引券をもらい、姉弟は1人1回福引きを引くが当てることはできなかった。池上まりあから事情を聞いた太郎は福引き会場に駆けつけ姉弟の様子を見守っていた。泣きながら太郎に謝る姉弟を見て、サウスシカゴ大学の特別留学生としてアメリカへの留学を断ったのは、姉弟のせいではないことを伝えた。そして、エアギター選手権の優勝賞品アメリカンジャンボハンバーグを全員で食べた。

山田太郎と仲間たちの将来の選択

山田太郎は家計を支えるため、卒業後は進学をせずに就職することを希望していた。担任教師・鳥居京子(とりいきょうこ)は成績優秀な太郎が進学しないことを心配がり家庭訪問をし貧乏であることを知る。鳥居京子は城南大学農学部准教授の永原眞実(ながはらまこと)に相談したり、奨学金制度について調べ太郎に進学したいと思えるように行動した。それでも太郎は、家族のことを考え就職を希望していた。一方で、家でも野菜を育ていることもあり、農作物のバイオテクノロジーには興味があった。託也の誘いで眞実の研究室も見学にいき、太郎は論文を読んだり自分で書いたりするようになった。そんな太郎の才能に感銘を受けた永原は、太郎をサウスシカゴ大学の特別留学生としてアメリカへ留学することを薦めたが太郎は断った。しかし、校長から特待生に推薦され、城南大学に進学をすることを決める。
御村託也は、華道の一家でもあり進学には積極的ではなかったが、最終的には太郎と同じく城南大学に進学することとなる。そして、隆子も同じく城南大学に進学を決め3人で入学式を迎えることができた。

『山田太郎ものがたり』の登場人物・キャラクター

山田家

山田太郎(やまだ たろう/演:二宮和也)

主人公。山田家の長男。お金持ちが数多く通う名門私立一ノ宮高校3年1組「特別進学クラス」の男子高生。
極貧の中幼い弟妹を養うため、アルバイトに精を出す生活を送っている。成績の良さから高校には、特待生として入学した。見た目は容姿端麗で気品があるため、周りからは裕福だと勘違いされている。女性から非常にモテるが、全く自覚はない。隆子の母親をスーパーの安売りでの戦い方でのお手本として、尊敬している。

山田綾子(やまだ あやこ/演:菊池桃子)

山田太郎の母。7児の母親である。お嬢様育ちのため世間知らずで、貧乏生活を送っていながらも金銭感覚は麻痺している。太郎が稼いだお金をつまらないことに浪費するが本人に悪気は一切ない。

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