渇き。(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『渇き。』とは、2014年公開のスリラー映画である。一人娘の失踪をきっかけに、元刑事の男が崩壊した家庭の再生を求めて奔走するミステリー、サスペンス作品だ。役所広司、小松菜奈、清水尋也などが主要キャストに名を連ねる。監督は中島哲也。原作は深町秋生のミステリ小説『果てしなき渇き』。

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島津(しまづ/演:中島広稀)

加奈子の中学生時代の同級生。瀬岡をいじめるグループのリーダー格で瀬岡と同じ元野球部員。
野球部時代は瀬岡のライバルで、部活を勝手にやめてしまった瀬岡に恨みを持つ。

チョウ(演:康芳夫)

外国人の実業家。売春組織を経営する裏社会の大物。加奈子の協力者だった。

東(あずま/演:中谷美紀)

加奈子の中学生時代の担任教師。娘がいる。

金髪の男(演:葉山奨之)

金髪の男。

コンビニ店員(演:渡辺大知)

コンビニの店員。

『渇き。』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

映画化は絶対無理だと考えていた監督の中島

中島は「悪夢のような原作です。映画化なんて絶対無理! ですが…最低最悪の主人公を演じる役所広司さんの勇気、新人女優小松菜奈さんとの劇的な出会いが、僕にこの物語の映画化を決意させました。」「日本映画にかつて無いバイオレンス・ファンタジーを目指し、現在、スタッフ・キャスト血まみれで撮影中です」と語った。

中島は、大学卒業後、CM制作会社の日本天然色映画に所属。CMデビュー作のフジッコ漬物百選では、山口美江の「しばづけ食べたい」のセリフが話題になる。以後、サッポロ黒ラベル「温泉卓球」篇など多数のヒットCMを世に送り出しCM界の巨匠として知られるようになる。1987年からフリーとなり、1988年に『バカヤロー! 私、怒ってます 第二話 遠くてフラれるなんて』で劇場映画監督デビューした。映画監督としては2004年の『下妻物語』から注目されるようになり、その後もヒット作・話題作を作り続けている。2010年の『告白』では日本アカデミー賞最優秀監督賞と最優秀脚本賞を受賞した。

孤独な男の虚しさを懸命に演じたいと語った役所広司

主人公である狂気に染まっていく父親を演じた役所広司は、「この、果てしなく渇いている、狂気と暴力。とてつもない物語のようですが、毎日のように凶悪事件のニュースが報じられている今を思えば、この物語はこの国の一部をリアルに描いているのかも知れない、と感じてしまいます。孤独から抜け出す為に、壊れてしまった家庭を再生しようと、もがけばもがく程、何もかもが壊れていく。そんな愚かで、孤独な男の虚しさを懸命に演じたいと思っています」と意気込みを語った。

原作と映画の間に存在する多数の変更点

・登場人物の名前が変更されている。
・藤島の名前が「秋弘」から「昭和」に変更されている。
・原作では瀬岡尚人という名前の中学生が、映画では「ボク」としてのみクレジットされている。
・愛川は原作の小山内、森下は原作の松下、松永は原作の棟方に相当する。
・浅井は原作では悪事に関わっているが生真面目な性格として描かれるが、映画では明確に悪辣な人物として描かれている。
・その他、警察全体が事態の隠蔽に全力を挙げているような描写になっている。
・原作で藤島が使う拳銃はコルト・ガバメントだが、映画ではリボルバー。
・一方原作の小山内がリボルバーを使うのに対し映画の愛川はコルト・ガバメントを主に使っている。
・加奈子が「緒方を殺した」という発言をするなど、加奈子が「生まれながらの悪」であったかのような描かれ方をしている。

『渇き。』の主題歌・挿入歌

主題歌:ディーン・マーティン「Everybody Loves Somebody」

邦題は「誰かが誰かを愛してる」。1964年のディーン・マーティンの全米ナンバーワンヒット曲。

劇中歌:でんぱ組.inc「でんでんぱっしょん」

「でんでんぱっしょん」はでんぱ組.incの代表曲の一つ。でんぱ組.incは古川未鈴、相沢梨紗、夢眠ねむ、成瀬瑛美、最上もが、藤咲彩音の6人組ユニットで、それぞれ秋葉原のアイドルがお給仕するライブ&バー「秋葉原ディアステージ」に所属し、ほぼ毎日のようにステージに立ち、活発なライブ活動を展開している。メンバーは全員、アニメ、ゲーム、 漫画、ボーイズラブなど、自分の趣味に特化したコアなオタクでもある。

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