来る(映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『来る』とは、第22回日本ホラー小説大賞に輝いた澤村伊智の小説『ぼぎわんが、くる』を実写化した日本のホラー映画である。公開初日に10万人を動員し、興行収入は1億3700万円のヒットとなった。
子煩悩で愛妻家だと評判の、田原秀樹の職場に謎の人物が現れる。その日から2年後、様々な怪奇現象が起こり、秀樹とその妻の香奈は得体の知れない何かに襲われる事になる。オカルトライターの野崎和浩に相談するが、野崎の手に終えるものではなかった。
怪奇現象と人間の怖さを描いた映画となっている。
『来る』の概要
『来る』とは、第22回日本ホラー小説大賞に輝いた、澤村伊智の小説『ぼぎわんが、くる』を実写化した日本のホラー映画である。監督は映画『告白』『嫌われ松子の一生』で有名な中島哲也で、2014年に公開された映画『渇き』以来の作品である。企画・プロデュースには大ヒット映画『天気の子』を手がけた川村元気が参加。主演には岡田准一を迎え、妻夫木聡、黒木華、小松菜奈、松たか子など豪華俳優らが出演した。公開初日に10万人を動員し、興行収入は1億3700万円である。
田原秀樹は愛する恋人と結婚し、幸せな日々を送っていた。愛妻家でイクメンだと周りにアピールするばかりで妻の香奈の事は気に掛ける事も、子育てを手伝う事もなかった。香奈はそんな秀樹の態度に嫌気がさしていた。そんな秀樹の元に不思議な訪問者が現れる。それをきっかけに様々な怪奇現象が起こる。秀樹は友人の紹介でホラー記事を書いているフリーライターの野崎和浩に相談し、野崎は霊媒師の血を引く比嘉真琴と共にあれの正体に迫っていく。しかし、あれの怨念は止まる事を知らず次々と犠牲者を出す。このままではダメだと野崎は真琴の姉で日本最強の霊媒師琴子に相談し、全国から霊媒師を集め、あれとの直接対決を行う。人間の心の闇と、目に見えないあれの恐怖を描いたホラー作品となっている。
上映時間134分。
『来る』のあらすじ・ストーリー
前触れ
田原秀樹(たはらひでき)はサラリーマンとして都内の会社に勤めている。婚約者の田原香奈(たはらかな)と秀樹の祖父の法事があり秀樹の実家へ帰る事になる。そこで「ぼぎわん」という妖怪についての話を聞く。それが来たら絶対に反応してはいけないと言われていた。その日の夜、秀樹は忘れていた幼い頃の出来事を思い出す。それは山の中で少女に「あんたもあれに呼ばれる」と告げられ、少女が行方不明になるという事件だった。秀樹の田舎では悪さをする子供は「ぼぎわんに連れていかれる」という迷信があった。一緒に遊んでいたはずの女の子だが、秀樹はその少女の詳しい事を覚えていなかった。一方香奈は幼い頃から母親に虐げられ、親の愛情を知らず、貧しい生活を送っていた過去がある。二人は結婚式を終え、新居への引っ越しも完了した。結婚式では秀樹の知人が多く出席し、香奈は孤独感を感じていた。二次会でも秀樹の友達に馴染めず、疲れを見せていた。そんな香奈を気遣ったのは秀樹の友人の津田大吾(つだだいご)だった。
そして香奈のお腹には新しい命も宿っていた。秀樹は新居に友人を招きパーティーを開くが、香奈はまるで家政婦のように料理の用意や片付けを行うだけだけで、ここでもみんなに馴染めず、暗い嫁という印象だった。
二人の間に知沙(ちさ)という女の子が生まれ、秀樹は「子育てブログ」を始める。幸せ真っ只中の秀樹の元に、不信な人物が現れる。その人物はこれから生まれてくる娘の名前を名乗った。その人物の対応をした秀樹の会社の後輩の高梨重明(たかなししげあき)が突然背中から血を流して倒れた。その後高梨は入院するが、回復する事はなく最後は別人のように変貌し、亡くなってしまう。
二年後、知沙も大きくなり、秀樹が始めたブログも人気が上がっていた。しかし秀樹は周りにイクメンアピールをするばかりで家事育児は全くしなかった。香奈はそんな秀樹の態度に嫌気がさし、育児ノイローゼになり部屋は散らかしっぱなしでひどい状態のまま部屋に篭った。
あれが現れる
ある日、秀樹が自宅に帰ると、家内安全や安産祈願のお守りがすべて切り刻まれており、部屋のすみで知沙を抱えながら泣いている加奈を発見する。「あれが来たのか?」と聞く秀樹だが香奈は何も答えない。あれの存在を恐れ、不安になり始めた秀樹は、民俗学者である津田に相談した。津田は秀樹の話を信じていなかったが、秀樹の必死な姿を見て信じ、ホラー系のフリーライターをしている野崎和浩(のざきかずひろ)を紹介した。野崎は霊能力がなかったため、能力を持ったキャバ嬢で、彼女の比嘉真琴(ひがまこと)を紹介するために彼女の自宅に向かった。真琴は秀樹を見て、「家族としっかりと向き合ったら良い」とアドバイスする。図星をつかれた秀樹は怒って部屋を出て行ってしまう。その後真琴は秀樹の自宅へ行き、知沙と遊んでいた。帰宅した秀樹は驚いた様子だったが、微笑ましい姿を見て心を落ち着かせた。真琴と野崎は頻繁に秀樹の自宅を出入りし、知沙と香奈を気にかけていた。
ある日、野崎と真琴が自宅にいる際に、あれが自宅に姿を現す。自宅の食器棚からは食器が崩れ落ち、お守りは切り刻まれた。真琴は必死に戦おうとするが歯が立たず、あれは真琴の霊能力を奪っていった。その時姉の比嘉琴子(ひがことこ)から電話がかかってくる。琴子は「真琴では手に負えないのである人を紹介する」と言った。それはテレビにも出ている霊媒師の逢坂セツ(あいさかせつ)だった。
秀樹と逢坂は中華屋で落合った。その時秀樹の携帯にあれから電話がかかってくる。逢坂が電話に出るように促し、内容を聞いていると突然あれが現れ、逢坂の片腕を奪っていった。何が起きたのかわからなく動揺している秀樹に逢坂は自宅へ帰るよう指示した。タクシーで帰っている途中、秀樹は香奈と知沙に家から逃げるように指示した。そして次は琴子から電話がかかってきて、「あれを誘き寄せて退治するから一人で自宅に戻るように」と指示がくる。急いで自宅に戻り、あれの攻撃に備える秀樹だったが、自宅の電話にも琴子から電話がくる。混乱する秀樹だったが、携帯にかかってきた琴子の声はあれの仕業だったのだ。時すでに遅く、秀樹はあれの力によって体が真っ二つになってしまう。そして秀樹は死ぬ直前に、幼い頃に行方不明になった少女の名前が「ちさ」だったことを思い出す。
秀樹の死後
秀樹が死んでから、香奈は自分や秀樹の両親に頼らずに知沙を育てながらスーパーで働いた。しかし知沙の体が弱く仕事が休みがちになっており、店長からも嫌味を言われていた。育児と仕事の事でノイローゼになっていた香奈に近づいたのは津田だった。そして香奈は津田の優しさに惹かれ関係をもってしまう。香奈は外面だけ良い秀樹に、愛はまったくなくなっており、秀樹が死んでも悲しんではいなかった。
野崎と真琴は知沙の事が心配で香奈の自宅を訪ねた。そこで野崎は、最初にあれが来た時に切られていたお守りと、二回目にあれが来た時に切られたお守りの違いに違和感を感じ、香奈を問い詰めたが香奈はごまかした。最初のお守りは香奈が自分で切ったものだったのだ。香奈は野崎が帰る際に「念の為」と言って置いた盛り塩を踏み潰す。秀樹が死んだ事によってあれはもうこないと信じていたのだ。そして野崎がお守りの件に気づいた事を煩わしく思った。
ある日、香奈の自宅に津田がやってくる。津田は秀樹の仏壇に手を合わせた際に、何かを置いた。それはあれを誘き寄せるためのお札だったのだ。知沙のお守りをするのに自宅に来ていた真琴は、野崎からの電話でお札に気づいた。自宅のベランダで燃やしていたのだが、あれはお札の力によって香奈の自宅に近づいていたのだった。香奈が自宅から帰ってきた際に、知沙が真琴に懐いている姿を見て、「知沙あげる」と呟く。その時にあれが現れ、知沙を奪っていこうとした。真琴は必死に抵抗するが、重症を負ってしまう。
香奈は知沙を抱きかかえ、自宅から出た。街中を歩き、知沙の大好物のオムライスを食べ終え、行く先がなくなった香奈は野崎に電話をかけ、待ち合わせをしようとするが、知沙が「トイレに行きたい」と言い、公衆トイレの個室へ入った。すると強く扉を叩く音が聞こえ、香奈の母親の姿に変わったあれが、トイレを覗き込みあっという間に知沙を連れ去り、香奈を殺してどこかへと去っていった。
一方、あれの力で重傷を負った真琴は病院へと運び込まれた。意識の戻らない真琴のそばで野崎はいつの間にか眠っていた。そして、野崎は過去に付き合った女性を中絶させてしまった事を夢に見る。しばらくすると琴子が姿を表した。病院で眠っている真琴に息をふきかけるとすぐに意識を取り戻し、琴子は野崎に「明日カタをつける」と言って去っていった。
最後の戦い
あれを止めるため、琴子は除霊の準備を始めた。全国各地の霊媒師を田原家に呼び込むが、来る途中に何人かあれによって殺されてしまう。琴子は警察上層部にも顔がきくため、田原家を完全に包囲するように指示した。野崎は津田の自宅に様子を見に行くが、すでにあれによって殺されていた。そして野崎は琴子に田原家を掃除するように指示される。その場に行くと、逢坂と成仏していない秀樹が部屋でブログを書いていた。逢坂が秀樹の手のひらを包丁で刺し、「痛くないのは死んでいるからだよ」と言うと、秀樹は成仏していった。掃除が終わり、琴子に報告しに行くと同時に自分も除霊に参加する事を決意し、除菌スプレーで身を清めた。
マンションの住人がみんな避難し、準備が整ったところで除霊が開始された。田原家には琴子、真琴、野崎が残り、マンションの外では逢坂を含む数々の霊媒師が、祭壇で祈りや踊りを続けていた。外が真っ暗になり、あれが現れる。すると儀式を行なっていた霊媒師たちが数人倒されてしまう。一緒にいた真琴もあれに取り憑かれるが、琴子の力によって助かった。そして、あれに連れ去られていた知沙が姿を表した。知沙はあれを手懐けていたのだ。琴子は知沙ごと払おうと、八咫の鏡(やたのかがみ)を取り出すが、それを見た秀樹が知沙を助けようと、鏡を割ってしまう。「知沙は一人で寂しかったから化け物と遊ぶしなかかったんだ」と叫んだ。その瞬間。外の祭壇は崩れ始め、琴子のいる部屋も崩れそうになった。あれは力をつけ、琴子を狙いに来る。琴子は日本最強の霊媒師であるため、そう簡単にはやられない。琴子が最後の力を振り絞って、野崎と真琴をベランダの窓から突き飛ばし逃すと、窓から大量の血が吹き出て、あたりは静かになった。
突き飛ばされた野崎と真琴は草っ原の上で目を覚ます。野崎の腕には真琴と眠っている知沙が抱き抱えられていた。痛みを感じる事から生きていると実感した野崎は、真琴と知沙と共に雪が降る中駅のベンチに座っていた。野崎は知沙が寝ているのを見て、「どんな夢を見ているんだろ?」と聞き、真琴が力を使って夢の中を見ると、オムライスの国でオムライスの歌を歌っていた。真琴が「オムライスの夢」と言ったら、野崎は「なんだそれ」と言う。
『来る』の登場人物・キャラクター
主要人物
野崎和浩(演:岡田准一)
あれの存在を探っているオカルトライターである。お金になると思えばなんでも仕事を引き受ける。過去に付き合った女性を中絶させてしまった事をずっと気にかけており、子供が苦しむ姿は見ていられない性格である。真琴とは恋人同士。
田原秀樹(演:妻夫木聡)
愛妻家・イクメンと会社では有名で、「子育てブログ」を書いている。実際は「イクメン」に酔いしれているだけで、妻や子供の事を何も考えていない上に、家事育児を全く行なっていない。琴子に扮したあれに騙され、自宅で殺されてしまう。
比嘉真琴(演:小松菜奈)
霊媒師の血を引く女の子。霊媒師として活躍したいと思っているが、姉に反対されている。思いやりのある優しい性格である。普段はキャバクラで働いていて、野崎と恋人同士である。
田原香奈(演:黒木華)
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『フライ,ダディ,フライ』とは2003年に金城一紀によって執筆された、中年サラリーマンと在日朝鮮人の高校生を主人公とした小説、およびそれらを原作とした漫画、実写映画作品である。ある日、中年サラリーマンの鈴木一の愛娘が高校ボクシングチャンピオンの石原に乱暴され、入院することになってしまった。恐怖で外に出ることができなくなった娘を救うため、在日朝鮮人高校生のスンシンとの特訓を経て石原を倒し、迎えに行く決意をする。高校生とサラリーマンのひと夏の友情を描く感動作。
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ラブ ジェネレーション(ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ
『ラブ ジェネレーション』とは、1997年にフジテレビ系の「月9」枠で放送された日本の恋愛ドラマ。主演は木村拓哉と松たか子。広告代理店の営業部で働く片桐哲平と同じ営業部のOL・上杉理子はナンパで知り合い、翌日に職場で再会をする。意識しつつも反発を繰り返す2人だったが、やがてお互いの存在の大切さに気づき惹かれあっていく。平凡な社会人の恋愛をテーマにしたドラマだが、その普通さと若者特有の恋愛への葛藤が反響を呼んだ。また、松たか子の月9初ヒロインや木村拓哉の「ちょ待てよ!」というセリフが話題となった。
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るろうに剣心 伝説の最期編(実写映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『るろうに剣心 伝説の最期編』(るろうにけんしん でんせつのさいごへん)とは、和月伸宏の人気漫画『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』を原作とする実写映画。国家転覆を目論む武装組織との戦いを描いた「京都編」の後半を、オリジナルの展開を交えて映画化したもの。前作と合わせて100億近い興行収入を達成する大ヒットとなった。 明治政府打倒を目論む志々雄真実を倒すため、奥義を修得する緋村剣心。その志々雄は明治政府を脅し、剣心を処刑させることを画策。剣心は否応なく人斬りとして犯してきた罪との対峙を迫られる。
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下剋上球児(ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ
『下剋上球児』とは2023年10月より放送を開始したTBS系列の「日曜劇場」枠のテレビドラマで、主演は鈴木亮平。物語は三重県の架空の高校の弱小野球部が舞台で、甲子園を目指す3年間を描いたもの。野球素人から自分自身の問題を抱える球児達が野球を通して仲間達と大きく成長していくスポ根ドラマ。ストーリーが感動的だとして視聴者から高い評価を得ている。
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ゴシップ #彼女が知りたい本当の〇〇(ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ
『ゴシップ #彼女が知りたい本当の〇〇』とは、2022年1月〜3月にフジテレビ系列で毎週木曜夜10時より放送していた連続ドラマである。大手出版会社であるクスノキ出版が運営するインターネットニュースサイト「カンフルNEWS」に閉鎖の危機が訪れる。そこに現れた黒木華演じる瀬古凛々子(せこりりこ)は、カンフルNEWS編集部員と共にサイト閉鎖の危機に立ち向かう。その中で巻き起こる“人と人とのつながり”を描く、社会派風完全オリジナルドラマである。
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目次 - Contents
- 『来る』の概要
- 『来る』のあらすじ・ストーリー
- 前触れ
- あれが現れる
- 秀樹の死後
- 最後の戦い
- 『来る』の登場人物・キャラクター
- 主要人物
- 野崎和浩(演:岡田准一)
- 田原秀樹(演:妻夫木聡)
- 比嘉真琴(演:小松菜奈)
- 田原香奈(演:黒木華)
- 田原知紗(演:志田愛珠)
- 霊媒師
- 比嘉琴子(演:松たか子)
- 逢坂セツ子(演:柴田理恵)
- 秀樹の知人
- 津田大吾(演:青木崇高)
- 高梨重明(演:太賀)
- その他
- スーパーの店長(演:伊集院光)
- 香奈の母 (演:蜷川みほ)
- 田原澄江(演:石田えり)
- 田原志津 (演:ヨネヤマママコ)
- 田原銀二(演:五歩一豊)
- 知沙(演:中川江奈)
- 眞鍋綾(演:高橋ユウ)
- 『来る』の用語
- あれ
- ぼぎわん
- 霊媒師
- オムライスの歌
- 『来る』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 香奈が盛り塩を踏み潰すシーン
- 最後の戦いのシーン
- 逢坂セツ子「来ます」
- 野崎が真琴を紹介するシーン
- 比嘉琴子「邪魔だから」
- 『来る』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 原作者が中島監督に伝えた要望「怖くて面白い映画に」
- 秀樹の実家のロケ地は三重県にある目黒陶芸館の別館
- 真琴のマンションは実在する賃貸物件
- 『来る』の主題歌・挿入歌
- OP(オープニング):King Krule「Dum Surfer」
- 挿入歌:Bonnie Pink「Evil And Flowers」
- 挿入歌:jan and Naomi「Temple of Blue」