風の谷のナウシカ(ジブリ映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『風の谷のナウシカ』とは、1984年トップクラフト制作の日本アニメーション映画で、宮崎駿監督の長編アニメーション映画第2作である。原作は「アニメージュ」に連載していた宮崎の同名漫画『風の谷のナウシカ』。遥か遠い未来、近代文明が崩壊し「腐海(ふかい)」と呼ばれる菌類の森に世界は覆われていた。その辺境にある「風の谷」で生き抜く少女の生き様を描く。

『風の谷のナウシカ』の概要

『風の谷のナウシカ』とは、1984年公開のアニメーション映画及び宮崎駿作の漫画である。制作会社はトップクラフト。監督は宮崎駿。
原作は全7巻だが、映画公開当初は2巻の途中まで発表されていたため、映画と原作では展開などの内容が異なる。
キャッチコピーは「少女の愛が奇跡を呼んだ」。このキャッチコピーは映画宣伝会社メイジャーの宣伝プロデューサーによってつけられた。
公開当時、主人公を女性にした点や、自然の中で生きる人々をテーマにした点から各界から大きな評価を受け、1984年度のアニメグランプリ、日本アニメ大賞の作品部門をダブル受賞した。他にも国内外の映画賞で推薦、受賞を重ね、宮崎駿の評価が急上昇するきっかけともなった。

ナウシカは1000年前の「火の七日間」と呼ばれる最終戦争から生き残った人々が暮らす「風の谷」に住む心優しい少女。世界は「腐海」とよばれる有毒な菌に覆われ崩壊していたが、風の谷ではのどかな農耕生活を送ることができていた。しかし、ある日大国トルメキアの飛行機が風の谷に墜落したことから、風の谷が巨大人型兵器「巨神兵」の開発地とされてしまう。

『風の谷のナウシカ』のあらすじ・ストーリー

王蟲の触手の上を歩くナウシカ(左)とテト(右)

千年前の「火の七日間」と呼ばれる最終戦争により、巨大産業文明は崩壊し、「腐海(ふかい)」と呼ばれる菌類の森に世界は覆われていた。
生き残った人類は、腐海が放つ猛毒と、そこに棲む巨大な虫たちに脅かされていたが、辺境にある「風の谷」は、酸の海から吹く風によって森の毒から守られ、のどかな農耕生活を送っていた。
族長の娘であるナウシカは、住民から深く敬愛されており、人が恐れる腐海の虫とも心を通わせる少女だった。
ある夜、大国トルメキアの輸送機が風の谷に墜落する。輸送機には、千年前に世界を焼き尽くしたという巨大人型兵器の「巨神兵(きょしんへい)」の胚が積まれていた。その翌日、この輸送機を探しに来たトルメキア軍が谷を占領する。司令官である皇女クシャナは、巨神兵で腐海を焼き払うことを目論んでいた。
捕虜となったナウシカはトルメキアに護送されることとなり、輸送機に乗せられて谷を発つ。
ナウシカらを乗せた編隊は、突然現れた戦闘機の攻撃により大きな損害を受ける。次々と輸送機が撃墜されていく中、腐海に不時着したナウシカは、敵の戦闘機に乗っていた少年が虫に襲われていることに気づき少年を助ける。
少年はトルメキアと敵対するペジテ市の者だった。風の谷にある巨神兵は、このペジテで発掘されたのちにトルメキアが奪ったものだと判明する。
古代の超兵器である巨神兵を奪還せんためペジテ市の取った計画は、王蟲の幼生を捕獲し風の谷に王蟲の大群を誘導させて風の谷のトルメキア軍を全滅させる計画だった。ナウシカは王蟲の幼生を助け、王蟲の群れの進行を止めて風の谷を守ろうとする。
風の谷では、住民達がトルメキア軍に反旗を翻し、谷から離れた遺跡の中に立て篭もっていた。クシャナは住民達を包囲して総攻撃を掛けようとするが、そこに王蟲の群れが近づいているという知らせが入る。クシャナは未完成の巨神兵を目覚めさせ、巨神兵に放たせたビームによって群れの一部を焼き払うが、未完成だった巨神兵はすぐに体が崩れて死に、王蟲の群れの前進を止めることができない。
地上を前進する王蟲の群れの前方に、王蟲の幼生とともにナウシカが空から降り立つ。ナウシカと幼生は、疾走してくる王蟲に跳ね飛ばされて姿が見えなくなるが、間もなく王蟲の前進が止まり、王蟲の群れはナウシカを囲むようにして動きを止める。倒れているナウシカは死んでいるかのように見えるが、王蟲の触手がナウシカを包むとナウシカが蘇る。
その光景は、風の谷に昔から伝わる救世主伝説を具現するかのようであった。クシャナらは呆然とその光景を眺め、住民達はナウシカに走りよって、彼女を抱きしめ歓喜する。
全てが終った後、ナウシカはクシャナに歩み寄る。その後、王蟲の群れとトルメキア軍は風の谷から去り、風の谷には平和な生活が戻る。

『風の谷のナウシカ』の登場人物・キャラクター

ナウシカ

CV:島本須美

辺境にある村「風の谷」に住む16歳の女の子。族長ジルの娘。蟲や動物と心を通わすことができる不思議な能力を持つ。
性格は誰に対しても優しく温和。しかし自分の信念に反するものに対しては、いかなる権力・暴力にも屈しない。
全ての物事を公正・平等に見る目を持っている。
愛とやさしさで子どもたちや人々を惹きつけ、強いリーダーシップで人々を導くカリスマ的な少女。
身体能力にも優れており乗るのが難しいとされるメーヴェを難なく乗りこなし、剣の取り扱いにも長けている。

胸が大きいという設定である。
監督の宮崎駿はロマンアルバム「風の谷のナウシカ」のインタビュー内で「城オジやお婆さんたちなど、死んでいく人をその胸の上で抱きとめてあげるために大きい」と語っている。

クシャナ

CV:榊原良子

大国トルメキアの第4皇女。25歳。容姿端麗かつ優れた武人であり兵から絶大な信頼と忠誠心を得ている。
思慮深く聡明だが冷徹な態度を貫き、喜怒哀楽など個人的な感情を表に出すことは少ない。
過去に蟲に襲われており、激しく忌み嫌っている。
蟲によって身体の一部を失っており、左腕が義手になっている。
劇内のセリフ「我が夫となる者はさらにおぞましき物を見るだろう」から、蟲に襲われた際の傷は他にもあるものと思われる。

ユパ・ミラルダ

CV:納谷悟朗

風の谷の族長ジルの旧友でありナウシカの師。45歳。
腐海辺境一と賞される剣豪ながら争いを好まない人格者で、風の谷ではジルやナウシカと並ぶ尊敬を受けるなど人望も厚い。
腐海の謎を解くため旅を続けており、各国の文化や歴史、自然科学にも造詣が深い。

アスベル

CV:松田洋治

トルメキアに敵対しているペジテ市の王子。16歳。
自国を滅ぼしたトルメキアへの復讐心に駆られ、ガンシップに乗りクシャナの艦隊を襲撃する。
しかし、墜落した腐海でナウシカと出会い、その意思に賛同して世界を救うためにユパらと行動する。
操船術や機械整備に長けており、ナウシカのメーヴェや風の谷のガンシップの応急修理を手掛けている。
性格は直情的だが冷静に物事を判断できる心の持ち主。
王子ながらも誰にでも気さくに接することができ、市民にも慕われている。

クロトワ

CV:家弓家正

クシャナ配下の部下。27歳。平民出身ながらも一兵卒から出世した士官として、兵からの人望は厚い。
庶民的な振る舞いが目立ち、実際、生い立ちからくる野心やしぶとさを身上としている。
口も悪く、皮肉屋である。
一方でどこかとぼけた男であり、数少ないコメディリリーフとしての役割も与えられている。
「腐ってやがる、早過ぎたんだ」劇中の名セリフの一つである。

大ババ

CV:京田尚子

100歳を超える腐海辺境一の盲目の年寄り。
風の谷に昔から伝わる救世主伝説「青き衣の者」の伝承を語る。村一番の知恵者であり、ナウシカやジル、村民から敬愛を受けている。
トルメキア兵やクシャナの前でも毅然とした態度を取り、腐海を焼くことの愚かさを警鐘するなど剛勇さを持ち合わせている。
ジル・ナウシカ・ユパを呼び捨てにするほど立場が高い人物である。ジル・ナウシカ親子もしくはユパと血縁関係にあるかどうかは不明。

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「耳をすませば」は、1995年に公開されたジブリ映画。原作者は柊あおいである。この映画は、ジブリ作品を作画で支えていた近藤善文の最初で最後の監督作品で脚本・絵コンテは宮崎駿が担当している。ストーリーは、主人公「月島雫」を中心に恋や夢、悩みなどを描いている。誰もが一度は経験したことがある甘酸っぱい青春ストーリーで未だに人気の高い作品だ。

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借りぐらしのアリエッティ(ジブリ映画)のネタバレ解説・考察まとめ

借りぐらしのアリエッティ(ジブリ映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『借りぐらしのアリエッティ』とはメアリー・ノートン著書の『床下の小人たち』を原作として、米林宏昌が監督のスタジオジブリ制作アニメーション映画である。最終興行収入は92億5000万円で2011年に日本アカデミー賞最優秀アニメーション作品賞を受賞。とても美しい映像は劇中の音楽とよく合い、見ている人を夢中にさせた。人間に見られてはいけない小人が、人間の家で物を借りながらどのように隠れて暮らすのか、そして短い間に築かれていく小人であるアリエッティと少年の翔との友情と絆を描く。

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