君たちはどう生きるか(ジブリ映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『君たちはどう生きるか』とは、義母を救うために不可思議な世界を旅する少年の姿を描いた、宮崎駿によるアニメ映画。宮崎が「これで本当に最後」と明言して制作した作品で、宣伝も無く、公式HPも無く、一切情報を隠したまま公開されるという独特の手法で話題となった。
太平洋戦争が激化する最中、牧眞人は父と共に郊外へ引っ越し、そこで叔母で新たに自身の義母となるナツコと再会。どう接すればいいのか互いに戸惑う中、ナツコはいずこかへと姿を消し、眞人は彼女を連れ戻すために謎のアオサギに導かれて異界へと旅立っていく。
『君たちはどう生きるか』の概要
『君たちはどう生きるか』とは、義母を救うために不可思議な世界を旅する少年の姿を描いた、世界的アニメ監督宮崎駿によるアニメ映画。本作では「宮崎駿」ではなく「宮﨑駿」を名乗っているが、記事では世間で広く知られている「宮崎駿」の名で表記する。
戦前に書かれた吉野源三郎の小説と同じタイトルだが中身は完全に別物で、同小説は作中で「主人公にとって大きな転機となるもの」として登場するのみとなっている。イギリス人作家ジョン・コナリーの小説『失われたものたちの本』との類似点も多く、ストーリー的なモデルはこちらではないかとする声も少なくない。
幾度も引退を宣言しては現役復帰することを繰り返した宮崎が、「体力的にこれ以上は無理、これで本当に最後」と明言して制作を開始したことで公開前から注目を集める。2000年代以降の作品でありながら、宣伝も無く、公式HPも無く、一切情報を隠したまま公開されるという独特の手法で話題となった。
最終的な興行収入は約108億円。2023年の「イマジン映画祭」で1位、2024年の「第81回ゴールデングローブ賞」のアニメ映画賞、同年の「第96回アカデミー賞」の長編アニメ映画賞など、数々の映画賞に選ばれている。
太平洋戦争が激化する最中、牧眞人(まき まひと)は母を火事で失い、父と共に郊外へと引っ越すこととなる。そこでかつての叔母で、新たに自身の義母となるナツコと再会する眞人だったが、すでに自分の弟か妹がおなかにいるという彼女とどう接すればいいのか戸惑い、馴染むことができないでいた。
そんな眞人に、人語を操る奇怪なアオサギが幾度となく接触。妖怪か何かではないかと眞人がこれを射るための弓を用意する中、ナツコが不意にいずこかへと姿を消してしまう。ナツコと、まだ見ぬ弟妹を助けるため、眞人はアオサギに導かれるまま不可思議な異界へと乗り込んでいく。
『君たちはどう生きるか』のあらすじ・ストーリー
母の死と新たな家
太平洋戦争が始まって3年。小学生の牧眞人(まき ひろと)は、病院で療養中だった母を火災によって失う。火の勢いは激しく、母を助けようと駆け付けた牧眞人の目の前で病院は崩れ落ち、遺体は発見されないままだった。「母を救えなかった」という事実は、眞人の胸にトラウマとして残り続ける。
それから程無くして、眞人は父と共に郊外へと引っ越すこととなる。それは父の仕事の都合でもあったが、彼が再婚する相手の実家がそこにあるというのも大きな理由だった。駅に着いたところで、眞人の叔母でこれからは義母となるナツコという女性が2人を迎えに現れる。
先に職場に向かうという父と別れ、眞人はナツコと一緒に彼女の実家に向かう。ナツコは母を失ったばかりの眞人に親切にしてくれたが、少し前まで叔母だった相手にどう接すればいいか分からず、眞人は頑なな態度を崩せない。しかもナツコはすでに眞人の弟か妹になる赤ん坊を妊娠しており、それはそれで「父は母を裏切っていたのか、だからといって自分の弟か妹になる赤ん坊をおなかに宿した女性に失礼なことをしていいのか」と彼を悩ませる。
家族に対して心を閉ざした眞人は、母の実家近くの探検に精を出すようになる。家の裏にはいくつかの塔が組み合わさったような不可思議な建物があり、住み込みで働く老婆に話を聞けばこれは母の大叔父(祖父の兄弟のこと。眞人からすると曾祖父の兄弟)が作ったもので、その大叔父本人を含めて今まで何人も神隠し騒ぎを起こしているという。家の庭に棲みついているアオサギは、塔に興味を抱き始めた眞人を誘うように、彼につきまとうようになる。
ナツコの失踪
幻覚か妖術か、やがてアオサギは人語を操って眞人を塔に誘う。妖怪なのかなんなのか、いずれにしろ尋常な存在ではないと察した眞人は、これを倒すために手製の弓矢を作り始める。矢羽根に落ちていたアオサギの風切り羽根を利用すると、矢は驚くほどの勢いで飛ぶようになる。
そんな折、眞人は転校先の学校で同級生たちに絡まれ、喧嘩に負けてしまう。悔しさのあまり、眞人は1人になってから石で自分の側頭部を殴って“ひどい怪我をさせられた”風を装おうとするも、加減を間違えて派手に出血。本当に大騒ぎになってしまう。
父や住み込みの老婆たちに案じられ、怪我が治るまでしばらく休むこととなった眞人だったが、再びアオサギに話しかけられて「あの矢を試してみよう」と考える。しかし手製の弓矢を持って外に出るとすでにアオサギの姿はなく、これを探す内に眞人はナツコらしい人影が森の中に向かう様を目撃。戸惑いつつもアオサギの捜索を続行する。
結局アオサギは見つからなかったものの、今度は「ナツコがいなくなった」と騒ぎになり、家の者たちが総出で彼女を探す。眞人は「もしやアオサギが何かしたのか」と弓矢を手に森の中へと向かい、ナツコの足跡らしきものを追っていく内に家の裏手の塔へと辿り着く。住み込みの老婆の1人で勝手についてきたキリコから「これ以上近づくと神隠しに遭う」と制止されるも、眞人は彼女を引きずるようにしながら塔の中へと乗り込んでいく。
異界の旅路
塔の中では、アオサギが眞人を待ち構えていた。眞人が矢羽根に使ったアオサギの風切り羽根は、偶然にも彼の致命的な弱点だったらしく、逃げても逃げてもこれを追い続けてそのクチバシを貫く。するとアオサギの口から不格好な男の頭が飛び出し、満足に飛ぶこともできなくなって床に落ちてくる。矢を回収した眞人が「ナツコさんを返せ」と要求すると、アオサギは塔の遥か上の階から自分たちを見下ろしていた何者かと言葉を交わし、嘲るように武運を祈りつつ眞人となんとなくついてきてしまったキリコを床の中に沈み込ませる。
次に気付いた時、眞人は1人どこともしれぬ海岸に立っていた。精悍な女漁師のキリコに助けられた眞人は、彼女が一緒に塔の中に入った老婆と同じ名前であることを不思議に思いつつ、礼を兼ねて彼女の仕事を手伝う。
キリコによれば、この異界は「あの世」もしくは「地獄」と呼ばれる世界に程近い場所らしい。熟成して天高く上がり、新たな人間の赤ん坊に生まれ変わる「ふわふわ」という存在に、滋養のある魚を獲って食べさせてやるのが彼女の仕事だった。そのふわふわたちをペリカンの群れが襲って食べるのを見て、眞人が思わず「やめろ」と叫ぶと、そこに小舟に乗った何者かが海面から巨大な炎の塊を放つ。キリコはその人物のことを「ヒミ様」と呼び、ああしてふわふわを守ってくれている良い人なのだと説明する。
その晩再びアオサギが現れ、うまく飛べなくなった仕返しに眞人を襲う。眞人は矢から回収した風切り羽根を脅しに使ってアオサギを追い払おうとするも、蹴とばされた拍子にうっかりこれを千切ってしまい、アオサギはショックで倒れ込む。これを見ていたキリコは、2人に仲直りしろと言い聞かせ、一緒にナツコを救ってくるよう勧める。
2人の母との再会
クチバシに穴を開けられ、風切り羽根も千切られたアオサギは完全に飛べなくなっていた。あまりに嘆く彼を見ていられなかった眞人は、木を削ってクチバシの穴を塞いでやる。“自分を傷つけた者によって手当された”ことでアオサギはまた飛べるようになり、不平不満をこぼしながらも眞人の旅を積極的に手伝うようになる。
やがて2人は、ナツコがいる場所の近くにまでやってくるも、そこは人を食う巨大なインコが国を作って制圧している地域だった。アオサギが囮となって眞人を先に進ませるも、その先にも大量のインコが待ち構えていた。眞人が逃げ場を失ったところで、突如ヒミがその場に割って入り、眞人を救出する。
ヒミは眞人と同年代の少女にしか見えなかったが、ナツコを「自分の妹」だと言い、彼女の下までの道案内を買って出る。辿り着いた先では、ナツコが大量の護符に守られるようにして眠っていたが、眞人が起こして帰るよう促すと「ここにいたい」と言い出す。父も待っているだろうことを告げると、ナツコは急に感情的になり、眞人に向かって「お前が嫌いだ」と暴言を吐く。ここで初めて、眞人は新しく家族になる相手に戸惑っていたのが自分だけではなかったことを理解する。甥を義理の息子として迎え入れるために、ナツコも必死に頑張っていたのだ。
ナツコの感情に呼応するように護符が荒れ狂う中、眞人は彼女に「お母さん」と呼びかける。これを聞いたナツコは、自分と同等以上に悩んでいただろう眞人にひどいことを言ってしまったと気付いて慌てて手を伸ばすも、護符に巻き付かれて意識を失う。眞人はヒミによって助け出されるも、彼女もまた護符に襲われて倒れ、2人はそのままインコたちに捕まってしまう。
閉ざされる異界と現世への帰還
インコに囚われた眞人を助けてくれたのは、意外にもアオサギだった。彼から「この世界には神にも等しい存在がいる」と聞いた眞人は、インコたちが捕らえたヒミを交換材料にしてその人物と取引しようとしていることを知り、先んじて接触しようと試みる。
インコたちの居城と化した塔の最上階に辿り着くと、そこで待っていたのはかつて塔の中で行方を絶ったという眞人の“母の大叔父”に当たる老人だった。彼は「この塔はいくつかの世界に同時に存在し、それらをつなぐものだ」と説明し、自分に代わってこれを管理してほしいと眞人に乞う。異界に入ってからの眞人の行動を全て見ていた母の大叔父は、その勇気と真っ直ぐな心を認め、彼こそ理想の世界を作る資格を持つ汚れなき賢者だと考え、様々な世界を渡り歩きながら集めた“世界を形作る積み木”を託そうとしていた。
しかし眞人は頭の傷を見せて「これは家族がどれほど自分を心配してくれるかを試したくてつけたもの。自分はあなたのいう汚れなき者ではない」と言って母の大叔父の要求を拒む。そこに密かに一行を追いかけてきたインコたちの長が現れ、「こんなもので理想の世界を作るなど、そんな馬鹿な話があるか」と言って積み木を一刀両断。この瞬間、異界の全てが崩れ出し、眞人はアオサギやインコたちが連れてきたヒミと一緒に慌てて脱出する。人生をかけて理想世界の創生を果たそうとしていた母の大叔父は、こんな形でその計画が無に帰したことに絶望するも、一方で罪を背負ったまま前に進み続ける眞人に期待と羨望を感じてもいた。
ナツコはキリコが助け出しており、眞人たちもここに合流。現世に向かう扉の前まで辿り着いたところで、ヒミは「私は違う」と言って別の扉に手をかける。彼女が若かりし時の自分の母であることに気付いていた眞人は「そのまま行けばあなたは火事で死ぬ」と必死に説得するも、ヒミは「眞人を産めるなんて幸せなことだ」と笑顔を浮かべる。結局彼女はキリコと共に自身が本来いるべき時代へと帰還し、やむなく眞人はナツコとアオサギと共に自分が生きる時代に続く扉を潜る。
扉の向こうには、ナツコの家の裏にある塔があった。アオサギは「とんでもない目に遭った」とぼやきつつも眞人を“友達”と呼んで飛び去り、異界でキリコからもらった人形が老婆のキリコへと姿を変える。そこに父と住み込みの老婆たちが駆け付け、戻ってきた眞人とナツコに抱き着いて帰還を喜ぶ。かくして眞人は異界の冒険を終えて、自分の在るべき世界に戻ってきたのだった。
2年後。物資と人命と尊厳を無駄に浪費した戦争が終わると、眞人は父、新たな母、新しく生まれた弟と共に、再び東京へと戻っていく。
『君たちはどう生きるか』の登場人物・キャラクター
牧眞人(まき ひろと)
CV:山時聡真
10代前半程度の少年。聡明で勇敢、誠実で家族想いな性格。それだけに「叔母が新しい母になる」、「彼女のおなかにはもう自分の弟か妹になる赤ん坊がいる」という事実をどう受け止めればいいか分からず、家族に対して壁を作っている。
ナツコ
CV:木村佳乃
眞人の叔母。眞人の母の死後、眞人の父と結婚することになり、仕事の都合で地元に来ることになった彼を実家に迎え入れる。眞人と再会した頃には、すでに彼の父との子をおなかに宿していた。
甥である眞人のことは赤ん坊の頃に会ったきりで、自分に対して心を閉ざす彼を「仕方のないこと」とは思いつつどう接すればいいのか苦慮している。
牧勝一(まき しょういち)
CV:木村拓哉
眞人の父。航空機のパーツを製造する工場に務める技術者で、戦時中にも関わらず嗜好品の類を多く手に入れるなど暮らしぶりは裕福。眞人が怪我をして帰ってきた時は本気で心配して「父さんが仇を討ってやる」と言い出し、彼とナツコが塔の中で消えた際は日本刀を手に内部に乗り込もうとするなど、やや勇み足気味ではあるが家族のことは心から愛している。
Related Articles関連記事
米津玄師(ハチ)の徹底解説まとめ
米津玄師とは、ソニー・ミュージックレコーズに所属するシンガーソングライターである。 代表作は、映画「何者」の主題歌「NANIMONO」や、ニコニコ動画にて400万再生を記録した「アイネクライネ」の他、「LOSER」「orion」等。 第57回日本レコード大賞にて、優秀アルバム賞を受賞している。
Read Article
あいみょん(AIMYON)の徹底解説まとめ
あいみょんとは、2016年にメジャーデビューした兵庫県出身のシンガーソングライター、作詞家、作曲家。独特の世界観で構築される歌詞と耳馴染みの良い歌のメロディーが特徴。「あいみょん」というアーティスト名はアルバム『tamago』に収録されている「◯◯ちゃん」のモデルとなった友人から付けられたあだ名。台湾では「愛繆」名義で作品を発表している。
Read Article
スタジオジブリ作品のキャッチコピーまとめ
スタジオジブリ作品のキャッチコピーは、コピーライターの糸井重里、スタジオジブリプロデューサーの鈴木敏夫、メイジャーの宣伝プロデューサー徳山雅也などが担当している。ジブリ作品のキャッチコピーは、『魔女の宅急便』の「おちこんだりもしたけれど、私はげんきです。」や、『風立ちぬ』の「生きねば。」など、どれも秀逸なものばかり。ここでは、彼らの簡単な経歴や名キャッチコピー、作品を紹介していく。
Read Article
ジブリの歴代ヒロインまとめ
ジブリの歴代ヒロインとは、『風の谷のナウシカ』や『天空の城ラピュタ』といったジブリ作品に登場する女性キャラクターたちのことである。ジブリのヒロインは主人公として登場することも多く、その存在はファンたちから憧れを抱かれることも多い。主に10代の女子が活躍しているが、その他にもポニョやメイのような幼い女の子やマダム・ジーナのような大人の女性も作品を盛り上げている。
Read Article
韓国芸能界・K-POPで活躍する日本人まとめ
日本でも幅広い世代から高い人気度を誇るK-POPや韓流ドラマ。2016年デビューのガールズグループ「TWICE」に日本人メンバーが3人選ばれたことで、K-POPアイドルを目指す日本人が急増した。韓国の芸能市場にとっても、日本人メンバーの存在は日本進出の大きな足掛かりとなるため重要視されている。またK-POPアイドルに限らず、韓国芸能界で活躍する日本人は多い。
Read Article
マニアックなスタジオジブリ作品の裏設定・都市伝説・トリビアまとめ
スタジオジブリとは、主に長編アニメーション映画の制作を主力事業として展開しているアニメーション制作会社である。スタジオジブリは数々の名作を生み出してきた。宮崎駿や高畑勲を筆頭に、生み出される作品の造詣は非常に深い。それ故に、一度見ただけでは理解できない描写や、そもそも何を意味しているのかが説明されていないシーンが多数存在する。ここでは、ジブリにまつわる裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話を一挙紹介していく。
Read Article
借りぐらしのアリエッティ(ジブリ映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『借りぐらしのアリエッティ』とはメアリー・ノートン著書の『床下の小人たち』を原作として、米林宏昌が監督のスタジオジブリ制作アニメーション映画である。最終興行収入は92億5000万円で2011年に日本アカデミー賞最優秀アニメーション作品賞を受賞。とても美しい映像は劇中の音楽とよく合い、見ている人を夢中にさせた。人間に見られてはいけない小人が、人間の家で物を借りながらどのように隠れて暮らすのか、そして短い間に築かれていく小人であるアリエッティと少年の翔との友情と絆を描く。
Read Article
鎌倉殿の13人(大河ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ
『鎌倉殿の13人』とは2022年にNHKで放送された、平安時代〜鎌倉時代初期を舞台とした大河ドラマである。主演は小栗旬が務めた。 伊豆の地方豪族の次男坊であった北条義時(ほうじょうよしとき)は源頼朝(みなもとのよりとも)に仕え、源平の戦乱の中に巻き込まれていく。そして鎌倉幕府成立後は有力御家人たちとの権力闘争を勝ち抜き、次第に非情な権力者になっていく姿が描かれている。 脚本は今作が大河ドラマ3作目となる三谷幸喜が手掛けた。 同作品は2023年のエランドール賞特別賞を受賞している。
Read Article
天空の城ラピュタ(ジブリ映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『天空の城ラピュタ』とは、1986年に公開されたスタジオジブリ作品。宮崎駿氏が監督、脚本、原作を手掛けた長編アニメです。飛行石という不思議な石を持つシータと、彼女を助けた少年パズー。空に浮かぶとされる島ラピュタ発見を夢見て、飛行機を作っていたパズーはシータと共にラピュタ探しを提案します。そこに空中海賊、政府軍などが飛行石、そしてラピュタを狙い介入。ただの冒険活劇でないところが、数十年経っても衰えない人気を誇っています。
Read Article
花束みたいな恋をした(はな恋)のネタバレ解説・考察まとめ
『花束みたいな恋をした』とは、2021年公開の日本のラブストーリー映画。主演は菅田将暉と有村架純。『東京ラブストーリー』『Mother』などで知られる坂元裕二によるオリジナル脚本で、終電に乗りそびれた二人が21歳で恋に落ちて、26歳で別れるまでの忘れられない恋愛を描く。坂元裕二はあくまで「普通の恋愛」を描くことを目指しており、等身大の恋愛に共感する視聴者が続出した。
Read Article
となりのトトロ(ジブリ映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『となりのトトロ』とは、1988年に公開したスタジオジブリ制作のアニメ映画。昭和30年代、緑豊かな農村に引っ越してきた草壁さつき、メイの姉妹は奇妙な生き物トトロと出会う。ネコバスも含め、子供の時にしか会えない彼らとの交流、そして少しの成長を描いたもの。爽やかな自然の描写と、それに相反する多くの暗い都市伝説を持つ作品でもある。原作、脚本、監督は宮崎駿。
Read Article
崖の上のポニョ(ジブリ映画)のネタバレ解説・考察まとめ
「崖の上のポニョ」とは、宮崎駿監督によるスタジオジブリ製作の長編アニメーション映画作品。2008年に公開された。藤岡藤巻と大橋のぞみが歌うエンディング主題歌「崖の上のポニョ」は、オリコン週間3位になり話題になった。崖の上の一軒家に住んでいた5歳児の少年「宗介」は、海で魚の女の子「ポニョ」に出会う。ポニョは宗介に恋をし、人間になろうとするのであった。
Read Article
風の谷のナウシカ(ジブリ映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『風の谷のナウシカ』とは、1984年トップクラフト制作の日本アニメーション映画で、宮崎駿監督の長編アニメーション映画第2作である。原作は「アニメージュ」に連載していた宮崎の同名漫画『風の谷のナウシカ』。遥か遠い未来、近代文明が崩壊し「腐海(ふかい)」と呼ばれる菌類の森に世界は覆われていた。その辺境にある「風の谷」で生き抜く少女の生き様を描く。
Read Article
風立ちぬ(ジブリ映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『風立ちぬ』とは、2013年にスタジオジブリが公開したアニメーション映画で、監督は宮崎駿。キャッチコピーは「生きねば。」。主人公の堀越二郎は、幼い頃から飛行機が大好きで飛行機乗りになりたかった。しかし近眼という決定的な欠陥から飛行機乗りの道を諦め、設計者を志すこととなる。そして大学生のころ関東大震災にあい、その時に出会った結核の少女、里見菜穂子と恋に落ちる。大正から昭和へと流れゆく時代に、生と死の間で苦悩する青年を描いた感動作となっている。
Read Article
おもひでぽろぽろ(ジブリ映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『おもひでぽろぽろ』とは、1991年公開のスタジオジブリ作品である。監督・脚本は高畑勲。制作プロデューサーとして宮崎駿も参加している。ひとり旅に出た27歳の私が“小学5年生のワタシ”と一緒に、それまでの歩みを振り返るストーリー。 声優として今井美樹や柳葉敏郎が参加していることも上映当時には話題となった。 キャッチコピーは「私はワタシと旅に出る」。
Read Article
コクリコ坂から(ジブリ映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『コクリコ坂から』とは、2011年に公開されたスタジオジブリのアニメーション映画。監督は宮崎吾朗で、キャッチコピーは『上を向いて歩こう。』。 港南学園高校2年生のメルこと松崎海は、毎朝庭で旗を揚げていた。それは戦争に行ったきり、帰ってこない父親へ向けた信号旗だった。ある日、学校新聞「週刊カルチェラタン」で、自分が旗を揚げる少女として取り上げられていることに気が付く。それは同じ高校の3年生、風間俊が書いた記事だった。メルはこの記事をきっかけに俊を気にするようになり、だんだんと彼に惹かれていく。
Read Article
千と千尋の神隠し(ジブリ映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『千と千尋の神隠し』とは、2001年の夏に劇場公開されたジブリの長編アニメーション映画。この映画は千尋という10歳の少女が神々の世界に迷い込んでしまう物語である。興行収入は300億円を超える業績を生み出し、2003年にはアカデミー賞を受賞した。まさに大作中の大作である。その名作ぶりは2016年のイギリスBBCの投票で、「21世紀の偉大な映画ベスト100」の4位に選ばれたほどとなっている。
Read Article
もののけ姫(ジブリ映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『もののけ姫』とは、宮崎駿、スタジオジブリ原作の長編アニメーション映画作品である。 1997年7月12日全国公開され、1998年の春先までロングラン上映を実施した映画館もあったことで、興行収入193億円を記録し、20世紀日本映画歴代興行収入第1位となった。 アシタカという人間ともののけに育てられたサンが出会い、人間と自然の対立を描いた壮大な作品になっている。
Read Article
ハウルの動く城(ジブリ映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『ハウルの動く城』とは宮崎駿監督、スタジオジブリ製作の日本の長編アニメーション映画作品である。2004年11月20日に全国公開され、興行収入は196億円。スタジオジブリ製作アニメでは「もののけ姫」を抜き、「千と千尋の神隠し」に次ぐ第2位の記録を樹立した。 物語は魔法と機械が混在する架空の世界が舞台。呪いで老婆にされた少女ソフィーと魔法使いハウルの戦火の恋を描く。
Read Article
魔女の宅急便(魔女宅)のネタバレ解説・考察まとめ
『魔女の宅急便』は、1989年に公開されたスタジオジブリ制作のアニメーション映画。キャッチコピーは「おちこんだりもしたけれど、私は元気です」。13歳の魔女キキは満月の夜に自分の住む街を出て、海の向こうの街コリコにたどり着く。そこで「魔女の宅急便」を開業し、挫折を味わい、成長していく。角野栄子の『魔女の宅急便』が原作で、映画では原作よりファンタジー性が抑えられているのが特徴。
Read Article
ゲド戦記(ジブリ映画)のネタバレ解説・考察まとめ
2006年公開、スタジオジブリ作品であり、宮崎駿氏の息子である宮崎吾朗氏が初監督を務めた長編アニメーション映画。国を捨て旅に出た王子アレンと、その旅の途中で出会った顔にやけどを負った少女テルー。二人は旅をするにつれ、自身が抱える辛い過去と向き合いながらお互いの理解を深めていく。互いの心に歩み成長していく姿や、メッセージ性に様々な考え方をもたらす作品。
Read Article
紅の豚(ジブリ映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『紅の豚』は、1992年7月18日に劇場公開された、スタジオジブリ制作・宮﨑駿監督による日本の長編アニメーション作品である。舞台は世界大恐慌に揺れるイタリア・アドリア海。自分自身に魔法をかけて豚の姿になったイタリア人・マルコが偽名「ポルコ・ロッソ」を使い、飛行艇を乗り回す空中海賊「空賊」たちを相手に、賞金稼ぎとして空中戦を繰り広げる。
Read Article
耳をすませば(耳すま)のネタバレ解説・考察まとめ
「耳をすませば」は、1995年に公開されたジブリ映画。原作者は柊あおいである。この映画は、ジブリ作品を作画で支えていた近藤善文の最初で最後の監督作品で脚本・絵コンテは宮崎駿が担当している。ストーリーは、主人公「月島雫」を中心に恋や夢、悩みなどを描いている。誰もが一度は経験したことがある甘酸っぱい青春ストーリーで未だに人気の高い作品だ。
Read Article
海街diary(実写映画)のネタバレ解説・考察まとめ
「海街diary」とは、「そして父になる」「誰も知らない」などで国際的にも評価の高い是枝裕和監督により映画化、2015年6月に公開された。原作は吉田秋生による漫画作品である。鎌倉を舞台に、異母妹を迎え4人となった姉妹の、共同生活を通して家族としての絆を紡いでいく1年の物語。
Read Article
青天を衝け(大河ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ
『青天を衝け』とは2021年にNHKで放送された大河ドラマ。幕末〜昭和初期を舞台に、実業家として日本の礎を築いた渋沢栄一を主人公としている。主演は吉沢亮が務めた。武蔵国の農民であった渋沢栄一は後に将軍となる一橋慶喜に仕えることで、幕末の動乱に巻き込まれていく。明治に入った後は官僚として新政府を支え、下野した後は実業界に入り数々の企業の経営に携わった。ドラマでは常に前を向き未来を切り開いていく栄一の姿が描かれている。第110回ザテレビジョンドラマアカデミー賞を受賞している。
Read Article
キセキ -あの日のソビト-(映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『キセキーあの日のソビトー』とは、大ヒット曲を数々生み出したGReeeeNの結成と「キセキ」という楽曲の誕生秘話を描いた映画である。 音楽に挫折した兄のジンは、歯科医師を目指す弟のヒデの音楽の才能に気づき、ヒデの音楽活動を支えることにした。 父親である誠一のような医者を目指していたヒデは、歯科大学の仲間と共に顔を出さない音楽グループGReeeeNを結成する。 そんな2人の主人公と音楽を認めない誠一との葛藤を実話を元にしたストーリー。
Read Article
最高の教師 1年後、私は生徒に■された(ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ
『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』とは、2023年に日本テレビで放送されたテレビドラマである。高校教師が、卒業式直後に担任生徒の誰かに突き落とされ1年前にさかのぼり、運命を変えるため生徒たちが抱える問題を解決していく物語。見る人が「あの時言ってほしかった」と感じる言葉が多くあり、当時の悩みが解消されるような気持になれるところが魅力だ。主演の松岡茉優が教師を演じ、芦田愛菜など注目の若手俳優が生徒役を務めた。ギャラクシー賞2023年9月度月間賞など多くの受賞歴をもつ2023年の話題作。
Read Article
風間公親−教場0−(ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ
『風間公親−教場0−』とは長岡弘樹の小説『教場シリーズ』を原作としたサスペンスドラマであり、本作の放送以前にはスペシャルドラマとして『教場』『教場II』が放送されている。 本作の主人公である風間公親(かざまきみちか)が様々な事件を通して犯人と指導していく新人刑事たちの本質を見抜いていくものであり、風間が新人刑事たちとどう向き合うかが注目となっている。 適性のない人間を容赦なく切り捨てる最恐の教官はなぜ誕生したのか、風間公親の刑事時代と過去が描かれる。
Read Article
GOOD LUCK!!(ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ
『GOOD LUCK!!』とは、2003年にTBSの日曜劇場枠で放送されたドラマ。木村拓哉演じるパイロットの新海元が、上司や同僚とぶつかりながらも成長していく様子を描いている。また、柴咲コウ演じる整備士の緒川歩実との恋愛模様も見どころのひとつである。撮影には実際の空港が使用され、大手航空会社であるANAが全面協力している。また、今作品の影響により航空業界への就職希望者が続出する現象が起こった。また数々のヒット作を手がけた井上由美子が脚本を担当した。
Read Article
ナウシカが招いた死の未来【漫画版 風の谷のナウシカ(ネタバレあり)】
初めてのジブリ作品で、代表作の一つである『風の谷のナウシカ』。ナウシカには映画版と漫画版があり、映画版の内容は漫画版全7卷の中で第1巻のストーリーです。 漫画版では、王蟲や腐海の蟲はなぜ生まれたのか、巨神兵は何のために生まれたのか、ナウシカたちは何者なのか、など映画では描かれなかった衝撃の事実が明らかになります。それを知ったナウシカはある行動に出ます。それは逃れられない滅びの道です。 この記事では、漫画版で描かれた衝撃の結末・ナウシカの決断を解説します。
Read Article
もののけ姫のシシ神の謎についてネタバレ解説・考察まとめ
スタジオジブリ制作の長編アニメーション映画「もののけ姫」。人間と森に住まう神々「もののけ」との対立を描く。劇中の神々の頂点としてシシ神という存在が登場する。シシ神は多くの謎を覗かせつつも最後までその存在がどういうものかを劇中で語りつくされることなく、物語は終了する。人にとって、また神々にとってどういう存在なのかについて掘り下げていく。
Read Article
ハウルの動く城の名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ
『ハウルの動く城』とは、2004年公開のスタジオジブリ制作の長編アニメーション作品である。脚本・監督は宮崎駿。 帽子屋の少女・ソフィーは兵隊に絡まれていたところを魔法使いのハウルに助けられるが、魔女の呪いによって90歳の老婆に姿を変えられてしまう。店にいられなくなったソフィーは旅に出、その途中でハウルの動く城に出会うのだった。ファンタジックな世界観や美術、個性的なキャラクターが魅力の作品。ハウルとソフィーの戦火の恋がストーリーの軸となっているため、本作にはロマンチックな名言も数多く登場する。
Read Article
もののけ姫の名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ
『もののけ姫』とは、1997年公開のスタジオジブリ制作の長編アニメーション映画である。原作・脚本・監督は宮崎駿。 中世の日本を舞台に、エミシの村で暮らす少年アシタカが村を襲ってきたタタリ神から村を守ったことで、死の呪いを受けてしまう。呪いを絶つために旅立ったアシタカは、山犬に育てられた少女・サンと出会う。人間と自然の対立を描いた壮大な作品である。本作には、人やもののけそれぞれの立場や考え方を表したセリフも多く、考えさせられるような印象的な名言が数多く登場する。
Read Article
天空の城ラピュタの名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ
『天空の城ラピュタ』とは、1986年公開のスタジオジブリ初制作の長編アニメーション作品である。原作・脚本・監督は宮崎駿。鉱山で働く少年パズーは、ある時、空から降ってきた不思議な女の子・シータを助ける。追われている彼女を助けようとするパズーだが、自分の古い名前がラピュタであることを打ち明けたシータは、敵に捕まってしまったパズーの身代わりとして連れ去られてしまったのだった。本作には、「バルス!」や「見ろ!人がゴミのようだ!」など有名でキャッチーな名言が多く登場している。
Read Article
風の谷のナウシカの名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ
『風の谷のナウシカ』とは、1984年公開のトップクラフト制作の長編アニメーション作品である。原作・脚本・監督は宮崎駿。1982年に『アニメージュ』で連載していた宮崎の同名漫画を原作としている。宮崎駿の長編アニメーション映画としては第2作である。 「火の七日間」という最終戦争から1000年後の世界。近代文明が崩壊し、「腐海」と呼ばれる異形の菌類の森に世界は覆われていた。本作には、この世界の過酷な現状やナウシカの生き様を表した印象的なセリフが数多く登場する。
Read Article
紅の豚の名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ
『紅の豚』とは、1992年公開のスタジオジブリ制作の長編アニメーション作品である。監督は宮﨑駿。1990年に『月刊モデルグラフィックス』で連載された『宮崎駿の雑想ノート』の『飛行艇時代』を原作としている。 世界大恐慌に揺れるイタリア・アドリア海。豚の姿になった「ポルコ・ロッソ」が、飛行艇を乗り回す空中海賊「空賊」たちを相手に賞金稼ぎとして空中戦を繰り広げる。中年男性向けを意識して制作されたため、「飛行機」や「空軍」などロマンがあり、渋い名言も多い。
Read Article
タグ - Tags
目次 - Contents
- 『君たちはどう生きるか』の概要
- 『君たちはどう生きるか』のあらすじ・ストーリー
- 母の死と新たな家
- ナツコの失踪
- 異界の旅路
- 2人の母との再会
- 閉ざされる異界と現世への帰還
- 『君たちはどう生きるか』の登場人物・キャラクター
- 牧眞人(まき ひろと)
- ナツコ
- 牧勝一(まき しょういち)
- アオサギ
- 母/ヒミ
- キリコ
- 大叔父(おおおじ)
- インコ大王
- 『君たちはどう生きるか』の用語
- 塔
- 異界
- 『君たちはどう生きるか』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 眞人「ナツコお母さん!」
- インコ大王「王らしく前に進んでいったと皆に伝えろ」
- ヒミ「眞人を産めるなんて幸せじゃない?」
- アオサギ「じゃあな、友達」
- 『君たちはどう生きるか』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 「アオサギのモチーフには手塚治虫も含まれている」説
- 「大叔父が集めた13個の積み木は、宮崎駿の作品数を表している」説
- 『君たちはどう生きるか』の主題歌・挿入歌
- 主題歌:米津玄師『地球儀』