劇場版 コード・ブルー（ドクターヘリ緊急救命）のネタバレ解説・考察まとめ

『劇場版 コード・ブルー-ドクターヘリ緊急救命-』の概要

『劇場版 コード・ブルー-ドクターヘリ緊急救命-』とは、2008年7月からフジテレビ系列で放送された医療ドラマが映画化された作品である。メインキャストは山下智久、新垣結衣、戸田恵梨香、比嘉愛未、浅利陽介の5人。作品は大人気となり、テレビでは第3シリーズまで放送された。第3シリーズでは、フェロー役に有岡大貴、成田凌、新木優子、馬場ふみかが加わる。

スピンオフドラマが放送された後、劇場版が公開された。劇場版はドラマの第3シリーズ後のストーリーが描かれ、最大のスケールで描かれている。劇場版が公開されると、初登場1位を獲得し、大ヒットとなった。劇場版には末期がんの患者役に山谷花純、その婚約者に新田真剣佑、フライトナースの雪村 双葉（ゆきむら ふたば）の母親役にかたせ梨乃など、豪華なゲストが出演している。

劇場版は乱気流に巻き込まれた飛行機、海ほたるに衝突したフェリーと2つの大規模な事故が連続で起こってしまう。フライトドクターは傷病者を救うため、駆け回る。傷病者には様々な人間ドラマがあり、フライトドクターにも多大なる影響を与えた。ぶつかり合いながらも支え合い、困難を乗り越えてきた5人が、それぞれの道へ旅立って行く。

『劇場版 コード・ブルー-ドクターヘリ緊急救命-』のあらすじ・ストーリー

末期がんの患者

フライトドクターの藍沢 耕作（あいざわ こうさく）達は、それぞれの仕事をこなしていた。そして病院にドクターヘリの要請が入る。その内容は飛行機が乱気流に巻き込まれ、機内で多くの傷病者が発生したとのことだった。
その中には末期がんに侵された女性、富澤 未知（とみざわ みち）がいた。病院に運ばれた彼女は、フライトナースである冴島 はるか（さえじま はるか）に当たり散らしていた。
富澤の元には、婚約者の岩田 彰生（いわた あきお）が見舞いに訪れる。しかし富澤は岩田を追い返してしまう。富澤は病気になったため、岩田のためを思って突き放したのだ。しかし岩田は最後まで富澤の側にいたい、結婚したいと告げる。
そんな富澤にフライトドクターの緋山 美帆子（ひやま みほこ）は、冴島が婚約者を病気で亡くした過去を話す。富澤は考えを改め、残りの時間を岩田と過ごすことにした。
冴島とフライトドクターの藤川 一男（ふじかわ かずお）は結婚式の日が迫っており、結婚式の準備を進めていた。しかし残り時間の少ない富澤のために、自分達が予約していた結婚式場を富澤と岩田に譲ることにする。そして二人は結婚式を挙げることができたのだった。
だが式の終盤で、富澤が吐血して病院に運ばれる。治療中に富澤は冴島に、「結婚式を挙げてね」と告げ、その後亡くなった。

雪村 双葉（ゆきむら ふたば）の母親

フライトドクターの横峯 あかり（よこみね あかり）と、フライトナースの雪村 双葉（ゆきむら ふたば）の前に、二人の女性が現れる。一人は頭に包丁が刺さっており、双葉の母である雪村 紗代（ゆきむら さよ）だった。もう一人は姉の雪村 若葉（ゆきむら わかば）である。
紗代はアルコール依存症で、転んで包丁が頭に刺さったのだった。若葉は妹の双葉に「後はお願い」と紗代を押し付けて帰って行く。
紗代は自分で包丁を抜いてしまいショック状態に陥ったが、手術は無事に終わった。
母親から逃げるために看護師になった双葉だが、病院でも好き勝手に行動する紗代に振り回されてしまう。しかし紗代に謝られ、双葉の心に変化が訪れる。退院の日には見送りに出て、迎えに来た姉とも和解するのだった。

父と息子

フェリーが海ほたるに衝突し、ドクターヘリの要請が入った。
藍沢 耕作（あいざわ こうさく）はフライトドクターの白石 恵（しらいし めぐみ）と雪村 双葉（ゆきむらふたば）と共に、フェリーの駐車場へ向かう。するとそこには立ち尽くした一人の男性、杉原 剛志（すぎはら つよし）がいた。杉原の前には、車の座席に座り、脇腹に鉄パイプが突き刺さった意識不明の父親がいた。
腹部の切開を行うが経験がないことをやるため、できるだけ父親の情報がほしいと白石は杉原に話すが、杉原は父親に虐待されていたため、10年ぶりの再会だから何も知らないと答える。最後に父親に「1人で惨めに死ね」と言ったことを、杉原は後悔していた。
そんな杉原に「父親からよく逃げた」と藍沢は語りかける。その言葉を聞いて杉原は、父親を助けてほしいと藍沢に頼む。処置は無事に成功した。

意識不明の藍沢 耕作（あいざわ こうさく）

引き続き、傷病者の治療を行うためフェリーのエンジンルームへ向かう藍沢 耕作（あいざわ こうさく）達。
藍沢は船内の漏電に気付き、助けようと雪村 双葉（ゆきむら ふたば）を突き飛ばした。しかし藍沢は感電し、階段から落ちて水の中に落下してしまう。白石 惠（しらいし めぐみ）は藍沢を水の中から引き上げ、懸命に処置をする。藍沢は救命センターに運ばれた。
病院でもなかなか意識が戻らなかった藍沢だが、ついに目を覚ます。白石達は安堵するのだった。

脳死の少年

フライトドクターの灰谷 俊平（はいたに しゅんぺい）は、海に浮かんでいた少年を救出する。しかし少年は脳死となってしまう。
少年は「臓器提供意思表示カード」を持っており、それには「臓器を提供する」と記されていた。少年に意志を確認することができないため、どうするかの判断は両親が行うことになる。
灰谷は自分は両親とどう接したら良いのかとフライトドクターの橘 啓輔（たちばな けいすけ）に相談するが、「何もしないで寄り添うこと」と言われる。
両親は臓器提供に同意したが、遺体の息子の前で泣き崩れてしまう。橘は心臓移植を受けた自分の息子、橘 優輔（たちばな ゆうすけ）を両親に会わせる。両親は優輔を見て、息子の心臓が誰かの中で生きていることを感じ、前向きになることができた。

冴島はるか（さえじまはるか）と藤川一男（ふじかわかずお）の結婚式

藍沢 耕作（あいざわ こうさく）の意識が戻ってから3週間後、冴島 はるか（さえじま はるか）と藤川 一男（ふじかわ かずお）は橘 啓輔（たちばな けいすけ）に急患がいるから向かうように言われる。しかしそれは嘘で、二人の結婚式を挙げるために仕組まれたことだった。
皆に祝福されて、結婚式は行われた。そこには2つの指輪をした岩田 彰生（いわた あきお）の姿もあった。最後にドクターヘリ事業を立ち上げ、現在は離島で医師をしている田所 良昭（たどころ よしあき）からのメッセージが読まれた。
そして藍沢はトロントへ、緋山 美帆子（ひやま みほこ）は周産期医療センターへ旅立った。

『劇場版 コード・ブルー-ドクターヘリ緊急救命-』の登場人物・キャラクター

翔陽大学付属北部病院

藍沢 耕作（あいざわ こうさく／演：山下智久）

この作品の主人公。フライトドクターで翔北病院の脳外科医のエース。常に冷静で考え事をする時に、親指を擦り合わせる癖がある。
横峯 あかり（よこみね あかり）の指導をすることが多い。
トロントからの帰りに飛行機事故に遭遇する。白石 惠（しらいし めぐみ）達が到着する前に、患者の処置を始めていた。
フェリーのエンジンルームで漏電した水たまりに足を踏み入れようとしたフライトナースの雪村 双葉（ゆきむら ふたば）を庇い、感電し、落下してしまう。病院に搬送され意識不明だったが、無事に意識が戻る。
冴島 はるか（さえじま はるか）と藤川 一男（ふじかわ かずお）へのお祝いコメントを皆がなかなかやらない中、一番最初にコメントをする。冴島と藤川の結婚式の翌日に、トロントへ旅立つ。

白石 恵（しらいし めぐみ／演：新垣結衣）

フライトドクターで、スタッフリーダー。温和で真面目な性格の優等生タイプ。灰谷 俊平（はいたに しゅんぺいの指導をすることが多い。
藍沢 耕作（あいざわ こうさく）がフェリーで感電した際には、懸命に処置をした。
藤川 一男（ふじかわ かずお）に結婚式で流すためのスタッフのビデオメッセージを撮るように頼まれるが、なかなかスタッフにコメントしてもらえず苦労する。
藍沢と緋山 美帆子（ひやま みほこ）が翔北病院を去った後も、リーダーとして後輩を引っ張っている。