嘘喰い(漫画・アニメ・映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『嘘喰い』とは、2006年から2018年までに迫稔雄が『週刊ヤングジャンプ』にて連載していた漫画及びそれを題材としたアニメ、映画作品である。相手のイカサマ(嘘)を利用し勝利する様から「噓喰い」の2つ名を冠する天才ギャンブラー・斑目貘が、智力と暴力の入り乱れる命懸けのギャンブルに挑む姿を描く。ギャンブルシーンの高度な駆け引きと読み合いの最中に行われるキャラクター同士の激しい格闘も人気を博しており、ギャンブル漫画としてもアクション漫画としても読み応えのある非常に重厚な内容の漫画である。
『嘘喰い』の用語
ギャンブル
ハングマン
1対1のババ抜きを行う。
残されたカードに記された数字の分、ハングマンと呼ばれる絞首台が組み立てられていき、全11工程のハングマンが完成したプレイヤーが絞首刑に処され、ゲーム終了となる。
迷宮ゲーム(ラビリンスゲーム)
日付とその日の思い出を賭ける事で、勝てば元金なしに億単位の金を得られるギャンブル。
その実態は、賭郎の「取立は絶対」という使命を利用したもの。賭郎立会のギャンブルとして成立させれば、賭郎の工作により参加者が賭けた「日付」のアリバイを必ず奪える為、イカサマで若者を嵌め、明るみにならない冤罪事件を作り上げていた。それにより、権力者が起こした事件の揉み消しや、未解決事件を強引に解決する手段として利用されていたのだった。
ゲーム自体は、36マスのいずれかにスタートとゴールを決め、必ずゴール出来るようにマスの枠線に線を引き、迷路に見立て、後はお互いに相手がどこに線を引いたかは知らない状態で、交互に壁にぶつかるまで迷路内を1マスずつ移動し、先にゴールにたどり着いた方が勝ちというもの。
Mゲーム
迷宮ゲームを実際の部屋と扉を使って行うというもの。
36マスの部屋は全て、四方の壁に扉が設置されており、遠隔で施錠されている。開く扉は正解、開かない扉は不正解とされ、開かない扉に当たるまで迷路内を進み、進んだ分だけM(ミノタウロス)ポイントを累計で獲得できる。
プレイヤーが順番に自分のターンを行っていき、他のプレイヤーと接触した際、お互いに消費するMポイントを提示し、1ポイントでも多かったプレイヤーが30秒間相手への暴力行為が認められる。
ポイントの少なかったプレイヤーは抵抗は認められない。
先に迷路を脱出するか、相手プレイヤーを死亡させた場合に勝利と見なされる。
ファラリスの雄牛
プレイヤーは交互に、ストップォッチでタイムを計測する役と体内時計で時間を測る役を行う。
ストップォッチを持ったプレイヤーが任意のタイミングで計測を止めたその時の秒数を、体内時計で当てるというゲーム。
誤差は累積していき、任意のタイミングで「ファラリスの雄牛」という拷問器具に累積時間分入らなければリセットされない。
マキャベリストゲーム
ABCDEFのそれぞれのパネルに未解決事件の真相が書かれており、プレイヤーは全員がいずれかの事件の犯人。
ズドン指と呼ばれるカーソルがA~F間を移動し、指したパネルの事件は公表されてしまうので、自分の事件が公表されない様にズドン指を押し付け合うというゲームである。
ズドン指は1ターン毎に動く。プレイヤー全員は、ターン毎にマキャベリカードとよばれるズドン指を操作できるカードを投票する事で、投票した枚数が一番多かったプレイヤーの、二番目との投票枚数の差分だけズドン指を動かせる。
マキャベリカードは、ゲームの初めに10枚だけ渡される。
業の櫓(ごうのやぐら)
タワーの最上階にあるパネルに正解のパスワードを打ち込んだプレイヤーのペアが勝利である。
ゲーム開始時に両ペアのメインプレイヤーが任意で10個以下の珠を握り、その数の合計2~20がパスワードとなる。
入力回数は一人1回であるが、ペアでの対戦である為、チームには2回のチャンスが与えられている。
タワー1階部分に限り、暴力行為は禁止されている。
相手の珠の数を当てる装置として「血の宣教師ドティ」が用意されている。
血の宣教師ドティは、入場料として採血用の器具を用い、容器に600mlの血液を支払う。その後、血液の容器は対戦相手と交換される。
その後、交互に予測した相手の珠の数を言い合う。その度に、ドティが正否を回答する。
相手の珠の数を当てた場合、相手のプレイヤーには交換した血液600mlが注射される。
卍(ばん)
特定の区域で勝負を行うのが卍決戦であり、勝負中にはそのエリアから出てはならないというルールがある。
卍を設定する際には、同時に「刻」(勝負の期間)「者」(協力者の数)「地」(勝負の場所)を取り決める。
エア・ポーカー
チップに見立てた酸素ボンベ25個ずつを、ポーカー勝負で奪い合うのがエア・ポーカーである。最大5ゲームで終了し、その後はどちらかのプレイヤーが溺死した段階で決着となる。
1階部分のプレイヤーは、水中に設置されている椅子に足枷で固定され、ランダムな数字が記されたカードを提示する。
それを受けて、ペアに当たる2階部分のプレイヤーが、カードに提示されている数字の合計になる役を作る。役作りに実際のトランプを使用して確認する事は出来ず、また1度使ったカードを再使用する事は出来ないので、極めて難解な思考を必要とする。
1階のプレイヤーは思考を巡らせれば酸素を使用し不利になり、2階のプレイヤーは敗北する度に「売女の痛み(ビッチペイン)」という拷問器具により与えられるバーチャルリアリティとしての死の苦痛がトラウマとなる為、心理的苦痛が甚大なゲームである。
ハンカチ落とし
椅子に座ったプレイヤーを「チェック」、チェックの背後に立ちハンカチを落とすプレイヤーを「ドロップ」と言い、この二つの役を交互に行う。
ドロップは制限時間1分の間に、任意のタイミングでハンカチを落とす。チェックはドロップがハンカチを落としたと思われるタイミングで振り返る。これで1ターンである。
ドロップがハンカチを落としてからチェックが振り返るまでの時間差分、それぞれのプレイヤーの注射器に臨死薬が蓄積する。蓄積が5分間分を超えた時、プレイヤーには臨死薬が注射され、同時間分の心肺停止、即ち臨死を行う。その後蘇生処置を行い、蘇生すればゲーム続行、しなければ敗北となる。
ただしチェックが、ハンカチが落ちていない状況で振り返った場合は、1分間分の臨死薬が蓄積した上で、累積分を含めた臨死薬を注射される。
賭郎
倶楽部「賭郎」(くらぶかけろう)
裏社会のギャンブルを取り仕切る組織であり、その力は国家権力にすら及ぶ程。
構成員を「立会人」と称し、全員が頭脳身体能力共に優れた人材である。
会員に依頼されれば、どんな勝負であろうと必ず立ち合い、どんなものを賭けても必ず賭郎の立会人が取り立てる事を絶対的な使命とする。
本能寺の変や桜田門外の変も、実は賭郎の取り立てにあったという逸話が作中に存在する。
お屋形様(おやかたさま)
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目次 - Contents
- 『嘘喰い』の概要
- 『嘘喰い』のあらすじ・ストーリー
- 天才ギャンブラーとの出会い
- 廃ビル脱出編
- 廃坑のテロリスト編
- Mゲーム編
- マキャベリストゲーム編
- 業の櫓(ごうのやぐら)編
- バトルシップ編
- 過去編
- プロトポロス編
- エア・ポーカー
- ハンカチ落とし
- エピローグ
- 『嘘喰い』の登場人物・キャラクター
- 主人公と仲間
- 斑目貘(まだらめばく)
- 梶隆臣(かじたかおみ)
- マルコ
- 伽羅(きゃら)
- カール・ベルモント
- 賭郎
- 切間創一(きるまそういち)
- 切間撻器(きるまたつき)
- 切間陽炎ノ助(きるまかげろうのすけ)
- 磨黒燥滋(まくろそうじ)
- 能輪美年(のわみとし)
- 夜行妃古壱(やこうひこいち)
- 棟耶将輝(とうやまさてる)
- 間紙ボロ(まかみぼろ)
- ヰ近十蔵(いこんじゅうぞう)
- 能輪紫音(のわしおん)
- 亜面真琴(あめんまこと)
- 能輪巳虎(のわみとら)
- 目蒲鬼郎(めかまきろう)
- 番代薫(ばんだいかおる)
- 銅寺晴明(どうじはるあき)
- 門倉雄大(かどくらゆうだい)
- 南方恭次(なんぽうきょうじ)
- 能輪美玲(のわみれい)
- 弥鱈悠助(みだらゆうすけ)
- 真鍋匠(まなべたくみ)
- 三鷹花(みたかはな)
- 櫛灘鉄馬(くしなだてつま)
- 最上妙子(もがみたえこ)
- 栄羽(えば)
- 夜行丈一(やこうじょういち)
- 泉江夕湖(みずえゆうこ)
- グリス・李(グリス・リー)
- 龍(ロン)
- 相馬千聖(そうまちさと)
- 賭郎会員
- 九重大郎(ここのえたろう)
- 佐田国一輝(さだくにいっき)
- 鞍馬蘭子(くらまらんこ)
- 雪井出薫(ゆきいでかおる)
- 梟(ふくろう)
- ビンセント・ラロ
- ビリー・クレイグ
- 捨隈悟(すてぐまさとる)
- マーティン・ブルース・ホワイト
- アイデアルの協力者
- レーシィ
- ヴォジャ
- ロバートK
- フロイド・リー
- キョンホ・ジョンリョ
- 百龍(バイロン)
- トルベ
- アノマ
- 警察関係者
- 笹岡(ささおか)
- 天真征一(あまこせいいち)
- 箕輪勢一(みのわせいいち)
- 嵐童公平(らんどうこうへい)
- プロトポロス関係者
- リチャード・アラタ
- 台馬洋海(だいばひろみ)
- 倉敷(くらしき)
- 荻野目(おぎのめ)
- 藤壺(ふじつぼ)
- 円堂(えんどう)
- 大宮寺(だいぐうじ)
- ペルペス
- ああああ
- ベロニカ
- 荒波田(あらはた)
- 阿比留(あびる)
- オフプロのプレイヤー
- チャンプ
- りゅうせい
- みのる
- トラボルタ
- メンマ
- バチャンガ
- つね男
- のぶ子
- カメオ
- ネロネロ
- 悪徳者達
- ゴーネン
- アビ・カーン
- シンバ
- その他の登場人物
- 羽山郁斗(はやまいくと)
- 滑骨種美(なめりぼねたねみ)
- 緒島ケン太(おしまけんた)
- 金子島夫(かねこしまお)
- みーちゃん
- 鴉山貴志(からすやまたかし)
- 武田和重(たけだかずしげ)
- 吉野秀樹(よしのひでき)
- 松山仙吉(まつやませんきち)
- ニトロ・優(にとろ・まさる)
- レオ
- 雹吾(ひょうご)
- 猫登(ねこのぼる)
- 大船額人(おおふながくひと)
- 城道(きどう)
- 金堂正彦(こんどうまさひこ)
- 酒井(さかい)
- 二階堂鮫丸(にかいどうさめまる)
- 孫六(まごろく)
- 蒼田絵子(そうだえこ)
- 『嘘喰い』の用語
- ギャンブル
- ハングマン
- 迷宮ゲーム(ラビリンスゲーム)
- Mゲーム
- ファラリスの雄牛
- マキャベリストゲーム
- 業の櫓(ごうのやぐら)
- 卍(ばん)
- エア・ポーカー
- ハンカチ落とし
- 賭郎
- 倶楽部「賭郎」(くらぶかけろう)
- お屋形様(おやかたさま)
- 屋形越え(やかたごえ)
- 立会人(たちあいにん)
- 號(ごう)
- アイデアル
- 警視庁
- 密葬課(みつそうか)
- プロトポロス
- オフプロ
- 『嘘喰い』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 斑目貘「アンタ嘘つきだね」
- ハル「それって分かりにくすぎ」
- 斑目貘「噓を喰う、それが、俺の正義だ」
- 『嘘喰い』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- うるう秒のトリックが掲載されたのは、うるう秒の年
- 荒木飛呂彦との交流
- 作者の肉体美
- 『嘘喰い』の主題歌・挿入歌
- 主題歌:B'z『リヴ』