真夏のシンデレラ（ドラマ）とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『真夏のシンデレラ』の概要

『真夏のシンデレラ』とは真夏の海が舞台の男女8人の恋愛模様を描いたラブストーリードラマである。
2023年7月から9月までフジテレビ系の月9枠で放送されていた。平均視聴率は5.7％であった。

主人公は蒼井夏海（あおいなつみ）。家計が苦しいので、自分の時間を犠牲にして働いている女の子だ。真逆の環境であるお金持ちの家に生まれた水島健人（みずしまけんと）との恋の行方も目が離せない。他6人を加えて異なる環境で育った8人が目には見えない格差を感じながら、自分が置かれている環境で奮闘していく。人の温もりやトキメキを感じ胸を焦がす展開に注目。

主人公の蒼井夏海を演じたのは森七菜で、ドラマ、映画、雑誌、CMなど幅広く活躍。映画『天気の子』ではヒロイン役に抜擢されるなど演技力も評価されている。

もう一人の主人公である水島健人を演じるのは、間宮祥太朗。過去に出演した作品ではヤンキー役や不良役、好青年役など豊富なキャラクターを演じている。このドラマでは今までと逆で優等生タイプを演じるために、ギャップも楽しみの一つである。

『真夏のシンデレラ』のあらすじ・ストーリー

出会った8人

蒼井夏海（あおいなつみ）は海の近くでサップのインストラクターと、父親である蒼井亮（あおいりょう）のお店である「Kohola」を手伝って生計を立てている。
ある日、夏海が代理でお願いされたサップの教室に水島健人（みずしまけんと）、佐々木修（ささきおさむ）、山内守（やまうちまもる）の3人が来ていた。3人は東大生だと名乗っており、話す内容も夏海には理解できなかった。夏海は学歴もないし、海辺育ちの田舎者だと自分で自覚している。3人の会話を聞き、「自分とはかけ離れた人もいるんだ」と再認識した。
その夜夏海は親友で美容師のアシスタントの滝川愛梨（たきがわあいり）と、シングルマザーでありクリーニング店で働く小椋理沙（おぐらりさ）に、パーティーに参加するように呼び出される。向かってみると、そこには昼間サップを教えた3人がいた。若者6人で盛り上がっていたのだが、夏美の弟である蒼井海斗（あおいかいと）から「お店が回らないので早く帰ってきてほしい」と頼まれ、夏海はその場をあとにする。

解散した後、理沙は元夫である村田翔平（むらたしょうへい）と電話しており、酔っていた勢いで海へ落ちてしまう。
そんな状況の中、理沙を助けたのはライフセーバーである早川宗佑（はやかわそうすけ）であった。理沙が目覚めると裸で隣には宗佑がいて、状況が分からない理沙はパニックになりどうなったのか確認すると、「濡れた服乾かしただけで何もしていない」と答えた。理沙は仕事に遅刻しそうなので、急いで家を飛び出したのである。

夏海の誕生日の日、幼馴染で思いを寄せている牧野匠（まきのたくみ）がお店にプレゼントを持ってきた。夜一緒にご飯を食べに行こうと約束し夏海は嬉しかった。思いを寄せていることを匠に伝えようと計画していたが、匠は別件で食事に来ることはなかった。匠は既婚者である元教師の長谷川佳奈（はせがわかな）に思いを寄せており、夏海との約束をすっぽかし長谷川に会っていたのだ。
夏海は自分の気持ちを伝えることができないまま、匠への思いを断ち切ったのである。

恋愛模様

パーティー後、健人は夏海の事が気になってたので会いに行く回数が増えていたが、夏美と親しくしていると匠が「夏海に近づくな」と警告した。
夏海は匠の事で傷心していたので、健人は元気になってもらおうと夏海が好きなクジラのプレゼントを渡し、2人は連絡先を交換したのである。

ある日、夏海が出場予定だったサップの大会に出るためのお金を、父親である蒼井亮（あおいりょう）が使ってしまった事を知る。夏海は残念に思ったが、「友人の入院費が足りないので助けてほしいと懇願されたので、渡した」と言う父親の理由も納得できたために、許すことにした。大会に出ることを応援していた健人は、なぜ大会を欠場するのか本当の理由を知らないので、不思議に思い「諦めないで欲しい」といった内容で夏海に話をする。夏海は「お金持ちの健人には分からない」と言い捨て距離を置いた。

ある日、夏海の住んでいる所に台風が近づいていたので、健人は心配になり大切な仕事をキャンセルしてまで夏海のもとへ向かう。しかし家に着くと匠がすでに駆けつけていて、健人の出る幕はなかった。健人に気が付いた匠は、「なんで来たのか？」と尋ねると健人は「助けたかったから」と答え、2人の関係は険悪なムードになった。夏海は健人が来てくれた事を後から知り嬉しく思った。

溺れたところを助けてもらった理沙は後日、子供である小椋春樹（おぐらはるき）を連れて病院へかかると、医者として働く宗佑に出会い驚く。理沙と宗佑はお互いに惹かれ始めているが、シングルマザーなので、一歩が踏み出せないでいた。

パーティー後、守は愛梨の事が気になっている。愛梨が美容師の試験に合格したいと願っていることを知っていたので、少しでも知識をつけてほしいと、東京で有名な美容室の予約をとって招待した。その後家で泊まることになる。愛梨はパーティーの時の言動からみて守が東大生だと嘘をついていることを見抜いており、その家も守の家ではなく修の家だと確信する。学歴ではなく優しい守に惹かれていたのに、嘘をつき続けるので信頼感をなくしてしまい、守に対しての気持ちはなくなってしまったのである。

亀裂が入るそれぞれの関係

台風の時に夏海の家から帰った健人は、仕事を投げ出したことに関し父親である水島創一（みずしまそういち）から事情を聞かれ、「信頼失うことをするな」と叱責される。夏海は健人が助けに来てくれた時のお礼を健人に言いたかったので、連絡して東京で会う事になる。
夏海は、東京に着いて健人の会社の近くまで来た時に、携帯電話をどこかに落としてしまった事に気が付く。知らない地で不安でたまらなく、途方に暮れていた。健人も途中から連絡がつかないので、不思議に思い、事故にでも遭っているのではないかと心配する。仕事が終わると夏海の名前を呼び続けて、やっと探し出した。探し出してくれた健人に夏海は感動して2人は抱き合う。健人は「好きだ」と告白し返事は後日もらうことになった。
夏海は健人の気持ちに応え、付き合うことになるが生活環境の違いなどもあり不安だった。
その不安が的中し健人の親に会った時に、夏海の母親がいない事やお店の経営状態などを指摘され、お付き合いをするには違いすぎるといった雰囲気を醸し出された。その雰囲気を察知した夏海は健人とは釣り合わないと確信したのだ。

ある日、夏海が車に轢かれそうりになった時に、身代わりとなり匠がケガをした。大工の仕事を続けられないぐらいの大けがを負ってしまい、夏海は自分だけ健人と幸せになるのはできないと決意し、健人に別れを切り出した。

理沙は宗佑の事が気になっているが、離婚した元夫である村田翔平（むらたしょうへい）から「やり直そう」と言われているので、2人の間で気持ちが揺れていた。ある日宗佑の家で、飲むことになり2人が好きな映画をみて盛り上がるとキスをして夜を過ごした。目覚めると理沙は「やっぱり関係を終わりにしよう」と言い部屋を出ていく。

ある日、春樹がいなくなってしまう。理沙は宗佑にも協力してもらいながら探したが、村田から春樹が1人で電車に乗って会いに来た事を聞かされる。父親の存在が子供には必要な事なんだと実感した理沙は、宗佑と距離を置こうと考えた。宗佑は離れていく理沙を仕方なく諦めることにしたのである。

修は守と愛梨の関係がなくなった事を聞き、愛梨に好意を持ち始めた。好きになることが初めてなうえに、女子と話すのが苦手なので、愛梨となかなか上手くコミュニケーションが取れずに悩んでいた。愛梨も修の事が気にはなるが、言動が理解できずに距離を置こうと決断する。
守は愛梨に対してまだ好きな気持ちは残っているが、自分の気持ちをごまかし、修を応援しようと2人が上手くいくようにアドバイスをしていた。

8人の恋の結末

宗佑は「離島で医者なる」という昔からの夢を叶えることを決めた。しかし梨沙への思いも断ち切ることが出来ない為に、悩んでいた。理沙は宗佑が遠くへ行ってしまう事を知ってへこんでいた。宗佑は理沙に「一緒に来てほしい！結婚しよう」とプロポーズするが、「春樹に今住んでいる所で成長してほしい」と言われて2人はお別れをすることになる。

1人前の美容師になるために猛勉強していた愛梨は、美容士の試験に合格し、1人前として認められた。試験に合格するために修が応援してくれていたことを知り、修と会うことにした。「修の相手が務まるのは私しかいない」と愛梨は答え、2人は付き合うことになる。

夏海は匠にけがをさせてしまった罪悪感から健人に別れを切り出したが、健人は納得していなかった。一方で匠は夏海が健人に思いを寄せている事に気が付いていたので、健人とよりを戻すように促す。そして健人は「今まで親が言う事は絶対であった過去の自分を変えたい」という気持ちが強く、夏海との交際を認めてもらおうと両親と話し合うことにした。
「親の元を離れ、自分が信じた人と共に歩んでいきたいので、後継者にはならずに自分一人の力で歩いていく」という健人の本気の思いを聞いて、創一は健人を信じてみることにした。夏海との交際を認めてもらった健人は、夏海を迎えにいった。夏海は匠から「もう世話をしなくも大丈夫」と言われたので健人への思いがさらに強くなったきていた。そんな時に健人が夏海の元へ来たので、2人は気持ちを確かめ合って結ばれたのである。

『真夏のシンデレラ』の登場人物・キャラクター

主要人物

蒼井夏海（あおいなつみ／演：森七菜）

母がいない家庭で育ち父と弟の3人暮らし。サップのインストラクターで、父親のお店である食堂「Kohola」も手伝いながら生活費を稼いでいる。サバサバした性格であり、困っている人を見ると助けるような優しい性格。あだ名は「なっつん」で地元友達である小椋理沙と滝川愛梨といる時間が至福の時間だと感じている。
幼いころから牧野匠に思いを寄せていたが、次第に水島健人の事が気になり始める。
環境の違いで悩んだ時期もあったが、はれて健人と結ばれた。

水島健人（みずしまけんと／演：間宮祥太朗）

東大卒で大手建築会社である水島建設の社員。昔から親には「私たちをがっかりさせる事はしないで」と期待されて育ってきた環境もあり、自分の気持ちを抑えてしまう性格である。自分の信念をしっかりもった夏海に出会い、親にも自分の正直な気持ちを話せるようになった。夏海と遠距離恋愛する中で愛を育んでいる。

牧野匠（まきのたくみ／演：神尾楓珠）