MAO(マオ)のネタバレ解説・考察まとめ
『MAO』とは、高橋留美子によって2019年より『週刊少年サンデー』(小学館)にて連載されている、現代に生きる少女と900年を生きる陰陽師達の冒険を描いたタイムスリップファンタジー漫画である。事故で両親を亡くした少女菜花(なのか)は、シャッター街に足を踏み入れた途端怪しげな世界に辿りつく。突如化け物に襲われる菜花。そこで出会ったのは一人の少年を連れた男摩緒だった。偶然出会った二人には意外な共通点が。スリル・陰謀・そして淡い恋心が魅力的なダークファンタジーだ。
『MAO』の概要
『MAO』とは、高橋留美子によって2019年より『週刊少年サンデー』(小学館)にて連載が開始された、現代に生きる少女と900年を生きる陰陽師達の冒険を描いたタイムスリップファンタジー漫画である。『うる星やつら』『犬夜叉』等の作品でおなじみの高橋留美子が、前作『境界のRINNE』連載終了から約1年5か月の期間をおいて連載を開始した。
タイムスリップ、女子学生、妖怪、少女と少年の出会いなど、コンセプトや世界観は『犬夜叉』に近いものがあるが、ストーリー自体は関連性はない。またヒロインの黄葉菜花(きばなのか)が生活していたのは令和であり、スマートフォンやパソコンなど近代的なアイテムが多数登場している。
両親を陥没事故で無くし、自身も呼吸停止の大怪我を負った中学3年生の黄葉菜花は、祖父と住み込みの家政婦魚住と共に三人で暮らしていた。ある日菜花は同級生が「五行町のシャッター通り商店街に幽霊が出る」という噂をしているのを聞き、同級生数名と共に商店街に向かう。両親の死亡した陥没事故は、商店街のちょうど目の前で発生していた。
商店街はいたって普通で怪異の気配もなかったため同級生たちは飽きてしまったが、菜花はふと人がざわめくような物音を聞きつけ商店街に一歩足を踏み入れる。すると突然菜花の周囲の空間がゆがみ、古い恰好をした体が透けている人々が生活する奇妙な街に辿りついてしまうのだった。
『MAO』のあらすじ・ストーリー
謎の世界と陰陽師
中学三年生の少女・黄葉菜花(きばなのか)は、小学一年生の頃両親を道路の陥没事故で失って以来、祖父と住み込みの家政婦である魚住との三人暮らしだった。活発そうな印象とは裏腹に幼いころから体が弱く、運動も苦手だった菜花は、毎朝魚住が作る泥水のようにまずいスムージーを飲み干してから学校へ向かうのが日課であった。
ある日菜花は同級生たちが「五行町のシャッター街に幽霊が出る」という噂を耳にして同級生数人とシャッター街を訪れた菜花は、ふと商店街の奥から話し声のような物音を聞きつけ、一歩足を踏み入れた。
途端に景色が歪みだし、菜花は妙な世界に辿りつく。そこの町の人々は半透明で話しかけても菜花に気付かなかった。急いで帰ろうとすると菜花は突然巨大なカマキリの妖怪に襲われる。唯一透けていない、一人の少年を連れた男を見かけた菜花は助けを求めるが、男は「譲ろう」と言って傍観するだけだった。菜花は腕を斬りつけられてしまったが、何故かカマキリの方が苦しみだしその場から逃走を図る。ようやく動いた男はカマキリを仕留め、側仕えの少年はカマキリを捕まえると壺の中に放り込んだ。
菜花は男に文句を言おうとしたが、自分の手が斬り飛ばされていることに気付き気を失う。男は気絶した菜花に手当てを施した。
次に菜花が目覚めた時腕は元通りになっており、痛みも消えていた為菜花は不思議に思う。しかし男から「お前妖だろう?」と問いかけられた菜花は訳が分からず、その場を立ち去って元の商店街の門をくぐっていった。
無事元の世界に戻った菜花だが、翌日から菜花の身体に異変が起こり始める。運動が苦手だったはずの自分が車を追い越すほどのスピードで走り、高いマンションの屋上まで一息で飛びあがったのだ。
菜花は苦しげに家に戻ると祖父に休むことを伝えたが、昨日妙な世界に行ったことがきっかけでおかしくなっているに違いないと思い立ち、再び商店街へと向かった。
謎の町に辿りついた菜花は男の側仕えをしていた少年・乙弥(おとや)に出会う。乙弥は男の名が摩緒(まお)だと教え、町を調査していると説明すると、菜花を近くの神社へと連れて行った。
そのころ摩緒は警官に化けた熊のような妖と対峙し、「猫鬼(びょうき)」を知っているかと尋ねる。何も知らないと答えた妖が摩緒を食らいつくそうと襲い掛かって来たが、摩緒は抵抗もせず噛みつかれるままになっていた。すると突然噛みついた妖が溶けだし、あっという間に消えてなくなる。陰で様子を見ていた菜花は唖然としていた。
菜花の申し出を断って器用に一人で傷の手当てをする摩緒は、「自分は猫鬼という妖怪に呪われている。妖が血に触れたらただでは済まない」と警告する。しかし菜花は自分は人間で、昨日この世界にやって来てから妙なことが続いていると訴えた。
菜花は子供の頃巨大な人型の妖怪を見たことがあると伝えたが、摩緒は「そんな妖怪はたくさんいるから分からない」とだけ答えた。
呪われた者達
ひとまず摩緒についていくことにした菜花は、普通の町に辿りつくと、そこが大正時代であることを知る。
そして摩緒が良く通っている「ミルクホール」という喫茶店に入ると、その店の従業員貂子(てんこ)から、巷を騒がせている首なし死体事件の手掛かりを聞いた。
犯人と目される男の侍女の協力で屋敷に潜り込んだ摩緒・菜花・乙弥だったが、
男はすでに殺されて利用されているだけであり、本当の犯人は奥方に化けた巨大な蜘蛛の妖だった。
蜘蛛の糸に捕われてしまった一行だったが、菜花は怪力を発揮して糸を引きちぎる。さらに首から流れ落ちた菜花の血は、蜘蛛の糸を溶かしてしまったのだった。
その光景に驚く摩緒だったが、油断している隙に持っていた刀を取られてしまう。摩緒は以前の様にわざと噛みつかせようと抵抗しなかったが、菜花が摩緒の刀を使って糸ごと蜘蛛女を切り裂いた。
摩緒は「その刀は猫鬼に呪われているため、普通の人間ならば刀を振るっただけで死んでしまう」と説明する。菜花は幼いころ猫鬼と出会い、摩緒と同じように猫鬼に呪われたものだったのだ。
菜花は自身にかけられた呪いを解くため、摩緒と行動を共にすることとなった。
摩緒の過去
いったん現代に戻って準備を整えた菜花が再び大正時代に戻ると、摩緒は空き家に妖怪の治療を行う診療所を開設していた。
暫く摩緒と接しているうち、菜花は摩緒が陰陽師であり、900年前猫鬼と呼ばれる最強の蟲毒(こどく/呪術の事)によって不老不死の状態であることを知る。
摩緒は900年前「御降家(ごこうけ)」という陰陽師の修行場で暮らしていたが、襲撃してきた猫鬼によって師匠やその娘紗那(さな)が死亡してしまい、摩緒は猫鬼と融合してしまったのだった。
猫鬼を探す摩緒の助けになるべく現代で情報を集めていた菜花は、地震を鎮めるために祀られていた要石(かなめいし)が関東大震災を境に消失し、巨大な猫の目が町を見下ろしていたという事を知る。
摩緒に警告すべく大正に向かったちょうどその日、関東大震災が発生し、900年ぶりに封じられていた猫鬼が姿を現したのだった。
猫鬼の復活
摩緒は猫鬼と壮絶な争いを繰り広げるが、身体が融合してしまっている為決定的な傷を与えられず猫鬼を取り逃してしまう。猫鬼は菜花を新しい器とすべく現代へと逃げ込んだのだった。
現代に戻った菜花は商店街から出た途端、魚住から「摩緒さまと会ってらしたんですね」と話しかけられる。彼女は現代に逃げた猫鬼から菜花を護るため、摩緒が放った守護の式神だったのだ。
その後フナの説明により、何らかの影響によって大正に引きずり込まれた菜花が現代に逃れた後、猫鬼に呪われていたことがわかる。さらに普段菜花と共に暮らしている祖父が当時危篤状態にあり、寿命を操るすべを持つ猫鬼によって命を引き延ばされているのではないかという、衝撃の事実が判明した。
後継者争い
関東大震災から少し経ったころ、浅草で謎の火の首が飛び回っているといううわさを聞き付け、一行は浅草へ向かう。そこに現れたのは何と摩緒が900年前に修業していた御降家の兄弟子・百火(ひゃっか)だった。
百火は摩緒を見るなり「裏切り者」と叫んで攻撃を仕掛けてきたが、摩緒の持つ刀「破軍星の太刀(はぐんせいのたち)」に触れるなり命を落としてしまう。
突然のことに唖然とする一同だったが、何と百火はしばらくたつと息を吹き返したのだった。
摩緒たちが百火に事情を尋ねると「御降家の後継者争い」の影響だと教えられる。御降家の中で最も修行日数の浅かった摩緒だが、なぜか後継者に選ばれ、全ての呪法を受け継いで紗那と結婚することになっていた。
摩緒が後継者に選ばれてから数日後、百火を含む数名の兄弟子が館のはずれにある「五色堂(ごしきどう)」に呼び集められ、「摩緒を呪い殺したものが真の後継者だ」と伝えられたのである。
百火の言葉通り、摩緒の前には次々とはるか昔に死んだはずの兄弟子たちが現れる。木の術者華紋(かもん)と土の術者夏野(なつの)は殺し合いに興味など持っていなかった。しかし水の術者不知火(しらぬい)と金の術者白眉(はくび)は摩緒に強い恨みを抱き、次々と刺客を放って摩緒に襲い掛かる。更には摩緒が殺したとされていた紗那と同じ顔をした娘幽羅子(ゆらこ)の思惑が交錯し、900年の時を経て続く御降家の因縁は、さらに混迷を深めていくのだった。
新しい武器と夏野の謎
菜花は繰り返される御降家との争いの中で「摩緒の役に立つための武器が欲しい」と考えるようになる。そんな中大怪我を負った一人の女性「叶枝(かなえ)」と出会った摩緒と菜花は、彼女に事情を尋ねた。
すると叶枝は嫁いでからわずか7日目に強盗に襲われ、家族を皆殺しにされてしまったことを話す。叶枝自身も生きているのが不思議なほどの重傷を負っていたが、何故か生き延び、押し入った強盗達もすべて血を抜かれた状態で死んでいた。
話を聞く中で叶枝の背後に憑いていた父親の霊から、嫁ぐ前に叶枝に渡した「守り刀」の事を聞き出す。父親の霊によるとそれは繁栄をもたらす刀だが、「3代続けて持ち続けるとその家は滅びる」とされており、叶枝の嫁ぎ先に呪いを移したのである。刀は抜かなければ何事もなかったものだが、強盗に襲われた叶枝が刀を抜いたことで、呪いが暴走してしまったのである。
刀は叶枝に執着しており、刀を鎮めるためには叶枝ごと斬らなければならなかった。摩緒は叶枝を死なせないため苦戦を強いられるが、菜花は猫鬼の血が流れる自分の血を刀に吸わせることで叶枝を引きはがし、刀だけを封じることに成功したのである。
あまりに危険すぎるその刀の処遇を聞くため、摩緒は妖怪専門の鍛冶屋「冥命堂(めいめいどう)」を訪れる。店主である玉鋼の妖怪によると刀は菜花の血液によって封じられている状態であり、菜花が持っているのが一番いいと判断する。3日後に打ち直したものを受け取りに来る約束を交わしたが、当日冥命堂は巨大な虎の妖怪に襲撃され刀を奪われてしまっていた。
刀の鞘を頼りに探していると、摩緒たちは白眉の手下である大正時代の獣使いの青年・双馬(そうま)と対峙した。双馬によると白眉の命令で奪ったその刀は「地血丸(あかねまる)」という御降家の呪具だった。
白眉の命令で地血丸を持ち帰らなければならないという双馬との間で、壮絶な戦いが幕を開けた。
双馬の獣は白眉に教えを受けたために非常に強力で、斬られてもすぐに再生していた。摩緒が獣の相手をしている隙に、菜花は鞘を頼りに地血丸を手に入れる。すると地血丸は菜花の血を吸い取って獣を完全に破壊しつくした。どんどん地血丸に血を奪われた菜花は途中で気絶するも、刀は止まることなく双馬を殺そうと斬りかかる。危ういところで摩緒が間に入ったため双馬は命を救われ、不知火の協力者である御手園芽生(みたぞのメイ)の結界によって逃げおおせた。
摩緒は「菜花に地血丸を持たせるには危険すぎる」と判断したが、冥命堂はこよりをつくって刀に結び付けると、「自分の意思で刀を扱えるようになれ。刀の抜き時をよく考えろ」とアドバイスした。
しかし菜花はその後不知火の協力者で、火の呪術を操る蓮次(れんじ)と、木の呪術を操る芽生との戦いで再び地血丸を抜き、失血の為に気絶してしまう。菜花は摩緒が血を与えたため隊長を戻すことができたが、逆に摩緒は生気を吸われて眠り込んでしまった。
偶然診療所を訪れていた土の術者の夏野は菜花を鍛えるため、寝込んでいる摩緒を残して「人食い鞄」騒動が起こっている現場へと連れて行った。菜花と夏野は、二人の子供が鞄に吸い込まれる現場を目撃して犯人を追跡する。封印を破った先ではサンショウウオの妖怪が薬局を営んでおり、攫われた子供たちは薬の材料にされるとのことだった。
夏野がサンショウウオの妖怪を相手にしている間に、菜花は子供を怪しげな水に漬けこんでいた協力者の蛇妖怪と対峙する。菜花は地血丸を抜いて蛇妖怪を斬りつけるもすぐに再生され、失血と最初に食らった毒の攻撃で朦朧としていた。しかし菜花は「摩緒もいない中自分がやらなければ子供たちが殺されてしまう」と覚悟を決める。すると地血丸に変化が生じ、菜花が血を与えずとも刀の先から血が染み出してきた。
地血丸の切っ先から飛び出た血は鞭のようにしなり、菜花は気絶することなく蛇妖怪を仕留める。
部屋から脱出した菜花だが、その先で見た光景はオオサンショウウオに丸のみにされる夏野の姿だった。慌てる菜花だがすぐに夏野は吐き出され、彼女の顔はひび割れが走っていたのである。あっさりとオオサンショウウオを倒した夏野は「傷は大したこと無い」と言い、攫われた子供を町に返してから診療所へと戻った。
目が覚めた摩緒と共に今回の事件について話し合っていると、夏野は「地血丸は守り刀。守ろうとする思いが本来の力を呼ぶのだろう」と推測する。そして土属性である菜花に「血地丸を使うなら大地から力を分けてもらうと良い」とアドバイスすると、土の力を呼び覚ます「土鈴」を授けた。
こうして夏野はふらりと立ち去っていったが、菜花はオオサンショウウオに噛まれてひび割れていた夏野の顔の傷が気にかかっていた。
猫鬼とよみがえった男
摩緒と菜花を結び付けた因縁の相手猫鬼は、関東大震災を境に菜花が暮らす令和の時代に身を隠しており、度々菜花の前に姿を現していた。そんな折菜花の両親が亡くなった陥没事故の現場で、再び陥没事故が発生する。同じころ摩緒の背中に「猫鬼の刻印」が浮かび上がり、何かを感じた摩緒が大将と令和を繋ぐ鳥居まで走っていくと、突如猫鬼が大正時代に舞い戻ってきた。刀を抜く摩緒に対して猫鬼は「もうすぐだ」と言い残し、その場を去っていった。
猫鬼は何者かの右手を咥えたまま、かつて御降家の五色堂があった場所へと赴く。五色堂の地下で眠る男に向かって右手を放り投げると、自動的に右手が男にくっつき、男は息を吹き返す。まるで抜け殻のような状態だったが男ははっきり「さな」と呟いた。
同じころ顔に包帯を巻いた状態の夏野が百火のもとを訪れる。夏野は「誰が紗那さまを殺したか知りたくないか」と百火をたきつけると、陸軍の兵舎を襲って白眉を誘い出した。
夏野は白眉に「なぜ摩緒が紗那さまを殺したと嘘をついたのか」と単刀直入に尋ねると、白眉は「御降家を護るためだ」と平然と答える。白眉は紗那とそっくりな顔をしている幽羅子の邪気が、紗那の心臓を掴みだす場面を目撃していたのである。更に問い詰めようとしたところ幽羅子の邪気に邪魔され、白眉は姿を消した。
白眉が去った後夏野は百火に対し、「婚約者である摩緒を差し置いてなぜそんなに紗那さまの死にこだわっているのか」と尋ねる。すると百火は「館襲撃事件の時に宝物炎に火をつけたのは自分と紗那さまだ」と告白したのだった。
紗那は大五(だいご)という、土の術者と密かに思い合っていたが、大五は真の後継者争いが始まってすぐに呪殺されていた。彼の死からずっとふさぎ込んでいた紗那だったが、ある晩百火のもとを訪れて「館を燃やしてほしい」と頼んできたのである。宝物殿では紗那の父である師匠が死んでおり、百火が火をかけている間に紗那は父親の手をこじ開けて青白い光の玉を解放した。
その後紗那は百火に逃げるように言い、どうしても気にかかった百火が戻ってみると紗那が死んでいたのである。百火は自分が逃げなければ紗那は死ななかったのではないかと悔やんでいたのだった。
華紋も交えて話し合いをしていた一同だが、百火が話し終えると夏野は話を切り上げどこかへ去っていく。
それと同じころ、猫鬼によって右手を与えられた謎の男は何かを求めてひたすら歩いていた。「裸のままではかなわん」と、とある村で古着を着せられた男は再びどこかへ向かって歩き出し、男の行く先を猫鬼が見守っていた。
新たな水の術者
摩緒と菜花が紗那が死んだ日の真相を知って数日たったころ、ミルクホールの貂子から「不自然な旱魃」の情報を聞きつけた摩緒たちは「水分村(みまくりむら)」という場所へ向かっていた。
摩緒たちよりも一足先に不知火の協力者である芽生と蓮次も水分村へと向かう。そこにはかつて芽生の故郷「御手園村」を不自然な旱魃によって滅ぼした地上げ屋の鬼竹(おにたけ)が幅を利かせていた。鬼竹は水を操る流石(さすが)という少年を雇い、蓮次の火を無効化させると巨大な水の竜巻で芽生を弾き飛ばす。
ちょうど摩緒たちが駆け付けた時芽生は木の枝に貫かれた状態で発見されたが、御降家の木の術者が開発した「魄の種」という呪術によって傷を癒しよみがえった。
摩緒は「魄の種」は一時的な延命効果しかなく最後は死に至ると警告するが、芽生は「知っています」と答えると鬼竹の元へと走っていった。
鬼竹は強引に地上げを行って工場を立て、外国人であった芽生の父親や村人をすべて殺していたのである。また鬼竹に抵抗した芽生も工場から出る毒の水と全身骨折によって死にかけていたが、不知火に救われて生き延びたのだった。
芽生は鬼竹を追い詰めると、苛火虫をつくるための蠱毒の材料にするべく延命の庭に連れ帰ろうとする。摩緒は何とか止めようとしたが鬼竹に雇われていた流石が介入したため、一同は姿を消してしまった。
不知火の館に連れていかれた流石は、御降家の呪術師の家系「水鞠家(みずまりけ)」の末裔だということがわかる。強力な水の術の使い手であることを知った不知火は流石を雇い入れた。
呪い屋の姉妹
血地丸を手に入れてからもなかなか使いこなすことができなかった菜花だが、井戸に憑りついた妖怪の祓いを頼まれた際、思いがけない強敵によって摩緒が命の危機にさらされる。菜花は摩緒を失いたくない一心で血地丸を引き抜くと、夏野から貰った土鈴の力が呼び覚まされ、邪気を振り払うことができた。
危険を顧みず自分のために戦ってくれる菜花に対し、摩緒は菜花を「愛しい」と思うようになる。そしてできる事ならば菜花とずっと時を共に過ごしたいと考えるようになっていった。
それから暫くしたころ、摩緒と菜花は何者かによる呪いが頻発している村にお祓いに行く。摩緒たちは当初呪いをかけているのは、白眉のもとで働く呪い屋の娘の宝生かがり(ほうしょう)だと考える。だが実際に呪いをかけていたのは佳賀里よりももっと実力が高い、姉の綾女(あやめ)だった。
摩緒はかがりが持っていた御降家の呪具である針に呪いをかけ、使えなくさせる。その針は摩緒に突き刺すと強制的に猫鬼に変身させるというものだった。綾女は「摩緒には勝てない」と判断し潔く身を引く。一方のかがりは呪われた針を白眉に渡すと、白眉は水の術者である不知火に呪いの解除を依頼した。
さらに数日たったころ、摩緒たちは「火脅しの面」という御降家の呪具によって多くの人が死んでいるという噂の真相を確かめていた。そこに不知火の命を受けた流石と式神の蛟も現れる。流石は貧乏な暮らしからの脱却を目指して不知火に従っており、火脅しの面を持ち帰ろうとしていた。止めようとする摩緒との戦いの末、火脅しの面は摩緒が真っ二つに斬ったことで使えなくなる。
不知火のアジトに戻った流石はクビを覚悟するが、摩緒が御降家の針に掛けた強力な呪いをあっという間に解いたことで、再び不知火に仕えることができた。
『MAO』の登場人物・キャラクター
主人公
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2024年10月秋アニメ(今期アニメ)まとめ
2024年10月期に放送される秋アニメを50音順に紹介する。2024年10月秋アニメは、有名シリーズの新作が多数ラインナップされている。アニメの放送情報や配信情報、声優・スタッフ、あらすじなどの情報をわかりやすくまとめた。
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犬夜叉の歴代OP・ED主題歌・挿入歌まとめ
『犬夜叉』とは高橋留美子による和風ファンタジー漫画及びそれを原作としたアニメ、映画、舞台などのメディアミックス作品。この記事では『犬夜叉』のアニメに使用された歴代のオープニング・エンディング主題歌・挿入歌を紹介していく。
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【着物好き必見!】和服イラスト・キャラが魅力的な漫画について
豪華な装飾が施された洋風ドレスなんかもうっとりするほど素敵ですが、見ていて心が落ち着くのはやはり昔ながらの日本を感じさせるイラストです。今回は主に着物を羽織っているキャラクターのイラストをまとめてみました。尚、筆者の好みによる偏りがあるのでそのへんはご了承ください。
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「名探偵コナン」と「らんま1/2」の共通声優まとめ!工藤新一と早乙女乱馬はどちらも山口勝平が担当!
『名探偵コナン』と『らんま1/2』のどちらの作品にも出演している声優をまとめてみました。工藤新一と早乙女乱馬を担当している山口勝平、灰原哀と女性バージョンの乱馬を演じる林原めぐみなど、登場人物・キャラクターと共に多数の声優を紹介します。
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『境界のRINNE』主要な契約黒猫たち
人間と死神の血を引いた六道りんねが、幽霊成仏のために奮闘するアニメ『境界のRINNE』。登場する死神たちは、皆サポートを行う黒猫と契約を結んでいます。今回は、主要な黒猫たちを紹介します。
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【あつ森】アニメ・漫画キャラの制服を再現したマイデザインがすごい!【マイデザインIDまとめ】
大人気ゲームシリーズ「どうぶつの森」のニンテンドーSwitch専用ソフト『あつまれ どうぶつの森』では、服やタイルを自由にデザインして作る「マイデザイン」という機能があり、人気を博している。特に人気漫画などに出てくる服を再現したマイデザインはたびたびネット上で大きな話題になっている。Switchオンラインで公開されているマイデザインは自由に使うことができるので、大好きなあのキャラになりきることも可能だ。ここでは様々な人気アニメ、漫画の制服を再現したマイデザインを紹介する。
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一風変わった剣・刀特集
刀を擬人化したゲーム、なんてのまでできましたね。そこで、様々な作品に登場する剣士、ではなくちょっと変わった「剣」や「刀」について語ってみようと思います。
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今年で30周年の1986年のアニメ作品10本
今年2016年は、「聖闘士星矢」「ドラゴンボール」などの作品の、30周年にあたる。アニメも含め少年ジャンプの黄金時代と言えるだろう。一方で、リアルロボットアニメを中心としたアニメブームは終わり、オリジナル作品は衰え、「ジ・アニメ」「マイアニメ」といったアニメ誌が廃刊していくという時代でもあった。そんな時代を代表する、10本の作品を選んでみた。
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海外でも評価が高い80年代のおすすめアニメランキングTOP20!【北斗の拳、シティーハンターほか】
日本が誇る一大カルチャー「アニメ」。日本のアニメはストーリーやキャラクター設定の綿密さ、作画技術の高さに定評があり、特に海外では高い評価を受けている。日本で放送されたアニメが外国で新たに制作されるケースもあるほどだ。本記事では海外で評価が高かった日本発の80年代アニメを、20タイトルまとめて紹介する。
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高橋留美子の最新作【境界のRINNE】盛り上がりぶりをまとめてます
週刊少年サンデーで2008年から連載されている「境界のRINNE」が2015年春からNHKで放映スタートしています。評判や木になるOP・EDじょうほうについてまとめています。
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漫画・アニメに登場する剣豪キャラまとめ
漫画・アニメに登場する武器で最もオーソドックスと言っても過言ではない【刀剣】。傷を負いながらも敵を一刀両断する姿は非常に人気が高く、刀剣をテーマにした作品も数多く作られている。そこで漫画・アニメに登場する剣豪キャラたちをまとめてご紹介する。
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成人式で振袖着たときにつける白いふわふわって何?「殺生丸」と呼んでいる人も
成人式で振り袖を着た時、白いふわふわの毛皮をまとった記憶のある人は多いだろう。しかしあのふわふわの正式な呼び方は意外に定着しておらず、中には漫画『犬夜叉』のキャラクター「殺生丸」がまとっている毛皮になぞらえて「殺生丸」と呼んでいる人もいるとか。
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【ももいろクローバーZ】原哲夫が描く芸能人や漫画の登場人物・キャラクターのイラストがシブかっこいい件【うる星やつら】
原哲夫といえば、『北斗の拳』や『蒼天の拳』の作画を担当した漫画家として有名ですよね。実は原先生、他の漫画の登場人物・キャラクターや芸能人のイラストなんかもこれまでにたくさん描いてきてます。この記事では、そんな原先生の手によるイラストを集めました。原先生の手にかかれば、どんな人物もシブく、カッコ良く、そしてセクシーに大変身!めちゃくちゃ素敵です。
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目次 - Contents
- 『MAO』の概要
- 『MAO』のあらすじ・ストーリー
- 謎の世界と陰陽師
- 呪われた者達
- 摩緒の過去
- 猫鬼の復活
- 後継者争い
- 新しい武器と夏野の謎
- 猫鬼とよみがえった男
- 新たな水の術者
- 呪い屋の姉妹
- 『MAO』の登場人物・キャラクター
- 主人公
- 摩緒(まお)
- 黄葉菜花(きばなのか)
- 平安時代の陰陽師
- 百火(ひゃっか)
- 華紋/朽縄(かもん/くちなわ)
- 夏野(なつの)
- 真砂(まさご)
- 白眉(はくび)
- 不知火(しらぬい)
- 大五(だいご)
- 御降家(ごこうけ)の関係者
- 猫鬼(びょうき)
- お師匠様
- 紗那(さな)
- 幽羅子(ゆらこ)
- 灰丸(はいまる)
- 藻久不(もくず)
- 大正時代の人物
- 鐘呼(しょうこ)
- 宝生かがり(ほうしょうかがり)
- 加神双馬(かがみそうま)
- 蓮次(れんじ)
- 御手園芽生(みたぞのメイ)
- 流石(さすが)
- 貂子(てんこ)
- 現代の人物
- 菜花の祖父
- 魚住フナ(うおずみふな)
- 白羽(しらは)
- 式神
- 乙弥(おとや)
- 紅子(べにこ)
- 蛟(みずち)
- 『MAO』の用語
- 蟲毒(こどく)
- 破軍星の太刀(はぐんせいのたち)
- 陰陽術
- 火の陰陽術
- 木の陰陽術
- 水の陰陽術
- 土の陰陽術
- 金の陰陽術
- 関東大震災
- 要石(かなめいし)
- スムージー
- 平安時代の屋敷
- 御降家(ごこうけ)
- 五色堂(ごしきどう)
- 捨童子の家(すてどうじのいえ)
- 大正時代の拠点
- 診療所
- ミルクホール
- 『MAO』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 摩緒に抱き着いて赤くなる菜花
- 華紋「おまえごときが真砂を呼び捨てにするんじゃねえっ!」
- 『MAO』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 『MAO』と『犬夜叉』のコラボ