花ざかりの君たちへ〜イケメン♂パラダイス〜（2007年のドラマ）のネタバレ解説・考察まとめ

『花ざかりの君たちへ～イケメン♂パラダイス～』の概要

『花ざかりの君たちへ～イケメン♂パラダイス～』とは、2007年7月3日から9月18日まで、フジテレビ系列で火曜日21時に放送されていた学園青春ラブコメディードラマである。中条比紗也の漫画作品『花ざかりの君たちへ』を原作としている。脚本は『電車男』や『3年A組ー今から皆さんは、人質ですー』などを手掛けた武藤将吾が担当する。主演は堀北真希で、小栗旬や生田斗真、水嶋ヒロなどが出演する。女子高生がある目的のために男子に成りすまして、イケメンが集まる全寮制男子校に編入する物語。イケメンたちと主人公の友情や恋愛、楽しい学園生活などが描かれており、主人公が女子であるとバレないように生活するドキドキ感も見どころの1つとなっている。本作は平均視聴率17.4%を獲得し、最終話では最高視聴率の21％を記録した。ザテレビジョンドラマアカデミー賞で最優秀作品賞や最優秀主演女優賞などを獲得し、2008年にスペシャルドラマも放送され、2011年にはキャストを一新してリメイク版が制作された。

アメリカ帰りの帰国子女である芦屋瑞稀（あしやみずき）は、中学時代に将来を有望視されていた高跳びの選手、佐野泉（さのいずみ）のジャンプに感動して大ファンとなる。しかし佐野はある事件がきっかけで、高跳びをやめてしまった。そんな彼にもう1度跳んでほしいと願う瑞稀は髪を短く切り、男に成りすましてイケメンが集う全寮制男子校・桜咲学園に編入することを決意するのだった。

『花ざかりの君たちへ～イケメン♂パラダイス～』のあらすじ・ストーリー

イケメンだらけの桜咲学園に編入する瑞稀

アメリカの高校から帰国してきた高校2年生の芦屋瑞稀（あしやみずき）は、女子であるにもかかわらず、イケメンばかりを集めた全寮制男子校・桜咲学園に編入してきた。実はそこに通う佐野泉（さのいずみ）が、中学時代に将来を有望視された高跳びの選手で、瑞稀は彼のジャンプに魅了されて大ファンになったのだ。しかし佐野はある事件をきっかけに高跳びをやめてしまった。そのため瑞稀は佐野に再び跳んでもらうために、男に成りすまして桜咲学園にやって来たのである。

登校初日、瑞稀が2年C組の教室に入ると、早速中津秀一（なかつしゅういち）ら男子生徒から手荒い歓迎を受ける。そこへ遅れて佐野が登場するが、彼は転校生の瑞稀に冷たい態度を取り、イメージは最悪だった。

学園には天王寺恵（てんのうじめぐみ）が率いる格闘系の第1寮と、難波南（なんばみなみ）が率いるスポーツ系の第2寮と、姫島正夫（ひめじままさお）率いる演劇系の第3寮がある。近日、各寮対抗でマラソン大会があるため俊足の瑞稀は各寮から必死にスカウトされたが、彼女が選んだのは佐野がいる第2寮だった。

瑞稀はマラソンの選手に選ばれた上、佐野と同室になる。しかし瑞稀は、部屋の中で誤って荷物をバラまいて中学時代の彼が載った新聞の切り抜きを本人に見られてしまう。その時は焦って誤魔化した瑞稀だが、後日改めて佐野に中学時代の高跳びを見て惚れたことを打ち明ける。佐野は冷めた言葉を返すが、瑞稀は「俺がマラソン大会で優勝したらまた跳んでほしい」と言い出した。

ところがマラソン大会当日、瑞稀はスタート前に何者かに足を踏まれ、怪我を負ってしまう。それでも優勝するために痛みをこらえて走り続けた瑞稀だが、ゴール直前で倒れてしまう。佐野はそんな彼女を背負い、医務室へと連れて行く。その最中、「佐野の背中を押してやれなかった」と悔やむ瑞稀を見て、彼は高跳びをしていた頃の自分を思い返すのだった。

佐野が高跳びに復帰

佐野は瑞稀に説得されたものの、陸上部を突然退部してしまう。そのことを知った瑞稀は佐野に事情を尋ね、彼から怪我をきっかけにグラウンドに立つことが怖くなったと聞く。瑞稀は「いつか跳びたくなる日を俺が作るから陸上やめるな」と、佐野を説得する。佐野は冷めた言葉を返すが、結局退部届を撤回し、陸上部へと戻ることとなった。

その後、瑞稀は保険医の梅田北斗（うめだほくと）に、体つきから女であることがバレてしまう。なぜ女がここにいるのかと問い詰められた瑞稀は、事の経緯を説明する。実は1年前、憧れの佐野がアメリカで強化合宿を行うと聞いて見に行った瑞稀は、その帰り道に暴漢に襲われそうになった。その時、たまたま通りがかった佐野が助けてくれたが、彼は逃げる途中で暴漢に襲われて足を負傷してしまったのだ。それが原因で高跳びをやめてしまった佐野にもう1度跳んでもらうために、瑞稀はこの学校にやってきたと語る。梅田は瑞稀が佐野をどうやって跳ばせるのか興味を持ち、彼女の正体を黙認することを決める。

そんな中、瑞稀の兄の芦屋静稀（あしやしずき）が瑞稀を連れ戻すために、アメリカから日本に帰国する。そして男子寮にやって来た静稀は、部屋で瑞稀を説得しようとするが、彼女は佐野を跳ばせるために桜咲学園に来たことや彼への思いを必死に訴える。佐野は部屋の前で偶然その会話を聞いてしまい、彼女が女であることや彼女の思いを知る。自分のせいで一生を無駄にしようとする瑞稀を見かねた佐野は、彼女を無理やり追い出すために暴言を吐く。瑞稀はショックを受け、部屋を飛び出して涙を流した。だがそれでも翌日、いつも通りに学園にやって来る瑞稀の姿を見た佐野は、彼女の強い気持ちを悟る。そして佐野は彼女に笑顔でアメリカに帰ってもらうため、静稀に「あいつを信じてやってください」と頭を下げる。これにより静稀は、瑞稀をアメリカに連れて帰ることをやめたのだった。

だが佐野は、その後も相変わらず瑞稀に素っ気ない態度を取り、彼女を避けるように毎晩出かける。瑞稀は佐野の気持ちを動かそうと様々な手を尽くしたが、効果はなかった。しかしある日、瑞稀は中津と食事をした帰り道に、佐野がグラウンドで1人走り込む姿を偶然目撃する。佐野のことを気にかけていた中津は喜び、瑞稀は彼がやる気になったことに感動の涙を流した。

夏休みに突入し、佐野は全国大会に向けて陸上部の合宿に参加する。しかし一部の陸上部員が、高跳びをやめていた佐野が今更全国大会を目指して、練習に参加していることに納得できないと声を上げる。そして彼らは、佐野がどれだけ本気なのかを試すため、合宿最終日に地区大会の標準記録を跳べたら入部を認めると言い出した。合宿最終日、佐野は高跳びに挑戦するが、長いブランクがあったため3回のチャレンジは失敗してしまう。それでも佐野は部員たちに土下座して、もう1度チャンスが欲しいと頼み、許可をもらった。しかしその姿を見た瑞稀は、自分のせいで佐野が辛い思いをしていると感じて落ち込み、彼を避けるようになる。そんな時、アメリカに住んでいる両親が旅行のために来日する。そしてアメリカに戻ろうかと悩む瑞稀に対し、父は「やりたいことがあると言って出て行ったんだから、最後までやり遂げなさい」と叱咤激励した。瑞稀は佐野を跳ばせることができたら、アメリカに戻ると父に約束した。

それから佐野は練習を重ねて、見事に部員たちの前で地区大会の標準記録を跳んでみせ、入部を認めてもらう。しかし瑞稀は自分が見ていないところで跳んでしまった佐野に怒る。佐野は「お前にはちゃんとした舞台で見てほしいから、まだ見せたくない」と彼女に告げる。佐野が跳べたことに安心し、涙を流す瑞稀を彼は抱きしめた。その瞬間、瑞稀は佐野のことが好きだと気付くのだった。

瑞稀と中津と佐野の三角関係

佐野のことが好きだと気付いた瑞稀は、彼を意識してドキドキするようになる。そんな時、佐野は高熱により倒れてしまい、瑞稀は部屋で彼を看病する。だがその後、佐野が病気になったことを知った女子たちからお見舞いを渡してほしいと頼まれた瑞稀は自分だけ抜け駆けしていることに罪悪感を抱き、佐野に特別な感情を抱いてはいけないと思い始める。そして瑞稀は中津に、佐野を跳ばせるために転校してきたことを打ち明け、目的を果たしたからアメリカに戻ると告げる。中津は反対したが、彼がいない間に瑞稀は学校を出て行ってしまう。それに気づいた中津は「何で止めなかったんだ」と佐野を責め、慌てて瑞稀を追いかけて彼女を止める。そこへ佐野もやってきて、「ちゃんとした舞台でお前の前でまだ跳んでないから行くな」と瑞稀を説得した。これにより、瑞稀は学校に留まることを決めるのだった。

中津は瑞稀が女であることを知らないにもかかわらず、彼女を気になる自分に戸惑っていた。しかし瑞稀と接するうちに彼女を好きな気持ちが大きくなった中津は、彼女が男だろうと受け入れる覚悟を決める。そんな中、学校が経営難で廃校になるかもしれないという噂が流れる。生徒たちは廃校を食い止めようと募金活動を始めるが、佐野は我関せずな態度で噂はデマだと決めつけていた。中津は周りのことを考えずに単独行動を取る佐野を叱責し、瑞稀が他の生徒に対して、佐野のフォローをしていることを伝えた。翌日、瑞稀の提案でみんなと思い出の写真を撮ることになる。佐野は相変わらず単独行動をとろうとするが、瑞稀は「本当は佐野が友達思いなの知ってるから、それを形にしていこう」と彼を説得。すると佐野は写真撮影に参加し、一同を驚かせた。それからみんなで楽しく写真撮影を行ったが、結局廃校になるという噂はデマであることが判明するのだった。

一方、中津は佐野に「俺は瑞稀のことが好きだ」と打ち明け、宣戦布告する。その後、瑞稀らのクラスに臨時教師の北浜昇（きたはまのぼる）がやって来る。しかし堅物な北浜は冗談が全く通じず、冷たい態度で彼らに接する。そんな中で定期テストが行われたが、中津がカンニングの疑いをかけられてしまう。中津は必死に否定するが、北浜はカンニングだと決めつけた上、サッカー部である彼にカンニングを認めなければ試合を辞退させると言い出す。中津は悩んだ末、後日カンニングを認めようとするが、怒った瑞稀が北浜に抗議した。ところが北浜は「お前のような不良はナイフを持っていてもおかしくない」と言いがかりをつけて、瑞稀に服を脱げと強要する。中津はこれに激怒し北浜に掴みかかったが、北浜は彼に暴力行為で停学処分を言い渡した。責任を感じた瑞稀は、北浜に中津の停学を取り消してほしいと頭を下げる。だが中津の停学を知った各寮長の天王寺と難波と姫島が、全校生徒の退学届を持って乗り込み、北浜に「停学を取り消さなければ本日を以って全校生徒退学する」と告げる。それでも北浜は頑なに態度を崩さなかったが、佐野が「俺たちはあんたの弟じゃない」と言うと、北浜の様子が一変する。実は北浜の弟は不良の喧嘩に巻き込まれ、ナイフで刺されて亡くなってしまった。北浜は不良になった弟を説得できなかったことを後悔し、生徒に必要以上に厳しく教育するようになっていた。弟と生徒たちを重ねていたことに気づいた北浜は、カンニングは思い違いだったと認め、中津の停学処分は撤回された。

中津から宣戦布告されて以降、佐野は瑞稀を意識するようになり、彼女を下の名前で呼ぶようになる。そんな彼に瑞稀もドキドキし、2人の距離が縮まる。一方、中津はひょんなことから瑞稀が女であることを知ってしまう。中津は激しく動揺するもその事実を受け入れ、瑞稀に思いを伝えようとするが、彼女は佐野と彼の父親のことで頭がいっぱいだった。

実は強化練習を行うことになった佐野は、元オリンピック選手で現在コーチをしている父と再会していた。しかし佐野は家庭を顧みずに仕事を優先し、事故で病院に運ばれた母を看取らなかった父のことを許せなかった。瑞稀は佐野と父の仲を取り持とうとするが、佐野は「お前に俺の気持ちなんか分からない。分かってほしくもない」などと激高し、部屋を出ていく。落ち込んだ瑞稀が1人で泣いていると、中津がやってきて彼女を抱きしめ、「俺にしとけよ。お前が誰を好きでも構わない。お前のことが好きだ」と告白した。瑞稀は戸惑い、女であることがバレたのではないかと梅田に相談するが、彼は「とにかく中津と向き合ってやれ」とアドバイスする。

佐野と父のことが気になる瑞稀は、強化練習の場所である桃郷学院へと向かうが、そこで父が倒れて病院へ運ばれる姿を目撃する。瑞稀は急いで佐野の元へと向かい、そのことを伝えて強引に病院へと向かわせた。佐野は病院で、父が2度目の十二指腸潰瘍を発症したことを知る。父は佐野に母を看取ってやれなかったことを謝罪し、妻に夫らしいことをしてやれなかったと反省する。しかし佐野はそんなことないと否定し、「お袋が最期まで親父の名前を呼んでいたのは、親父を信じていたからだ。今の俺には信じられる仲間がいるから分かる」と語った。その後、帰宅した佐野は瑞稀と「昨日は言い過ぎた」と謝罪し合い、仲直りする。そして佐野は父と腹を割って話をできたことを語り、背中を押してくれた瑞稀に感謝した。

そんな中で、陸上競技会開会セレモニーパフォーマンスとハワイ旅行をかけた3寮対抗90番勝負が行われる。その一方で、中津は瑞稀を取り合うために佐野に勝負を仕掛け、佐野もその勝負を受けて立つ。そして佐野と中津は寮対抗にも拘わらず、90番勝負で互いに勝つために戦ったが、結果は2人の対決も寮対抗の勝負も引き分けに終わった。その後、中津に何で勝負を引き受けたのかと聞かれた佐野は、「もうお前からも自分からも逃げたくないんだ」と答えた。

瑞稀と桜咲学園の別れ

後日、全国高校陸上競技大会東京予選が行われる。佐野は高跳びに挑むが、自己ベストを超える高さもパスしてしまった。どうしてなのかと首をかしげる瑞稀に、中津は「お前に見せるジャンプは誰よりも高くないといけないからだ」と佐野の気持ちを代弁する。他の選手が脱落していく中、残るは佐野と、ライバルである桃郷学院の神楽坂真言（かぐらざかまこと）の2人になる。佐野は神楽坂が持つ高校記録の2m21㎝の高さに挑むが、2回失敗してしまう。しかし佐野が3回目を跳ぶ直前、瑞稀が「いつもの助走の位置から二足下がれ」と彼にアドバイスをする。実は瑞稀は佐野の父から呼び出され、佐野が思うように跳べなかったらアドバイスしてほしいと頼まれていた。佐野は瑞稀のアドバイス通りに挑戦して見事に成功させ、笑顔でガッツポーズする。その姿を見て、瑞稀は感極まるのだった。

ところがその後、聖ブロッサム女学院の花屋敷ひばり（はなやしきひばり）が偶然瑞稀が落とした財布とパスポートを拾ったことで、彼女が女であることを知ってしまう。ひばりはすぐさま寮長たちに「桜咲学園に女がいる」と告発するが、その様子を見かけた中津が慌てて止めに入り、何とか名前が知られることを防いだ。そのことを中津から知らされた佐野は、ひばりに頼んで瑞稀の財布とパスポートを返してもらおうとするが、ひばりは「本人をここに連れてきてくれたら返す」と言う。しかし瑞稀に教えれば、責任を感じて退学すると言い出しかねないため、佐野はひばりの要求を躊躇する。

だがなぜか桜咲学園に女がいるという噂が生徒の中で広まってしまい、女探しが始まる。幸い中津と佐野が協力して瑞稀が女だとバレることを防いだが、生徒たちは女が紛れ込んでいることに嫌悪感を示し、瑞稀は傷ついてしまう。

その後、佐野は再びひばりに財布とパスポートを返してほしいと頼み、彼女に返してもらった。一件落着と思われたが、寮長たちが管理事務室で着替えをしている女性を見てしまう。後日、管理事務室に向かう瑞稀を目撃した彼らは、彼女を呼びだして「お前は女か？」と問い詰める。すると瑞稀は女であることを認めてしまった。そこへ佐野と中津が駆けつけ、寮長たちにもっと前から瑞稀が女であると知っていたことを話し、佐野は瑞稀が桜咲学園に来た本当の理由を語る。難波が瑞稀にこれからどうしたいかと尋ねると、彼女は「この学園が大好きで迷惑はかけたくないから辞める」と答える。すると難波は、「俺らが卒業する来年の3月までに新しい道を決めてもらう」と提案し、瑞稀はしばらくの間学園にいられることになった。

後日、瑞稀は以前の中津の告白に対して、「中津のことは大好きだけど友達としか思えない」と断る。中津は明るく気丈に振舞ったが、1人になった瞬間に悲しんだ。

それから瑞稀は学園祭の準備を行うが、その最中に頭を打って気を失ってしまう。生徒たちは処置をするため、瑞稀の服を脱がせようとして彼女が女であることに気づいてしまった。瑞稀が保健室から戻ると、生徒たちが「お前って女の子なの？」と彼女に問いかける。彼らに白い目で見られ、動揺した瑞稀は何も言わずにその場を逃げ出す。そんな瑞稀の態度から、彼らは彼女が女であると悟る。それでも翌日、瑞稀はいつも通りに学校に登校するが、クラスメイトに冷ややかな態度を取られてショックを受ける。しかし佐野が、瑞稀が桜咲学園に来た理由を説明したことにより、生徒たちは彼女に理解を示して謝罪。彼らはこれまで通り、瑞稀と仲良く接してくれるようになった。

だがその後、瑞稀は思い残すことはなくなったため、学校を辞めると佐野に打ち明ける。そんな彼女に佐野はここまで来てくれたことを感謝し、2人は握手を交わした。

それから瑞稀は校長に退学届を提出するが、校長に「今日1日だけ学園祭を楽しみなさい」と提案されたため、学園祭を楽しむ。そして瑞稀はこっそり1人で学園を出て行こうとするが、外で生徒たちが彼女を見送るために集まっていた。瑞稀は涙ながらに彼らと別れの言葉を交わし、校長から卒業証書を受け取る。中津も「お前は最高のダチだ」と泣きながら別れを告げた。その後、梅田の提案で佐野は瑞稀を空港まで送る。そこで佐野は瑞稀にキスをし、「今度は俺が会いに行くから」と彼女に別れを告げる。瑞稀が「大好きだぜ」と伝えると、佐野は笑顔を返すのだった。

『花ざかりの君たちへ～イケメン♂パラダイス～』の登場人物・キャラクター

桜咲学園第2寮

芦屋瑞稀（あしやみずき／演：堀北真希）

アメリカ帰りの帰国子女で、桜咲学園2年C組である。将来を有望視されていた高跳び選手の佐野泉（さのいずみ）の跳ぶ姿をみて感動してファンとなり、アメリカで合宿を行う彼を見に行った。しかしその帰りに暴漢に襲われ、偶然通りがかった佐野に助けられたが、彼に怪我をさせてしまう。怪我は治ったものの、それが原因で佐野が高跳びを辞めてしまったことに罪悪感を抱き、彼を再び跳ばせるために男子校である桜咲学園に男に成りすまして編入する。最終的に女だとバレて退学し、アメリカに戻ったものの、佐野を跳ばせるという目的を果たす。佐野と接するうちに彼を好きであることに気づいたが、女であることを秘密にしているため、彼に気持ちを伝えられないジレンマを抱えていた。しかし退学したことを機に佐野からキスをされ、彼に思いを伝えた。明るくポジティブな性格で、スポーツ万能で足が速い。アメリカに住んでいた頃はロングヘアだったが、男子に成りすますために髪をバッサリ切ってショートカットとなった。

佐野泉（さのいずみ／演：小栗旬）

桜咲学園の2年C組で第2寮に住んでおり、瑞稀と同室である。桜咲学園のファンクラブ数が1位の美青年。母親が幼い頃に事故で亡くなって以来、父親との関係がこじれた。そのため中学進学の際に家を出て、東京の親戚の元で暮らし、全寮制の桜咲学園を選ぶ。父の影響で高跳びを始め、中学時代は将来を有望視されていたが、周囲の期待がプレッシャーとなる。そんな時、瑞稀を助けようと暴漢に襲われて怪我をし、それを理由に高跳びを辞める。高跳びをしていた頃は生き生きとしていたが、辞めてからは笑うことがなくなり、クールで一匹狼なタイプとなった。そのため周囲からは孤立し、転校生の瑞稀に対しても冷たい態度を取り続けていた。しかし瑞稀が諦めずに説得し続けたことで高跳びに復帰し、笑顔を取り戻す。瑞稀が女であることに早い段階から気づいており、彼女に恋愛感情を抱いていた。そのため瑞稀が退学した際に、彼女にキスをして思いを伝えた。

中津秀一（なかつしゅういち／演：生田斗真）

桜咲学園2年C組で第2寮に住んでおり、瑞稀や佐野の親友である。明るいお調子者でクラスのムードメーカー。サッカー部のエースで、夢はワールドカップに出場することである。男であるはずの瑞稀を好きになってしまい、自分はゲイではないかと悩んでいたが、開き直って彼女を好きな自分を受け入れていた。瑞稀が女であることを知った後は、さらに積極的に行動するようになり、彼女に思いを伝えたがフラれてしまった。佐野とはライバルのような関係で時に喧嘩することもあるが、高跳びを辞めた彼のことを誰より気にかけている。そのため佐野が高跳びに復帰した際は、とても喜んでいた。瑞稀が佐野に好意を持っていると知った際は佐野に嫉妬し、敵対視して勝負を挑んでいた。

難波南（なんばみなみ／演：水嶋ヒロ）