HERO(ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ

『HERO』とは、第1期が2001年に、第2期が2014年にフジテレビ系で放送された、検察をテーマにした日本のテレビドラマシリーズ。木村拓哉が主演を務め、自身の正義と価値観で捜査を行う型破りな検事・久利生公平と彼を支える検察事務官、同僚検事たちの活躍を描いている。その他、2006年にドラマ特別編が、2007年には劇場版がそれぞれ制作され、2015年には劇場版第2作が制作された。第28回ザ・テレビジョンドラマアカデミー賞を受賞した。

久利生は、エリートサラリーマン勝俣大毅(かつまた だいき)の痴漢事件を担当する。取り調べが終わると、勝俣の担当弁護士の桜井丈太郎(さくらい じょうたろう)が訪れてきた。
桜井は、勝俣が録音した取り調べの音声を盾に示談交渉と釈放の要求をする.。さらに、被害者の宮原祥子(みやはら しょうこ)に、過剰防衛で訴えると脅して告訴を取り下げさせた。

事件現場で調査をする久利生は、勝俣の供述の矛盾と別件の余罪があることがわかった。祥子は示談を取り消し、勝俣は起訴された。

田村検事の改心

城西署で、取調中の被疑者佐伯亘(さえき わたる)が留置所で亡くなった。佐伯を担当していた城西支部の田村雅史(たむら まさし)検事は悔しがっていた。

そこに、佐伯に殺された被害者の父・長谷川誠一(はせがわ せいいち)から電話がかかってくる。誠一は佐伯の死亡で起訴されないと説明され、絶句する。
すると誠一は、城西支部を訪ねたり、電話をかけたりして担当の検事に話を聞こうとする。田村は相手をせず、事務官の遠藤賢司(えんどう けんじ)に対応させていた。
だが、被疑者に真摯に向き合う姿勢に感化され、誠一に事件の真相を話して自身の対応を謝罪した。
誠一は納得し謝罪を受け入れた。

麻木千佳の過去

久利生と千佳は、マンホールの蓋を盗もうとして逮捕された飛田(とびた)の取り調べをしていた。素直に犯行を認めるが、逮捕から3日しか経過していないのに減刑嘆願書が多く寄せられたことが気にかかる。
取り調べ中、飛田と千佳がかつての知り合いで地元のヤンキー仲間だったことがわかる。

久利生は、事件の周囲で複数の窃盗事件がある事とマンホールを盗むことの難しさから、共犯者がいると疑う。さらに、千佳が飛田の仲間に襲われ、マンホール窃盗で捜査妨害をすることに疑問をもつ。
捜査を続けると、現場付近でホームレスの男性が死亡していたことがわかる。飛田達はこの事件を隠蔽しようとしていた。飛田は千佳に逆ギレするが、久利生に一蹴され罪を認めた。

遠藤の冤罪

殺人の容疑で取り調べを受ける遠藤。

城西支部の事務官・遠藤賢司(えんどう けんじ)が殺人未遂の容疑で逮捕される。遠藤は合コンの最中に事件に巻き込まれ、運悪く凶器のナイフを掴んだところを目撃されてしまった。
取り調べは、特捜部検事の首藤礼二(しゅどう れいじ)が担当になる。

被害者は代議士の私設秘書で、刺された理由は代議士の黒い噂に関係しているのではないか、と考える久利生。久利生達は、遠藤が証言した「赤い服の男」を総出で探し始める。
そして、遠藤が撮った写真から赤い服の男が見つかり、男が暴力団員であることが明らかになり逮捕される。

特捜部は政治家の反社会勢力とのスキャンダル追求のために、遠藤が犯人ではないとわかっていたのに拘束し続けていた。そのことを首藤は遠藤に謝罪した。

特捜部への派遣

城西支部部長の川尻健三郎(かわじり けんざぶろう)の命により、東京地検特捜部のサポートに来た久利生と千佳。
特捜部では地味な作業をやらされていたが、久利生の元同僚の江上が急遽入院したことで、江上の担当事件を引き継ぐことになる。しかし、細かいことに気を取られる久利生は、特捜部をクビになる。

その頃城西支部では、殺人容疑で南雲尊之(なぐも たかゆき)が送検されてくる。南雲は弁護士の松平一臣(まつだいら かずおみ)の指示通り黙秘を続ける。

過去の事件を調べていくと、南雲が容疑者として浮上した事件をいくつか見つける。いずれも逮捕には至っていないが、1件だけ別の男が起訴されていた。男は無罪を主張していたが、判定直後にクモ膜下出血で亡くなっていた。南雲を起訴すると、冤罪事件を暴く結果になることに突き当たる。川尻は一晩中悩み続けた。

翌日、冤罪を暴くことになっても、起訴することを決める川尻と城西支部のメンバー。

最後の事件

久利生と千佳が特捜部から戻ってくると、城西支部は揺れていた。南雲が犯した過去の事件の真相を明らかにすると、検察は自ら冤罪を認めることになる。
南雲の第一回公判が始まると、久利生は南雲が関与したと思われる過去の事件を追求する。異例の展開にマスコミも裁判官も検察も騒然となる。

城西支部は手分けして、過去の事件の検証をする。冤罪の疑いのある事件の検事だった国分秀雄(こくぶ ひでお)に、捜査協力を求めるが頑なに応じてくれなかった。
過去の事件を含めた南雲の裁判が始まるが、久利生達は決め手に欠けていた。すると、南雲の弁護士松平は、証人として国分を引っ張り出してきた。

国分は自信を持って亡くなってしまった大友(おおとも)を起訴したと言う。しかし、その後同様の事件が起き、国分は自身が誤った判断を下したことに気づいた。国分はこの法廷に人としての懺悔に来たのだった。
南雲は無期懲役の判決を受ける。

『HERO』の登場人物・キャラクター

主要人物

久利生 公平(くりう こうへい/演:木村拓哉)

本作の主人公。常にジーンズにジャケットとラフなスタイルで、最終学歴は中卒、さらに逮捕歴を持つ型破りな検察官である。高校中退後に大検を受け、司法試験に合格した。検事になってからは、その外見と過去の経歴から地方への左遷や異動を繰り返し、城西支部へやって来た。検察官としての事件との関わり方は行動的であり、納得できないことがあれば、現場に足を運んで捜査を行う。そのため事務次官は常に振り回されている。出世欲もなく、事件に真面目に目を向ける姿から周囲の信頼を獲得して、徐々にそのスタイルが他の検事にも受け入れられていった。テレビ通販で健康グッズを購入することが趣味である。

雨宮 舞子(あまみや まいこ/演:松たか子)

第1期に登場。城西支部へやって来た、久利生公平の担当事務官。生真面目な性格で、自立したキャリアウーマンに憧れ、検事の道を目指している人物。しっかりしていながら天然な一面も持っており、言動が空回りすることもある。格闘技が好きで、ストレスが溜まるとお酒をがぶ飲みする酒豪でもあり、そういった個性が魅力的である。当初は型破りな久利生を毛嫌いして常にイライラしていたが、共に事件に関わっていくうちに、久利生を男性として意識するようになっていった。

麻木 千佳(あさぎ ちか/演:北川景子)

第2期に登場。東京地検城西支部の事務官で久利生を担当している。元々は木更津出身のヤンキーだったせいか、時折、被疑者への目つきと、厳しい言葉使いをみせる人物。そのため、周囲から密かに怖がられてもいる。趣味は外食とサンバ。浅草サンバカーニバルに参加するほどである。久利生の担当事務官になってからは、久利生の行動的な姿勢に不満を持つが、次第に信頼を寄せて自身も成長していった。最後には、検事になることを目指すようになった。

東京地検城西支部

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