余命10年(小説・映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『余命10年』とは、小説を実写化し2022年に公開された映画だ。生と死、希望と絶望といった深いテーマを背景に、登場人物たちの内面の葛藤や変化がリアルに描かれている。坂口健太郎と小松菜奈がダブル主演を務めるということでも注目を集めた。物語は、難病を患った女性と生きる希望を失った男性が出会い、お互いに惹かれていく二人を中心に展開する。彼らは自身の過去や不安と向き合い、新たな未来への一歩を踏み出していく。
『余命10年』の概要
『余命10年』とは2022年3月4日に公開され、『彼女は最後の10年を生きる。まるで、人生の始まりみたいに』というキャッチコピーの映画だ。原作は小坂流加(こさかるか)の小説だ。
小坂流加は1978年7月4日に生まれ、静岡県三島市出身の小説家、第3回講談社ティーンズハート大賞で期待賞を受賞した。しかし、難病である原発性肺高血圧症を患っており、『余命10年』の文庫版の編集が終わった直後に病状が悪化し、2017年2月に若くして38歳で亡くなった。藤井道人監督のもと、岡田惠和が脚本を手がけ、感動と共に深い洞察力が光るもので、観客を引き付けた。また、小松菜奈と坂口健太郎が主演を務め、彼らの演技力が物語の魅力を一層際立たせた。さらに、山田裕貴や奈緒ら豪華な共演者陣が、物語に深みを与えた。2017年に、静岡書店大賞の「映像化希望文庫部門」で大賞を受賞し、2022年3月18日時点での発行部数は80万部を超えている。制作には、東宝スタジオがスタジオを、ROBOTが制作プロダクションを、ワーナー・ブラザース映画が製作幹事・配給を務めている。製作は映画『余命10年』製作委員会が行い、その委員会にはワーナー・ブラザース映画、電通、voque ting、関西テレビ放送、S・D・P、トライストーン・エンタテイメントが参加している。
『余命10年』のあらすじ・ストーリー
再会と新たな生活
2011年、若くして難病の肺動脈性肺高血圧症と闘う高林茉莉(たかばやし まつり)は、亡くなった患者から託されたビデオで「最後まで生きて」との言葉を受け取った。10年以上生きることが難しい状況であった彼女は、2年の入院を終えて退院し、家族と共に笑顔で帰宅した。姉である高林桔梗(たかばやし ききょう)は茉莉の病気が遺伝性と分かった時、茉莉にだけ発症したことを自分に非があるように激しく落ち込んでいる。2014年、茉莉は病気を隠し東京でOLとして生きる日々を送っていたが、かつての友人に再会する。また、同窓会では初恋の相手である真部和人(まなべ かずと)に再会した。真部和人は神童として育ち茶道の家元の長男として期待されていた。しかし、パニック障害になり、小学2年の時に茉莉たちの小学校に転校してきた。20歳の時、好きな人のために茶道を再開しようとしたが、その女性に結婚を断られ、また茶道具に触れることさえできなくなってしまった。真部和人が自殺未遂を起こしたことをきっかけに、茉莉は彼に寄り添うようになる。茉莉と和人は次第に心を通わせ、茉莉は藤崎沙苗(ふじさき さなえ)の出版社での仕事を始め、和人は焼き鳥屋で働き始めた。彼らは日々の生活をビデオに残し、愛おしく思い出した。
茉莉の決断と和人への愛
茉莉は27歳の誕生日に和人と初めて一晩過ごした後、帰り道で倒れてしまい、入院することになった。病院で初めて茉莉の父親と顔を合わせた和人は、茉莉の病気について父親から聞かされた。3週間後、退院した茉莉は和人の家を訪れ、これまで秘密にしていた病気や余命のことを和人に打ち明けた。それでも和人は結婚を申し出たが、茉莉は自分が必ず死に至る難病で時間が残り少ないことを告げ、和人に今までの支えに感謝しながら、もらった指輪を返した。
1週間後、茉莉の家を訪れた和人は、再度結婚を申し込み、最後の3年間を茉莉と一緒に過ごしたいと述べたが、茉莉は和人に対して、「これからも自分の人生をしっかりと生きることを約束して!選んだ茶道を捨てないで! もう逃げないって約束したでしょう」と拒否した。
茉莉の最期と和人の新たなスタート
和人との別れの後、茉莉は必死に小説を書き続けた。何かを残したいという思いから。その中で、出版社の目に留まり、雑誌で3回の連載を持ち、単行本も刊行した作品があった。そして、結婚が決まった藤崎沙苗(ふじさき さなえ)のために、思いを込めて純白のウェディングドレスを手作りした。
その後、発作を起こし再び入院した茉莉は、病棟から離れたCCUの一室で、儚く舞い落ちる雪を眺めていた。病気の進行は薬の効果よりも速く、体の機能が次第に奪われていった。そんな中、桔梗が妊娠し、茉莉は甥または姪が生まれることを知らされた。新しい家族が増え、叔母としてその子と繋がることができることが喜びであった。しかし茉莉は、桔梗の子とは会うことなく、和人への思いを抱きながら天国へ旅立った。
茉莉の通夜。短大時代の友人が涙の中、沙苗が和人に気付いて茉莉の棺まで案内する。棺の中の茉莉は沙苗が作った純白のドレスを身にまとい、茉莉は花に囲まれて静かに眠っているように見えた。和人は茉莉のおかげで再び茶道に向き合うことができ、家元を継ぐ立場になったと伝え、茉莉に口づけをした。そして和人は茉莉に別れを告げ、前を向いて歩きだしたのだった。
『余命10年』の登場人物・キャラクター
主要人物
高林茉莉(たかばやし まつり/演:小松菜奈)
本作の主人公。
高林茉莉(たかばやし・まつり)は、20歳の時に国の難病に指定されている遺伝性の病気を患っていると宣告された。その病気の余命は10年と告知され、恋はしないと決心する。
彼女は器用で、友人の結婚式のためにウェディングドレスを手作りするなど、芸術的な才能を発揮していた。また、原作では漫画、映画では小説を書く。
彼女の苦悩と希望、そして友情と愛情が交錯する人生は、多くの人々の心を打つ。彼女の生涯は、困難に立ち向かう強さと美しさで満ち溢れている。
真部和人(まなべ かずと/演:坂口健太郎)
真部和人は、上京して生きる希望を失った24歳の男性である。彼は茉莉の同級生であり、勤め先をクビになり無職で引きこもりがちな生活を送っていた。
小説では神童と呼ばれ、茶道の家元の長男として多大な期待を一身に浴びて育つ。
茉莉との出会いを通じて、和人はだんだんと成長し、茉莉を支えるようになっていく。
高林桔梗(たかばやし ききょう/演:黒木華)
茉莉の姉であり、優しく華やかな女性。茉莉からは「桔梗ちゃん」と呼ばれ、非常に仲の良い姉妹関係を築いている。
茉莉のために栄養バランスの取れた美味しいお弁当を作ってくれるなど、細やかに気を遣ってサポートしてくれる。
茉莉の病気が遺伝性であることが分かった際には、茉莉が発症したことを自分に非があるかのように激しく落ち込んでいる。
平田先生 (ひらたせんせい/演:田中哲司)
茉莉の主治医。映画でのオリジナルキャラクター。 原作には特定の医師は登場しない。
Related Articles関連記事
韓国芸能界・K-POPで活躍する日本人まとめ
日本でも幅広い世代から高い人気度を誇るK-POPや韓流ドラマ。2016年デビューのガールズグループ「TWICE」に日本人メンバーが3人選ばれたことで、K-POPアイドルを目指す日本人が急増した。韓国の芸能市場にとっても、日本人メンバーの存在は日本進出の大きな足掛かりとなるため重要視されている。またK-POPアイドルに限らず、韓国芸能界で活躍する日本人は多い。
Read Article
RADWIMPS(ラッドウィンプス)の徹底解説まとめ
RADWIMPSとは、Vo.Gt 野田洋次郎 Gt.桑原彰 Ba.武田祐介 Dr.山口智史からなる4人組バンド。略称は「RAD」。2003年の『もしも』リリースから日本ロック界の先頭集団を走ってきたRAD。『君の名は。』の音楽タイアップでその名が広まった。一方で野田洋次郎が描くストレートでどこか中毒性が感じられる歌々に魅了される根強いファンも多い。
Read Article
どうする家康(大河ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ
『どうする家康』とは、2023年に放送されたNHK大河ドラマ第62作。脚本家の古沢良太が新たな視点で主人公の徳川家康の生涯を描く。室町時代後期から江戸時代の日本が舞台。両親と離れ離れになり、駿河国大名・今川義元の人質として孤独な人生を送るものだと思っていた少年はやがて弱小国の主となる。様々な選択をしながら戦いのない世界を目指し、乱世に飛び込んでいく物語である
Read Article
あなたの番です(あな番)のネタバレ解説・考察まとめ
『あなたの番です』とは、日本テレビ系にて2019年4月から9月まで放送された全20話のミステリードラマである。キウンクエ蔵前というマンションに引っ越してきた新婚夫婦が「交換殺人ゲーム」に巻き込まれる姿を描いたミステリードラマで、企画・原案は秋元康。第1章、第2章で構成された2クール半年間に渡って放送され、テレビ放送と連動して、『扉の向こう』というスピンオフがHuluにて独占配信されている。
Read Article
ブラッディ・マンデイ(ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ
『ブラッディ・マンデイ』とは龍門諒の漫画作品を原作とした三浦春馬主演の連続テレビドラマ。2008年に放送され、2010年にはシーズン2も始まり大きな話題となった。2020年に発表された「三浦春馬が最強にかっこよかった作品ランキング」では1位を取得するほどの人気作品である。 天才ハッカー高木藤丸(たかぎふじまる)が家族や友達、日本をウイルステロから救うために持ち前のハッキング技術を活かしてテロ組織に立ち向かう。豪華俳優陣が描くヒューマン・ビジネスサスペンスである。
Read Article
バクマン。(漫画・アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ
『バクマン。』とは、大場つぐみと小畑健による漫画を原作とするアニメ作品。 2010年よりNHK教育テレビにて第1シリーズ~第3シリーズ、全75話が放送された。 高い画力を持つ『真城最高』と文才と発想に長けた秀才の『高木秋人』を主人公とし、二人の少年がコンビを組んで漫画家を目指していく道のりを描いた作品である。 多くの漫画関係の固有名詞が実名で使用されるなど、リアル志向な作品。
Read Article
来る(映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『来る』とは、第22回日本ホラー小説大賞に輝いた澤村伊智の小説『ぼぎわんが、くる』を実写化した日本のホラー映画である。公開初日に10万人を動員し、興行収入は1億3700万円のヒットとなった。 子煩悩で愛妻家だと評判の、田原秀樹の職場に謎の人物が現れる。その日から2年後、様々な怪奇現象が起こり、秀樹とその妻の香奈は得体の知れない何かに襲われる事になる。オカルトライターの野崎和浩に相談するが、野崎の手に終えるものではなかった。 怪奇現象と人間の怖さを描いた映画となっている。
Read Article
新聞記者(映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『新聞記者』とは2019年に公開された日本の社会派サスペンス映画である。中日新聞社の記者である望月衣塑子による同名の著書を原案とし、監督は藤井直人が務め、韓国の実力派女優であるシム・ウンギョンと松坂桃李がダブル主演として起用された。若手女性新聞記者とエリート官僚の二人が、官邸が絡んだ大学新設計画にひそむ謎に迫っていく姿を描く。2020年の第43回日本アカデミー賞では主な賞を総なめにした作品である。
Read Article
糸(映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『糸』とは、2020年に公開された日本の恋愛映画で、中島みゆきの楽曲『糸』にプロデューサーの平野隆が着想を得て制作された。監督は瀬々敬久。平成元年生まれの高橋漣(たかはしれん)と園田葵(そのだあおい)は、美瑛で出会い恋に落ちる。しかし大人たちの都合で引き裂かれ別々の人生を歩む。出会ってから18年経って平成という時代も終わりを迎えるとき、互いを忘れられなかった漣と葵は再び手を取り合うために動き出していた。この物語は、漣と葵、その周辺の人々の軌跡を「平成」という時代にのせて描く作品となっている。
Read Article
海街diary(実写映画)のネタバレ解説・考察まとめ
「海街diary」とは、「そして父になる」「誰も知らない」などで国際的にも評価の高い是枝裕和監督により映画化、2015年6月に公開された。原作は吉田秋生による漫画作品である。鎌倉を舞台に、異母妹を迎え4人となった姉妹の、共同生活を通して家族としての絆を紡いでいく1年の物語。
Read Article
ATARU(ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ
『ATARU』とは、2012年にTBSで日曜21時に放送された、櫻井武晴が脚本を手掛けたドラマ。主演は中居正広。その他、北村一輝や栗山千明などが出演している。サヴァン症候群で特殊な能力を持った謎の青年・アタルが、警察と一緒に難事件を解決していく推理ミステリードラマである。2013年に公開された映画では、アタルと同じサヴァン症候群の女性が現れ、アタルが彼女の起こした事件に巻き込まれていく。
Read Article
バクマン。(実写映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『DEATH NOTE』のコンビ、原作・大場つぐみ、作画・小畑健によって、2008年から2012年まで「週刊少年ジャンプ」に連載された大ヒットコミックの実写映画化作品。監督は大根仁、音楽はサカナクションが担当。漫画家を志す二人の高校生、作画担当の最高(佐藤健)と原作担当の秋人(神木隆之介)がコンビを結成し、週刊少年ジャンプ連載の頂点を目指して悪戦苦闘する日々を描く。2015年10月東宝系公開。
Read Article
バクマン。に登場する物語・作中作・劇中劇・連載まとめ
『バクマン。』とは、原作・大場つぐみと作画・小畑健による少年漫画作品。2010年にNHK教育テレビにてアニメ化された。 絵の才能を持つサイコーこと真城最高(ましろ もりたか)と、文章に長けた秀才のシュージンこと高木秋人(たかぎ あきと)がコンビを組み、『週刊少年ジャンプ』で売れっ子の漫画家になるべく研鑽するサクセスストーリーだ。 作中では主人公たちが描く漫画の他に、多くのライバル、仲間たちが作り出す多種多様な漫画が登場する。
Read Article
バクマン。の名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ
『バクマン。(Bakuman.)』は週刊少年ジャンプで2008年から2012年まで連載していた漫画作品である。ジャンプで連載マンガ家を目指す中学3年生の真城最高と高木秋人は、ヒロインの亜豆美保と真城の「描いたマンガがアニメになり亜豆がそのヒロインの声優をやる」との約束をお互いの夢として努力を続ける。夢・友情・青春に関する数多くの名言が連載終了後も作品の魅力として語られ続けている。
Read Article
アンナチュラル(Unnatural)のネタバレ解説・考察まとめ
『アンナチュラル(Unnatural)』は女優の石原さとみ主演の、野木亜紀子の脚本によるオリジナルドラマである。主人公の三澄ミコトはUDIラボで働く法医解剖医。UDIラボメンバーの中堂、東海林、六郎たちと一緒に、日本全国から送られてくる不自然死した遺体を解剖する仕事をしている。1話ごとに事件解決する法医学ミステリーで、ドラマのキャッチコピーは「不自然な死は許さない」。スピード感や爽快感のある明るくスリリングな物語で、UDIラボメンバーの人間ドラマをメインに「死」の謎や事件を解明していく。
Read Article
検察側の罪人(映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『検察側の罪人』とは、雫井脩介によって書かれた日本の小説が基になっている日本のサスペンス映画である。木村拓哉と嵐のメンバーである二宮和也がダブル主演で魅せるサスペンスストーリー。老夫婦殺人事件と時効を迎えた事件がきっかけとなり自分の正義に固執する最上と事件の真相に対する正義を追い求める沖野の対立が描かれた本作。脇には吉高由里子、大倉孝二、八嶋智人などが固める。映画のキャッチコピーは「一線を超える」。
Read Article
SUNNY 強い気持ち・強い愛(映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『SUNNY 強い気持ち・強い愛』とは、韓国映画『サニー 永遠の仲間たち』を原作とした2018年公開の青春音楽映画。90年代、社会の中心にいた“コギャル”たち。コギャルとして青春を共に過ごした“SUNNY”の6人は、ある事件の後バラバラになってしまう。20年以上の時を経て、あるきっかけから一人、またひとりと再会していく。光と影、理想と現実をそれぞれ抱えて生きてきた6人の複雑な思いが、懐かしい90年代ヒットソングに乗せて、90年代と2018年の場面が交差しながら展開される愛と青春の音楽ストーリー。
Read Article
怒り(映画)のネタバレ解説・考察まとめ
2010年に国内の映画賞を総ナメにした大ヒット作「悪人」の原作者吉田修一と監督李相日が6年振りにタッグを組み、音楽に坂本龍一を加え、実力派のオールスターキャストで挑んだ感動のヒューマンミステリー。八王子の平静な住宅街で残忍な夫婦殺人事件が起こる。一年後のある日、千葉と東京と沖縄に素性の知れない3人の男が現れ、それぞれに重厚な人間ドラマが展開する。愛した人は、殺人犯なのか?2016年9月全国公開。
Read Article
銭ゲバ(Zeni Geba)のネタバレ解説・考察まとめ
「銭ゲバ」とは、ジョージ秋山の漫画を原作したテレビドラマ。幼い頃、母親の桃子と貧しい生活を送っていた風太郎。父親の健蔵は働きもしないで女と酒に溺れ、桃子に暴力を振るうようになる。優しい母だけが風太郎にとって心の支えだった。しかし貧乏生活ゆえ、桃子は身体を壊してしまい、薬を買うお金さえなかったため帰らぬ人となってしまう。お金がなかったから母は死んだと子供ながら理解した風太郎は金に取りつかれていく。
Read Article
凶悪(映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『凶悪』とは、ノンフィクションベストセラー小説『凶悪 -ある死刑囚の告発-』を元に、2013年に映画化された社会派サスペンス映画である。雑誌記者の藤井(ふじい)は、上司から須藤(すどう)という死刑囚に会うように言われる。須藤は数々の犯罪に手を染めてきていた。そして、須藤と共謀して多くの犯罪を犯し、最後には須藤をだました木村(きむら)という男の話を聞く。藤井は話を聞くうち、家庭を顧みず取材にのめりこんでいく。この映画は、私たちの身の回りのどこにでも存在しうる犯罪をリアルに描く作品となっている。
Read Article
万引き家族(映画)のネタバレ解説・考察まとめ
万引き家族(英題:Shoplifters)とは、2018年に公開された日本映画である。監督は『そして父になる』などで知られる是枝裕和。主演はリリー・フランキーと安藤サクラ。 第71回カンヌ国際映画祭において最高賞のパルム・ドールを獲得するなど、国内外で高い評価を受けた。 貧困のなか、万引きによって生計を立てながら身を寄せ合う家族6人の姿を描く。
Read Article
そして父になる(映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『そして父になる』とは、”赤ちゃん取り違え事件”を扱った、2013年制作の日本映画。TVドキュメンタリー出身の是枝裕和が監督・脚本・編集を担当し、主演の福山雅治が初の父親役を演じた。第66回カンヌ国際映画祭では見事に審査委員賞を受賞し大きな話題となった。ある日、突然6年間育てた息子が病院で取り違えられた他人の子どもだったと知らされた対照的な2組の夫婦が、過酷な決断を迫られ、それぞれに葛藤を繰り返す中で本当に大切なものを学んでいく姿を描く。
Read Article
今夜、ロマンス劇場で(映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『今夜、ロマンス劇場で』とは2018年に公開された、主演綾瀬はるかと坂口健太郎によるラブストーリー映画である。映画監督を目指す健司が通い詰めていた「ロマンス劇場」で、モノクロ映画に出演している映画のヒロインである美雪に出会う。ある日、美雪が現実世界に現れ、健司は美雪に色のある現実世界を案内していくうちに、健司と美雪は惹かれ合っていく。しかし、美雪にはある秘密があった。切なくもあり、昭和中期を舞台とした切なくもあり温かい気持ちになるラブストーリー映画となっている。
Read Article
シン・ウルトラマン(映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『シン・ウルトラマン』とは、脚本・庵野秀明、監督・樋口真嗣による、人類のために戦う異星人ウルトラマンと、その周囲の人々の活躍を描いた映画作品。日本を代表するクリエイターによる伝説的な特撮作品のリブートということで、公開前から大きな話題となった。 突如日本に出現し始めた巨大生物、禍威獣。その脅威に対抗するため結成された禍特隊の前に、銀色の巨人が現れる。ウルトラマンと名付けられたその巨人は禍威獣から人々を守るように振る舞い、禍特隊がその謎を追う一方、地球にはかつてない危機が迫っていた。
Read Article
シグナル 長期未解決事件捜査班(ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ
『シグナル 長期未解決事件捜査班』とは、過去と現在が無線機による通信で繋がり、その無線機を使ってそれぞれの時代の刑事が事件を解決していくという刑事ドラマである。2018年にフジテレビ系で放送された連続ドラマで、韓国で数々の賞を受賞したドラマ『シグナル』の日本版リメイクとなっている。過去と現在が同時進行で描かれ、未解決事件を解決する現在の長期未解決事件捜査班と、その事件が実際に起こっている過去が繋がり、事件解決だけでなく謎や秘密が明らかになっていく。
Read Article
HERO(ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ
『HERO』とは、第1期が2001年に、第2期が2014年にフジテレビ系で放送された、検察をテーマにした日本のテレビドラマシリーズ。木村拓哉が主演を務め、自身の正義と価値観で捜査を行う型破りな検事・久利生公平と彼を支える検察事務官、同僚検事たちの活躍を描いている。その他、2006年にドラマ特別編が、2007年には劇場版がそれぞれ制作され、2015年には劇場版第2作が制作された。第28回ザ・テレビジョンドラマアカデミー賞を受賞した。
Read Article
いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう(いつ恋)のネタバレ解説・考察まとめ
『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』(いつ恋)とは、東京という街で必死に生きる若者たちの恋愛を描いた日本のテレビドラマである。フジテレビ系列で2016年1月から3月まで放送された。坂元裕二によるオリジナル脚本作品。主演を有村架純と高良健吾がつとめた。東日本大震災が発生する2011年前後と、5年後の2016年からの2部構成で描かれている。第3回コンフィデンスアワード・ドラマ賞作品賞・脚本賞などを受賞した。
Read Article
HERO(2015年の映画)のネタバレ解説・考察まとめ
「HERO」とは2015年7月18日に公開された日本の映画作品。2001年に第1期、2014年に第2期としてフジテレビ系で連続ドラマとして放送された同作の劇場版2作目。監督は鈴木雅之。脚本は福田靖。2015年の日本映画興行収入第3位 (実写映画では第1位) を記録 (46.7億円)。木村拓哉演じる主人公・久利生検事が不審な交通事故を通して大使館の疑惑に関わることになる。
Read Article
孤独のグルメ(テレビ)のネタバレ解説・考察まとめ
『孤独のグルメ』とは、原作・久住昌之、作画・谷口ジローによる漫画(扶桑社刊)、およびそれを原案としたテレビドラマ作品である。自営業の中年男性、“井之頭五郎(いのがしら ごろう)”が営業中に立ち寄った飲食店でただひたすら淡々と食事し続けるだけで、予測不能な展開やドラマティックな展開も皆無という内容でありながら、『飯テロ』『夜食テロ』という流行語を生み出し、一躍テレ東の看板作品の一つになった人気作品。
Read Article
阪急電車 片道15分の奇跡(映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『阪急電車 片道15分の奇跡』とは2011年に全国東宝系で公開されたハートフル群像劇映画である。有川浩が2008年に発表した連作短編集『阪急電車』を原作とし、 監督三宅喜重、脚本岡田惠和、主演中谷美紀で映画化された。同じ電車に乗り合わせた8人の乗客たちがそれぞれ少しずつ関わり合い、笑顔になっていくさまが描かれる。作品の舞台となる阪急電車の他、西宮市や宝塚市なども制作に協力し、地元愛が強く溢れた映画に仕上がっている。
Read Article
新選組!(大河ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ
『新選組!』とは2004年1月から12月まで放送されたNHKの大河ドラマである。幕末を舞台に若者たちが命を懸けて己を貫く姿を中心に、青春群像劇として高い評価を得た。多摩の百姓であった近藤勇が真の侍になるため京に上り、仲間たちと新選組を結成し誠の忠義を貫くために戦い、生きていく姿が描かれている。香取慎吾をはじめ若手俳優たちが生き生きと演じたこと、また人気脚本家三谷幸喜の脚本も見どころの一つとされている。
Read Article
鎌倉殿の13人(大河ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ
『鎌倉殿の13人』とは2022年にNHKで放送された、平安時代〜鎌倉時代初期を舞台とした大河ドラマである。主演は小栗旬が務めた。 伊豆の地方豪族の次男坊であった北条義時(ほうじょうよしとき)は源頼朝(みなもとのよりとも)に仕え、源平の戦乱の中に巻き込まれていく。そして鎌倉幕府成立後は有力御家人たちとの権力闘争を勝ち抜き、次第に非情な権力者になっていく姿が描かれている。 脚本は今作が大河ドラマ3作目となる三谷幸喜が手掛けた。 同作品は2023年のエランドール賞特別賞を受賞している。
Read Article
罪の声(小説・漫画・映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『罪の声(映画)』とは塩田武士の同名小説を2020年に土井裕泰監督、小栗旬主演で映画化されたサスペンス映画である。1984年に実際に起こった「グリコ森永事件」を題材にした、フィクションでありながらも限りなく事実に近い作品としてサスペンスフルに仕上がっている。実際の事件でも犯人が使用した「子供の声」を中心に、自分の声が使われていたことを知ってしまった人物と過去の大事件の犯人を追うジャーナリストの2人の視点から犯人を追い詰めていく物語である。
Read Article
俺物語!!(漫画・アニメ・映画)のネタバレ解説・考察まとめ
原作・河原和音、作画・アルコによる少女漫画、及びそれを原作とするアニメ、映画。2011年に『別冊マーガレットsister』に掲載された第1話が好評につき連載へ移行。その後『別冊マーガレット』にて2016年まで連載された。誰もが目を引く巨漢、剛田猛男とお菓子作りが大好きな女子高生大和凛子。痴漢から助けた出会いをきっかけに付き合い始めた二人の不器用ながら微笑ましい恋模様がコミカルに描かれる。
Read Article
キングダム 運命の炎(キングダム3)のネタバレ解説・考察まとめ
『キングダム 運命の炎』とは、原泰久の漫画『キングダム』を原作とする2023年公開の実写映画作品。同シリーズでは3作目にあたるため『キングダム3』とも呼ばれる。キャッチコピーは「大いなる夢を、新しい時代を、その手で掴め―」。監督は佐藤信介が務め、主役の山﨑賢人や吉沢亮など主要人物の役者は全員が前々作から続投している。 趙の大軍に攻められた秦は、六大将軍の王騎を総大将にしてこれを迎撃する。将軍を志す剣士にして秦の若き王嬴政の友でもある信も従軍し、師である王騎から重要な作戦を託される。
Read Article
坂道のアポロン(漫画・アニメ・映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『坂道のアポロン』とは、2007年から2012年まで小玉ユキが『月刊フラワーズ』(小学館)にて連載していたジャズと青春をテーマにした少女漫画、およびそれを原作としたアニメ、実写映画である。舞台は1966年の長崎県。主人公の薫が、横須賀から長崎の高校へ転入したところから始まる。父の仕事の都合で転校ばかりしていた薫にとって、学校は息苦しくストレスばかりの場所であった。しかし、そこで不良の千太郎と心優しい律子、そしてジャズに出会い薫の生活は一変する。美しい友情と交錯する恋心が魅力的に描かれている。
Read Article
タグ - Tags
目次 - Contents
- 『余命10年』の概要
- 『余命10年』のあらすじ・ストーリー
- 再会と新たな生活
- 茉莉の決断と和人への愛
- 茉莉の最期と和人の新たなスタート
- 『余命10年』の登場人物・キャラクター
- 主要人物
- 高林茉莉(たかばやし まつり/演:小松菜奈)
- 真部和人(まなべ かずと/演:坂口健太郎)
- 高林桔梗(たかばやし ききょう/演:黒木華)
- 平田先生 (ひらたせんせい/演:田中哲司)
- 藤崎沙苗(ふじさき さなえ/演:奈緒)
- 高林家の関係者
- 高林百合子(たかばやし ゆりこ/演:原日出子)
- 鈴丘聡(すずおか さとし/演:山中崇)
- 茉莉の病院での友人
- 礼子(れいこ/演:安藤聖)
- 凛子(りんこ)
- 短大時代の友人
- 美弥(みや/演:上原実矩)
- 奈緒(なお)
- サオリ (演:三浦透子)
- その他
- 寺田美幸(てらだ みゆき)
- 富田タケル(とみた たける/演:山田裕貴)
- 真部紫(まなべ ゆかり)
- 月野(つきの)
- 『余命10年』の用語
- 原発性肺高血圧症
- CCU
- 自宅療養
- 『余命10年』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 真部和人「平凡でつまらない人生かもしれないけど、隣には茉莉ちゃんがいる。死にたいって思ってた俺に生きたいって思わせてくれた茉莉ちゃんのために俺は生きる。これからは俺が茉莉ちゃんを守るから、だから一緒にいてください。茉莉ちゃん、好きです」
- 高林茉莉「夜まぶたを閉じるのが怖いんだ。私間違ってなかったよね、これで良かったんだよね。ねぇ、和くん…私の人生は幸せだったよ。人より短かったけどあなたと出会って、あなたに愛されて、私は確かに生きてたって思う。だからこれで良かったんだよね。会いたいよ会いたいよ、和くん、大好きだよ。」
- 高林百合子「もっと泣いたりわめいたりしていいんだよ。最初に先生から病気の事を聞かされたとき、お母さんたちの方が動揺して先に泣いちゃったから泣けなかったんだよね、ごめんね。」
- 『余命10年』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 撮影のプロセスで見える坂口健太郎の進化
- プレッシャーと戦い続けた小松菜奈の壮絶な日々
- 坂口健太郎と小松菜奈が明かす試写会の感想
- 『余命10年』の主題歌・挿入歌
- 主題歌:RADWIMPS『うるうびと』