VIVANT(ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ
『VIVANT』とは、は2023年7月から同年9月までにTBS系「日曜劇場」枠で放送されたアドベンチャードラマ作品。サラリーマンの乃木憂助は、自身にかけられた誤送金の疑いを晴らすためバルカ共和国に向かう。バルカの地で乃木を巻き込んだ自爆テロ事件は、やがて暗躍する国際テロ組織、そして乃木の正体へと繋がっていく。国内外から集結した豪華俳優陣やモンゴルで撮影された大スケールの映像、そして、予想を超える展開が連続するストーリーが見どころとなっている。
CIAのオフィサーで、乃木のミリタリースクール時代からの親友。
以前から謎の組織・テントについて捜索しており、丸菱の誤送金の最終的な行方であるテント幹部・アル=ザイールの情報を乃木に伝える。2001年の同時多発テロをきっかけに家族を守るため軍に入隊したことで、乃木に自衛隊に入隊を決意する契機を与えた人物でもある。アニメ『ルパン三世』のファンである。
上原史郎(うえはらしろう/演:橋爪功)
現内閣官房副長官で、元公安部外事1課長で乃木卓の上司だった人物。1979年、独断で卓をバルカに潜入捜査を命じる。バルカで内乱発生時に救助ヘリコプターを引き返させたのも彼だが、それは国際問題に発展させないためという理由だった。しかし、それは名目に過ぎず、真実は作戦の失敗により自身のキャリアに傷がつくのを恐れたからであった。復讐を目論むベキ、バトラカ、ピヨに殺害されかけるが、乃木が彼らを狙撃したことで計画は阻止され命を救われる。別班をシビリアンコントロールを逸脱した存在として批判するが、別班がどこに潜んでいるか分からないため口を慎むよう、野崎から諭された。
『VIVANT』の用語
組織
別班
政府非公認の自衛隊の影の諜報組織で、日本にとっての有事を未然に防ぐことを使命としている。そのため、時には非合法な手段をとることも厭わない。別班の工作員は世界中に潜伏しており、乃木や黒須のように社会に溶け込んでいる。その人数や潜伏先、組織系統は直属の上司以外知られていない。
テント
乃木の父、乃木卓がノゴーン・ベキと名乗り設立し、頭首として君臨する国際的な謎のテロ組織。思想信条が感じられないテロや犯罪行為を世界各地で行い、乃木家の家紋と同じマークの組織の旗をテロ現場に残す以外素性が一切不明であった。その実状は、テロや犯罪行為は外部から請け負った依頼であり、その収益でバルカに創設した孤児院で孤児たちを養育していた。
組織名は、キャンプで家族や仲間など大切な人たちが集まる場所である「テント」が由来である。
国
バルカ共和国
本作に登場する架空の国で、中央アジアに位置し、多くの宗教が混在する多民族国家である。国の東西南北がそれぞれモンゴル、カザフスタン、中国、ロシアと接している。1984年の中華系住民によるムスリムへの殺人事件が引き金となり、仏教徒のモンゴル系、ムスリムのカザフ系、共産主義の中華系、東方正教徒のロシア系の民族内乱が勃発したという過去がある。2004年まで続いたこの紛争は、治安を悪化させ、大勢の孤児を生み出してしまった。
公用語はモンゴル語。地名や人名は中世モンゴル語やモンゴル語に依らない独自なものである。
『VIVANT』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
乃木憂助「この美しき我が国を汚すものは、何人たりとも許さない」
第4話での名言。
テントのモニターの仲間だという黒須の手助けによって公安からの追跡を撒いて航空機の格納庫に逃げ込んだ山本は、彼に睡眠薬を飲まされて一時気を失ってしまう。目覚めると、椅子に縛られて身体の自由が奪われており、山本は困惑する。そんななか黒須が「先輩」と呼ぶと、山本の前に暗闇から「有事の後、法に基づいて動くのが警察。僕たちは有事の前に動く」と語りながら乃木が現れた。Fの人格が移った乃木は、不気味な笑みを湛えて、「よう、山本」と彼のもとへ詰め寄ってくる。都市伝説として別班のことを知っていた山本は、乃木のような同期での出世レースから脱落した愚鈍な人間が別班が務まるはずがないというが、それに対して乃木は「出世?そんなもんしたら任務に差し支える。別班は海外飛び回ってなんぼなんだよ」とこれを一蹴した。すべて乃木の手の中にあったことに落胆する山本に、乃木はテントの情報を吐くように詰め寄る。山本は知らないの一点張りで通そうとするが、乃木は山本に自白剤を投与し、テントのテロの最終目的地が日本であることを聞き出す。尋問の途中で再び意識を失った山本は、次に静岡県の潮騒橋の上目を覚まし、縄を括り付けられた自分の首が乃木に掴まれていることに気づく。乃木は目下に広がる広大な川を眺めながら、「美しいだろう?この美しき我が国を汚す者は何人たりとも許さない」といって、山本を橋の下へ放り投げたのだった。
F「死なねえよ、俺がお前を死なせねえ」
第7話での名ゼリフ。
ノコル捕縛作戦が決まってから、乃木はジャミーンや柚木と距離を置くようになっていた。連日彼女からLINEが届くが、どう返信すべきか考えあぐねているところにFが現れる。「お前の気持ちを伝えればいいだけだ」と言うFに、乃木は「伝えてもすぐに寂しい思いをさせる」と答える。今回の任務は今まで以上に危険を伴い、もし何かあったらと思うと、もう彼女たちに会わないほうがいいんじゃないかと乃木は考えていた。それに対して、Fは「死なねえよ。俺がお前を死なせねえ」と淡々と答えた。翌日、乃木は久々にジャミーンの病室を訪れる。そこには柚木もおり、彼女と帰路を共にすることになる。道すがらで「乃木が傍にいないとき、彼が今何をしているのか想像できないことが寂しかった」と語る柚木を乃木は抱きしめ、野崎に教わった赤飯を準備しているからと彼女を夕食に誘ったのだった。
ノゴーン・ベキ「わたしの誇りだ」
最終話・第10話での名ゼリフ。
公安のもとから逃走したベキは、バトラカ、ピオとともに、かつてバルカにいた自分と家族を見捨てた当時の公安の上司だった上原史郎への復讐のために、彼の邸宅に襲撃をかける。ベキは上原に銃を突きつけるが、その時、その計画を事前に察知していた乃木が阻止しようと現れる。バトラカ、ピヨが上原を取り囲むなか、乃木は「上原が自分たちを見捨てたのは、バルカへの公安の介入が明らかになることで国際問題が深刻化するのを防ぐためであった」と説得を試みる。それにベキは「それは表向きの理由で、本当は独断で実行したバルカへの潜入任務の失敗によって自身のキャリアに傷がつくことを恐れて、自分たちごと計画の存在を抹消しようとしたのだ」と明かす。それでも、「現在の内閣官房副長官である彼の命の危機を見過ごすことはできない」と乃木も引かない。ベキに銃を向ける乃木だが、ベキは「撃てるものか。お前は私の息子だ」と不敵に笑い、上原を撃とうとする。乃木はとっさにベキ、バトラカ、ピヨを撃ち抜く。我に返った乃木は倒れたベキに駆け寄ると、彼は優しい声で「私の誇りだ」と囁き、目を閉じた。
日本警察とバルカ警察がタッグを組む
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目次 - Contents
- 『VIVANT』の概要
- 『VIVANT』のあらすじ・ストーリー
- 1億ドルの誤送金事件
- 丸菱に潜むモニターの正体
- テントへと迫る別班と公安
- 乃木の知った愛と裏切り
- 乃木のベキとの邂逅
- テントの真の目的
- ノゴーン・ベキの真の目的
- 『VIVANT』の登場人物・キャラクター
- 主人公
- 乃木憂助(のぎゆうすけ/演:堺雅人)
- F(エフ/演:堺雅人)
- 野崎守(のざきまもる/演:阿部寛)
- 柚木薫(ゆずきかおる/演:二階堂ふみ)
- 丸菱商事
- 山本巧(やまもとたくみ/ 演:迫田孝也)
- 太田梨歩(おおたりほ/ 演:飯沼愛)
- 水上了(みずがみりょう/演:古屋呂敏)
- 宇佐美哲也(うさみてつや/演:市川猿弥)
- 原智彦(はらともひこ/演:橋本さとし)
- 河合幸二(かわいこうじ/演:渡辺邦斗)
- 長野利彦(ながのとしひこ/演:小日向文世)
- バルカ共和国
- チンギス(演:Barslkhagva Batbold)
- ジャミーン(演:Nandin-Erdene Khongorzul)
- アディエル=クラシー(演:Tsaschikher Khatanzorig)
- イリア・サイハン (演:真凛)
- アリ・カーン(演:山中崇)
- アル=ザイール(演:Erkhembayar Ganbold)
- 西岡英子(にしおかえいこ/ 演:檀れい)
- ナジュム (演:Bruce Taylor)
- ゴビ(演:馬場徹)
- ワニズ(演:河内大和)
- 公安
- ドラム(演:富栄ドラム)
- 新庄浩太郎(しんじょうこうたろう/演:竜星涼)
- 鈴木祥(すずきしょう/ 演:内野謙太)
- 東条翔太(とうじょうしょうた/演:濱田岳)
- 佐野雄太郎(さのゆうたろう/演:坂東彌十郎)
- テント
- ノゴーン・ベキ/乃木卓(のぎすぐる/演:役所広司)
- ノコル(演:二宮和也)
- バトラカ(演:林泰文)
- ピヨ(演:吉原光夫)
- 別班
- 黒須駿(くろすしゅん/ 演:松坂桃李)
- 高田明敏(たかだあきとし/演:市川笑三郎)
- 和田貢(わだみつぐ/演:平山祐介)
- 廣瀬瑞稀(ひろせみずき/ 演:珠城りょう)
- 熊谷一輝(くまがいかずてる/演:西山潤)
- 櫻井里美(さくらいさとみ/演:キムラ緑子)
- その他の人々
- 乃木明美(のぎあけみ/演:高梨臨)
- 乃木寛道(のぎひろみち/演:井上順)
- サム (演:Martin Starr)
- 上原史郎(うえはらしろう/演:橋爪功)
- 『VIVANT』の用語
- 組織
- 別班
- テント
- 国
- バルカ共和国
- 『VIVANT』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 乃木憂助「この美しき我が国を汚すものは、何人たりとも許さない」
- F「死なねえよ、俺がお前を死なせねえ」
- ノゴーン・ベキ「わたしの誇りだ」
- 日本警察とバルカ警察がタッグを組む
- 乃木と柚木たちの再会
- 『VIVANT』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 福澤克雄監督が注目した別班
- 人気キャラクター・ドラムのモデルは『STAR WARS』のチューバッカ
- キャストのNGを喜ぶベキ役・役所広司
- モンゴルに生まれた「VIVANT通り」
- 『VIVANT』の主題歌・挿入歌
- テーマソング:千住明「VIVANT〈Main theme〉」
- 挿入曲:エルガー「威風堂々」(第1話、第3話、第5話、第6話、第10話)
- 挿入曲:ワーグナー「ワルキューレの騎行」(第1話、第2話、第3話、第10話)
- サウンドトラック:千住明「『VIVANT』ORIGINAL SOUNDTRACK」