六番目の小夜子(小説・ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ
『六番目の小夜子』とは恩田陸の小説と、それを原作としたNHKで放送されたTVドラマ、および舞台作品である。恩田陸のデビュー作であり、新潮社の第3回日本ファンタジーノベル大賞にて最終選考まで残った作品だ。とある高校(ドラマでは中学校)に伝わる「サヨコ」という言い伝えを軸に、少年少女たちの瑞々しい青春とファンタジーホラーの一面も持つ。2000年にNHK教育『ドラマ愛の詩』でドラマ化された。また2022年1月、乃木坂46の鈴木絢音の主演で舞台化もされている。
『六番目の小夜子』の概要
『六番目の小夜子』とは本屋大賞や直木賞も受賞している日本の小説家、恩田陸(おんだりく)が1992年に発表したデビュー作である。恩田陸にとって初めて書いた小説でもあり、およそ3週間で書き上げたと語っている。
新潮社の第3回日本ファンタジーノベル大賞に応募され、最終選考に残ったことで1992年に文庫として発売された。しかし初版はあまり売れず、早々に絶版になってしまう。しかし作品の魅力が口コミで広がり、ファンの間で「幻の小説」と話題になったことで1998年に再単行本化、2001年に文庫化された。
原作はある高校を舞台に、4人の生徒たちの姿を描く青春物語である。しかし物語が進むにつれ、その高校に伝わる「サヨコ」と呼ばれるゲームが絡み、高校生活という不安定な時期を過ごす4人を中心とする学園ホラーとしての側面が大きくなっていく。
関根秋(せきねしゅう)が通う高校には「サヨコ」と呼ばれる伝説があった。3年に1人「サヨコ」と呼ばれる生徒が現れ、学園祭で「小夜子」という劇が上演されるのだ。しかしその「サヨコ」になった生徒は誰にも知られることなく、1年間過ごさなくてはいけないともされている。
予想外の事態で今年の6番目の「サヨコ」になってしまった秋は、不幸な事故で亡くなった2番目のサヨコと同姓同名の転校生、津村沙世子(つむらさよこ)に強い警戒心を抱く。しかし沙世子の親友となった花宮雅子(はなみやまさこ)と、雅子に思いを寄せる秋の親友、唐沢由紀夫(からさわゆきお)と秋の4人はいつしか行動をともにすることとなり、ともに高校3年生の青春の日々を過ごす。
学園祭で「六番目の小夜子」という全校生徒が参加の「呼びかけ」を使った劇が行われるが、不気味な内容にパニックになった生徒たちを急発生した竜巻が襲う。
「サヨコ」伝説が気になる秋は「サヨコ」に関するマニュアルを一目見ようと学園祭実行委員の部室に忍び込む。そこへ秋にフラれた佐野美香子(さのみかこ)が部室棟に火を着け、逃げ遅れた秋は津村沙世子に救われる。マニュアルも燃え尽き、「サヨコ」伝説も今年で終わりかと思われたが、新しく建てられた部室棟の学園祭実行委員室にはあたらしい「サヨコ」マニュアルが何者かの手で置かれていた。
2000年にはNHK教育テレビの青少年向けのドラマシリーズ『ドラマ愛の詩』でドラマ化され、大ヒットする。
ドラマ版では舞台が高校から中学へと変わり、ストーリーや登場人物のキャラクター造形も異なっている。加えてドラマオリジナルのキャラクターが主人公を演じるなど大幅な変更が行われたが、キーポイントとなる「不思議な転校生」「鍵」「赤い花」「文化祭」などはすべて引き継がれており、原作とは別の作品としても人気が高く、NHKドラマでは異例の10回以上再放送がされている。
主演の潮田玲(しおたれい)には撮影時12歳だった鈴木杏が抜擢され、物語のキーとなる津村沙世子には15歳の栗山千明がキャスティングされた。他の生徒たちには12〜14歳だった山田孝之、勝地涼、松本まりか、山崎育三郎らが抜擢され、初々しい演技を見せている。
脚本はNHKのドラマを数多く手掛ける宮村優子が担当し、音楽はアコーディオン奏者で作曲家でもあるcobaが担当した。
中学2年の始業式の早朝、「6番目のサヨコ」に憧れる潮田玲は、正当な鍵の持ち主であり幼馴染である関根秋(せきねしゅう)から鍵をこっそり持ち出し、赤いチューリップを抱えて学校に忍び込む。しかしそこにはすでに赤いバラが生けられており、玲は走り去る黒髪の少女の後ろ姿を目撃する。
2021年には乃木坂46の鈴木絢音が津村沙世子を演じた舞台が公演された。
こちらも原作、テレビドラマとは異なる物語となっており、亡くなった津村沙世子の亡霊が現れるなどホラー色が強いものとなっている。
演劇部の部長を務める花宮雅子は今年の文化祭で自分が作った劇を上演しようとしていた。しかし今年は3年ごとの「サヨコ」の年であり、その年は「サヨコ」の劇を上演しないと大学進学率が落ちると言われていた。その劇は最後に体育館が炎に包まれるという恐ろしい内容であり、雅子と転校生の沙世子はなんとか上演を回避しようとするが、迷信を信じる学生たちは結果として劇を上演し、ボヤ騒ぎを起こす。全ては亡くなった津村沙世子の亡霊の仕業であり、現在の沙世子はその呪いを終わらせようとしていた。
脚本は小林雄次、演出は井上テテ、総監督を「Jホラーの父」と呼ばれる鶴田法男が務めている。
『六番目の小夜子』のあらすじ・ストーリー
ドラマ版あらすじ
謎の転校生
中学2年になった潮田玲(しおたれい)の通う学校には「サヨコ」と呼ばれる不思議な言い伝えがあった。3年に1度サヨコと名乗る生徒が現れ、3つの約束を果たす。それが成功すれば大いなる扉が開かれ、3年後にまた新しいサヨコが現れるというものだった。
「サヨコ」に選ばれた生徒のポストには古い鍵の入った封筒が届く。その生徒はまず自分がサヨコを引き継いだことを告げるために、学校の正面玄関にある掲示板の前に、戸棚の中にしまわれている花瓶を使って赤い花を生けなければならない。送られた鍵はその花瓶のある戸棚の鍵であった。
その年、西暦2000年は6番目のサヨコの年であった。
玲は幼馴染の関根秋(せきねしゅう)にサヨコの鍵が送られたことを知る。サヨコに憧れを持つ玲は、秋からこっそり鍵を持ち出し、始業式の早朝に赤いチューリップを抱えて学校に向う。しかし玲はそこにすでに赤いバラが生けられているのを見て愕然とする。聞こえてきた鈴の音に振り向いた玲は、長い黒髪をなびかせて走り去る女子生徒の後ろ姿を目撃する。負けん気の強い玲は必死に追いかけるが、少女を見失ってしまう。
ホームルームが始まった玲たちの教室に転校生がやって来る。長い黒髪の美少女は津村沙世子(つむらさよこ)と名乗る。
沙世子が早朝に見かけた少女なのではないかと思った玲は積極的に話しかけようとするが、見間違いだと一蹴されてしまう。
バスケット部員の玲はなりゆきで、津村沙世子とバスケ勝負をすることになる。玲が勝ったらサヨコの鍵を返すこと、沙世子が勝ったらサヨコ伝説を教えることを条件に勝負をするが、引き分けに終わる。その日の夕方、校庭の隅にある小さい石碑の前で沙世子が不気味に笑うのを、秋の弟である唐沢由紀夫(からさわゆきお)が目撃していた。その碑は昔交通事故で亡くなった女子生徒を祀ったものであった。
成績優秀な沙世子に「なぜこの中学校に来たのか」と秋や玲は尋ねるが、「呼ばれたから」と沙世子は不思議な笑みをたたえてその場を去る。
学校ではサヨコの噂が独り歩きをしていた。曰く「サヨコを演じた生徒が緞帳の下敷きになって大怪我をした」「サヨコの正体がバレた4番目のサヨコの年は、修学旅行で食中毒が出たり、公立高校の受験日に路線バスの事故があったなど学校行事がめちゃくちゃになった」などである。それを聞いた玲と秋はサヨコの重圧を改めて思い出す。
ある日玲は、「津村」を名乗る人物から夕方の学校に呼び出される。玲は夕方の学校で沙世子に会うが、沙世子も誰かに呼び出されたと言い張った。「あなたは誰?」と問いかける玲に「私が6番目のサヨコ」と沙世子は答える。
それを物陰から見ていたクラスメイトの加藤彰彦(かとうあきひこ)は沙世子の迫力に押され、喘息の発作を発症してしまう。入院した加藤は秋に「戻ってきたんだ、碑を見て」と伝言を託す。玲と秋は校庭の隅にある碑を見に行く。そこには「昭和63年 津村沙世子 享年15」と転校生と全く同じ名前が彫られてあった。秋は図書室へ行き卒業アルバムを確認しようとしたが、63年の卒業アルバムだけ抜き取られていた。
2人のサヨコ
事故で亡くなった津村沙世子と、目の前にいる津村沙世子とはどういう関係なのか。生まれ変わりだとか亡霊だとか考える秋と玲に、担任の黒川(くろかわ)先生は「現実の生身の津村沙世子と向き合ったらどうだ」と諭す。
一方で秋は3年の設楽雅弘(しだらまさひろ)から、交通事故で亡くなった津村沙世子は「2番目のサヨコ」だったと教えられる。「2番目のサヨコ」の年はサヨコになりたい生徒が2人いて、サヨコの取り合いになったのだ。その1人である津村沙世子が事故死したことによって「サヨコが2人いる年は不吉だ」とされてきたという。
しかし玲は同じバスケ部に入った沙世子と接するうちに好ましく思うようになり、思わず「2人で今年のサヨコをやらない?」と提案してしまう。当然秋は強く反対するが、玲の決意は強く「危険かどうかはやってみなければわからない」と秋を説得する。しかし加藤を入院させてしまったことに責任を感じていた沙世子は「6番目のサヨコ」から降りることを玲に伝える。
加藤のお見舞いに行った玲が病院で会ったのは、沙世子から花を届けるように頼まれた弟の耕(こう)であった。
黒川先生の理科の授業中、いきなり「2人のサヨコは災いを起こす」というスライドがスクリーンに映る。玲はこれを「妨害者」の仕業だと言い、対決する闘志を燃やす。さらに掲示板に「サヨコ」を名乗るメッセージが貼り出されるが、玲も沙世子も心当たりのないものであった。玲はこれも「ニセのサヨコ」と名付け、「妨害者」「ニセのサヨコ」と対決することを誓う。
「サヨコ」を降りると言う沙世子だったが、玲の真っ直ぐな熱意に次第に惹かれていく。自分に届いたサヨコの鍵や台本は戸棚に戻したと聞いた玲は沙世子と一緒に戸棚を確認しに行くが、鍵が壊され中は空になっていた。「妨害者」の仕業だと息巻く玲は沙世子と秋とともに失われた台本を復元することを約束する。
玲の家から帰る途中の公園で、沙世子は不良たちに絡まれている耕と出会う。沙世子に興味を持つ不良たちに囲まれた2人だったが、沙世子は不思議な力を発揮し、野良犬に不良たちを襲わせる。不安にかられて公園に急いだ玲が目にしたのは、怯えきった耕と姿を消した沙世子であった。
翌朝登校した秋は図書室で63年度の卒業アルバムを借りていた佐野美香子(さのみかこ)という女性と出会う。彼女は唯一名前が判っている「4番目のサヨコ」であった。サヨコの迷信を信じなかった美香子は、鍵が送られてきたことを生徒総会に報告し、自分は一切サヨコに関わらないと宣言したというのだ。
教育実習生として玲たちのクラスに来た美香子は「私はサヨコを終わらせるために来た」と言う。
妨害者とニセのサヨコ
理科教師である美香子は「理由のない不思議なんてない」と力説し、サヨコ伝説はただの迷信だと言い切る。「妨害者」として玲と沙世子の邪魔をし、玲を「サヨコ」から引き離そうとしていた秋もそれに同調する。「これ以上サヨコに関わるのはやめよう」と言う秋だったが、玲より早く学級委員の花宮雅子(はなみやまさこ)が「サヨコはいる!」と強く反発する。
文化祭の申し込み受付締切の日である「7月7日の夜7時に本物のサヨコが姿を表す」という言い伝えを雅子は信じており、その時間にサヨコが現れなかったら秋の言うとおりにサヨコのことは忘れると約束する。
公園での事件後、怪我を理由にしばらく学校を休んでいた沙世子が久しぶりに登校してくる。沙世子は玲に、1人目のサヨコからずっと見守り、軌道修正をしている「誰か」の存在を話す。
7月7日の放課後、学校に残った玲と秋、沙世子と雅子の前にサヨコは現れなかった。サヨコが来ると信じていた雅子は落胆し、玲と沙世子もこれで自分たちのサヨコも終わったと落ち込む。
鍵を返そうと戸棚に向かった2人が見たのは、戸棚に戻された割れた花瓶と赤いスカーフだった。「ゲームはまだ終わっていない」と喜ぶ2人だった。
「小夜子」の劇の申込書は提出されたが、夏休みになっても台本は届いていなかった。しかし「妨害者」であった秋が沙世子から回収した台本を提出した。それを聞いた玲と沙世子は自分たちのオリジナルの台本を作ることを決意する。
「呼びかけ」を応用した台本を完成させた2人は、台本を提出するため夜の学校に忍び込む。一旦は秋の作った台本とすり替えようとした2人だったが、文化祭実行委員がどちらの台本を選ぶか賭けに出ようと2冊の台本を置いて帰る。
恐怖の文化祭
新学期が始まり、文化祭の準備を進める実行委員長の設楽から今年の「小夜子」の劇は全員参加だと発表される。玲と沙世子は自分たちの台本が選ばれたと手を合わせて喜び合う。
文化祭前日、秋が「妨害者」であったことが玲にバレ、玲はショックを受ける。サヨコが2人いる年は不幸が起きるという迷信を信じた秋は、なんとかして玲にサヨコを諦めさせようとしていたのだ。しかし「ニセのサヨコは自分にも予想外だった」と秋は語った。
文化祭が始まり「六番目の小夜子」の劇が上演される。玲と沙世子が作った台本は生徒一人ひとりが一言ずつセリフを読み上げていく「呼びかけ」を応用したものだった。
生徒一人ひとりに封筒が配られ、その中にセリフが入っている。その封筒を開けた玲と沙世子は自分たちの台本がすり替えられていることに気づく。それは実行委員たちも同じで設楽らは慌てるが、ここで急に劇を中止にすればまた「サヨコのしわざ」とパニックになると判断した設楽は、劇の始まりを宣言する。
椅子に並んで座った全校生徒は次々とマイクを回し、セリフを読み上げてゆく。劇の内容はサヨコを名乗る女子生徒の1人語りで、過去のサヨコの歴史を振り返る内容であった。しかし6番目にあたる今年は自らの代理の「選ばれたサヨコ」ではなくサヨコ自身が現れるという内容に変わっていく。ちょうどその部分を玲たちのクラスが担当し「私は」「ここに」「来た」「ここに」「今」「ここに」「ここに」「ここに」と続き、玲が「来た!」と言った瞬間に体育館の扉が急に開き、突風が吹きこんでくる。体育館の窓ガラスは割れ、照明が破裂し生徒たちはパニックに陥る。混乱の中、玲はステージの上に立つ黒髪の少女を目撃する。
翌日何事もなく文化祭が始まり、玲たちのクラスがうたごえ喫茶で盛り上がる。しかし雅子はクラス全員の前で、昨日の体育館での騒ぎは沙世子の仕業ではないかと問い詰める。しつこく問いただす雅子に耐えかねた沙世子は「私もみんなと同じただの14才なの、転校生だからとか、昔死んだ生徒と同じ名前だからとか、そんなつまらないことでいちいち騒ぐのはもうやめて!」と感情を爆発させる。その時不思議な地震が教室を襲い、それに驚いた雅子たちは恐怖の目で沙世子を見つめる。沙世子は教室を飛び出し、玲は沙世子を追いかけるがショックを受けた沙世子に拒絶される。
サヨコの正体
サヨコを超常的なものと考える雅子たちは、沙世子がそういう力を持っているのではと再び言いがかりをつける。玲は沙世子を庇うために「今年の6番目のサヨコは私」とみんなの前で打ち明けるが、日頃の玲を知るクラスメイトからは笑われるだけで信じてもらえない。
玲はサヨコのメッセージが印刷された紙と、うたごえ喫茶の歌詞カードに同じ線が入っていることに気づく。それは両方とも黒川のワープロで印刷されたものだった。サヨコ伝説に黒川が関わっているのではと疑いを持つ玲。一方で秋も、過去のサヨコたち全員に黒川が関わっていたことを知り、それを確信していた。
翌朝のホームルームで秋は黒川に「先生が1番目のサヨコだったんじゃないんですか?」と質問をぶつける。
秋はこれまでの経緯をクラス全員に説明する。本当に鍵が送られたのは自分であったこと、その鍵を玲が勝手に持ち出し赤い花を生けようとしたこと、しかしそれは誰かに先を越されたこと。そしてその誰かが沙世子であり、沙世子本人もそれを認める。そして沙世子は転校を迷っていた春休みに、鍵とサヨコ伝説が書かれた手紙を受け取ったことを話す。それらすべてを行ったのが黒川だと追求する秋に、黒川は「少し時間をくれないか」と頼む。黒川は「時が来たらすべてをみんなに話す」と約束するが、玲や沙世子の妨害や、ニセのサヨコは自分ではないと否定する。
黒川がサヨコだったという噂はあっという間に広がり、生徒たちの間には安堵と落胆の雰囲気の両方が広がる。しかし雅子は黒川も知らない本当のサヨコが存在すると主張する。
玲と沙世子、秋、雅子の前で黒川は自分が「1番目のサヨコ」であったこと、3年に1度、1人の生徒に鍵を送り、彼らを見守ってきたことを告白する。しかし、いつしかそうするように何かに仕向けられているのではと感じていたことも4人に話す。「この物語は自分の手を離れたのではないか」と黒川は語るのだった。
扉が開く
黒川が一連のサヨコ伝説の黒幕だとわかったことで、文化祭実行委員はこれまでのサヨコ伝説のマニュアルの廃棄を決める。花瓶のある北校舎の戸棚に保管し、北校舎の取り壊しとともに焼却することにしたのだ。
しかしサヨコ伝説に異常な執着を見せる雅子は、そのマニュアルを救い出すことを決意する。夜の校舎に忍び込んだ雅子は由紀夫の手を借り、花瓶やマニュアルを運び出そうとする。一方で雅子は正面玄関の掲示板にニセのサヨコを騙ったメッセージを張り出す。それを玲に見つかった雅子は、自分がニセのサヨコだったことを認め、「自分こそが本当のサヨコになるのだ」と主張する。
その時北校舎で火災が起きる。中には気を失って倒れている由紀夫の姿があった。由紀夫とマニュアルを救い出そうと雅子は北校舎に入るが、途中で鍵を落としてしまう。そこへ玲と黒川が駆けつけ、由紀夫と雅子を救い出す。雅子はそれでもマニュアルを持ち出そうと抵抗するが、黒川に抱えられるようにして救い出される。玲もその後に続こうとするが、雅子の落とした鍵を手にし、マニュアルを持ち出そうと炎の中に飛び込む。しかし倒れてきた戸棚に足を挟まれ、絶体絶命の危機に陥る。そこへ駆けつけたのは沙世子だった。沙世子は玲を救い出すが、2人は炎に囲まれてしまう。すると、2人は炎の中に少女の幻影を見た。その少女は扉を開けるように炎の中に道を作る。その道を通って、2人は生還を果たした。
玲がとっさに持ち出したマニュアルを、宝物のように抱きしめる雅子に怒りをぶつける沙世子だったが、「玲がマニュアルを持ち出したのは雅子のためだった」と雅子を諭す。緊張がとけた玲は気を失ってしまい、入院することになった。
玲の見舞いに行った雅子は、なぜ自分がサヨコになろうとしたかを話す。自分の兄が3番目のサヨコだったこと、サヨコをやり遂げた兄が自信を持ち、人が変わったようになったこと、自分もサヨコになったら同じようになれると思ったこと。しかし自分にはサヨコの鍵は送られてこなかった、そして、今年のサヨコが2人いるということを知った雅子は、自分は「3人目」になろうと思ったのだ。
一方、学校では秋がクラスメイトに雅子の行動について説明していた。「雅子は弱かったのだ」と秋はクラスメイトに話す。自分のコンプレックスをサヨコのせいにし、サヨコを乗り越えることができなかったのだと語った。退院してきた加藤もそれに同意し、サヨコなんてものはどこにも存在しないが、誰の心の中にもサヨコは存在するのだと2人は語った。
終業式の日、黒川は沙世子が転校すること、今日の電車で出発することをクラスに告げる。慌てて追いかけた玲は、「この1年のことは絶対忘れない」と沙世子と約束する。玲はこの1年を振り返り、サヨコが開けた扉とは自分たちが少しだけ成長できた、大人への扉だったのかもしれないと思うのだった。
数年後、とある中学校の始業式に赤いバラが飾られる。そこへ長い黒髪の女生徒が鍵を持って登校してくるところで、物語は終わる。
原作あらすじ
プロローグ
とある地方の進学校には15年以上伝わるある伝説があった。
その伝説とは、3年置きに「サヨコ」に指名される生徒が現れ、その正体を誰にも知られることなく3つの約束を果たすと、その年の大学合格率が上がるというものであった。
3つの約束は以下のようなものだ。
・正体は誰にも知られてはいけない。
・始業式の朝、自分の教室の教壇に赤い花を生ける。
・文化祭で「小夜子」という劇を上演する。
「サヨコ」に選ばれた生徒には卒業式に卒業生から花瓶の入った棚の鍵が渡され、後に自宅にその後の指示書と劇の台本が届く。「サヨコ」を引き継ぐ決心をしたら始業式の朝に赤い花を生けるようにと書かれている。
そして劇を上演する決心をしたら、9月の始業式に再び教壇に花を生けるとされている。「小夜子」を超える劇を作り演じる場合は赤い花を生け、過去の「小夜子」を演じる場合は花瓶のみを置き、劇を演じない場合は何も置かないと指示されている。
以上のルールも基本的には「サヨコ」に選ばれた生徒と学園祭実行委員だけしか知らず、一般の生徒たちは、「この学校にはサヨコという伝説がある」ぐらいの認識しかない。
1人目の「サヨコ」が現れてから18年目、6番目の小夜子の年が始まった。
春
卒業生から「サヨコ」の鍵を受け取った3年10組の加藤彰彦(かとうあきひこ)は始業式の朝早く「サヨコ」の1つ目の指令、教壇に赤い花を生けるため学校に忍び込む。しかし誰もいないはずの朝の学校には、加藤と同じように赤い花を抱えた見たことのない少女が立っていた。その姿に怯えた加藤は悲鳴を上げてその場から逃げ出す。
始業式が終わった3年10組には転校生である津村沙世子(つむらさよこ)がやってくる。その美しさと飾らない性格に花宮雅子(はなみやまさこ)はすぐに友人となるが、同じクラスの男子関根秋(せきねしゅう)、唐沢由紀夫(からさわゆきお)は「サヨコ」の年に現れた同じ名前の津村沙世子に不信感を抱く。
さらに由紀夫は校庭の片隅にある、石碑の前で不気味に笑う沙世子を目撃する。その石碑は2番目のサヨコであり、交通事故で亡くなった、沙世子と同姓同名の津村沙世子を祀ったものであった。
本来の「サヨコ」である加藤は、沙世子の持っている「もう一つのサヨコの鍵」を奪おうと空き教室に忍び込むが失敗する。しかし沙世子に呼び出され「私が本当のサヨコなの」という言葉に怯え、持病の喘息を悪化させて入院してしまう。加藤から鍵を託された秋は図らずも沙世子と対決することになってしまう。
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HERO(2007年の映画)のネタバレ解説・考察まとめ
「HERO」とは2007年9月8日に公開された日本の映画作品。2001年にフジテレビ系で連続ドラマとして放送された同作の映画版。監督は鈴木雅之。脚本は福田靖。2007年の日本映画興行収入第1位 (81.5億円)を記録した。木村拓哉演じる主人公・久利生検事が傷害致死事件を通して大物代議士の疑惑に関わることになる。
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ハゲタカ(Hagetaka)のネタバレ解説・考察まとめ
ハゲタカとは、日本人作家・真山仁の経済小説を原作にしたテレビドラマ・映画。2007年にNHKで全6話が放送されている。日本企業買収の使命を帯びて、米国投資ファンドの敏腕マネージャーの鷲津が帰国し、企業の社長や銀行とのマネーゲームが繰り広げられる。鷲津は企業を救うために模索するが、その気持ちとは裏腹に金が悲劇を巻き起こす。ドラマが国内外で高い支持を受けたことで、映画化もされた。
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JIN(仁)のネタバレ解説・考察まとめ
『JIN(仁)』とは、TBS系列にて2009年10月〜12月まで放送されたTVドラマ及び、『スーパージャンプ』で連載されていた村上もとかによる漫画作品。「現代の医師が、もし幕末へタイムスリップしたらどうなるか?」を描いたSF要素の強い医療時代劇漫画をドラマ化したものである。第五話で視聴率20%超えを達成し、最終話では平均視聴率25.3%、瞬間最高視聴率29.8%を記録した。この記録は、2009年に放送された民放の連続ドラマ視聴率の中で最高記録となり、大きな反響を呼んだ、国民的人気ドラマである。
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凶悪(映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『凶悪』とは、ノンフィクションベストセラー小説『凶悪 -ある死刑囚の告発-』を元に、2013年に映画化された社会派サスペンス映画である。雑誌記者の藤井(ふじい)は、上司から須藤(すどう)という死刑囚に会うように言われる。須藤は数々の犯罪に手を染めてきていた。そして、須藤と共謀して多くの犯罪を犯し、最後には須藤をだました木村(きむら)という男の話を聞く。藤井は話を聞くうち、家庭を顧みず取材にのめりこんでいく。この映画は、私たちの身の回りのどこにでも存在しうる犯罪をリアルに描く作品となっている。
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あまちゃん(Amachan)のネタバレ解説・考察まとめ
『あまちゃん』は2013年上半期にNHKで制作されたテレビドラマ。 高視聴率を記録し、主人公、天野アキがよく使う「じぇじぇじぇ!」は流行語大賞に選ばれ、社会現象となりました。 ストーリーは北三陸で海女になることになった天野アキがアイドルとして活躍していく姿を描いた成長物語となっています。
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白夜行(東野圭吾)のネタバレ解説・考察まとめ
『白夜行』とは、1999年に刊行された東野圭吾の推理長篇である。発行部数は2010年12月時点で200万部を超えている。1973年、大阪で起きた殺人。犯人は小学5年生の被害者の息子・桐原亮司と、容疑者の娘・西本雪穂。未解決のまま時は流れていく。そして成長した2人は犯罪行為で互いに助け合うようになり、周囲で不可解な事件が次々と起きる。 疑念を抱く刑事が2人の関与に気づき、証言や調査で真相に迫っていくというストーリー。2006年にはテレビドラマ化、2011年には映画化されている。
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コンフィデンスマンJP ロマンス編(映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『コンフィデンスマンJP ロマンス編』とは2019年に公開された、詐欺師をテーマにした映画作品。東京ドラマアウォードなどの賞を受賞した、総合視聴率15.1%の人気テレビドラマを映画化した1作目。大ヒットした痛快エンターテインメント映画で、ダー子、ボクちゃん、リチャードの3人のコンフィデンスマン(信用詐欺師)が、悪い奴から詐欺で大金を巻き上げるストーリー。今回のおさかな(ターゲット)はラン・リウ。恋愛詐欺師のジェシーと日本のゴットファザーの赤星も加わり、香港を舞台にコンゲームを繰り広げる。
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ランチの女王(ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ
『ランチの女王』とは、2002年にフジテレビ系の月9枠で放送されたドラマ。主演は竹内結子。その他、妻夫木聡、山下智久、山田孝之などが出演している。ランチタイムに洋食店を訪れた麦田なつみが、ひょんなことからその店で住み込みで働くことになる。洋食店を舞台に、なつみと男四人兄弟の恋愛模様や交流を描いたラブコメディ。脚本は『カバチタレ』や『青天を衝け』を担当した大森美香などが手掛けている。第34回ザ・テレビジョンドラマアカデミー賞で最優秀作品賞や主演女優賞などを獲得した。
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WATER BOYS(ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ
『WATER BOYS』とは、2003年7月の火曜21時にフジテレビで放送されていたドラマ。映画『ウォーターボーイズ』を元に制作されており、脚本は橋本裕志と中谷まゆみ。主演は山田孝之で、森山未來や瑛太などが出演している。シンクロに憧れて唯野高校水泳部に入部した進藤勘九郎は、学園祭のシンクロ公演でリーダーに選ばれたが、シンクロ公演が急遽中止となってしまう。そこで勘九郎はシンクロ公演を実現させるため動き出す。勘九郎と仲間たちの友情や恋愛を描いた青春ドラマである。
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MIU404(ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ
『MIU404』とは、性格が全く違う二人の刑事が日本の社会問題に立ち向かいながら事件解決を目指す、警視庁機動捜査隊を舞台としたテレビドラマである。臨時部隊として新設された第4機捜に召集された刑事が志摩一未と伊吹藍だ。二人は相反する性格ながら、様々な事件に相棒として立ち向かうことになる。斬新なストーリーと共に、二人の刑事がバディとして絆を深めていく姿も目が離せない作品だ。
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HERO(ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ
『HERO』とは、第1期が2001年に、第2期が2014年にフジテレビ系で放送された、検察をテーマにした日本のテレビドラマシリーズ。木村拓哉が主演を務め、自身の正義と価値観で捜査を行う型破りな検事・久利生公平と彼を支える検察事務官、同僚検事たちの活躍を描いている。その他、2006年にドラマ特別編が、2007年には劇場版がそれぞれ制作され、2015年には劇場版第2作が制作された。第28回ザ・テレビジョンドラマアカデミー賞を受賞した。
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悪の教典(小説・漫画・映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『悪の教典』とは、2012年公開の日本のバイオレンス・ホラー映画である。監督は三池崇史で、貴志祐介の小説が原作。高校教師の蓮実聖司は、明朗快活で同僚や生徒にとても頼りにされていた。しかしその正体は他人への共感能力に欠けたサイコパスで、自身の邪魔になる人間は躊躇なく殺してきた男だった。そしてある出来事でこれまでの罪が暴かれそうになり、蓮実は校内の人間を全員始末することを決める。この作品は蓮実というサイコパスの生き方や、その周りで生きようともがく人間の命がけの戦いから目が離せない物語となっている。
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いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう(いつ恋)のネタバレ解説・考察まとめ
『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』(いつ恋)とは、東京という街で必死に生きる若者たちの恋愛を描いた日本のテレビドラマである。フジテレビ系列で2016年1月から3月まで放送された。坂元裕二によるオリジナル脚本作品。主演を有村架純と高良健吾がつとめた。東日本大震災が発生する2011年前後と、5年後の2016年からの2部構成で描かれている。第3回コンフィデンスアワード・ドラマ賞作品賞・脚本賞などを受賞した。
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HERO(2015年の映画)のネタバレ解説・考察まとめ
「HERO」とは2015年7月18日に公開された日本の映画作品。2001年に第1期、2014年に第2期としてフジテレビ系で連続ドラマとして放送された同作の劇場版2作目。監督は鈴木雅之。脚本は福田靖。2015年の日本映画興行収入第3位 (実写映画では第1位) を記録 (46.7億円)。木村拓哉演じる主人公・久利生検事が不審な交通事故を通して大使館の疑惑に関わることになる。
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め組の大吾(FIRE BOYS)のネタバレ解説・考察まとめ
『め組の大吾』は1995年から1999年までの約4年間、曽田正人が週刊少年サンデーで連載していた消防士の物語である。マンガの他、2004年にフジテレビでドラマ化された。主な内容は、不良に近かった朝比奈大吾が、消防士になり同僚や上司、先生や助けた人などに刺激を受けてレスキュー隊員へと破天荒ながら活躍の場を広げていく様子が描かれている。元不良らしい考え方と行動力の大吾とともに、優等生である甘粕のコンビが魅力を後押ししている。また、火災や事故現場の臨場感などが読み手を引き付ける。
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新選組!(大河ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ
『新選組!』とは2004年1月から12月まで放送されたNHKの大河ドラマである。幕末を舞台に若者たちが命を懸けて己を貫く姿を中心に、青春群像劇として高い評価を得た。多摩の百姓であった近藤勇が真の侍になるため京に上り、仲間たちと新選組を結成し誠の忠義を貫くために戦い、生きていく姿が描かれている。香取慎吾をはじめ若手俳優たちが生き生きと演じたこと、また人気脚本家三谷幸喜の脚本も見どころの一つとされている。
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呪怨(ビデオ版)のネタバレ解説・考察まとめ
『呪怨』(ビデオ版)とは、2000年に発売されたホラービデオ作品である。監督・脚本は清水崇。後に日本を代表するホラー映画となる『呪怨』シリーズの原点とも言える作品である。『呪怨』シリーズの全ての発端である佐伯家の殺人事件を中心に、複数の登場人物の視点を通して語られるオムニバス方式となっている。伽椰子は何故夫の剛雄に殺されたのか、伽椰子と俊雄の霊が多くの人達を呪い殺していく様が恐ろしい心霊現象として映像化されている。その呪いは事故物件に入居した人間にとどまらず、その関係者にまで次々と伝播していく。
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50回目のファースト・キス(映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『50回目のファースト・キス(映画)』とは、本国アメリカのみならず世界中で大ヒットとなったロマンチック・ラブコメディである。記憶障害という難病をテーマに切なく涙かせるシーンもありながら、集結したコメディ俳優たちがハワイを舞台にナンセンスながらクセのあるギャグで始終笑わせてくれる。 二人が揃ってメディアに登場すると今だに大きな話題となるアダム・サンドラー×ドリュー・バリモアの最強コンビの抜群の信頼関係が、最高の映画製作に影響を与えヒット作へと導いている、今もなお根強いファンが多い傑作である。
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のぼうの城(映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『のぼうの城』とは、和田竜の日本の歴史小説を元にして2012年に公開された映画である。犬童一心と樋口真嗣の共同監督で制作された。主人公の長親(ながちか)は忍城(おしじょう)城代の息子である。関白秀吉の家臣である三成によって、忍城は開城を迫られていた。しかし長親は世の理不尽に真っ向から対抗するため、三成に相対する。長親は周りの力を借り、ついには三成軍を退けることになった。この作品は時にはしんみりしつつも、長親という「でくのぼう」の奇策によって観た人を気分爽快にさせる歴史映画となっている。
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ネメシス(ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ
『ネメシス』とは日本テレビ系列で2021年に放送された探偵事務所が舞台のミステリー・エンターテインメントドラマである。舞台は横浜にある小さな探偵事務所ネメシス。新たに看板探偵となった風真は、天才的な推理力を持つ助手アンナに助けられながら難事件を解決してゆく。2人の上司・栗田は行方不明になったアンナの父を探しながら、20年前の事件を追っていた。広瀬すず演じる”天才助手”美神アンナと、櫻井翔演じる”ポンコツ探偵”風真尚希の凸凹バディが、ネメシスに舞い込む難事件を次々と解決してゆく。
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勇者ヨシヒコと魔王の城(ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ
『勇者ヨシヒコと魔王の城(ドラマ)』とは、テレビ東京系で放送されたコメディドラマである。シュールでコミカルなストーリーで、個性的なキャラクターが話題を呼んだ。毎話登場する豪華ゲストも話題である。ある村の青年ヨシヒコがひょんなことから勇者として薬草を探す旅に行くことになり、その旅の途中で仲間を増やしていく物語である。ゲーム『ドラゴンクエスト』をもじった作品でもあり効果音やアイテム等も登場しファンを沸かせた。その人気から後に続編も公開された。
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僕の生きる道(僕生き)のネタバレ解説・考察まとめ
『僕の生きる道』とは、2003年にフジテレビ系列で放送されていたドラマ。僕シリーズ3部作の1作目で、死をテーマにした作品。僕生きの愛称で親しまれている。余命宣告された高校教師・中村秀雄の1年間の生き様が描かれている。主人公は草彅剛。その他、矢田亜希子や大杉連などが出演している。脚本は数々のヒットドラマを生み出した橋部敦子が手掛ける。主題歌である『世界に一つだけの花』がドラマの人気と共に大ヒット曲となった。
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コンフィデンスマンJP(ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ
『コンフィデンスマンJP』とは、2018年4月9日〜6月11日まで、フジテレビ系列で毎週月曜日21時から「月9」枠で放送された。主要キャストが全員詐欺師となっている。11年ぶりに「月9」の主演に抜擢された長澤まさみが、ダー子を演じる。他に、「月9」初出演の東出昌大はボクちゃん、ベテラン俳優の小日向文代はリチャードを演じる。古沢良太脚本としては、初の"コンゲーム"をテーマとした、痛快エンターテインメントコメディー作品。毎話豪華ゲストを相手に、奇想天外で壮大な騙しあいバトルが見どころである。
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目次 - Contents
- 『六番目の小夜子』の概要
- 『六番目の小夜子』のあらすじ・ストーリー
- ドラマ版あらすじ
- 謎の転校生
- 2人のサヨコ
- 妨害者とニセのサヨコ
- 恐怖の文化祭
- サヨコの正体
- 扉が開く
- 原作あらすじ
- プロローグ
- 春
- 夏
- 秋
- 冬
- エピローグ
- 『六番目の小夜子』の登場人物・キャラクター
- 主人公の2人
- 潮田玲(しおたれい/演:鈴木杏)
- 津村沙世子(つむらさよこ/ドラマ:栗山千明、舞台: 鈴木絢音)
- 西浜中学校の生徒たち
- 関根秋(せきねしゅう/ドラマ:山田孝之、舞台:高橋健介)
- 花宮雅子(はなみやまさこ/ドラマ:松本まりか、舞台:尾碕真花)
- 唐沢由紀夫(からさわゆきお/ドラマ:勝地涼、舞台:熊谷魁人)
- 加藤彰彦(かとうあきひこ/ドラマ:山崎育三郎、舞台:飛葉大樹)
- 溝口祐一(みぞぐちゆういち/ドラマ:鳥居紀彦、舞台:大原由暉)
- 設楽正浩(しだらまさひろ/ドラマ:内野謙太、舞台:山本涼介)
- 平林塔子(ひらばやしとうこ/演:平田裕香)
- 2年A組の生徒たち(ドラマ: 竹島由夏、深谷まりえ、森本愛未、長谷川恵美、石部里紗、福平千恵子、小林元樹、森翔吾、田中恭平、桂亜沙美、広瀬沙耶香)
- 西浜中学校の教職員
- 黒川貞雄(くろかわさだお/ドラマ:村田雄浩、舞台:森下能幸)
- 佐野美香子(さのみかこ/ドラマ:一色紗英、舞台:仲美海)
- 三田先生(みたせんせい/演:小日向文世)
- 小泉先生(こいずみせんせい/演:岩橋道子)
- 校長先生(こうちょうせんせい/演:高士新太郎)
- 生徒たちの家族
- 潮田俊作(しおたしゅんさく/演:上杉祥三)
- 潮田真弓(しおたまゆみ/演:美保純)
- 潮田耕(しおたこう/演:伊藤隆大)
- 唐沢多佳雄(からさわたかお/演:古尾谷雅人)
- 関根千夏(せきねちなつ/演:多岐川裕美)
- 津村ゆりえ(つむらゆりえ/演:冨士眞奈美)
- その他の登場人物・キャラクター
- サヨコの影(演: 池田あゆみ)
- 謎の少女(演: 佐野日名子)
- 沢木容子(さわきようこ/舞台:山内瑞葵)
- 舞台版のみ
- 西野真耶(にしのまや/舞台:志田こはく)
- 平田雪江(ひらたゆきえ/舞台:花崎那奈)
- 津村沙世子の亡霊(舞台:緑谷紅遥)
- 『六番目の小夜子』の用語
- 「小夜子」「沙世子」「サヨコ」の違い
- 小夜子
- 沙世子
- サヨコ
- 西浜中学校
- 謎の少女
- うたごえ喫茶
- 『六番目の小夜子』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 玲と沙世子「今年のサヨコは二人いる、あなたと私、私とあなた。」
- 文化祭のシーン
- 津村沙世子「私はただの14歳なの!」
- 『六番目の小夜子』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 原作・ドラマとも違うホラー仕立ての舞台『六番目の小夜子』
- 21年ぶりにキャストが集結して思い出を語る『六番目の小夜子同窓会』
- 『ドラマ愛の詩』
- 不気味なテーマ曲
- 『六番目の小夜子』の主題歌・挿入歌
- OP(オープニング):coba 「六番目の小夜子」