残穢-住んではいけない部屋-(小説・映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『残穢-住んではいけない部屋-』とは、小野不由美のホラー小説『残穢』を原作とした、中村義洋監督による映画作品。竹内結子が主人公であるホラー小説作家の私(小松由美子)を演じ、橋本愛がストーリーのきっかけとなる女子大生の久保亜紗美を演じる。ある日、私の元に久保亜紗美から、「今住んでいる部屋で、奇妙な音がする」という内容の手紙が届く。そのマンションを調べていく内に、過去の住人が引き起こした数々の事件について暴かれていく。暗闇の底から這い出てくるような不気味な世界観が特徴。
山本くん(演:成田凌)
梶川氏の死後に同じ部屋に引っ越してきた男性。事故物件と知りつつも、家賃が安いからという理由で進んで引っ越してきた。ある日の就寝時、畳を擦るような音に目が覚め、見上げると和装の女性が首を吊ってこちらをにらみつけているのを見て絶叫する。
『残穢-住んではいけない部屋-』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
平岡芳明「これ、とんでもないもの引き当てたかもしれませんよ」
平岡芳明が私と共に吉兼友三郎の過去について調べていた時のセリフ。床下を徘徊することを好んでいた吉兼友三郎と中村美佐緒の嬰児殺しの関連性について見出だすと、過去の怪奇事件がいくつも重なって現代まで続いていることに恐れる様子を見せる。普段は陽気で心霊現象などについても楽しそうに話す描写がほとんどであるため、岡谷マンションに纏わる事件の恐ろしさを一層物語るシーンとなっている。
電話の声「今何時ですか?」
飯田栄子が岡谷マンション201号室に引っ越してきて間もなく、公衆電話からの電話を受けたときに聞いたのが、「今何時ですか?」というセリフ。マンションの調査が終わった物語終盤、再び小松由美子宛てに「今何時ですか?」と電話がかかってくるなど、呪いが終わらない恐怖を視聴者に植え付ける意味深なセリフであり、セリフの真相が謎に包まれている点に不気味さを感じる。
この声の主は、小井戸家の近所に昔住んでいた川原家の長男である。彼が高校生の時に精神障害が発症し、時報などの番号にいたずら電話をするようになった。その際、電話の途中にも関わらず、受話器を外したまま寝てしまうようになった。これがマンションの住人あての怪異となった。
小井戸泰志「隙間が嫌いなんだよ」
ゴミ屋敷の住人である小井戸泰志が当時の町内会会長にゴミを溜め込んでいることを注意された際に放った一言。ゴミを敷き詰める理由としての発言だが、「隙間が嫌い」という言葉に引っ掛かりを感じ、物語の謎を一層深める印象を与えられる。岡谷マンションに住む久保さんも、物語序盤で「奇妙な音がする」部屋に悩まされていた時、部屋にいられなくなるようにモノをどんどん放り込むようになった。「隙間をなくそう」として小井戸泰志と同様の行動をとった久保さんの様に、その土地の呪いが現代の住人にも過去の住人と同様の異常行動を誘発する強い力を持つものだということが分かる。
『残穢-住んではいけない部屋-』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
鬼談百景
本作のスピンオフとして制作された『鬼談百景』に出てくる怪談話は、物語上で私が書いた話であり、ナレーションも私が務めている。
小説と映画の違い
登場人物の名前
小説では主人公の呼称は「私」だが、映画では「小松由美子」の名前が設定されている。他にも主要登場人物の名前について、久保さんについては映画のみ「亜紗美」という名前が、私の夫には「直人」という名前がついている。
また、平岡芳明は小説での呼称は「平山夢明」、三澤徹三は「福澤徹三」であるが、いずれも実際に存在するホラー小説家の平山夢明と福澤徹三を登場人物として描いている。
久保さんの職業
映画では、久保さんは女子大生として登場するが、小説では30代の編集プロダクションでライターとして勤務している30代の女性という設定となっている。映画と異なり、ホラー好きで怪談話に強い関心を示す。
國谷氏の嘘
美人画について尋ねると「焼失した」と答えた住職の國谷。しかし実は彼が美人画を隠し持っていたことがエンディングで判明する。「美しいお姫様の顔が酷く歪むのです」とまるでその様子を目にしたかのように説明しているにも関わらず、「自分は見たことがない」と発言していた國谷。この発言は、彼が美人画を隠し持っている伏線となっている。
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目次 - Contents
- 『残穢-住んではいけない部屋-』の概要
- 『残穢-住んではいけない部屋-』のあらすじ・ストーリー
- 久保さんからの手紙
- 小井戸家
- 高野家
- 高野家と嬰児との関係が判明する「高野家以前」の物語
- 吉兼家
- 真辺家
- 『残穢-住んではいけない部屋-』の登場人物・キャラクター
- 主要キャラクター
- 小松由美子(演:竹内結子)
- 久保亜紗美(演:橋本愛)
- 小松直人(演:滝藤賢一)
- 私の小説家・心霊仲間
- 平岡芳明(演:佐々木蔵之介)
- 三澤徹夫(演:坂口健太郎)
- マンションが建つ前の土地の関係者
- 秋山さん(演:十貫寺梅軒)
- 國谷氏(演:上田耕一)
- 過去の居住者
- 小井戸泰志(演:菅野久夫)
- 高野トシヱ(演:塚田美津代)
- その他
- 飯田章一(演:橋本一郎)
- 山本くん(演:成田凌)
- 『残穢-住んではいけない部屋-』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 平岡芳明「これ、とんでもないもの引き当てたかもしれませんよ」
- 電話の声「今何時ですか?」
- 小井戸泰志「隙間が嫌いなんだよ」
- 『残穢-住んではいけない部屋-』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 鬼談百景
- 小説と映画の違い
- 登場人物の名前
- 久保さんの職業
- 國谷氏の嘘