ゴジラvsコング(モンスターバース)のネタバレ解説・考察まとめ

『ゴジラvsコング』とは、“怪獣王”ゴジラと“髑髏島の巨神”コングの熾烈な戦いを描いた、2021年公開のハリウッド映画。2014年から続く『モンスターバース』シリーズの四作目である。
あらゆる怪獣の王として君臨するも、人類に対しては中立の立場を取っていたゴジラ。しかしある時巨大企業エイペックス・サイバネティクスの本社がゴジラに襲われる。人類はゴジラに匹敵する力を持つコングを唯一の対抗手段と目して様々な計画を進めていくが、その裏には世界の覇者にならんとする者たちの邪悪な思惑が隠されていた。

地球内部に存在する空洞世界。怪獣たちの発祥の地であり、彼らのような強大な力を持つ存在を生み出す超エネルギーが眠るとされている。
絶海の孤島や南極などの秘境にある洞窟を降りて行った先に存在しているが、その途中で重力が反転している場所があり、生身の人間がここを通ると肉体が潰されてしまう。突破するには怪獣のように超常的なレベルで強靭な肉体を持つか、重力の反転に耐えられる特殊な乗り物を用意するしかない。
ホローアース内部には独自の生態系が存在しており、モナークですら未確認の怪獣が無数に存在している。巨大な神殿のような、明らかに自然物ではない施設もあるものの、これを誰が作ったのかは不明。

キングギドラ

『ゴジラvsコング』の五年前、ゴジラと死闘を演じた三つ首の怪獣。口から稲妻のような光線を吐き、自由自在に空を飛ぶ。さらに首を一つ落とされた程度では即座に再生するなど、最強クラスの怪獣の中でも頭一つ抜けた存在。作中ではモナークが命名した“モンスター・ゼロ”、あるいは短く“ギドラ”という名前で呼ばれることが多い。
他の怪獣と決定的に異なるのは、宇宙発祥の怪獣だという点。ゴジラを筆頭に、地球発祥の怪獣の多くは、自分たちが生きていくためにも地球環境を守ろうとする傾向がある。しかし宇宙発祥のキングギドラにはそういった傾向が無く、むしろ「自分にとって好ましい環境」を作るために地球環境を破壊していく。地球の全生命にとって害悪でしかない、凶悪無比な侵略者である。

怪獣の王の座をかけてゴジラと対決し、一時これを追い詰める。しかし地球の怪獣の援護を受けたゴジラのフルパワーには太刀打ちできず、その全身から放たれた熱波の前に消し飛ばされた。
しかしそれ以前の戦闘でゴジラに吹き飛ばされた頭部が人間によって回収され、メカゴジラの開発に利用されることとなる。

『ゴジラvsコング』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

二大怪獣ゴジラとコングの二度の激突

香港で対峙するゴジラとコング。

本作中、ゴジラとコングは二度に渡って激突する。題名にもなっている二大怪獣の激突は、いずれも豪快無双、驚天動地のアクションの連続で、見応えたっぷりの内容となっている。
船から船へ、ビルからビルへ、縦横無尽に跳び回って襲い掛かるコング。殴られても蹴り飛ばされても即座に立ち上がり、怪獣王の威厳を見せつけるゴジラ。コングが放射熱線への防御手段となる斧を手に入れてからは、二体の戦いはさらに激化していく。

かつて一世を風靡した怪獣映画の魅力は、「人間の理屈とはまったく無関係な強大な怪獣たちが、人類文明の象徴である大都市を薙ぎ倒しながら、もはや人の手の及ばぬ壮絶な破壊と蹂躙を見せつける」様にあった。ストーリーはそこに至るまでの説明がしっかりしていればそれで良く、高潔な思想や理想をそこで語ることは無粋とさえされていた。
本作はまさにそんな“古き良き娯楽映画”を、現在の映像技術とハリウッドの資本で現代に再現したあまりにも贅沢な傑作である。世界中の特撮ファンは、「怪獣映画かくあれかし」と拍手喝采で本作を絶賛している。

ネイサン “あなたは勇敢だ” ”あなたは臆病だ”

コングと交流するジア。“手話によるコミュニケーション”も、本作の重要なキーワードである。

メカゴジラを相手に劣勢を強いられ、ひたすらダメージを受けていくゴジラ。このままではゴジラは倒され、メカゴジラを止められる者もいなくなってしまう。この状況を引っ繰り返せるとしたらコングだけだが、そのコングはゴジラに打ちのめされて今にも心臓が止まりかねない状態にあった。コングを救うため、ゴジラを救うため、そして自身がその計画に加担してしまっていたメカゴジラを止めて世界を救うため、ネイサンはヒーヴの全電力でコングに電気ショックを施すことを決める。

しかし、それはネイサン自身も感電する可能性が高い危険な方法だった。心配するアイリーンとジアの前で、ネイサンは心配はいらないとばかりに、かつてジアが自分に見せてくれた手話を披露する。
その手話は、ジアがコングを利用しようとするネイサンを罵る意味で使った“あなたは臆病だ”を意味するものだった。悪戯心を起こしたアイリーンが“あなたは勇敢だ”という意味だと意図的に間違った翻訳をしたため、ネイサンはずっと勘違いしたままでいたのである。

そういった事情を承知した上で、これまでの冒険でネイサンが悪人ではないことを知り、何より彼が今コングとゴジラと世界のために命を懸けようとしていることを理解したジアは、誤解を解くでもなく“あなたも一緒だ”と手話で伝える。自分たちは臆病で勇敢で、相反する二つの言葉にふさわしい仲間であると。
作中の冒険を通して、ネイサンたちの心が一つになっていったことを物語る、セリフの無い名セリフ。ネイサンは結局手話を間違えて教えられたことには気付いていなかったものの、ジアがこの上ない方法で自分を励ましてくれたことに勇気づけられながら、危険なミッションに臨んでいった。

『ゴジラvsコング』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

ゴジラとコングのどちらが強いのか

放射熱線を吐かせまいと、ゴジラにつかみかかるコング。

日本が生んだ畏怖と破壊の化身たる怪獣王・ゴジラ。アメリカが生んだ特撮世界のスーパースター・キングコング。日米を代表する怪獣同士の決戦となった本作だが、ファンの誰もが疑問と不安を抱え、頭を悩ませ続けた命題がある。「ゴジラとコングのどちらが強いのか」、という点である。

少なくとも『キングコング: 髑髏島の巨神』の時点では、コングは30mほどしかなく、自分と同等サイズの怪獣にも苦戦していた。「三倍以上も巨大で、口から炎を放ち、空を飛ぶ宇宙怪獣とさえ渡り合うゴジラの相手にはならないのではないか」というのが、本作の情報が公開される前のファンの多くの認識だった。
一方で、「アメリカで作られる映画である以上、アメリカ生まれのコングに花を持たせないわけにもいかないのではないか」と、いわゆる主人公補正的な力でのゴジラの敗北を予想する者もおり、これはこれでゴジラファンからすると納得できない展開である。

公式から情報が明かされていくに従い、コングがゴジラに匹敵するサイズにまで成長していることが明らかとなったものの、依然「それでも放射熱線には太刀打ちできないのでは」、「ストーリー優先でゴジラがむりやり負けさせられるのでは」といった声が止まることはなかった。
しかし蓋を開けてみれば、本作ではゴジラとコング双方の力強さと魅力が鮮烈に描かれ、誰もが納得する見事な展開にファンは称賛の声を送った。

ゴジラの放射熱線を斧で受け止めるコング。

作中の展開を追っていくと、スピードと知力ではコングに、パワーとタフネスではゴジラに軍配が上がるように見える。しかしゴジラには放射熱線という強力な飛び道具があり、これが直撃するとコングですら致命傷になりかねない。そのためコングはいったん離れるとこれを回避するために逃げ回るか、作中で手に入れた斧で防ぐしかない。
放射熱線を封じるにはコング自身が攻撃できる距離、つまり殴りかかれる距離を保つ必要がある。しかしこれはゴジラからとっても格闘攻撃を仕掛けられるということであり、コングからすればスピードという自身の優位を活かしにくい。

これらの条件を並べて分析すると、相性の悪さから劣勢を強いられるコングの側が不利であり、実際作中二度に渡る戦いのいずれにおいてもコングは敗北を喫している。ゴジラとコングが単独で戦えば、自然とゴジラが有利な展開になると思われる。
しかし、コングには道具を使う能力と、何よりほぼ完全な形で人間と意思を疎通する知性がある。コングの攻撃自体はゴジラにもダメージを与えていたので、コングが人間と協力すれば、ゴジラを倒すことは恐らく不可能ではない。とはいえ、掠っただけでコングが大きなダメージを受けた放射熱線をも上回る、メカゴジラの熱線の直撃を受けてもなお、ゴジラは立ち上がって戦闘を続行していたので、その常軌を逸したタフネスの限界がどこにあるのかは不明である。

本作においてはゴジラに軍配が上がったが、『モンスターバース』は『ゴジラvsコング』以降も新作の予定があり、その売り上げ次第でさらなる展望も考えられている。その中で二大怪獣はいつか雌雄を決するのか、それとも新たな王が誕生するのか、ファンは期待に胸を膨らませている。

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ゴジラの逆襲(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

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『ゴジラの逆襲』とは1955年に公開された、日本の怪獣映画である。 魚群探査機パイロットの月岡と小林は、ゴジラとアンギラスの戦いを目撃する。大阪警視庁では、緊急会議が行われるものの、解決策は見つからぬままであった。そんな中、ゴジラとアンギラスは街を破壊しながら激しく戦う。 月岡はゴジラの出現により小林を亡くしながらも、ゴジラを生き埋めにする作戦に参加し、ゴジラを仕留めたのであった。 見所は月岡と小林の友情と、CGでは表現できないゴジラとアンギラスの独特の動きである。

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GTO(1998年のドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ

GTO(1998年のドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ

『GTO』とは、1988年7月にフジテレビ系で放送された学園ドラマである。原作は藤沢とおるの同名漫画。脚本は主に遊川和彦が手掛けている。主演は反町隆史で、松嶋菜々子などが出演する。元暴走族のリーダーである鬼塚英吉は、高校教師になるという夢を叶えるべく、いじめや登校拒否など多くの問題を抱える武蔵野聖林学苑の教師となる。破天荒ながらも鬼塚の熱い指導により、子供たちが次第に変化していく。子供と真正面から向き合う鬼塚の姿が見どころとなっている。視聴率は最終回で35.7%を記録した。

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どうする家康(大河ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ

どうする家康(大河ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ

『どうする家康』とは、2023年に放送されたNHK大河ドラマ第62作。脚本家の古沢良太が新たな視点で主人公の徳川家康の生涯を描く。室町時代後期から江戸時代の日本が舞台。両親と離れ離れになり、駿河国大名・今川義元の人質として孤独な人生を送るものだと思っていた少年はやがて弱小国の主となる。様々な選択をしながら戦いのない世界を目指し、乱世に飛び込んでいく物語である

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Woman(ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ

Woman(ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ

『Woman』とは、2013年7月から日本テレビで放送された社会派ドラマ。脚本は坂本裕二。主演は満島ひかりで、田中裕子や小栗旬などが出演する。夫を不慮の事故で亡くした青柳小春は、2人の子供を1人で育てることとなる。生活は困窮し、様々な困難に見舞われるも、周囲に支えられながら我が子のために強く生きていく女性の物語。親子愛や現代社会で起こる問題などが描かれており、若者たちへ送る応援歌をテーマとしている。本作は平均視聴率13.6%を獲得し、ドラマの内容や役者の演技が評価され、様々な賞を受賞した。

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