Summer Snow（サマー・スノー）のネタバレ解説・考察まとめ

『Summer Snow』の概要

『Summer Snow』（サマー・スノー）とは、2000年7月7日から9月15日にかけてTBS系「金曜9時」枠で放送されたテレビドラマ。全11話。主演は堂本剛。
本作は、事故で両親を失い、両親の遺した自転車店を営みながら弟妹と暮らしている篠田夏生（しのだ なつお）と、心筋拡大症を患う片瀬ユキ（かたせ ユキ）のラブストーリーである。病気が原因でやりたいことを我慢して生きてきたユキだったが、夏生と出会い、その人柄に惹かれ、雪は生き方を変えていく。

平均視聴率は18.1%。最高視聴率は20.4%。後にドラマを原作とした舞台が韓国で上演されている。
本作は第26回ザテレビジョンドラマアカデミー賞で、最優秀作品賞、最優秀主演男優賞（堂本剛）、最優秀助演女優賞（広末涼子）、主題歌賞（「夏の王様」KinKi Kids）を受賞した。

『Summer Snow』のあらすじ・ストーリー

夏生とユキの出会い

篠田夏生（しのだ なつお）は事故死した両親が営んでいた自転車店を継ぎ、耳の不自由な高校生3年生の弟・純（じゅん）と、高校2年生の妹・知佳（ちか）の面倒を見ている。夏生の趣味はダイビングで、週末には純と一緒によく海へ出かけていた。純は耳に障害があるが、補聴器を使えば日常生活には支障もなく成績は優秀で、教師を目指している。知佳は家事全般を切り盛りするしっかり者で、篠田家に入り浸っている幼なじみの末次弘人（すえつぐ ひろと）と秘かに付き合っていた。

あるとき、夏生は公園で信用金庫に勤務する片瀬ユキ（かたせ ユキ）に出会う。ひょんなことからユキに怪我をさせてしまった夏生は、彼女の手当てをするうちに彼女の勤める信用金庫が自分の取引先だと気付く。
その後、夏生の弟の純が、メールで知り合った年上のOL「ユキ」と会うことになった。しかし純は耳の障害の事を伏せており、相手に喋り方が変だと指摘され、なじられてしまう。夏生は弟を傷つけた「信用金庫で働くユキ」に会うため信用金庫に向かうが、そこにいたのは公園で出会ったあのユキだった。夏生はユキに怒りをぶつけるが、実は純が会ったOLは鈴木美紗（すずき みさ）という女性で、ストーカーにでもあったら嫌だからと、同僚のユキの名を勝手に使ってメールのやり取りをしていたのだ。

距離を縮めていく2人とユキの秘密

純の証言から別人だと気づいた夏生は、すぐにユキに謝罪をしにいく。このことをきっかけに、夏生と雪は少しずつ交流を深めていく。
実はユキは5歳で心筋拡大症と診断されており、それ以来病気と闘っている。母を幼い頃に亡くしたユキは、刑事の父・正吾（しょうご）と2人暮らしをしており、これまで自分のしたいことを我慢して生きてきた。雪は自分の病気のことを隠し、夏生と付き合う。そして夏生の屈託のない人柄にユキは惹かれていく。
二人が交際している間、篠田家には知佳の妊娠や純の進路のことなど、さまざまなトラブルが舞い込む。それでも、夏生はユキや家族の支えにより、乗り越えていった。その一方で、ユキの病気は徐々に進行していく。

ユキの心臓移植

病気が進行し、ついに余命宣告をされてしまうユキ。助かるためにはアメリカでの心臓移植しかないが、それには莫大な費用がかかる。ユキの主治医であり幼馴染でもある橘青児（たちばな せいじ）は以前からユキに思いを寄せており、ユキに自身との結婚を申し出る。結婚すれば資金面での問題も解決し、心臓移植手術を受けることができるだろう。ユキは断るつもりだったが、ユキの病気を知った夏生はユキのために彼女を説得し、身を引く。

ユキのアメリカ行きの当日、夏生はユキのことを想い、見送りに行かなかったが、妹に説得され電話をワンコールだけかける。空港で電話が鳴ったことに気付いたユキ。咄嗟に夏生のもとへ走ろうとするが、発作を起こして倒れてしまった。ユキはそのまま昏睡状態になってしまう。

自分の行動を悔やむ夏生。それ以降、夏生は病院で眠り続けるユキの元へ通った。
しかしある時、病院へ向かう途中でバイクにひかれそうな子供を見つけた夏生は、咄嗟に子供を助けた。そして自分が轢かれてしまう。

海の中を舞う白い雪

昏睡状態だったユキが目を覚ますと、自分の心臓の手術は終わっていた。夏生に会いたいと思ったが、彼は姿を消してしまった。
退院したユキは篠田家に向かうが、そこで純と知佳から、ユキの心臓のドナーは夏生だという真実を聞かされる。あまりのショックに信じようとしないユキだったが、雪は徐々に夏生がこの世にもういないことを実感する。電車に乗り、夏生が撮った海の写真を見て、これまでのことを思い出すユキ。電車がトンネルを抜けると、そこには青い海が広がっている。ユキは涙を流し、夏生の死を受け入れたのだった。

それから数年が経過した。元気になったユキは、夏生が好きだったダイビングをしていた。海の中には、白い雪のようなものがきらきらと舞い散っている。
それは、夏生といつか一緒に見ようと約束していた「マリンスノー」だった。

『Summer Snow』の登場人物・キャラクター

主要人物

篠田夏生（しのだ なつお／演：堂本剛）

兄弟思いの熱い男・篠田夏生。自転車屋を営みながら篠田家の大黒柱となって純と知佳という2人の弟妹を養っている。
情に熱く、面倒見もいいが、少し一本気でおせっかい。ダイビングが趣味。
自分のせいで弟の純が聴覚障害になったと責任を感じている。

片瀬ユキ（かたせ ユキ／演：広末涼子）

ヒロイン。信用金庫に勤務している新人社員の女性。営業周りをしているときに夏生に出会い、夏生と恋愛関係を築いてゆく。
心臓に持病があるが、生き方は前向き。

末次弘人（すえつぐ ひろと／演：今井翼）

夏生にとって弟のような存在。学校が嫌いで篠田家に入り浸っており、夏生に内緒で夏生の妹の知佳と付き合っている。責任感がなく親のせいにばかりしているため、実は夏生からは内心嫌われている。

篠田知佳（しのだ ちか／演：池脇千鶴）