ホーホケキョ となりの山田くん(ジブリ映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『ホーホケキョ となりの山田くん』とは1999年に公開されたスタジオジブリの長編アニメーション映画である。監督を高畑勲が務め、スタジオジブリ作品において唯一松竹によって配給された作品となっている。原作は朝日新聞に連載されていた、いしいひさいち作の『となりの山田くん』。映画では4コマ漫画のエピソードを繋げたオリジナルストーリーで進んでいく。5人と1匹の犬によるほのぼのとした日常の中で、怒り笑い涙ありの様々なドラマがユニークに描かれた家族の絆の作品である。

『ホーホケキョ となりの山田くん』の概要

『ホーホケキョ となりの山田くん』とは1999年に公開されたスタジオジブリの長編アニメーション作品である。監督を高畑勲が務め、20世紀最後のスタジオジブリ作品となっている。原作はいしいひさいちによって朝日新聞に掲載されていた人気4コマ漫画であり、タイトルは『となりのやまだ君』。そこに高畑監督の作品は「ほ」の文字が入っていた方が縁起が良いとされていることから急遽「ホーホケキョ」の言葉が加わり本作のタイトルとなった。またスタジオジブリ作品の中で唯一配給元が東宝から松竹となっている。更にジブリの事業提携先であるウォルト・ディズニー・ジャパンが製作委員会に参加しており、『もののけ姫』を上回る資金提供がされていた。

本作はごく普通の一家である山田家の日常が描かれている。4コマ漫画のストーリーを繋げることで1本の長編作品となった。山田家は父たかし、母まつ子、祖母しげ、長男のぼる、長女のの子と愛犬ポチの5人家族である。そんな3世代が集う家庭内での人間関係、外の人たちとの関わりから生まれるドラマが描かれている。キャッチコピーは「家内安全は、世界の願い。」。一家が団結して何かを成し遂げようとする大きなテーマはなく、ただただ山田家の日常が映し出されている。通常であれば大きなテーマがあり起承転結が用意されているが、本作にはそういったストーリーが存在しない。どこまでも家族の日常を描いている作品だ。その為映画のどの部分から見始めても、同じ山田家の状態で小さなストーリーの積み重ねを楽しむことができるという珍しい作品となっている。喧嘩やうっかり等、何かとトラブルが多く騒々しい一家であるが、それぞれが個性を発揮しながら面白おかしく毎日が進んでいく。手描きのような柔らかいタッチで描かれることによって、どんなに登場人物同士が怒っていても、そこから温かみを感じられる作品だ。物語はたかしとまつ子の披露宴から始まり、最後はたかしが知人の披露宴でのスピーチをして終わりを迎える。なんてことはない一見すると地味な日常の中にこそ、成長の種やかけがえのないものが見つかっていく。人生山あり谷ありの中で平和な家庭を築く為には何が大切であるかが描かれていた。

『ホーホケキョ となりの山田くん』のあらすじ・ストーリー

似た者夫妻の山あり谷ありな日常

「YAMADA」と書かれた飛行機に乗り込むたかし(左)とまつ子(右)

東京の郊外で暮らす山田家。映画は父たかし、母まつ子の結婚式から始まり、そして長男のぼると長女のの子の誕生を迎える。2人の赤子はあっという間に大きくなり、短編ストーリーが始まっていく。いきなり喧嘩や家庭崩壊の危機という不穏な内容で始まるが、最初が肝心だと荒波を乗り越えていく家族の姿が映し出されている。ある日のこと、たかしと祖母のしげがどちらに土地の所有権があるかで言い争いをしていた。山田家の家を建てたのはたかしであるが、土地の名義はまつ子の母であるしげのものなのだ。そんな2人の間にまつ子が入って止めようとするものの、2人は聞く耳を持たない。しかしその光景を見ていたのぼるの「いずれは僕のものになるんだから。」という一言が、しげとたかしの喧嘩を止めることとなる。のぼるの一言は大人3人を怒らせるものとなったが、これで一件落着と息子の無邪気さが大人の争いを止めるのであった。

その後も続く家族の危機を乗り越えた山田家に次に訪れたのは夫婦の戦い。まつ子とたかしの攻防が繰り広げられていく。会社から家に電話をしたたかし。書類が家にあるはずだと、まつ子にあちこち探させるが一向に見つからない。終いには「まったく、どこに目つけてるんだ。」とまで言う始末。しかしその書類が実は職場にあったことが判明し、それまでのことが嘘のように掌を返すたかしなのであった。続くストーリーではたかしとまつ子のテレビの取り合い合戦が開始。野球を先に観ていたのはたかしであるが、映画の方が観たいまつ子はチャンネルを片手に、テレビ番組を変えようとチャンネルをテレビに向けてボタンの連打。それの様子にチャンネルが変わるのを阻止する為、テレビの前に立ちはだかるたかしであった。そんな2人の戦いを少し離れた場所で見ていたしげは、テレビよりも面白いと楽しそうにしていた。2人の戦いはまつ子の勝利に終わる。そして唐突にムスッとした夫婦のダンスシーンが始まっていく。喧嘩をしながらも仲の良い夫婦であることを表現しているようであった。

夫婦仲はなんとか保たれつつ、今度はたかしとのぼるによる親子の話が始まっていく。山あり谷ありな夫婦に大きな影響を与えているのが子供たちであることが描かれている。ある日、英会話を上達させようと繰り返しテープを聴いていたたかし。しかしそれを知ったのぼるからは「甘いねえ、父さん。」の一言が返ってきた。のぼるにとってやりたくない勉強を強制するまつ子の「勉強しなはれ!」の言葉はもう聞き飽きる程繰り返し聞いてきた台詞なのだろう。お祭り騒ぎのようにまつ子の「勉強しなはれ!」がリピートされ、その度に増えていくまつ子の姿と、増殖したまつ子に囲まれるたかしの図。何度聞いても、ちっとも勉強する気にならないと話すのぼるであったが、自主的に学ぼうとしているたかしは「一緒にするな!」と一喝。その後も、のぼるを注意することで父としての威厳を保とうとするが、どれもイマイチなたかしの話が続いていく。「のぼる!ご飯に味噌汁を混ぜるな!」と注意するたかしだが、続く言葉は「ご飯に味噌汁を入れるんだ。」という、どちらも大して変わらずまつ子やのぼるにまで呆れられる始末であった。その後もたかしの抜けている一面が大いに発揮されるが、どこか抜けた部分を持っているのはたかしだけではない。変わり者同士の集まっている家族なのであり、その要素はまつ子も持っていた。こうして後日は少し間抜けなまつ子が、しげとのストーリーで描かれていく。雨が降り始めた日のこと、慌てて洗濯物をしまおうとしたまつ子であったが、なんとそれらは既にしまわれていたのだ。まつ子には心当たりが無かった。しかししげによるとそもそも窓辺に置いたまま、まつ子が干し忘れていたのだという。その後も、まつ子にパンを買ってくるように頼まれ、外出をしようとしたしげ。しかしまつ子は何を頼んだのか思い出せず、彼女についていくことにする。結局思い出せないままパン屋の前まで来て、やっとのことで思い出したものの、そこで今度は財布を忘れていることに気づくのであった。似た者夫婦の特徴が親子関係を発端に暴かれていく。家族は互いに支え合い補い合い、そうして苦楽を共にしていくことが夫婦や親子の絆を強くしていくのだということが描かれている。

感情の起伏がジェットコースターのようなのぼるの日々

思春期ののぼるの章が始まっていく。彼の年代にしか味わえない学校での出来事が描かれている。その日の彼は試験勉強に取り掛かろうとしていたのだが、酷い眠気に襲われやる気が起きずにいた。そこでまつ子からアドバイスをもらい、風呂に入ったことで一瞬やる気が出るものの、またすぐに元の眠たい状態へと戻ってしまうくらいに勉強のできない長男なのであった。そんな状態の為計画通りには進まず、ある晩部屋にこもり猛勉強に励んでいたのぼる。これまでに見ない彼のやる気であった。しかしまつ子によると、その時すでに試験は終了していたのだと言う。なんとのぼるのやる気が出たのは試験後。彼は散々な状態で試験を終え、悔しさから次の勉強を始めていたのだ。やる気の出るまでが遅すぎる長男を案じる両親がいた。そこでのぼるの家庭教師を探そうとするが週2回で3万円。その話を聞いたたかしは、お小遣い欲しさに家庭教師に立候補する。するとしげも我こそはと2万円で引き受けると言い出した。そんな2人の発言を聞いたのぼるが最後に言った一言は「自発的に頑張るから1万円おくれ!」という似た者同士の家族に、ため息を吐くまつ子なのであった。

勉強に関しては散々であるが、彼の恋愛事情はどうなっているのか。その後に迎えたバレンタイン。そこには学校でチョコを貰い喜ぶのぼるがいた。試験の時とは別人のように明るいのぼる。だがホワイトデーに備えて戸棚に隠しておいたお返しを、まつ子とのの子にこっそり食べられ、のぼるのテンションはまた急降下していくのであった。そして別の日には、学校の女子からのぼる宛に自宅に電話が掛かってくる。冷やかさずにはいられないまつ子としげであったが、のぼるは電話が終わるなりさっさと部屋へ走って行ってしまった。怒らせてしまったのではと心配したまつ子たちだが、彼はこれまでにない程の大喜びで部屋の中をはしゃいでいた。女子から嬉しい話があったのだろうと、のぼるの感情はジェットコースターのように起伏していく。彼は山田家の外で彼自身の人生を確かに歩み始めているのであった。

平和な家族でいる為には諦めが肝心

しげの活躍、そしてたかしの悔しさからくる理想の正義の姿が描かれている。近所迷惑になっていた若者の暴走族によるバイク音。怖いもの知らずなしげは注意をしに行こうとしていたが、まつ子とたかしは全力で彼女を止める。そこでたかしがしげの代わりに若者たちの注意に向かうこととなる。しかしたかしは若者の凄みに怯んでしまい、彼らを説得することができなかった。若者とたかしの対峙する場面では、描写が普段のほのぼのした絵からリアルに近い等身の絵に切り替わる。たかしが恐怖心を抱く若者らの迫力も増し、張り詰めるような緊張感が生まれていた。しかしそこにしげとまつ子が登場すると頭身はいつもの描写に戻り、柔らかい雰囲気が漂い始める。この描写による表現の変化は非常に面白いものであった。絵の効果がどれだけ大きいかが窺える。その後しげは優しく若者に声をかけていくのであった。若者たちからの返事は無かったが彼らの心に語りかけるようなしげの言葉の後、若者はその場を後にする。こうして一件落着したのだが、何もできなかったたかしは1人公園で空想に耽っていた。月光仮面に扮したたかしが、ギャングから家族を救うというものだ。若者相手に何もできなかったたかし。結局しげに助けられ、彼の理想の姿と現実とのギャップに沈むたかしなのであった。

一家のヒーローのような存在でありたいと思うたかしであるが、妻まつ子のうっかりもあり、2人はその後も波瀾万丈な日々を送ることとなる。こうして迎えた最大のハプニングが知人の披露宴でのスピーチでのこと。スピーチの為マイクの前に立ったたかしであるが、まつ子から渡されたカンニングペーパーであるはずのメモが、スーパーの買い物メモにすり替わっていたというまつ子のミス。これが原因でたかしは一気にどん底に突き落とされることとなる。しかし彼は諦めず、そこでアドリブのスピーチを始めていく。最初は冷や汗ものであったが終わる頃には彼の熱量は最高潮に。会場は大きな拍手に包まれて、たかしはステージを後にした。彼は諦めが肝心であると言う。そうすれば相手を許すことができるというスピーチは、その時の彼の感情のままに発せられたものであった。山田家が平和なのは、みんながヘンだから。そして変わっているからこそ相手の欠点を受け入れ補い合い、ぶつかり合っても分かり合おうとすることで家族の平和が生まれていく。こうした平凡な日常の中にこそ、現代で必要な気づきが隠れているのであった。

『ホーホケキョ となりの山田くん』の登場人物・キャラクター

山田家

山田たかし

出典: www.ghibli.jp

声:益岡徹
一家の大黒柱でありいつも眼鏡をかけている。妻のまつ子とは様々な喜怒哀楽を共にし、一緒に乗り越えてきた。しっかりしているようで、どこか抜けた一面をもつ。

山田まつ子

声:朝丘雪路
一家を支えるしっかり者の妻。クルクルした黒髪のふくよかな女性。たかしとの日常はまるで夫婦漫才のよう。

山田しげ

出典: demachiza.com

右の人物。

声:荒木雅子
まつ子の母。祖母の立場で夫婦の間や遊び回る若者の間に立ったりと、彼女だからできる役割を持っていた。やる時はやるがおっちょこちょいな面が多々ある。

山田のぼる

出典: www.cinemanavi.com

左の人物。

声:五十畑迅人
山田家の長男である思春期の男子。学校の勉強に人間関係に悩み、もがいている時期。むしゃくしゃしていることも多いが、家族を大切にしている優しい少年。

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@popoi_3333

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宮崎駿や高畑勲が綴っていた「ジブリ日誌」が興味深い!制作裏話から日常の出来事まで盛りだくさん

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本記事では世界的に有名なアニメ制作会社「スタジオジブリ」の中心人物である、鈴木敏夫、宮崎駿、高畑勲などが綴っていた「ジブリ日誌」の内容について、まとめて紹介している。書かれている内容は映画の制作に関する裏話の他、日常の出来事やイラストなど非常に多岐にわたる。かなりのボリュームがあるのでぜひコーヒー片手にじっくりと楽しんでみてほしい。

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