愛のむきだし(映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『愛のむきだし』とは園子温監督の23作目の作品として製作されたヒューマンドラマ映画である。実話を元にした作品であり、盗撮、レズビアン、女装、自慰行為、新興宗教団体による洗脳等、アブノーマルな題材を軸に、物語が進行していく。237分の大長編映画で、国内外からの評価は高く、2009年のベルリン映画祭での「カリガリ賞」「国際批評家連盟賞」を始めとして、数々の権威ある賞を受賞している。過激なシーンが多いため、Rー15指定。
0教会
コイケが幹部を務める新興宗教団体。世間を騒がせており、警察にマークされている。後にテツ、カオリ、洋子がコイケからの洗脳をきっかけに入信する。洋子は団体の広告塔となる。物語終盤で教祖は悠に殺害され、建物は爆破され、警察の介入により教団は解散することとなる。
サソリ
悠が女装した際に洋子へ伝えた名前。コイケが自身をサソリと名乗ったことで、洋子はサソリ=コイケだと誤解する。
マリア
悠が理想とする強く清純な女性。また、悠は幼少期に母親から形見としてマリア様の像を譲り受けている。
『愛のむきだし』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
本田悠「僕は変態だけどまやかしじゃない」
悠の拘束から逃げ出した洋子が海辺で尾沢洋子が悠に向けて、コリントの使徒への手紙13章を叫び、「あんたこそ、まやかしじゃない!」と罵る。それに対して悠は、「僕は変態だけどまやかしじゃない」と、真っすぐに答える。
尾沢洋子「自分が何も分かってないってこと、知らなかった」
0教団解体後、洗脳が解けた洋子が悠のことを思い出し、悠からの愛、そして悠への思いに気付く。「自分が何も分かってないってこと、知らなかった」と言い、洋子は涙を流す。
コリントの使徒への手紙13章を叫ぶ洋子
海辺で尾沢洋子が悠に向けて、コリントの使徒への手紙13章を叫ぶシーン。日本映画史に残る名シーンとの声も挙がるほど、満島ひかりの演技力が光っている。長台詞にも関わらず、一発OKを出したという逸話がある。多くの人々の胸を打った映像の背景に流れる音楽は、ベートーベン交響曲第7番第2楽章である。
父親から性的虐待を受けるコイケ
子供の頃から父親に、性的虐待を受けていたコイケ。過去、コイケの父親はズボンのベルトを外し、「神に祈れ!Give it to me!と!」と叫ぶ。コイケがGive it to me!と口にすると、コイケをベルト何度も叩く。叩かれながら「Give it to me!」と叫ぶコイケ。なぜコイケが悠に執着するのか、ゆがんだ性格になった理由が推測できる場面である。コイケは父親が原因で壊れていたのだ。
『愛のむきだし』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
『愛のむきだし』の元ネタは実話
『愛のむきだし』は、実話を元に製作されている。園子温監督の知人である、盗撮AV関係者の体験からインスピレーションを受けている。
新興宗教団体0教会については、いくつかのカルト集団を参考に創作したとのこと。監督自身が新興宗教に入り、実体験した内容も織り込まれている。
『愛のむきだし』に綾野剛が出演
『愛のむきだし』には綾野剛が出演している。悠が暴走族の集会所を訪れた際に出会う、暴走族の幹部役として登場している。しかし台詞は「何がしたい」「お前の親父神父か」の二言のみである。現在は日本を代表する人気俳優の綾野剛だが、本作公開当時はブレイク直前であった。
満島ひかりがブレイクするきっかけ
ヒロインの尾沢洋子を演じた満島ひかりは、本作での高い演技力を評価され、ブレイクした。
また、コイケを演じた安藤サクラも、本作でのバイプレイヤーぶりが話題となり、女優として羽ばたくきっかけとなった。
撮影期間は短くタイトスケジュール
『愛のむきだし』は約4時間の大長編映画であるにも関わらず、撮影期間は6週間ほどであった。あまりにもタイトな撮影期間であったため、出演者やスタッフの負担も大きく、日程はハードなものとなった。
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目次 - Contents
- 『愛のむきだし』の概要
- 『愛のむきだし』のあらすじ・ストーリー
- マリア様を求めて幸せに暮らしていた悠が盗撮魔へ変貌
- 「理想のマリア様」である洋子と劇的な出会いをする悠
- 洋子の洗脳を解こうと奔走する悠
- 0教会を襲撃する悠
- 『愛のむきだし』の登場人物・キャラクター
- 主要人物
- 本田悠(演:西島隆弘)
- 尾沢洋子(演:満島ひかり)
- 本田テツ(演:渡部篤郎)
- カオリ(演:渡辺真起子)
- コイケ(演:安藤サクラ)
- 悠の友人
- タカヒロ (演:尾上寛之)
- ユウジ(演:清水優)
- 先輩(演:永岡佑)
- コイケの部下
- クミ(演:広澤草)
- ケイコ(演:玄覺悠子)
- その他の人物
- ユウの母(演:中村麻美)
- コイケの父(演:板尾創路)
- BUKKAKE社・社長(演:岩松了)
- ロイドマスター(演:大口広司)
- 親友の神父(演:大久保鷹)
- 司教(演:岡田正)
- 霊感絵画の客(演:倉本美津留)
- 暴走族リーダー(演:ジェイ・ウエスト)
- 暴走族幹部(演:綾野剛)
- クラブ店員(演:深水元基)
- 救済会の神父(演:吹越満)
- ミヤニシ(演:古屋兎丸)
- ヨーコの父(演:堀部圭亮)
- 0教会・先生(演:宮台真司)
- 百合(演:松岡茉優)
- 『愛のむきだし』の用語
- 0教会
- サソリ
- マリア
- 『愛のむきだし』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 本田悠「僕は変態だけどまやかしじゃない」
- 尾沢洋子「自分が何も分かってないってこと、知らなかった」
- コリントの使徒への手紙13章を叫ぶ洋子
- 父親から性的虐待を受けるコイケ
- 『愛のむきだし』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 『愛のむきだし』の元ネタは実話
- 『愛のむきだし』に綾野剛が出演
- 満島ひかりがブレイクするきっかけ
- 撮影期間は短くタイトスケジュール
- サソリにはモデルが存在
- 『愛のむきだし』の主題歌・挿入歌
- 挿入歌:ゆらゆら帝国「美しい」
- 挿入歌:ゆらゆら帝国「つぎの夜へ」
- 主題歌:ゆらゆら帝国「空洞です」