ソーセージ・パーティー(映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『ソーセージ・パーティー』とは、2016年に公開された3DCGアニメーション映画である。コンラッド・ヴァーノンとグレッグ・ティアナンが監督を、セス・ローゲンやクリスティン・ウィグなどハリウッドの人気俳優たちが声優を務めた。スーパーマーケットの世界を楽園だと信じる食材たちが残酷な現実を知って人間に立ち向かう姿を、下ネタや社会風刺たっぷりに描いている。アメリカ合衆国では、初のR指定を受けたCGアニメーションであり、日本でもグロテスク描写や下品な言葉などからR15+指定を受けた。
『ソーセージ・パーティー』の概要
『ソーセージ・パーティー』とは、アメリカ合衆国初のR指定CGアニメーション映画作品である。2016年6月10日にアメリカ合衆国で公開され、日本では2016年11月4日に公開された。キャッチコピーは「お子様は絶対に見ちゃダメ!」であり、日本でも過激でグロテスクな描写や下品な言葉が多いことから、R15+指定になった。『シュレック』シリーズを手掛けたコンラッド・ヴァーノン、『ティガー・ムービー プーさんの贈りもの』を手掛けたグレッグ・ティアナンが共同監督を務めた。また俳優やコメディアンとして活躍するセス・ローゲンやクリスティン・ウィグといったハリウッドスターが声の担当をしている。
映画のポスター含め、ストーリーは下ネタ満載。内容も過激な為に作品に対しての評価は異なっている。しかし世界の宗教や人種差別、LGBTをストーリーやキャラクターに落とし込んでおり、単なるお下品なコメディーアニメではなく、社会を風刺した内容になっている。日本では公開を楽しみに待つファンがいたが、R15+指定作品ということもあり、上映される映画館は少なかった。
舞台は、ショップウェルズというスーパー。店頭に並ぶ商品達は、買い物に来る客に買われることを夢見て毎日を過ごしていた。スーパーの外は天国のように素晴らしい世界で、客は商品達にとって「神様」だったのだ。ソーセージのフランクとパンのブレンダは、二人でホットドッグとなって結ばれることを楽しみにしていた。ついに神様のカートに入れられた二人だったが、ハプニングが起こってカートから転落。外の世界へ旅だった仲間が衝撃の真実を知る中、二人はスーパーマーケット内で冒険を繰り広げるのだった。
『ソーセージ・パーティー』のあらすじ・ストーリー
ショップウェルズに陳列された商品達の希望
スーパーマーケット、「ショップウェルズ」に売られている商品達は店の外には輝かしい素敵な世界、天国が待っていると信じ、買い物に来る客を「神様」と呼び、自分達が選ばれる事を望んでいた。明日はアメリカ独立記念日セールという事で、いつもより選ばれる確率があがり、ソーセージやパンがお客の目につきやすい場所に陳列された。商品達は今日こそ外の世界へ飛び出すぞと歌いながら、神に選ばれたいと張り切っていた。そんな中、ハニーマスタードのハニー・マスタードが神に選ばれ外の世界に行くことになる。しかし、返品され扉の向こうから帰ってきた彼は、外の世界の真実を知り、怯えていた。再度、神に選ばれてカートに入れらたハニー・マスタードは「天国なんて嘘だぞ!」「神じゃねえ!あいつらは恐ろしいモンスターなんだ!」と言うが、他の商品達は外が地獄という事を信じない。ハニー・マスタードは外の世界を嫌がり、カートから飛び降りようとする。ソーセージのフランクとパンのブレンダが助けようとするも、ハニー・マスタードは落ちてしまい瓶が割れる。ショッピングカートがその衝撃で追突し、商品達のほとんどが床に落ちてしまう騒動が起きた。この騒動で、中身が出て死んでしまう商品もいた。
ビデ男の復讐
膣洗浄機のビデ男は、ショップウェルズの店員ダーレンによって掃除されゴミ箱行きになってしまう。フランクのせいで天国である外の世界に出れなかったと怒るビデ男は、フランクに対して復讐を試みる。フランクはビデ男に追われるも助かり、ユダヤ人ベーグルのサミー・ベーグルと、中東のパンであるカリーム・アブドゥル・ラヴァッシュに出会う。そこから4人は商品棚に再度並んで早く神に選んで貰い、外の世界へ行こうとショップウェルズの中を冒険する。その途中、フランクはファイヤー・ウォーターが外の世界の真実を知ってると聞き、ブレンダ達を待たせて彼に会いに行く。ファイヤー・ウォーターに外の世界の真実を聞こうとするもフランクは殺されかける。そこで、フランクを待っていたブレンダ達はテキーラにフランクが居る場所を知っていると言われて密輸の倉庫へ連れて行かれる。しかし、テキーラとビデ男はグルであり、ビデ男が仕掛けた罠にかかってしまう。しかし、ブレンダの妖艶な姿に魅力を感じ声を掛けたタコスのテレサ・デル・タコに助けられ、一同はビデ男から逃げることが出来た。
その一方、フランクはファイヤー・ウォーターに外の世界の真実を教えてもらう。外に出れば神に食べられてしまい、殺されてしまう。昔は、外の世界の真実を商品達は知っていたが、外の世界の恐怖に泣き叫びながら怯える商品達を可哀想で見ていられなった長期保存食品達が協力して、皆んなを怖がらせないように外の世界は怖くないという神話と歌を作り上げたのだった。
その頃、神に選ばれしパッケージに入ったソーセージとパンやポテトたちは、遂に神が調理する場面を目にする。パッケージから出られた商品達は自由の身になったと喜んでいた。しかし、皮を剥かれて熱湯に入れられるポテトを目撃した商品達は怯え出す。その中でパッケージに入っていたソーセージのバリーだけは生き残る事が出来た。
ブレンダ達は冒険途中に再度ビデ男に見つかるも、なんとか逃れることができフランクと再会を果たす。フランクはファイヤー・ウォーターが話してくれた外の世界の真実をブレンダに話すが、信じてもらえない。これをきっかけに2人は喧嘩をして、別々に行動をしてしまう。
人間が食材を食べている絵を発見
一方、ソーセージ仲間に長さが短いと馬鹿にされていたソーセージのバリーは仲間に危機を知らせるために、ショップウェルズのショッピング袋を持った人間の車にしがみついてスーパーに戻ろうとしていた。だが、辿り着いたのはショップウェルズではなく、麻薬を嗜むだらしのない青年の家であった。青年はバスソルトという麻薬を使ってハイになり、麻薬の効果からバリーや他の商品達の言葉が分かるようになる。ソーセージや食べかけのピザが喋り出し、青年は怯えて叫び声を上げた。そこでバリーはこの青年に商品達の声を分かって貰えることを利用しようと思いつき、青年の家に居た商品たちが力を合わせ始める。すると青年の靴の裏に張り付いていたガムが声を上げる。青年の家に来る前に20年間天才科学者の机の下に張り付いていた経験があり、人間や社会にも詳しかった。そんなガムのアドバイスを受け、バリーは青年を脅し、車でスーパーまで連れて行ってもらうことを決めた。しかし、青年は眠ってしまい、彼が起きたときには麻薬の効果が切れていたので商品達が動いたりするのは見えず、会話が通じなくなっていた。バリーはその後、腹を空かせた青年に食べられそうになるが、何とか逃げ切る。たどり着いた先にある料理本には、人間が食材を調理して食べている絵が書かれていた。その料理本に衝撃を受けたバリーは、食材は人間に食べれられてしまう事をショップウェルズのみんなに伝えようとその場を飛び出した。
その頃、ブレンダ達はそれぞれ冒険を終えて別れを告げ、陳列棚に戻っていた。フランクはテレビ中継を利用して、ショップウェルズの商品達に天国は存在しないこと、自分たちは人間に食べられてしまう事を伝える。しかし、フランクの想いは上手く伝わらず、商品達の反感を買ってしまう。
この世界は幻想
一方、フランクに恨みを持つビデ男は、ショップウェルズの店員ダーレンのお尻に突き刺さり彼を操ってフランクを倒そうとした。フランクはビデ男に体の一部を噛まれてしまうが、ブレンダ達に助けられる。また人間から仲間を守ろうとバリーが店に戻ってきた。バリーは青年の家に居た商品達からアドバイスや協力を受けて、麻薬を爪楊枝のような矢に塗りたくり、人間に刺さるように矢を放つ。その結果、ショップウェルズの店内にいた人間達は徐々に麻薬が効き始めフラフラになる。商品たちは人間を冷凍庫に閉じ込めたり、倒すことに成功した。中には、自分を犠牲にしてまで人間を倒そうとした商品もいた。フランクやブレンダをはじめ、商品達は人間達を倒して自由を手にする。嬉しさのあまりパーティーを始める。パーティーが終わった後、フランクたちはファイヤー・ウォーターから、実は自分達は実在していないという衝撃の事実を伝えられる。この世界は幻影そのもので、我々はモンスターどもの娯楽の為に作られたアニメと教えられた。商品達はあくまでも役者の分身や声優の分身に過ぎないということを伝えられる。フランク達はガムが作り出した異次元に移動するマシーンで、2次元から3次元へ飛び出していったのだった。
『ソーセージ・パーティー』の登場人物・キャラクター
主要キャラクター
フランク
CV:セス・ローゲン
吹き替え:小松史法
名前の通りフランクフルト、ソーセージである。正義感が強く、困っている人を助ける心優しい性格である。ブレンダの恋人で、2人はパッケージの中に居る時から強く惹かれ合いホットドッグとしてひとつになる事を夢見ている。
バリー
CV:マイケル・セラ
吹き替え:林勇
フランクと同じパッケージに入っていた、いじられキャラのソーセージ。みんなより長さが短いことがコンプレックスだが、太さは極太である。優しい性格で勇敢な彼は映画の中でも人間を倒す時に大活躍をする。
ブレンダ
CV:クリスティン・ウィグ
吹き替え:園崎未恵
パッケージに入ってる複数のホットドッグ用のパンの1人。ソーセージのフランクが好きでパッケージから出てしまう。女性らしい反面、芯が強く、フランクが危険な目に遭った時には体を張って助ける姿を見せた。
ショップウェルズで売られている商品
カリーム・アブドゥル・ラヴァッシュ
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目次 - Contents
- 『ソーセージ・パーティー』の概要
- 『ソーセージ・パーティー』のあらすじ・ストーリー
- ショップウェルズに陳列された商品達の希望
- ビデ男の復讐
- 人間が食材を食べている絵を発見
- この世界は幻想
- 『ソーセージ・パーティー』の登場人物・キャラクター
- 主要キャラクター
- フランク
- バリー
- ブレンダ
- ショップウェルズで売られている商品
- カリーム・アブドゥル・ラヴァッシュ
- サミーベーグル・ジュニア
- テレサ・デル・タコ
- カール
- ファイヤー・ウォーター
- ハニー・マスタード
- ガム
- 危険人物・キャラクター
- ビデ男
- ダーレン
- 麻薬常習者の青年
- 『ソーセージ・パーティー』の用語
- ショップウェルズ
- 神
- アメリカ独立記念日
- 『ソーセージ・パーティー』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 衝撃のバリー帰還シーン
- 商品たちの乱痴気騒ぎに込められた意味
- 『ソーセージ・パーティー』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- ソーセージとホットドッグパンが主人公なワケ
- 下ネタに隠される社会問題
- 『ソーセージ・パーティー』の主題歌・挿入歌
- 挿入歌:Qulinez『Let's Rock』
- 挿入歌:Cousin Harley『4 Wheels 9 Lives』
- 挿入歌:Meat Loaf『I'd Do Anything For Love 』
- 挿入歌:George Baker『Little Green Bag』
- 挿入歌:Wham!『Make Me Up Before You Go-Go』
- 挿入歌:Brad Fiedel『Terminator Theme』
- 挿入歌:Eric Carmen『Hungry Eyes』
- 挿入歌:THE ISLEY BROTHERS『ITS YOUR THING』