Beautiful Life 〜ふたりでいた日々〜（ビューティフルライフ）とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『Beautiful Life 〜ふたりでいた日々〜』の概要

『Beautiful Life 〜ふたりでいた日々〜』は、2000年1月16日から3月26日までにTBS系列で毎週日曜21:00 - 21:54に放送された日本のテレビドラマである。
主演は木村拓哉と常盤貴子。共演に水野美紀、池内博之、原千晶、西川貴教、渡部篤郎。脚本は北川悦吏子が担当した。
腕はあるが人気のない美容師・沖島柊二（おきしましゅうじ）と、病に侵され車椅子で生活する図書館司書・町田杏子（まちだきょうこ）との、切ないラブストーリー。
ある日、働く美容院でカットモデルの写真を雑誌に掲載することになり、美容師の柊二は数日前に出会った車椅子の図書館司書、杏子にカットモデルを頼む。
はじめはお互いに良い印象を持っていなかったが、二人は次第に惹かれ合っていく。
平均視聴率32.3%、最高視聴率41.3%を記録し、平成に放送されたドラマの視聴率が40%を超えたのは今作が初めてである。
このドラマをキッカケに「バリアフリー」という言葉が世に広がり、また、劇中で使用されたバイクのヤマハ・TW200や、車椅子のオーエックスの売り上げが増加。
さらに2000年の美容師志望率が例年より上がったともいわれている。
アジア・テレビジョン・アウォード最優秀作品（ドラマシリーズ部門）、第26回放送文化基金賞本賞受賞（1999年度）作品であり、主演の木村拓哉と常盤貴子はそれぞれ男優演技賞、女優演技賞を受賞。
脚本の北川悦吏子は第18回向田邦子賞、第8回橋田賞を受賞した。
北川悦吏子の主な作品は、『素顔のままで』、『あすなろ白書』、『愛していると言ってくれ』、『ロングバケーション』、『オレンジデイズ』などがある。

『Beautiful Life 〜ふたりでいた日々〜』のあらすじ・ストーリー

車椅子の恋

有名店の美容院で働く美容師、沖島柊二（おきしましゅうじ）はバイクを運転中に、町田杏子（まちだきょうこ）が車から出した腕に驚き、危うく転倒しそうになる。
偶然行き先が同じだった二人は図書館へ向かう。図書館司書の杏子は車椅子に乗って仕事を始める。
車椅子であっても態度を変えない柊二に、杏子は兄の町田正夫（まちだまさお）に、「誰であっても自然な人、心のバリアフリー」と話す。
同じ頃、柊二の務める美容院「ホットリップ」では、お店の代表としてカットモデルの写真を雑誌に掲載することになる。
モデルを探す柊二は、以前にパーマを失敗した杏子を思い出し杏子へカットモデルをお願いする。
柊二の店がバリアフリーに対応しておらず躊躇する杏子だったが、柊二の「俺があんたのバリアフリーになってやるよ」の言葉でカットモデルを引き受ける。

後日、雑誌には杏子の写真が掲載されたが、内容はカットモデルではなく車椅子にクローズアップされたものだった。それを見た杏子は利用されたと柊二を責める。
柊二はそれを否定して、杏子へ真摯に対応していく。

柊二の過去

杏子の勤める図書館に和服姿の上品な女性が現れ、「柊二はよく来るか？」と杏子に尋ねる。
後日、その女性と柊二は図書館で再会する。
和服姿の上品な女性は柊二の母親だった。
母親は医師一家でありながら医学部にも行かずに美容師をしている柊二を快く思っていなかった。
以前、杏子が載った雑誌について「2度とこんな目立つ真似はしないように」と柊二は母親から釘を刺された。

その後、柊二は自身の家庭について杏子に話し、デザイン画を図書館へ忘れる。
杏子は柊二が図書館に忘れたデザインを渡しにホットリップへ向かう。
そこに柊二はいなく、たまたまいた柊二のライバル川村 悟（かわむら さとる）にデザインを預ける。
しかし、柊二の才能を妬む悟は柊二のデザインを盗撮する。
悟は杏子を追いかけて、柊二のデザインを自宅に届けてあげるよう薦める。
杏子が差し入れを持って柊二の自宅へ向かうと、柊二は同僚で元恋人の小沢 真弓（おざわまゆみ）と一緒に外出てくる。
その日の前日、真弓は有名店で働くことに疲れて柊二に癒しを求めて訪れていた。
優しい柊二はそれを承諾し、真弓を部屋に泊める。

初めてのキス

二人の光景を見た、杏子はデザインを渡すと車を出した。
翌日、後日盗んだデザインで悟は雑誌の取材を受けた。
責任を感じた杏子は同僚の田村 佐千絵（たむら さちえ）と共に、デザインの参考資料を柊二に送るためホットリップへ行く。
資料を貰い大喜びする柊二、そんな柊二を見た真弓は杏子に対し、車椅子について厳しい言葉を浴びせる。
聞いた柊二は激怒、真弓は店を出ていく。
杏子から「追いかけたほうがいいよ」と言われた柊二は、真弓に「きちんとしよう」と伝え、過去の関係についてきちんと清算する。
その後、見事柊二は新しいデザインが決まり、杏子とお祝いする。
その帰り、杏子は柊二の家でトイレを借りる。
そこに以前、柊二と靴屋の前を通ったときに自分が欲しいと言っていた赤い靴があることに気がつく。
柊二の気持ちを尋ねる杏子。柊二は「すげえ気になるから」と答え、抱きしめていいかと聞く。
柊二のことが気になっていた杏子は承諾、二人はトイレの前の廊下でキスをする。

アクシデント

柊二の仕事が忙しくなり、すれ違いの日々が続く。
デート中でも柊二は居眠り、カットをした有名女優から電話がかかってくる。
そんな柊二を見た杏子は、「なんか違うみたい、住む世界」と杏子は不安になり、2人は口論になる。
後日、ホットリップがライブハウスでカットショーを開催することになる。
ショーの当日、クライマックスで悟は柊二に「カットモデルをお互いに選びあってその場で腕を競おう」とけしかける。
そして帰ろうとしていた杏子を、悟は柊二のカットモデルへ選ぶ。
無理やりステージに上がらされた杏子はステージから降りようとする。
だが落ちそうになり、とっさに助けようとした柊二は手をケガする。

後日、悟は杏子へ「もう一度柊二のカットを見たかったから、杏子を指名した」と謝罪。
柊二と杏子の関係が悪化していると知った佐千絵のお膳立てもあり、2人は遊園地で仲直りをした。

柊二の想い人

ある日柊二はコンビニで、予備校時代の同級生でかつての想い人・さつきと再会、近況報告をする。
そして後日、さつきは柊二にカットしてもらうためホットリップへ来る。
カット後、2人は柊二のバイクで海へ。
その姿を偶然見た杏子はショックを受ける。
さつきは、離婚を考えていて柊二に励ましてもらうために会いにきたと話す。

後日、巧からさつきのことを聞いた杏子は彼女の職場へ。
だが、さつきに気を取られてしまい、車椅子ごと転落し腕にケガをする。
さつきのこともあり柊二には冷たい態度を取る杏子。
そして療養のため、従姉妹の家へ行くことになる。

病状の悪化

柊二は杏子を迎えに、彼女の家へ。
そこで杏子の母、町田 久仁子（まちだ くにこ）から杏子の生きられる確率が43分の13だと聞かされる。
それでも杏子と向き合うことを決めた柊二は、さつきから交際を迫られるも断り、杏子と仲直りをする。

後日、柊二から合鍵を貰いご機嫌な杏子だったが、同時に杏子の病気も進行していく。
いつものように定期検査を受ける杏子。
だが検査の結果、悪性であることがわかりそのまま入院することになる。
ホットリップが業績悪化で倒産したことにより、ハサミを置いていた柊二は、杏子のお願いにより再起をかけたショーに出演する。

未来へ

ショーの前日、一時退院していた杏子は体調を崩し再び入院する。
面会に来た柊二に杏子は、「私の分まで生きてほしい」と話し、柊二は病院の屋上で一人涙を流す。
そして当日、正夫と佐千絵が杏子を迎えに来ると、意識を失っている杏子の姿があった。
なんとか意識を取り戻した杏子は、コレクション会場へ向かう。
ショーは順調に進んでいるかに思えたが、柊二がステージにあがった時、客席にいたはずの杏子がいなくなっていた。
途中で意識を失ったことを聞いた柊二は、杏子が乗る救急車に同乗。
杏子は「いろいろごめんね。ありがとう」と言って、目を閉じた。

後日、杏子の葬儀にて死化粧を施す柊二。
杏子への想いを涙ながらに伝え、自身は強く生きていくと決める。

『Beautiful Life 〜ふたりでいた日々〜』の登場人物・キャラクター

主要人物

沖島柊二（おきしましゅうじ／演：木村拓哉）