銭の戦争(ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ

『銭の戦争』とは、2015年1月から3月まで放送された、復讐劇をテーマとした日本のテレビドラマ。主人公・白石富生は、順風満帆の日々を送っていたが、父が借金を残して自殺し、さらに連帯保証人であった白石は金も職も婚約者も全て失う。そして人生のどん底から復讐を果たしていくというストーリー。韓国で2007年に制作されたテレビドラマ『銭の戦争』を原作として、舞台を日本の東京に置き換えて制作された。

『銭の戦争』の概要

『銭の戦争』とは、2015年1月6日から3月17日までフジテレビ系で放送されたテレビドラマ。栄光と挫折を経験した男が、恋と借金返済そして自らの人生を取り戻すまでの様を描いた壮絶な復讐劇を題材にしている。原作は2007年に韓国で放送された韓国の同名のテレビドラマ『銭の戦争』。ストーリーの舞台を日本の東京に置き換えて制作された。
主人公・白石富生(しらいしとみお)は東大卒で数字に強く、外資系証券会社に勤め、美人の婚約者も持ち順風満帆の日々を送っていた。ところがある日、父親が多額の借金を残して自殺し、連帯保証人であった富生は貯金を全て借金の返済に充てて金も職も婚約者も全て失うことになった。しかし父親の死の真相に直面した富生は手段を選ばず壮絶な復讐を企んでいくようになり、愛と金と人生、そして失ったすべてを取り戻すことを誓うというストーリー。
主人公の白石富生を演じたのは元SMAPの草彅剛で、復讐に燃える熱血漢というキャラクターに挑んだ。またヒロインの紺野未央(こんのみお)を演じた大島優子はAKB48卒業後、初の連続ドラマ出演となった。
2015年には草彅剛の復讐シリーズ第2弾として『嘘の戦争』が放送されている。こちらは本作とは異なり、韓国ドラマのリメイク作品ではない完全オリジナル作品である。

『銭の戦争』のあらすじ・ストーリー

人生のどん底へ堕ちた白石富生

復讐を誓う白石。

東大卒で外資系の大手証券会社で働くエリートの白石富生。大企業の美しい令嬢である青池梢(あおいけこずえ)との婚約も決まり順風満帆な生活を送っていた。ところがそんなある日、父の孝夫(たかお)が経営する実家の工場が設備投資の失敗で不渡りを出し、行方不明になってしまう。
母から電話で泣きつかれた富生が華やかな婚約披露パーティの席を抜けて駆け付けると、工場では取り立てに来た人達が母に怒りをぶつけている真っ最中だった。多額の借金をしていたことが判明し、これを残したまま失踪してしまったことで富生の生活が一変した。連帯保証人だった富生は借金返済に奔走し、闇金業者に追われることになってしまう。さらに追い打ちをかけるように、富生の母親も脳出血で入院してしまった。私生活のバタバタで勤務先の証券会社からは解雇命令を出され、遂に職も失ってしまう。そして、失踪していた父親も借金を残して自殺してしまったのであった。婚約者・梢の祖母である青池早和子(あおいけさわこ)は、青池ファイナンスという大グループ企業の会長を務める実力の持ち主である。富生の状況を見て早和子から「1000万円で梢と別れてほしい」と言われてしまう。高額な手術費用がかかる母親のために富生は1000万円を受け取る。しかしそのお金も悪徳債権者に奪われてしまう。父親の葬儀でも、給料を貰っていないという会社の従業員の不満の矛先が富生に向けられる。
自宅へ帰ると、自宅の前では梢が待っていた。わざと冷淡に振る舞う富生だったが、梢は母の手術費用の援助を申し出る。ところが悪びれる様子もなく心ない言葉を立て続けに浴びせる富生に傷付き、平手打ちを食らわして梢はその場を去ろうとする。その梢を引き止めて「金は置いてけ」という富生の言葉に心底失望し、富生に札束を投げつけて悲しみと共に去って行く。
こうして人生のどん底を迎えた富生は身も心もボロボロになってしまう。こうして全てを失った富生は、自分の人生を取り返そうと復讐を誓うのであった。

父の仇

貯金に勤しむ未央。

全てを失った富生は、偶然再会した恩師の紺野洋(こんのひろし)とその娘・未央(みお)の住む家にお世話になろうとするが、紺野家もまた500万円という借金に苦しんでいた。
そんな中、金で失くした人生を金で取り戻すと大見得を切ったが、再就職も出来ず住む家もなくホームレスとなってしまった富生は、元ホームレスから300億もの大金を動かせるほどの金貸しになったという紅谷(べにや)に出会い、金を稼ぐ極意を教わろうと紅谷の周りを付き纏う。すると根負けした紅谷はテストと称して、富生にある食堂からの借金の取り立てを命じる。怒りを露わにする店主に対して富生は店の手伝いをして店主の気持ちをほぐす事から始める。そうして何日か手伝いを続け、強張った店主の気持ちをほぐす事に成功して無事に取り立てに成功する。こうして富生のことを認めた紅谷は赤松金融という闇金業者を富生に紹介する。父の一件で、闇金を心底憎んでいた富生だが、背に腹は変えられず赤松(あかまつ)の元で金貸し業を学ぶ事にする。そこでの最初の仕事はなんと恩師である紺野の借金の取り立てであった。とても借金を払える状態ではない紺野。さらに派遣先から契約満了を告げられて落ち込んでいた未央であったが、職場で声をかけてきた植草(うえくさ)と食事に行く事になった。未央を理想の人だと言う植草に、父親の借金を肩代わりしてあげるから結婚してほしいとプロポーズされる。好きでもない人と結婚してもよいのか悩んでいた未央だが「結婚すべきという富生の発言に背中を押され結婚を承諾する。しかし、ある日富生がキャバクラへ行くと「500万で好きでもない女と結婚するんだ」と植草が言っているのを耳にする。これを聞いた富生は未央の背中を押してしまった事を心底後悔する。そして結婚式本番の日、居ても立ってもいられなくなった富生は「この結婚に異議を申し立てる」と叫び、未央の手を取りそのまま式場を後にしたのであった。富生のおかげで無事式場から逃げ出した未央だったが、式のキャンセル料や慰謝料と称して植草から700万円の請求をされてしまうのであった。
未央も多額の借金を背負ってしまい、洋から取り立てが出来ないと悟った富生は、紺野家の取り立ての代わりにヤクザに貸して取り立て不能になっている債権を全回収すると赤松に宣言する。そして約9000万円の取立てを成功報酬3割で約束し、知恵を使ってこれを成功させた。
一方、会員制リゾートで働き始めた未央の元へ突如現れた梢。実は、式場を逃げ出す未央と富生を梢が偶然目撃しており、2人の仲を疑った梢は未央を試すようにリゾートの顧客情報を盗んでほしいと頼むのであった。借金の返済を急かされていた未央は悩んだ末に、会社の顧客情報のコピーに手を出してしまう。しかし良心の呵責に耐えられずに、USBメモリーを梢に手渡す寸前になって気が代わり、空地の茂みの中に投げ捨ててしまうのであった。
富生は赤松金融で働く内に、同僚の桜田(さくらだ)から、先日赤松金融の顧客が突然失踪したという話を聞き、父の事ではないかと疑い始める。父と赤松が繋がっていた証拠が無いかと、富生は赤松の居ない隙を狙い事務所を漁るが何も出てこない。そして金庫を開けると「ホワイト化学関連書類」と書かれた資料を発見してそれを確信する。赤松が父を自殺に追い込んだ張本人だと気づいた富生は赤松に襲い掛かるが、赤松からは解雇命令を言い渡される。

復讐の果てに

未央(右)を無事に取り戻した富生(左)。

そんな富生の元に長らく連絡が途絶えていた弟の光太郎(こうたろう)から連絡が入る。すっかり闇金に手を染めてしまった兄を軽蔑していた光太郎だったが、母の入院費用さえ工面できない自分は兄以下なのではないか、と言う負い目から詐欺グループに加担し逮捕されてしまったのだ。勝手に失踪して借金を残して死んでしまった父親に対して当初は恨みを抱いていた富生であったが、家族のためにもホワイト化学をもう一度取り戻すという気持ちが沸々と湧いてきていた。
その頃、青池ファイナンスの梢はホワイト化学の将来性に期待し会社を買収、再建に乗り出していた。そんな中、赤松金融をクビになった富生は、赤松が事務所内に大量の現金を隠していると思い調べていると、地下にのびる階段を発見する。その時、赤松が事務所に帰って来て見つかりそうになるが、未央の助けで何とかバレずに済んだ。地下には隠し金庫があり、厳重なセキュリティがかけられている。開けるには8桁の数字が必要な事を知った。後日暗証番号で手こずったが、金庫を開けると20億円もの現金が隠されていた。赤松への復讐の為この20億円を盗み出す富生。赤松は必死に貯めてきた20億円を一瞬で失ってしまう。
富生の行動を怪しんでいた赤松は、富生の復讐の矛先を自分以外の人間に向けようと仕向ける。その相手は青池ファイナンスの青池早和子であった。赤松は富生に、ホワイト化学を潰したのは青池ファイナンスの早和子だと言う衝撃の事実を伝える。実は、ホワイト化学を買収しようとした早和子が富生の父親に断られ、無理やりホワイト化学を経営難に陥らせた後、ホワイト化学を乗っ取ったのだった。それを聞いた富生は怒り心頭に達し、赤松よりも復讐の標的を青池ファイナンスに向けたのであった。通常特許取得の為の審査は2~3年で終わるが、ホワイト化学の審査を引き伸ばして資金を枯渇させる目的で、青池早和子が意図的に4年以上もの年月をかけさせた可能性があると赤松から聞いた富生。真相を知るために特許庁周辺を調べると、ホワイト化学を担当した人間が早和子から金を受け取っていた事実を掴む。この事をネタに早和子にホワイト化学を返すよう迫るが、青池ファイナンスの持ち株のうち51%を赤松に渡しているので自分の権限では出来ないと言う。
一方、青池ファイナンスを手に入れたい赤松は以前早和子の会社へ赴いた際、早和子の部屋に盗聴器を仕掛け青池ファイナンスが脱税している証拠を掴んでいた。それをネタに早和子を脅し、20億円という破格の金額で青池ファイナンスを乗っ取ろうとしていた。それならば富生は、数日後の契約の日までに赤松の隠し金庫から20億円を盗み取り、契約を出来なくすればいいと考え作戦を決行する。梢や未央たちに協力してもらい無事作戦は成功を収め、赤松はこれまで必死に貯めてきた20億円を一瞬で失ってしまう。
そして富生は青池ファイナンスの手に渡っていたホワイト化学を買い戻すために、手に入れた20億円をインサイダー取引で倍の40億円に増やすことを計画する。それを知った赤松は自分の金が40億円に増えることに喜び、インサイダーの罪を富生に負わせてからお金を取り戻そうと考える。しかしそんな富生は未央に「金銭感覚が狂っている」と言われて我に返る。最初は富生のことを忌み嫌っていた未央であったが、この頃になると富生の真っ直ぐさや熱い心に触れて恋に似た感情に変わっていったのだ。さらに母親の意識が戻った事でこれまでの自分を悔い改めた富生は、金に踊らされておかしくなっていた事に気づく。そしてこれまでの自分を悔い改めてインサイダー取引を直前で辞退する。 ホワイト化学は取り戻せなくなったが、犯罪に手を染める事もなくなった富生。一方赤松は自分の計画通りにならなかったことに憤慨し、ヤクザを使って計画を邪魔した未央を誘拐させた。赤松の狙いは、未央と引き換えに自分がコツコツ貯めた20億円を取り戻す事であった。未央を大切な存在と思っている富生は、4時に赤松金融に金を持っていくと赤松に約束する。しかし4時に赤松金融を訪ねたのは富生ではなく国税局の人間であった。実は富生は前もって隠し金庫に20億円を返しておき、脱税の疑いがあると国税局に通報し赤松を逮捕させたのであった。この機転の利いた富生の行動により赤松は逮捕され、全ての復讐が終息に向かった。20億円を手放してしまい、ホワイト化学を買い取ることは出来なくなったが、ホワイト化学は青池ファイナンスが大事に育てていくと梢が約束してくれた。こうして赤松は刑務所に入り、ホワイト化学は梢が経営権を取得し安泰となる。詐欺事件で逮捕されていた富生の弟の光太郎は無事にホワイト化学に入社し、未央も新しく仕事を始めるなど、全てが上手くいったかのように見えた。
しかし未央たちと離れて別の地へと旅立っていった富生は、新たな地でも金貸し業を続けていた。さらに赤松と同じように隠し金庫をつくり、取り憑かれたようにお金の匂いを嗅ぎ微笑んでいる姿は赤松そのものであった。こうして富生は金に敗北してしまったのであった。

『銭の戦争』の登場人物・キャラクター

主要人物

白石富生(しらいし とみお/演:草彅剛)

外資系の証券マンで頭脳明晰であるが、ある日父が借金を苦に自殺した。父の会社であるホワイト化学は人手に渡り、富生も銀行からの融資の連帯保証人になっていたため、貯金の全てを返済に充てることになる。順風満帆な人生が一転、職も金も婚約者も失い、それらを取り戻すために赤松金融に再就職して成り上がることを誓う。

紺野未央(こんの みお/演:大島優子)

紺野洋(こんのひろし)の娘で、派遣で受付の仕事をしているが、契約を打ち切られて無職になった。貯金もなく、父と共に苦しい生活を過ごす。富生と出会った当初は険悪な仲だったが、徐々に態度を軟化させていき、最後は良き理解者として協力するようになる。

青池梢(あおいけ こずえ/演:木村文乃)

富生の元婚約者で、青池ファイナンスの跡取り娘。富生とは挙式寸前までいっていたが、富生の父の事件がきっかけとなり、祖母の早和子によって婚約解消させられた。そんな富生を恨みながらも、今でも忘れられないためにその動向を追いかけている。

赤松金融

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