ゴジラ×メガギラス G消滅作戦(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『ゴジラ×メガギラス G消滅作戦』とは、2000年公開の日本の怪獣映画である。ゴジラシリーズ第24作品目となる。
物語は、ゴジラ打倒に執念を燃やすGグラスパーの隊長で主人公の辻森桐子が、マイクロマシンの天才エンジニア工藤元の協力を得てゴジラを倒す話である。辻森は、完成した武器「ディメンション・タイド」を使って命を懸けてゴジラに挑む。そんな中、メガギラスがゴジラの前に現れ、大規模な戦いを繰り広げる。
見所は、メカギラスとゴジラの白熱した戦いと、命を懸けてゴジラに突っ込んでいく辻森の勇姿である。

前作『ゴジラ2000 ミレニアム』ではゴジラのシリアスな恐怖を描いていたが、今作では空想科学をテーマとして、自由で楽しいゴジラ映画の世界を作り出している。
本作が監督デビューとなる手塚昌明は、女性が主人公である事や超兵器を出す事、肉弾戦がやりたい事や最後まで戦う事を条件にして監督を引き受けた。また、前作から特殊技術を担当した鈴木健二は、漫画的演出を取り入れて怖いだけのゴジラではないキャラクター性を出すようにした。更には、ダークなイメージを変える為に、ゴジラが出現するのは回想シーンを除いて、全て昼間である。

ゴジラシリーズ初の女性作曲家が劇中音楽を担当

ゴジラ(左)に攻撃しているメガギラス(右)

今作で音楽を担当したのは、映画やアニメ、ドラマなど多くの作品の作曲を手掛けている大島ミチルである。シリーズで女性作曲家が登板するのは初の事で、本作の後も手塚監督のゴジラ映画『ゴジラ×メカゴジラ』でも音楽を担当した。ゴジラと言えば、伊福部昭の音楽があまりに有名であり、伊福部音楽から離れた方がいいというファンの意見もあった。しかし手塚はそれを否定する為に、冒頭やお台場でのゴジラ登場シーンで、伊福部の「ゴジラのテーマ」を使用した。大島ミチルは、伊福部の音楽から離れられない事を肯定しながらも、それに負けないことを宣言している。
大島はテーマモチーフをGグラスパー・ゴジラ・メガギラスと、3つに設定してそれらを基にして、10日で48曲もの作曲を行った。

配役へのこだわり

主人公である辻森桐子を演じる田中美里

監督である手塚は、今作が初監督作品であるため、無名俳優を1から育てる自信が無かった。その為、既に名がある芝居のできる俳優を要望した。そして、プロデューサーである富山に田中美里を推薦され、主人公である辻森桐子役に決まった。また、工藤元役の谷原章介も、富山が出演作を見て魅力を感じ、本作起用となった。辻森の元上官宮川役の永島敏行に関しては、手塚監督からの要望で起用された。手塚は永島を日本一制服が似合う俳優だと評している。更に手塚監督は、東宝特撮の常連であった星由里子と仕事がしたいと言う思いがあり、科学者・吉沢佳乃役として起用した。そして星由里子同様、昭和の東宝特撮常連俳優である加藤茂雄も、特G対受付役として出演している。

セットやCGを駆使した数々のシーン

水没した渋谷

撮影には遠隔で回転、上下左右に動く事が可能な特殊カメラが使われた。
渋谷の水没シーンは、水を張ったセットと実景にCGを合成したものを併用した。水際の街並みは、東宝スタジオの大プール一角に作られており、宮益坂をモデルにしている。このモデルとされている。
工藤のジャンクショップは、近隣の3、4軒分のセットが作られ、昔からある店と言う想定であった為、店内は狭く天井も低い。
他にも、迫力あるディメンション・タイド実験のシーンは、本栖湖付近のグラウンドで撮影された。ブラックホールに吸い込まれた校舎のシーンはフルCGで処理されている。
また、工藤がビルの破壊により怪我をするシーンは、オープンセットで撮られた。ビル破壊は、実際コンクリートの瓦礫をクレーンで吊り、本物の車を潰すことで、リアルなシーンになっている。

水への恐怖を克服した主演・田中美里

ゴジラの背びれにつかまる辻森

Gグラスパー隊長で主演の辻森桐子を演じた田中美里は、幼少期から水が怖く泳げなかった。しかし、ゴジラの背びれにつかまるなど海の中でのシーンもあり、立ち泳ぎをしなくてはならなかった。本物の海での撮影では田中美里を船で囲み、なにかあればすぐ助けられるようにしていた。だが実際は、引きの画だった為船が映らないよう田中から離れてしまい、田中はここで死ぬかもしれないと思ったことをインタビューで答えている。特訓の成果もあり、撮影後も泳げないが立ち泳ぎは出来ると言っており、水への恐怖を克服している。

『ゴジラ×メガギラス G消滅作戦』の主題歌・挿入歌

挿入曲:大島ミチル「運命の対決」

5年前ゴジラ出現時、対G特殊部隊とゴジラとの戦いの際、流れていた曲である。

OP(オープニング):大島ミチル「メイン・タイトル」

劇中、『ゴジラ×メガギラス G消滅作戦』のタイトルが現れた時に流れる曲である。

挿入曲:大島ミチル「G対策本部へ」

エンジニアとしてスカウトされた工藤が、辻森達とG対策本部へ向かう際に流れる曲である。

挿入曲:大島ミチル「オペレーションエリア」

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