ハリー・ポッターシリーズの死喰い人/デス・イーターまとめ
『ハリー・ポッター』シリーズとは、イギリスの作家J・K・ローリング原作のファンタジー小説。1990年代のイギリスと魔法界を舞台に、物語の主人公ハリー・ポッターのホグワーツ魔法魔術学校での学校生活と、両親を殺害した強大な闇の魔法使いヴォルデモートとの因縁と戦いを描いた物語である。「死喰い人」とは、ヴォルデモートの思想に賛同し忠誠を誓った闇の魔女・魔法使い集団。
『ハリー・ポッター』の概要
『ハリー・ポッター』シリーズとは、イギリスの作家J・K・ローリングが原作のファンタジー小説およびそれを原作とする映画・ゲーム作品。1990年代のイギリスと魔法界を舞台に、物語の主人公ハリー・ポッターのホグワーツ魔法魔術学校での学校生活と、両親を殺害した強大な闇の魔法使いヴォルデモートとの因縁と戦いを描いた物語である。
1997年にイギリスのブルームズベリー社から第1巻が刊行されると瞬く間に世界的ベストセラーとなり、世界各国で翻訳され、日本では静山社から刊行された。
本作の映画がワーナー・ブラザーズより製作されると、こちらも瞬く間に大ヒットを記録した。その後、映画化を担当したワーナー・ブラザーズなどが主体となって、映画を中心とする作中設定を活用した『魔法ワールド(Wizarding World)』というファンタジー・メディア・フランチャイズが派生している。
本作の19年後を描いた舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』は2016年にロンドンで上演され、同年に書籍化も果たした。日本では2022年に上演された。
また、スピンオフとして本作よりさらに前の時代である1920年代を舞台に、「魔法生物飼育学」の教科書「幻の生物とその生息地」の著者ニュート・スキャマンダーを主人公とした『ファンタスティック・ビースト』シリーズが制作されている。
小説のタイトル「ハリー・ポッター」とは主人公である少年の名前。ハリー・ポッターは幼い頃に闇の帝王ヴォルデモートに両親を殺害された孤児で、マグルと呼ばれる非魔法族の伯母夫婦に預けられたために、自身を魔法使いと知らずに成長する。
11歳となったハリーは、イギリスにある魔女・魔法使いの学び舎ホグワーツ魔法魔術学校への入校を許可されるとともに、自身が魔法使いであることと、ヴォルデモートに襲撃され生き残った唯一の人物として魔法界で英雄視されていることを知る。
ハリーは成長とともに、ヴォルデモートとの戦いを余儀なくされ、仲間とともに立ち向かっていく。
「死喰い人/デス・イーター」とは
死喰い人とは、闇の帝王ヴォルデモートの従者に与えられた呼び名である。原書では「Death Eaters」と書かれ、日本語では「死喰い人」と翻訳される。映画では「デス・イーター」と呼称。厳密に言うと役職あるいは肩書きのようなもの。組織立って活動することも多く、ヴォルデモートの配下の総称のように思われがちだが、正確には配下の中でも特に選りすぐりのエリート集団という扱いである。
ヴォルデモート卿のもとで、第一次および第二次魔法戦争の両方で活躍した。
主に闇の魔術に傾倒した過激な純血主義の魔女や魔法使いで構成されており、魔法界の法規をためらいなく破る。活動時には黒いローブをまとい、顔を隠すためにヘビのような目の空いたマスクを被っている。
主な目的は闇の帝王の悲願である「魔法族の民族浄化=マグルの虐殺」と反対する勢力の殲滅。
名称の由来は作中では言及されていないが、ヴォルデモート卿は予てより死を克服しようとしていたことから、「死を食らう者=死に勝る者」という意味合いであると推察されている。
「死喰い人/デス・イーター」の印
「闇の印」
死喰い人として遇されるようになると、左前腕に「闇の印」が焼き付けられる。ヴォルデモートがこの印に触れると死喰い人は皆それを感知し、指導者のもとに現れる号令のようにも扱われた。印に触られた死喰い人には激痛を伴う。
「モースモードル 闇の印を」の呪文で、口から蛇が這いだした巨大な髑髏の「闇の印」が、上空に打ち上げることが出来る。死喰い人はこれを打ち上げることで、闇の勢力の犯行であることを証拠づけた。死喰い人同士はこれを信号や合図のように扱う場面もある。そのため、これが打ち上げられると、「死喰い人が襲撃してきた」ことを意味している。
「死喰い人/デス・イーター」の成り立ち
死喰い人は、ヴォルデモートが残忍な本性を現わす前に集めていた信奉者「ヴァルプルギスの騎士」(1940年~1945年頃)を前身としている。この騎士団はレストレンジ・シニアやエイブリー・シニアといった闇の帝王の学生時代の仲間が初期メンバーであり、アントニン・ドロホフはこの時代からホグワーツ最終決戦まで戦い続けた古参である。
「ヴァルプルギスの騎士」の構成メンバーは、上記のレストレンジ・シニア、エイブリー・シニア、アントニン・ドロホフの他、マルシベール・シニア、ノット・シニア、ロジエール(エバン・ロジエールの可能性があるが明確には言及されていない)。
ヴォルデモートは幼少より「選民意識」が強く、ホグワーツ入学後は「純血主義」に取り付かれるようになった。自身の出自が「凡庸なマグル」と「高尚な魔法使いの流れを汲む純血」のハーフであることを知ると、マグルの血族を嫌悪し殺害している。後に自身のコンプレックスの裏返しであるかのように、「マグル生まれ」や「半純血」への蔑視を強くし、そのため「純血主義」を中心に配下を増やした。「純血主義」の魔法族もまた、自身らの持つ権力を維持するために、強大な闇の帝王を支持していった。
「死喰い人/デス・イーター」の活動歴
結成
1950年代
「ヴァルプルギスの騎士」を前身として、ヴォルデモートが自身の配下に闇の魔女・魔法使いを集め、一部のエリート達を「死喰い人」として遇するようになる。
全盛期
1970年頃
ヴォルデモートが活動を本格化し、死喰い人を率いて、「マグル生まれ」や「半純血」の魔法使いの粛清に乗り出した。これは、ヴォルデモートにとっては自身が嫌悪する「マグル」に連なるものを苦しめるためであり、また「マグル生まれ」や「半純血」を迫害することで多くの魔法族を恐怖へ陥れ権力を強めた。
ホグワーツの校長アルバス・ダンブルドアをリーダーとしてこの頃設立された「不死鳥の騎士団」など反対勢力も容赦なく殺戮し、イギリス魔法界の暗黒時代を招いた。死喰い人の人数は「不死鳥の騎士団」の20倍にも及び、全盛を振るっていた。
1980年頃
セブルス・スネイプの密告から「“1980年の7月末、闇の帝王に三度抗った両親のもとに産まれる子”が、闇の帝王を倒すかもしれない」という予言の情報を知ったヴォルデモートは、該当する「予言の子」を調べる。後にハリー・ポッターが誕生し、ヴォルデモートは彼こそが「予言の子」であると推定し、殺害計画を企てる。
ポッター家襲撃と死喰い人の離散
1981年10月31日
上記の「予言」を知ったポッター家は「保護の呪文」で自宅を隠し潜伏していたが、ジェームズ・ポッターの親友シリウス・ブラックより密かに「秘密の守り人」の任を託されていたピーター・ペディグリューがポッター家を裏切り、隠れ家の情報をヴォルデモートに密告する。
ヴォルデモート自らポッター家を襲撃し、家長のジェームズ・ポッターやその妻リリー・ポッターを殺害するも、息子ハリー・ポッターを殺害することはできず、逆にヴォルデモート自身が破滅する結果となった。肉体を失ったヴォルデモートは瀕死の状態でアルバニアの森へ逃亡する。
この事件によりピーター・ペディグリューは死喰い人の中でも立場を失う。ピーターは裏切りに気づいたシリウス・ブラックに「ポッター家の裏切り」と「マグル大量虐殺」の罪をなすりつけると、混乱に乗じてネズミの姿に化け逃亡する。ピーターによって罪をなすりつけられたシリウスは魔法界の監獄「アズカバン」へ収監された。
また、指導者を失った死喰い人達は、指導者を捜索する者もいたが、多くの者がそれぞれ保身のために逃亡するなどした。
ロングボトム夫妻拷問
指導者を失った死喰い人のベラトリックス・レストレンジ、ロドルファス・レストレンジ、ラバスタン・レストレンジ、バーティミウス・クラウチ・ジュニアが、ヴォルデモートの居場所を聞き出すため対抗勢力「不死鳥の騎士団」に所属する闇祓い・ロングボトム夫妻を誘拐し拷問する。これによりロングボトム夫妻は心神喪失状態となり、聖マンゴ聖マンゴ魔法疾患傷害病院に長期にわたって入院することになる。
ベラトリックス、ロドルファス、ラバスタンはこの時のロングボトム夫妻に対する残虐な行為により魔法省に逮捕され、「アズカバン」に収監された。
カルカロフの司法取引
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目次 - Contents
- 『ハリー・ポッター』の概要
- 「死喰い人/デス・イーター」とは
- 「死喰い人/デス・イーター」の印
- 「闇の印」
- 「死喰い人/デス・イーター」の成り立ち
- 「死喰い人/デス・イーター」の活動歴
- 結成
- 全盛期
- ポッター家襲撃と死喰い人の離散
- ロングボトム夫妻拷問
- カルカロフの司法取引
- バーティミウス・クラウチ・ジュニアの脱獄と監禁
- 賢者の石を求める
- ピーター・ペディグリューの帰還
- クィディッチ・ワールドカップでの「闇の印」
- 闇祓いアラスター・ムーディを襲撃
- 三大魔法学校対抗試合での陰謀
- ヴォルデモートの復活
- アーサー・ウィーズリー襲撃
- アズカバンの集団脱獄
- 神秘部の戦い
- 天文台塔の戦い
- アズカバンの集団脱獄(2度目)
- プリベッド通り襲撃(七人のポッター作戦)
- 魔法省制圧
- ラブグッド邸の待ち伏せ
- マルフォイの館での戦い
- グリンゴッツで分霊箱を奪われる
- ホグワーツの戦い
- 「死喰い人/デス・イーター」の拠点
- アルバニアの森
- リドルの館
- リトル・ハングルトンの教会墓地
- マルフォイの館
- 叫びの屋敷
- 「死喰い人/デス・イーター」のメンバー
- セブルス・スネイプ
- ルシウス・マルフォイ
- ドラコ・マルフォイ
- ピーター・ペティグリュー
- バーテミウス・クラウチ・ジュニア
- ベラトリックス・レストレンジ
- ロドルファス・レストレンジ
- ラバスタン・レストレンジ
- アントニン・ドロホフ
- ワルデン・マクネア
- オーガスタス・ルックウッド
- マルシベール
- コーバン・ヤックスリー
- アミカス・カロー
- アレクト・カロー
- ソーフィン・ロウル
- トラバース
- セルウィン
- エバン・ロジエール
- ウィルクス
- クラッブ
- ゴイル
- ノット・シニア
- エイブリー
- ジャグソン
- ギボン
- 「死喰い人/デス・イーター」から脱退したメンバー
- イゴール・カルカロフ
- レギュラス・ブラック
- 「死喰い人/デス・イーター」の主な関係者
- ヴォルデモート卿/トム・マールヴォロ・リドル
- ナルシッサ・マルフォイ
- クィリナス・クィレル
- フェンリール・グレイバック
- スカビオール
- パイアス・シックネス
- 「死喰い人/デス・イーター」の主な被害者
- 魔法族
- ジェームズ・ポッター
- リリー・ポッター
- フランク・ロングボトム
- アリス・ロングボトム
- セドリック・ディゴリー
- チャリティ・バーベッジ
- バーサ・ジョーキンズ
- バーテミウス・クラウチ・シニア
- エメリーン・バンス
- ルーファス・スクリムジョール
- テッド・トンクス
- シリウス・ブラック
- アラスター・ムーディ
- フレッド・ウィーズリー
- リーマス・ルーピン
- ニンファドーラ・トンクス
- マイキュー・グレゴロビッチ
- アルバス・ダンブルドア
- 非魔法族(マグル)
- ピーター・ペディグリュー逃走時の死者12人
- フランク・ブライス
- ハーバート・チョーリー
- ブロックデール橋爆破に巻き込まれた人々 10名程度
- その他
- ヘドウィグ
- ドビー