WOOD JOB!〜神去なあなあ日常〜(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『WOOD JOB!~神去なあなあ日常~』とは、三浦しをんの著書『神去なあなあ日常』を原作として公開された青春映画である。大学受験に失敗した平野勇気は「緑の研修生」という林業研修プログラムのパンフレットを偶然見つける。その表紙の美女に憧れて神去村(かみさりむら)にやってくるが、そこには癖だらけの村人たちが暮らしていた。何度も逃げ出そうとする勇気だったが、次第に林業の魅力にみせられていく。この映画はたくさんの小ネタに笑わせられつつ、森林風景の美しさや人との出会いに感動する物語になっている。

オオヤマヅミ(オオヤマツミ)は日本神話の神の名前で、山をつかさどる神である。林業に携わる者たちからは、自分たちの仕事場である山を守護する神として非常に大切にされる。オオヤマヅミ祭は、そんな山の神をたたえる祭である。

杣人

木こりのこと。木を切り倒して運んだり、材木として加工する人のことをいう。日本での古代や中世からの呼び方である。

山どめの日

山に入ることを禁じられている日のこと。山の神のオオヤマヅミは禁忌に厳しい神とされ、一年のうちのある決まった日に山に入ると、死んでしまったり行方不明になるとされている。そのため、オオヤマヅミをまつる林業に携わる者は、基本的に山どめの日は山に入らないようになっている。

『WOOD JOB!〜神去なあなあ日常〜』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

105年ものの大木を伐る与喜を見つめる勇気

105年ものの大木を伐る与喜(左)

神去村の生活と林業に次第に慣れてきた勇気が、より林業のカッコよさを体感する場面である。普段は凶暴で口うるさい与喜が、真剣な表情で105年もの歳月を生きてきた大木を倒す。そしてその大木が倒れる時の音と振動。それを身を以て体感した勇気は、与喜に対して憧れを抱くようにもなるのだった。そしてこの頃から、勇気自身が「山の男」として成長していくのである。

平野 勇気「帰ってください。帰れってば!!」

「帰れってば!!」と叫ぶ勇気(画像手前の青い上着)

玲奈が所属するスローライフ研究会が村にやってきて、勇気にかけた言葉に反発して発したセリフ。勇気も林業を始めた動機は不純であり、最初はスローライフ研究会のメンバーと同じようなノリで林業をないがしろにしていた。しかし神去村で生活するようになって、次第に林業の大切さや素晴らしさに目覚めていく。そんな中、スローライフ研究会のメンバーが勇気に「人間てどんなとこでも住めるもんなんだね。この人たちがいないと日本の住宅はできないんだから、ホント頭が下がります」などと与喜らをバカにするような発言をした。それを聞いた勇気は「帰ってください。帰れってば!!」とスローライフ研究会のメンバーを追い出す。この言葉をきっかけに、勇気自身、自分が林業を大切に思っていることに気付き、与喜らもそんな勇気を仲間として認めていくのだった。

飯田 与喜「みんなが思うてるより、こいつはちゃんと山の男や!」

祭の打ち合わせの場で、勇気を擁護する与喜

オオヤマヅミ祭の打ち合わせで、村の住民が勇気が祭りに参加することを快く思っていない中、与喜が発したセリフ。与喜も初めは勇気に対して「頼りない」などの悪い印象しかなかった。しかし毎日勇気の一番近くで生活し、スローライフ研究会との一件等を経て、与喜の中での勇気の印象がかなり変わってきていた。そのため、勇気が「よそ者」というだけで祭りに参加できないことに我慢できず「みんなが思うてるより、こいつはちゃんと山の男や!」とはっきりと宣言するのだった。それを隣で聞いていた勇気も、より与喜に対して信頼感を持つのだった。

『WOOD JOB!〜神去なあなあ日常〜』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

木の上でも吹き替えなしの演技

スタントやCGなしの伐採シーン

勇気を演じる染谷将太と与喜を演じる伊藤英明は、林業の仕事をある程度体験してから撮影に入った。チェーンソーの取り扱いや、上空30メートルほどの木の上での演技もアクション吹き替えやCGは使っていない。そのため、美しい神去村や山の風景がよりリアルに感じられるようになっている。映画を観ている人もその美しさに取り込まれ、勇気が林業にのめりこんでいくのも当然と、そう体感できるようになっているのだ。

監督たっての希望だった与喜のキャスティング

与喜を演じる伊藤英明のキャスティングは、当初から矢口監督自らの希望だった。しかし最初は伊藤のスケジュールが合わず、他の役者を探すことになった。それでもやはり与喜は伊藤しかいないと考え、映画の撮影自体を伊藤のスケジュールに合わせることにしたのだった。なぜ伊藤をキャスティングしたかは、まずは伊藤本人のキャラクターが与喜にぴったりだったこと。そして、伊藤の別作品で観た身体能力と肉体美。また、お尻を出せるかどうかだったという。本作のクライマックスにふんどしのシーンがあるので、ふんどし姿が美しいかどうかが非常に大切なポイントだった。

神去村のシーンはフィルム、都会のシーンはデジタルで撮影

フィルムで撮影した方が、草木の湿った質感やゴツゴツした感じなどが出やすい

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