怪物の木こり(小説・映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『怪物の木こり』とは、倉井眉介によるスリラー小説であり、またそれを原作とした三池崇史監督による実写映画作品である。
怪物の仮面を被った男が斧で頭を割り、脳を奪い去るという猟奇連続殺人事件が発生する。そしてその男の次の標的に選ばれたのが弁護士の二宮彰だったが、二宮は冷血なサイコパスだった。次第に脳泥棒の目的と二宮の過去が明らかになっていく。脳泥棒とサイコパスという2人の直接対決が見所の作品。

『怪物の木こり』の概要

『怪物の木こり』とは、倉井眉介によるスリラー小説。第17回『このミステリーがすごい!』で大賞を受賞している。またそれを原作とする三池崇史監督による実写映画作品で、2023年12月1日に劇場公開された。

本作で監督を務めた三池崇史は1960年8月24日生まれの大阪府出身で、バイオレンス作品を多く作り出したことからバイオレンス映画の巨匠とも謳われている。主な監督作品に、『妖怪大戦争』(2005年)、『悪の教典』(2012年)、『ラプラスの魔女』(2018年)などがある。第34回日本アカデミー賞では『十三人の刺客』(2010年)で優秀監督賞を受賞している。

本作の主人公である二宮彰(にのみやあきら)を演じたのは亀梨和也、警視庁のプロファイラーで連続殺人事件を追う戸城嵐子(としろらんこ)を菜々緒が演じ、二宮の婚約者である荷見映美(はすみえみ)を吉岡里帆が演じた。
弁護士をしている二宮彰は、ある日怪物の仮面を被った男に斧で襲われてしまう。しかし殺人鬼を上回るほどのサイコパスだった二宮は男の攻撃を躱し、犯人への復讐を決意する。仮面の男は絵本の『怪物の木こり』に登場する仮面を被っており、斧で頭を割って脳を奪い去るという連続殺人を犯していた。次第に脳泥棒の目的と二宮の過去が明らかになっていく。脳泥棒とサイコパスという2人の直接対決が見所の作品。

『怪物の木こり』のあらすじ・ストーリー

東間事件

静岡県警の刑事である北島信三(きたじましんぞう)は、数十人の部下を引き連れてある洋館に訪れる。北島はその洋館から出てきた男・東間和夫(とうまかずお)に捜査令状を見せて、洋館内に乗り込んだ。そして中にいた東間翠(とうまひすい)に子供たちの居場所を尋ねると、翠は「生きている子供と死んでいる子供どっちよ」と平然と答える。それを聞いた北島は驚いた様子で目を見開いた。
引き続き館内を捜索すると、ベッドの上に絵本を広げて座る子供を見つけた。北島が「この子に何をした」と叫ぶと、翠は笑って「頭の中をいじった」と答えた。さらに部下によって他の子供たちと思われる骨が大量に見つかったため、惨状を知った北島は翠に殴りかかった。すると翠はナイフで自分の首を切って自殺してしまう。その後館からは幼児15人の遺体が発見され、生き残った夫の和夫は裁判で死刑判決を受けるのだった。

サイコパスの弁護士

二宮は連続殺人犯に襲われてしまう。

東間事件から26年が経過した頃、弁護士として活躍する二宮彰(にのみやあきら)は車を走らせていた。すると黒い車が追跡してきたため二宮は自分の車のスピードを上げ、道路に立ち塞がって黒い車を待ち構える。その数秒後、二宮に気付いた車は急ブレーキを掛けてそのまま横転した。そして二宮は横転した車の運転席をのぞき込んで「なぜ付いてきた」と尋ねると、その男は杉谷九朗(すぎたにくろう)の病院に勤める矢部正嗣(やべまさつぐ)だと自分の身分を明かす。矢部の口から、友人の医師・杉谷の名前が出てきたため、二宮は詳細を尋ねた。すると矢部は杉谷と二宮が知り合いである事を突き止め、2人の関係性を探っていたことを話した。二宮はその話を聞いた後に、躊躇無くガラスの破片で矢部の首を切って殺害した。二宮と杉谷は互いにサイコパスであることがきっかけで友人になったため、人を殺すのに慣れていた。

その夜、二宮が駐車場に車を止めて自分のマンションへ向かおうとすると、「お前ら怪物は死ぬべきだ」と怪物の仮面を被った男に言われて斧で襲撃されてしまう。もう少しで完全に頭を割られそうになったが、目撃者の女性の叫びで仮面の男は逃走して二宮は助かるのだった。

しかし頭部に損傷を受けたため杉谷の病院に入院すると、治療をした益子(ますこ)医師から「脳チップ入れてるんですね」と言われて二宮は驚いた。脳チップは麻痺症状やうつ病の緩和などに期待できる医療用のもので30年前に使用禁止となっていることを二宮は思い出したが、今までに脳チップを入れた記憶は無い。しかし病院に騒がれるのを恐れて「そうです、入れたんですよ」と二宮は嘘をついた。
その後杉谷に脳チップのことを話すと、二宮のチップが埋められている場所は脳の倫理・共感を司る所だと発覚する。そして杉谷のパソコンに『怪物の木こり』の広告が表示されているのを見た二宮は、男の被っていた仮面が絵本に登場する怪物だったことに気がついて復讐を誓った。

猟奇連続殺人

品川署では刑事の乾登人(いぬいのぼる)とプロファイラーの戸城嵐子(としろらんこ)が猟奇連続殺人事件の捜査をしていた。犯人は被害者の頭部を損傷させて脳を奪うという猟奇的な行いをしており、1人目の被害者は元ホステスの石川真澄(いしかわますみ)、2人目は逮捕歴がある岩田三郎(いわたさぶろう)、3人目はフリーカメラマンの満田義男(みつたよしお)で、いずれも脳を奪われていた。戸城は被害者たちが児童養護施設出身であることに加えて、皆性格や行動に問題があることを突き止めていた。

一方、二宮は治療に当たってくれた益子医師が二宮の脳チップのことを警察に話す可能性を恐れ、益子医師を別荘に監禁する。そして杉谷と共に拷問を始めたものの途中で気分が悪くなって動けなくなってしまう。そこで二宮に代わって杉谷がスマートフォンで益子医師を殴り殺した。気持ちの変化に動揺する二宮に対し、杉谷は「彰くんの頭にある脳チップが壊れたのかもしれない」と話す。

二宮と事件の繋がり

猟奇連続殺人事件が発生してからしばらくが経ち、戸城は3人目の殺害から何も起きていないのは犯人が第4の殺人に失敗したからではないかと推測する。そこで最近起きた暴行事件を探すと、帰宅途中に何者かに襲われて怪我をさせられたという事件から二宮の名前が浮上したため、戸城は乾と共に二宮の自宅を訪ねた。だが犯人を自分の手で殺したい二宮は「何も覚えていないんですよ」と嘘をつき、戸城たちに情報を与えることはなかった。
戸城はそんな様子の二宮を怪しんで、二宮の入院していた病院に足を運ぶことにした。そこで看護師の見ていない隙を狙って二宮のカルテを盗み見ると、頭のレントゲン画像にチップのようなものがあるのを発見する。その後他の被害者たちを再度調べ直すと、1人目の被害者である石川のレントゲン画像にもチップが写っていた。この共通点から戸城は犯人の目的は脳ではなく脳チップではないかと推理し、脳チップに関連する「東間事件」について再度調べを始めた。東間事件は東間翠と夫の和夫による犯行で、誘拐した子供たちの脳にチップを埋め込み、サイコパスに変える手術をしていたことを戸城は知る。今回の連続殺人と東間事件に関わりがあることを確信した戸城が捜査本部の広瀬秀介(ひろせしゅうすけ)係長に報告すると、広瀬は「被害者は皆、東間事件の生き残りかもしれない」と呟いた。

そして戸城が東間事件についてより詳しく調べると、生き残った被害者の1人に剣持武士(けんもちたけし)という人物がいることを発見する。剣持は、かつて妻の剣持咲(けんもちさき)を保険金目当てで殺害した容疑者として疑われていた。そしてその当時の捜査を担当したのが乾刑事だったが、剣持は証拠不十分で逮捕に至らなかったという。乾は不起訴になった剣持に怒りが抑えられず、その当時彼を殴ってしまったと戸城に話した。その後戸城は次の犯人の標的が剣持ではないかと睨み、剣持を保護しようと本人を訪ねたが彼は「犯人が来たら逆に俺が返り討ちにしてやる」と言い、警察の保護を頑なに拒否するのだった。

サイコパス同士の対決

二宮は脳チップと今回の連続殺人から東間事件にたどり着き、婚約者の荷見映美(はすみえみ)と共に自分の育った児童養護施設を訪れることにした。職員と幼少期について話をしたもののたいした情報は得られなかったが、荷見が施設の子供たちと童謡を歌う姿を見て二宮はわけも分からず自然と涙を流していた。
その夜二宮は、弁護士事務所を経営していた荷見の父親の地位を奪うために彼を突き落としたビルの屋上に向かった。荷見は「父を悼んでくれてありがとう」と二宮に言う。

そして数日後、二宮の元に突然荷見が監禁されている写真と「ここにこい」というメッセージが送られてきた。二宮が急いで指定された場所に行くと、そこには怪物の仮面を捨てた剣持の姿があった。剣持は乾に殴られた時の衝撃で脳チップが壊れて本来の性格に戻ったという。その後妻を殺した罪悪感から逃れるために、サイコパスになった他の者たちを「この世に存在するべきではない怪物」として殺害しようと計画したと語り始めた。続けて剣持が「お前も人を殺してきただろう」と言うと、二宮は荷見の父親を殺したことを告白した。その後二宮は剣持の持っていた斧を奪い取り、剣持に致命傷を負わせて荷見を救い出すことに成功した。

二宮の選択

剣持が連続殺人の犯人だと分かってから数日後、二宮は杉谷に脳チップの交換を提案されたが怪物には戻らないという決意をして杉谷の提案を断った。

その後二宮は荷見と会って父親の件を謝罪するが、二宮を許すことができなかった荷見によって脇腹をナイフで刺されてしまう。すると二宮は「これで正当防衛になるから」と荷見の首を絞めて跡をつけ、彼女を逃がした。その場に倒れ込んだ二宮は、そのまま息を引き取ったのだった。

『怪物の木こり』の登場人物・キャラクター

主要キャラクター

二宮彰(にのみやあきら/演:亀梨和也)

主人公の弁護士。幼少期に誘拐され、東間夫妻の人体実験により脳チップが埋め込まれた過去がある。荷見の父親や矢部を何のためらいも無く殺すサイコパスだったが仮面マスクの男に襲撃された衝撃で脳チップが壊れ、サイコパス傾向が薄れていった。荷見が仮面マスクの男に拉致された時に彼女を救い出したが、その後荷見にナイフで刺されて命を落とした。杉谷とは同じサイコパス仲間で、友人である。

荷見映美(はすみえみ/演:吉岡里帆)

二宮の婚約者の女性で、舞台女優をしている。何かと二宮を気に掛けており、入院している二宮のお見舞いに行ったり、一緒に二宮が育った児童養護施設に訪れて子供たちと童謡を歌ったりした。その後仮面マスクの男に拉致されるが、二宮によって助けられる。父親を転落事故で亡くしているが、父親が命を落とした原因が二宮によるものだと分かってから彼をナイフで刺し殺した。

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ザ・トラベルナース(ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ

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『ザ・トラベルナース』とは、テレビ朝日にて放送された、トラベルナースを主人公とした医療ドラマ。コロナウイルスによるパンデミックや高齢化社会における看護がテーマとなっている。 アメリカ帰りの那須田歩はさまざまな街を渡り歩き、医療現場を改革していくトラベルナースである。その相棒は伝説の看護師・九鬼静。2人は良きパートナーとして、勤務先である天乃総合メディカルセンターに変革を起こす。 テレビ朝日の大ヒットシリーズ『ドクターX ~外科医・大門未知子~』の産みの親である中園ミホが脚本を担当している。

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ブラッシュアップライフ(ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ

ブラッシュアップライフ(ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ

『ブラッシュアップライフ』とは、2023年1月に日本テレビで放送されたタイムリープ系ヒューマンコメディドラマである。脚本はバカリズム。主演は安藤サクラで、夏帆や木南晴夏などが出演する。市役所に勤務する近藤麻美は、ある時交通事故に遭って、33歳で亡くなってしまう。しかし死後の世界の受付で、来世でオオアリクイへの転生を告げられた麻美は徳を積んで再び人間に生まれ変わるために、赤ん坊から人生をやり直すこととなる。本作はザテレビジョンドラマアカデミー賞などで、多数の賞を受賞し高く評価された。

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硫黄島からの手紙(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

硫黄島からの手紙(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『硫黄島からの手紙』とは、アメリカ合衆国で製作された戦争映画。太平洋戦争末期の日本軍司令官、栗林忠道が家族に送った『「玉砕総指揮官」の絵手紙』に基づいており、クリント・イーストウッドが監督を、アイリス・ヤマシタが脚本を務めた。前作のアメリカ側からみた硫黄島での戦闘を描く、『父親たちの星条旗』と対をなす『硫黄島2部作』の日本側作品。2006年に発見された兵士たちの手紙から始まり、1944年当時の硫黄島守備隊の玉砕までの日々を陸軍一等兵西郷や守備隊指揮官栗林中将の目線から描いている。

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リバーサルオーケストラ(ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ

リバーサルオーケストラ(ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ

『リバーサルオーケストラ』とは、2023年1月期の日本テレビ系「水曜ドラマ」枠で放送されたテレビドラマである。主演は門脇麦、他主要人物として田中圭、生瀬勝久らが出演。元天才バイオリニストの谷岡初音は表舞台から去り、今は市の職員としてひっそりと暮らしていた。ある日、マエストロとして活躍中の市長の息子・常葉朝陽によって、地元のポンコツ楽団・児玉交響楽団のメンバーにさせられる。楽団を立て直すため奔走する初音と朝陽、また2人を取り巻く個性豊かな楽団メンバーが織りなす音楽エンターテインメントである。

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バクマン。に登場する物語・作中作・劇中劇・連載まとめ

バクマン。に登場する物語・作中作・劇中劇・連載まとめ

『バクマン。』とは、原作・大場つぐみと作画・小畑健による少年漫画作品。2010年にNHK教育テレビにてアニメ化された。 絵の才能を持つサイコーこと真城最高(ましろ もりたか)と、文章に長けた秀才のシュージンこと高木秋人(たかぎ あきと)がコンビを組み、『週刊少年ジャンプ』で売れっ子の漫画家になるべく研鑽するサクセスストーリーだ。 作中では主人公たちが描く漫画の他に、多くのライバル、仲間たちが作り出す多種多様な漫画が登場する。

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バクマン。の名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

バクマン。の名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

『バクマン。(Bakuman.)』は週刊少年ジャンプで2008年から2012年まで連載していた漫画作品である。ジャンプで連載マンガ家を目指す中学3年生の真城最高と高木秋人は、ヒロインの亜豆美保と真城の「描いたマンガがアニメになり亜豆がそのヒロインの声優をやる」との約束をお互いの夢として努力を続ける。夢・友情・青春に関する数多くの名言が連載終了後も作品の魅力として語られ続けている。

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