スマホを落としただけなのに（小説・映画）とは【ネタバレ解説・考察まとめ】
『スマホを落としただけなのに』とは、志駕晃（しがあきら）のミステリー小説および、中田秀夫が監督を務めたミステリー映画である。原作は第15回『このミステリーがすごい!』大賞で最終候補に残った人気シリーズだ。賞には落選したが、編集部推薦の「隠し玉」としてシリーズ化され、全3巻が刊行された。
主人公の麻美の彼氏である富田がスマホを落とした日から、麻美の周囲で不可解な出来事が起こり始める。やがて事態はネットに留まらず連続殺人事件、そして麻美の秘密をも暴いていくことになる。
登場人物それぞれに垣間見えた過去
本作では、主人公の麻美や犯人の浦野の過去が表立って描かれている。
しかし、実は作中のあちこちで他の登場人物の過去も垣間見えるのだ。
例えば、容姿端麗でエリートなみんなの憧れの先輩である武井雄哉は、実は無類の女好きであったなど。
本作では表現されなかった秘密は、原作で深く表現されている。
原作を見たうえで、本作を観るとまた違った見方ができる。
中田秀夫監督ならではの表現
『スマホを落としただけなのに』の監督は有名なホラー映画『リング』の監督を務めた中田秀夫が担当している。
『リング』といえば、黒いロングヘアーに白いワンピースの「貞子」。
実は本作での犯人も、白いサマードレスに黒いロングヘアーのかつらをかぶっている。
これは原作にはない表現だ。
中田監督の考えで、こういう表現をすることになったそうだ。
中田監督といえば、『リング』の前作『女優霊』でも同じスタイルの幽霊が登場している。
北川景子にアン・ハサウェイ風演技を指示
監督から、主演の北川景子に出ていた指示が「アン・ハサウェイのようにお願いします」だった。
監督曰く、ハリウッド映画のように始めてみたかったとのこと。
指示を受けた北川景子もノリノリで楽しんで演じていたようだ。
『スマホを落としただけなのに』の主題歌・挿入歌
主題歌：ポルカドットスティングレイ「ヒミツの秘密」
ポルカドットスティングレイ「ヒミツ」
この楽曲は、本作の内容にリンクしたものとなっており、本作はスマホを通して出演する人のそれぞれの秘密が暴かれていくといったものだった。
「ヒミツ」はそういった人々が持つ秘密に焦点を当てた歌詞となっている。
そのMVでは、ヒロインの雫が自分と結ばれていた赤い糸をたどると、不気味な男と繋がっていて、その男から逃げる様子が描かれている。
最終的には、スマホを壊すことで相手との糸が切れて男が消える。
男の正体は、スマホを通してストーカーをしていた犯罪者だったのだ。
この映画あってこそのこの曲、この曲あってこそのこの映画だ。
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目次 - Contents
- 『スマホを落としただけなのに』とは
- 『スマホを落としただけなのに』のあらすじ・ストーリー
- 知らない男
- 麻美の周りで起こる不可解な出来事
- 同時進行する連続殺人事件
- 交錯する2つの事件
- 麻美の秘密
- 再び結ばれた愛の絆
- 『スマホを落としただけなのに』の登場人物・キャラクター
- 主人公
- 稲葉麻美（いなば あさみ／演：北川景子）
- 主人公の関係者
- 富田誠（とみた まこと／演： 田中圭）
- 浦野善治（うらの よしはる／演：成田凌）
- 武井雄哉（たけい ゆうや／演：要潤）
- 杉本加奈子（すぎもと かなこ／演：高橋メアリージュン）
- 山本美奈代（やまもと みなよ／演：桜井ユキ）
- 連続殺人事件の犯人を追う刑事たち
- 加賀谷学（かがや まなぶ／演：千葉雄大）
- 毒島徹（ぶすじま とおる／演： 原田泰造（ネプチューン））
- 富田の関係者
- 小柳守（こやなぎ まもる／演：バカリズム）
- 天城千尋（演：筧美和子）
- 事件の関係者
- 大野俊也（演：酒井健太（アルコ&ピース））
- 宮本まゆ（演：松山愛里）
- 池上聡子（演：岩井堂聖子）
- その他のキャスト
- 北村匠海（役名なし）
- 『スマホを落としただけなのに』の用語
- クラッカー
- ランサムウェア
- 『スマホを落としただけなのに』の名言・名セリフ／名シーン・名場面
- 浦野「同じ種類の人間」
- 『スマホを落としただけなのに』の裏話・トリビア・小ネタ／エピソード・逸話
- 登場人物それぞれに垣間見えた過去
- 中田秀夫監督ならではの表現
- 北川景子にアン・ハサウェイ風演技を指示
- 『スマホを落としただけなのに』の主題歌・挿入歌
- 主題歌：ポルカドットスティングレイ「ヒミツの秘密」