ウルトラマン/リピア(シン・ウルトラマン)の徹底解説・考察まとめ
ウルトラマン/リピアとは、『シン・ウルトラマン』の登場人物で、同作の主役でもある巨大人型外星人。ウルトラマンは地球でつけられた名称で、リピアが同族間で用いる本名である。
禍威獣の出現に合わせて地球に来訪し、外星人の遺物であるこれらを撃破する。しかし初戦闘時にアクシデントから禍特隊の神永新二の命を奪ってしまい、“肉体を融合する”という方法で彼を救う。その後は普段は神永として行動しつつ、彼が見せた「自分より弱い者を命懸けで守る」という行動の意味を調べ、地球人について学んでいった。
ウルトラマン(リピア)のプロフィール・人物像
身長:60m
体重:2900t(地面に残された陥没痕から推定した数値)
出身地:光の星
CV:高橋一生
ウルトラマン/リピアとは、『シン・ウルトラマン』の登場人物で、同作の主役でもある巨大人型外星人(がいせいじん)。ウルトラマンは地球でつけられた名称で、正式には「巨大人型生物ウルトラマン」。リピアは同族間で用いる彼個人の本名である。『ウルトラマン』シリーズに登場するウルトラマンとは名前以外に関連性が無く、世界観レベルで別の存在となっている。
外見はそのウルトラマンに似ているが、よりスマートなスタイルであることと胸にカラータイマーが無いことが特徴。地球での初戦闘時は全身が銀色だったが、2回目以降の戦闘ではお馴染みの赤いラインが入り、力を消耗するに従いこれが緑色になっていくようになった。
謎の巨大敵性生物禍威獣(かいじゅう)の出現に合わせるように宇宙から飛来し、圧倒的な力でこれらを撃破する。実は禍威獣とはどこかの外星人が人類発祥以前に地球に不法投棄していった生物兵器で、それらが再起動したことに気付き、地球の未熟な生命体が死滅することを防ぐのが地球を来訪した目的だった。もともとリピアの出身地である光の星は、外星人の中でも屈指の戦闘力と高い科学力を持ち、全宇宙で確認されている130億もの知的生命体の調停者として活動していたようである。
しかし初戦闘時にアクシデントから禍特隊こと禍威獣特設対策室専従班の神永新二(かみなが しんじ)の命を奪ってしまい、その際に彼が見せた「自分より弱い者を命懸けで守る」という行動に興味を抱き、“肉体を融合する”という方法でこれを救う。その後は普段は神永として行動しつつ、地球とそこに生きる人々について学び、良い面も悪い面も含めてこれを愛するようになっていった。
初戦闘時とそれ以降で顔の造詣が変化しており、これは神永との融合の影響によるもの。原作に当たる『ウルトラマン』でも、ウルトラマンのマスクは2種類採用されており、これを演出の形で再現したものとなっている。
シン・ウルトラマン(映画)のネタバレ解説・考察まとめ - RENOTE [リノート]
renote.net
『シン・ウルトラマン』とは、脚本・庵野秀明、監督・樋口真嗣による、人類のために戦う異星人ウルトラマンと、その周囲の人々の活躍を描いた映画作品。日本を代表するクリエイターによる伝説的な特撮作品のリブートということで、公開前から大きな話題となった。
突如日本に出現し始めた巨大生物、禍威獣。その脅威に対抗するため結成された禍特隊の前に、銀色の巨人が現れる。ウルトラマンと名付けられたその巨人は禍威獣から人々を守るように振る舞い、禍特隊がその謎を追う一方、地球にはかつてない危機が迫っていた。
ウルトラマン(リピア)の能力・必殺技
スペシウム133という物質をエネルギー源としており、これを用いて強烈無比な光線を放ち、自在に空を飛ぶことができる。拳の一撃で禍威獣を絶命させるなど、格闘戦闘力もすさまじい。神永との融合中は、力の大半をマルチバースに格納しており、ベーターカプセルという装置でこれを取り出して本来の姿へと変身する。
スペシウム光線
手首と手首を合わせ、十字にした腕から放つ破壊光線。その威力は山体をいくつも貫いてプラズマ化させるほどのもので、光を透過することで光線の力そのものを和らげようとした禍威獣ネロンガをもたやすく撃破した。
ウルトラマンの代表的な必殺技だが、作中で怪獣へのトドメとして使われたのは初戦闘の時のみである。
八つ裂き光輪(やつざきこうりん)
円形にした光線を投げつけ、敵に斬撃を食らわせる技。投擲すると同時にプラズマのようなもので不可視の刃が広がるのか、ウルトラマンを人間大にして考えると幅広の帽子ほどのサイズながら、まともに食らった外星人ザラブを縦に真っ二つにするほどの切れ味を誇る。
殺傷力でいえばスペシウム光線を上回るウルトラマンの切り札だが、それだけに一定以上の実力者からは警戒されており、メフィラスには「刃の無い真横部分を叩いて弾き飛ばす」という方法で防がれている。
ウルトラマン(リピア)の来歴・活躍
神永との融合
全宇宙に存在する130億もの知的生命体の調停者、「光の星」の戦士として活動。その絶大な力で宇宙の秩序を守り続ける。
ある時、未熟な知的生命体しか存在しないはずの地球にて、外星人の生物兵器が何体も稼働していることが確認される。これは地球にまだ知的生命体が生まれる以前に、どこかの外星人が不法投棄していったものが再起動した個体と思われ、放置すれば地球の生物は死滅する可能性が高かった。
このためリピアは単身地球に赴き、地球人たちに禍威獣と名付けられた外星人の生物兵器を撃破する。しかしこの時、着地の際の衝撃波に地球人の神永新二が巻き込まれてしまい、咄嗟に子供を庇った彼は頭に瓦礫の直撃を受けて絶命。これに責任を感じ、また神永の「自分より弱い生き物を守るために命を懸ける」という行動に興味を抱き、“肉体を融合させる”という方法で彼を救う。
地球人という生き物
神永は禍威獣対策を専属に行う禍威獣特設対策室専従班(以下禍特隊)というチームの一員で、自分の中で眠りにつく彼の代わりに、この組織の中での活動を開始する。その中で「人間とはどういう生き物なのか、なぜこの男は自分より弱い生き物を己の命を犠牲にしてまで咄嗟に庇ったのか」を知ろうと様々な書物を読みふける。個々が極めて強力な上、地球人を遥かに超える知性を持つリピアたちにとって、「自分の命を犠牲にしてでも自分より弱い生き物を救ったところで、自分無しでその弱い生き物が次の危機を乗り越えられる可能性は低いのだし、無意味なのではないか」という論理的な結論が当たり前で、神永の行動の意味が分からなかったのである。
しかし突如中身がほぼリピアになった神永のことを、禍特隊のメンバーは「前から変わり者だったが、最近はそれ以上におかしい」と不思議がるようになり、特にウルトラマンの調査のために新たに加わった浅見弘子(あさみ ひろこ)はそれを遠慮なくリピアに告げた。彼女の言葉や振る舞いから、リピアは次第に地球人というものの在り方を、個々が弱いからこそ“群れ”という社会を作って生きていく生き物であることを学んでいく。
この頃、禍特隊にザラブという外星人が接触。「地球にとって人類は害悪でしかない」という思想の元、害獣駆除として人類の殲滅を画策する。そのための障害となるウルトラマンを排除するため、神永の状態のリピアを捕らえて監禁してしまう。しかしリピアはこうなることを見越して、「彼らが“弱いからこそ手を取り合う生き物”であるなら、自分が助けを求めていることにも気付くはずだ」と事前に浅見に変身用のアイテムであるベーターカプセルを預けていた。
この時点で神永こそがウルトラマンであることを知った禍特隊の面々は、彼を救出するべく行動を開始。リピアの意図を見抜いて彼にベーターカプセルを届ける。地球人という生き物の本質を学んだリピアは、本来の力を開放してザラブを打ち倒すのだった。
メフィラスとの対峙
神永の「自らを犠牲にしてでも弱い生き物を救う」という行動の意味を学んだリピアだったが、そんな彼と禍特隊の前に次なる敵が現れる。そのメフィラスという外星人は、「これからも禍威獣と外星人はいくらでも現れる。地球人自体がそれに対抗する術を持たねばならない」と言葉巧みに政府高官に働きかけ、自らの技術供与を受けるように勧める。しかし彼の真の目的は、地球人を生物兵器に仕立て上げ、それを商品として売りさばくことにあった。地球人には、ともすれば光の星の戦士にも匹敵しうる強力な兵器としてのポテンシャルがあったのである。
リピアは「地球人自体が脅威に対抗する術を持たねばならない」というメフィラスの意見を否定しない一方、彼がその正論を利用して自分の邪悪な目的を果たそうとしていることを糾弾。対してメフィラスは自分の計画には地球人側にも大きなメリットがあることを主張し、そもそも未熟な知的生命体(ここでいう地球人)にあまりに深く肩入れすることは光の星の掟にも反することではないのかと指摘する。リピアは「これは自分ではなく、自分と共にある神永の意志だ」と反論し、2人の話し合いは決裂する。
日本政府はメフィラスからの技術供与を受け入れ、大々的に式典を開く。リピアは協力を要請した禍特隊の面々と共にここに乗り込み、メフィラスが用意したベーターボックスを奪取する。これはリピアの持つベーターカプセルと同じく、マルチバースとの連絡路を開くための道具で、メフィラスが譲渡する技術の中でも中核となるものだった。
外星人としての姿を露わにし、ベーターボックスを取り返さんとするメフィラス。これを迎え撃つリピア。両者の力はほぼ互角だったが、神永と融合した結果地球上でのエネルギー消費が激しいリピアの方が先に消耗して追い詰められる。しかし、光の星の戦士であるゾーフィが自分たちの戦いを見ていることに気付いたメフィラスは、「ゾーフィがここに来ているということは、光の星は地球を滅ぼすことを決定したのだ」と察してこれ以上の戦闘が無意味であると判断。人類から手を引くことを約束し、それを信じたリピアからベーターボックスを回収すると、おとなしく地球を去っていった。
最後の戦い
メフィラスが見立てた通り、ゾーフィは「地球人を滅ぼす」という意志を持って地球にやってきていた。メフィラスが見出した“地球人の生物兵器としての可能性”が、全宇宙の秩序を根幹から揺るがしかねないというのがその理由であり、調停者を自称する光の星としては見逃してはならない事態だったのである。
リピアはこれに反発し、「地球人は決してただ悪しき目的に使われるだけの生物兵器にはなりえない」と主張するも、ゾーフィは「全宇宙130億の知的生命体が1つ減るだけだ」と取り合わず、天体制圧用最終兵器ゼットンを起動する。それは一兆度というすさまじい火球を放つことで、星系をまるごと消滅させる恐るべき兵器だった。地球とそこに住む全ての命を救うため、リピアは禍特隊に全てを明かした上で火球のチャージを進めるゼットンに挑むも、スペシウム光線も八つ裂き光輪もまったく効果が無く、成す術もなく敗北する。
しかしリピアがわずかな希望と共に託したベーターシステムのデータを禍特隊と世界中の科学者が解析した結果、「ベーターシステムの応用で、ゼットンを火球を放つ直前にマルチバースへと追放する」という攻略法があることが判明。これが実行できるのはリピアだけであり、彼を犠牲にするしかないのかと禍特隊の面々は悩む。しかし意識を回復したリピアはこの無謀な作戦の実行役となることを快諾し、禍特隊の面々に「必ず帰る」と約束して再びゼットンに挑む。
作戦は成功し、自らの火球の威力でゼットンは破壊されるも、リピアもまたマルチバースに取り残される。火球の爆発に巻き込まれて命尽きかけるリピアだったが、なお生きることを諦めないその意志をゾーフィが感じ取り、彼によって回収される。ゾーフィはゼットンが破壊されたことに驚き、それを成した地球人の叡智と、彼らのために命をも懸けたリピアに脱帽。地球人を滅ぼそうとしたのは誤りだったと認める。
地球人にあまりに肩入れするのも彼らのためにならないとゾーフィは言葉を続けて、リピアに自分と共に光の星に帰るよう命じる。可能であれば地球に留まり、これからも現れるだろう禍威獣や外星人から地球人を守りたいと願うリピアだったが、それが叶わないのであればと「自分の命を神永に与えてほしい」とゾーフィに頼み込む。それは神永の命を奪ってしまったことへの償いであり、地球人という素晴らしい生き物の在り方を教えてくれた彼への敬意だった。
ゾーフィはこれを受け入れ、神永は禍特隊の面々の下に帰還。地球のために戦い抜いたリピアは、ゾーフィと共に光の星へと去っていくのだった。
ウルトラマン(リピア)の関連人物・キャラクター
神永新二(かみなが しんじ)
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