いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう（いつ恋）のネタバレ解説・考察まとめ

『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』の用語

春寿の杜

杉原音が上京後、働きはじめる介護施設。春寿の杜を含む複数の介護施設を井吹征二郎が経営している。
伊吹征二郎の長男の伊吹和馬は社長室勤務で父と行動を共にしている。
次男の伊吹朝陽は、春寿の杜でスタッフとして働いていたが、兄、和馬の異動で社長室勤務になる。

柿谷運送

東京にある小さな運送会社。
女社長の柿谷嘉美が社員をまとめあげ、切り盛りしている。
曽田練、佐引穣次、加持登が働いている。

福島県会津地方

福島県会津地方は、福島県のなかでも新潟寄りの地域を指す。福島県のなかでも特段、降雪量が多い。
曽田練、市村小夏、「柿谷運送」の先輩・佐引穣の出身地。会津には、曽田練の祖父が住んでいる。第5話では、佐引穣と曽田練が福島県で有名な食べ物や観光名所の名前を挙げ、地元の会津を懐かしむシーンがあった。

東日本大震災

2011年3月11日、東北地方太平洋沖地震の発生によって引き起こされた大規模な地震災害。東北地方を中心に、マグニチュード9.0、宮城県では最大震度7を観測した。

スマートリクルーティング

東日本大震災から5年後の2016年、曽田練は東京で「スマートリクルーティング」のマネージャーとして働く。低賃金で違法な雇用条件だとわかっていながら、ネットカフェなどに寝泊まりする生活困窮者に仕事を斡旋していた。

『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』の名言・名セリフ／名シーン・名場面

音の亡き母「いつかたった一人の人に出会えるといいね」

音の母親は、27歳の若さで亡くなる。病室で、自分に残された時間はわずかだと感じながら、当時幼かった音へ書いた手紙。
音は亡き母からの手紙をいつも大切にしている。この手紙が、音と練が出会うきっかけになった。
ドラマ終盤では、恋人の朝陽からのプロポーズに答えが出せず、気持ちに迷いがあった音が手紙を読み返すシーンがある。

「音へ
今、真夜中の二時を少し回ったところです。今が最後のチャンスかと思って便箋とペンを借りました。もうあまり字が上手に書けなくて恥ずかしいけど。便箋を光にすかすと、小さな花びらが浮かびます。素敵でしょ？
音、お母さんはそろそろいなくなります。あっという間だったね、時間が足りない。まだ、何にも出来てない、まだ死ねない。あなたを、ひとり残してしまうの。音、あなたを父親のいる子にしてあげられなかったこと、何度後悔しても足りません。お母さんはもう、髪をむすんであげることができません。それでもお母さんは、あなたを生んでよかったと思っています。

あなたはとても質問の多い子だった。
「なんで水はぬれるの？」「髪の毛はどんどん伸びるのに、なんで眉毛はちょうどでとまるの？」「どうしてさみしい気持ちはあるの？」

あなたには絵本が必要なかった。自分で作った物語を、私に話してきかせながら眠りにつくから。
歩くのが速い私のあとを、「大丈夫や」そう言ってついてくる小さいあなたを見ていていつも思いました。
「この子には人生を切り拓く強い力がある。」

音、たくさんの人に出会ってね。自由に見て、自由に話して、好きなように生きて。それはあなたが心に持って生まれた大切な宝物だと思う。
あなたはいつか学校に行って、友達をつくるのかな？中学生になって高校生になって誰かを好きになるのかな？どんな恋をするんだろう。
恋をすると、うれしいだけじゃなくて、切なくなったりするね。

きっと人が寂しいって気持ちを持っているのは誰かと出会うためなんだと思います。
時に人生は厳しいけど、恋をしている時は忘れられる。恋をして、そしていつかたった一人の人に出会えるといいね。
その人はきっとあなたの質問に答えてくれる、あなたの物語を聞いてくれる、あなたが生まれたことを喜んでくれる。

「ブドウの花は葡萄の味がする」
「バナナの花はバナナの味がする」

愛するって、心から心へと残していくことだと思う。音が笑ってる時、お母さんも笑ってる。音が走ってる時、お母さんも走ってる。
大好きなわたしの娘、大好きな音、愛しています。どうかしあわせに。
母より」

いつも音を気にかけていた朝陽

高熱で倒れた音を医務室へ運ぶ朝陽。
本社から派遣され春寿の杜で働くことになったときから、音を気にかけ好意を寄せていた。
音は、朝陽が認知症ケア専門士を目指していることを知る。
認知症の症状がでていた利用者に声をかけ続ける朝陽と行動を共にし、朝陽から介護の仕事について多くのことを学ぶ。
その後、音は介護福祉士の資格を取り介護の仕事を誇りに思いながら働くようになる。

日向木穂子「練、あなたと付き合いたい。あなたを恋人だと思いたい」

職場の上司と不倫関係にありながらも、恋人のように大切にやさしく接してくれる練に甘えていた木穂子。
練に「もう、俺だけをみてほしい。付き合おう」と告白された日、木穂子は不倫関係にある恋人と別れることを決めた。
ブランド品で身を包み、広告代理店で企画の仕事をしていると練に話していた木穂子。その姿は偽った自分の姿で、そうするしかなかったことを電話で打ち明ける勇気がなかった木穂子は、練にメールで嘘をついていたことを打ち明ける。

「電話だと勇気がでなかったのでメールします。あのね。私、練にたくさん嘘をついていました。
広告代理店というのは本当だけど、私の仕事はデスクの事務です。みんなからは親しみをこめて日陰さんと呼ばれています。練に会いに行くとき私は駅のトイレで着替えています。トイレの鏡でお化粧しています。日蔭さんから陽向さんに変身します。同級生が両親の笑顔をみて”何かのアニメのねずみの笑い方に似てるね。”と言いました。私は人前で笑うのを辞めました。

私は新しいペンを買ったその日からそれが書けなくなる日の想像をしてしまう人間です。誰にとっても特別な存在になれないのならはじめからそのつもりで付き合えばいい。そうして出会ったのがいまの恋人なんです。なにも期待せず望まずにいれる関係。

私は朝起きると、まず初めに今日一日を諦めます。だけどきっと心のどこかであきらめが足りなかったのでしょう。練に助けられたときずっとこのまま抱きしめられていたいと思いました。

本当の自分を見られるのが怖いからたくさん嘘をつきました。あなたの前でもう一人の自分になれることがうれしかった。陽向木穂子でいられることがうれしかった。私、笑える。ねずみの顔じゃなく、笑える。だけどいつでもあなたと別れられるように、夢からさめられるように保険をかけていたんです。

でももうそれもやめにします。練、あなたと付き合いたい。あなたを恋人だと思いたい。買ったばかりの新しいペンで思う存分あなたを好きだとつづりたい。いまから彼に別れを告げてきます。もう駅のトイレで着替えるのを辞めます。地味な私を見たら驚くかもしれないけど、その子が本当の私です。」

木穂子は恋人に別れを告げに行き、頭を打ってしまい病院に運ばれる。木穂子は練にもう恋人とは会わない約束し、交際をはじめた。

『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』の裏話・トリビア・小ネタ／エピソード・逸話