Fate/Zero(フェイト ゼロ)のネタバレ解説・考察まとめ
『Fate/Zero』とはニトロプラスの虚淵玄の伝奇ライトノベル、及びそこから派生したアニメと漫画作品である。
「聖杯」と呼ばれる万能の力を持った杯を巡り、7人の魔術師(マスター)と7騎の英霊(サーヴァント)が戦い、競い合う「聖杯戦争」を描いた物語で、アニメは2011年1月から第1期が全13話、2012年4月から第2期が全12話構成で放送された。
これに対し、自分のプライドを傷つけられたことに逆上したウェイバーは令呪を使おうとするが、こんな初っ端から貴重な令呪を使うことに何の意味があるのかと思い留まった。気持ちを入れ替え、聖杯さえ手に入れればそれで構わない、と仕切り直した後、自分と共に戦えるサーヴァントとして信頼できるかどうか、その力を見せてみろと言う。
ライダーは、剣を掲げて雷雲を呼ぶと共に、自らの宝具である巨大な戦車「神威の車輪」を召喚する。その戦車と、戦車を牽引する2頭の牛の神々しさと威容さに再び気圧され、ウェイバーは彼こそがあの伝説の征服王イスカンダルだと悟った。そしてこの瞬間から、ウェイバーとライダーの凸凹コンビは誕生し、前途多難な雰囲気だがどこか憎めない二人の戦いは始まっていくのである。
殺人快楽者コンビの誕生(2話)
人間の生と死に強い興味を持ち、それを追求するために夜の街で殺人を繰り返していた龍之介は、悪魔召喚の儀式に興味を持地、それを新たな殺しの手段として実行する。死体だらけの部屋の中、悪魔への手土産として一人だけ生かした子供の恐怖の顔を面白がりながら儀式を進めていたその時、突如として龍之介の手の甲に令呪が現れ、キャスターが召喚される。
部屋の中央に描いた魔法陣の中から現れたキャスターにポカンとしながらも、彼に名前を聞かれてとりあえず自己紹介をした龍之介は、「お近づきにご一献どうデスか。アレ、食べない?」と、子供をご馳走としてキャスターに薦める。するとキャスターは、宝具である魔導書を取り出し、それを開いてページを捲りながら何らかの呪文を唱えた後にすぐに閉じてしまう。
その行動の意味に龍之介が理解できないでいると、キャスターはわざと子供を縛っていた縄を解いて、そこから振り向かずに出口へ向かえと言う。子供が言われた通りに部屋に出た瞬間、キャスターが召喚していたと思しき魔物が背後から襲いかかり、物凄い勢いで子供を2階へ引き摺りこみ、無残に食い殺してしまった。
そんな子供の断末魔を音楽のように恍惚とした表情で聞き入った後、キャスターは龍之介に「恐怖というものには鮮度があります。怯えれば怯えるほどに、感情とは死んでいくものなのです。真の意味での恐怖とは静的な状態ではなく変化の動態――希望が絶望へと切り替わる、その瞬間のことを言う」と語った。
キャスターはあえて子供を解放し、助かる希望という名の餌をちらつかせた後、絶望という名のどん底に突き落とすという独特の殺しの手法にして美学を龍之介に披露してみせたのだ。この台詞に龍之介は、「Coooooooool!! 最ッ高だ!! 超COOLだよアンタ!!」と、狂喜乱舞して、もっと最高の殺しっぷりを魅せてくれと懇願する。この龍之介の言葉に、理解あるマスターを得られたことにキャスターも喜び、彼と共にジャンヌ・ダルクの復活という悲願を果たすための儀式として、後に多くの子供たちを標的とした凶行に染めていくようになる。こうした殺人鬼と狂気の魔術師という異色の組み合わせの誕生は、原作において最も多くの注目を集めた名場面のひとつとして現在でも評判となっている。
倉庫街の激闘(4〜5話)
冬木市の倉庫街でランサーと遭遇し、激闘を繰り広げるセイバー。その最中で、ケイネスの命令で赤の長槍「破魔の紅薔薇」の封印を解除しての猛攻をかけてきたランサーに対し、セイバーは胸の鎧を解除して身軽になり、その早さと勢いに乗って反攻に打って出るが、逆に同じく封印を解除した黄の短槍「必滅の黄薔薇」の奇襲攻撃を受ける。
ギリギリのところで回避したセイバーだが、左腕の腱を切られてしまい、さらに黄の短槍の力によってアイリの治癒がきかず、親指を動かせない状態にされてしまう。しかしセイバーは長槍と短槍、そして右目の泣き黒子からランサーの正体を看破する。そしてランサーもセイバーの剣を覆う風の鞘「風王結界」の中に垣間見た黄金の聖剣から、彼女の正体があの伝説のアーサー王であることに気づいた。
こうして、互いの実力と正体を見切れたところで、心置きなくさらなる勝負を楽しめることに、セイバーとランサーは胸を高鳴らせる。「覚悟しろセイバー…次こそは取る!」「それは私に取られなかった時の話だぞ、ランサー!」互いに啖呵を切りあった後に攻撃に出ようとしたその時、どこからともなく雷鳴と雄叫びが轟き渡り、戦車に乗ったライダーが乱入してきた。
派手な乱入と名乗りをあげたライダーは、セイバーとランサーに自分の軍門に下って聖杯を譲る気はないかと言い出す。もちろん、セイバーとランサーはそれを承諾するわけがなく、むしろ決闘を邪魔されたことに立腹する。その時、この様子を見ていたケイネスが、不敵な笑みを浮かべてウェイバーにこう呼びかけた。
「一体何を血迷って私の聖遺物を盗み出したのかと思ってみれば、まさか君自らが聖杯戦争に参加する腹だったとはねぇ。ウェイバー・ベルベット君
?」
殺意と怒りが籠ったその声にウェイバーが縮み上がると、ケイネスは聖杯戦争のマスター同士が殺しあうことの意味を、「課外授業」という形で恐怖と苦痛をもって教えてやると恫喝する。
すると、ライダーがウェイバーをかばい、逆にケイネスに挑発をかけた。「余のマスターたるべき男は、余と共に戦場を馳せる勇者でなければならん。姿をさらす度胸さえない臆病者なぞ、役者不足にも甚だしいぞ!」最後にわざとらしく大声で笑い飛ばしてくるライダーに、プライドを傷つけられたケイネスは忌々しそうに歯噛みする。そしてライダーは他にも辺りに隠れているサーヴァントがいると踏んで、「聖杯に招かれし英霊は、今ここに集うがよい! 尚も顔見せを怖じるような臆病者は、征服王イスカンダルの侮蔑を免れぬものと知れえ!!」と、大胆不敵にも周囲に向かって大声で挑発をかけた。
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目次 - Contents
- 『Fate/Zero』の概要
- 『Fate/Zero』のあらすじ・ストーリー
- 第四次聖杯戦争へ集う者たち編
- 英霊たちの召喚編
- 夜の倉庫街での混戦編
- キャスター討伐指令編
- 古城での戦いと言峰綺礼の目覚め編
- 魔獣の召喚とキャスターの最期編
- 切嗣の覚悟と綺礼の策謀編
- 聖杯戦争の結末と願望の果て編
- 戦いの終焉とそれぞれの行方編
- 『Fate/Zero』の登場人物・キャラクター
- セイバー陣営
- 衛宮 切嗣(えみや きりつぐ)
- セイバー
- アイリスフィール・フォン・アインツベルン
- 久宇舞弥(ひさう まいや)
- アーチャー陣営
- 遠坂 時臣(とおさか ときおみ)
- アーチャー
- 遠坂 葵(とおさか あおい)
- 遠坂 凛(とおさか りん)
- アサシン陣営
- 言峰 綺礼(ことみね きれい)
- アサシン
- 言峰璃正(ことみね りせい)
- ライダー陣営
- ウェイバー・ベルベット
- ライダー
- ランサー陣営
- ケイネス・エルメロイ・アーチボルト
- ランサー
- ソラウ・ヌァザレ・ソフィアリ
- バーサーカー陣営
- 間桐 雁夜(まとう かりや)
- バーサーカー
- 間桐 臓硯(まとう ぞうけん)
- 間桐 桜(まとう さくら)
- キャスター陣営
- 雨生 龍之介(うりゅう りゅうのすけ)
- キャスター
- 『Fate/Zero』の用語
- 聖杯(せいはい)
- 聖杯戦争(せいはいせんそう)
- マスター
- 令呪(れいじゅ)
- サーヴァント
- 宝具
- セイバー:風王結界(インビジブル・エア)
- セイバー:約束された勝利の剣(エクスカリバー)
- セイバー:全て遠き理想郷(アヴァロン)
- アーチャー:王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)
- アーチャー:天地乖離す開闢の星(エヌマ・エリシュ)
- アサシン:妄想幻像(ザバーニーヤ)
- ライダー:神威の車輪(ゴルディアス・ホイール)
- ライダー:遥かなる蹂躙制覇(ヴィア・エクスプグナティオ)
- ライダー:王の軍勢(アイオニオン・ヘタイロイ)
- ランサー:破魔の紅薔薇(ゲイ・ジャルグ)
- ランサー:必滅の黄薔薇(ゲイ・ボウ)
- バーサーカー:己が栄光のためでなく(フォー・サムワンズ・グロウリー)
- バーサーカー:騎士は徒手にて死せず(ナイト・オブ・オーナー)
- バーサーカー:無韻なる湖光(アロンダイト)
- キャスター:螺湮城教本(プレラーティーズ・スペルブック)
- 『Fate/Zero』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 凸凹コンビの誕生(2話)
- 殺人快楽者コンビの誕生(2話)
- 倉庫街の激闘(4〜5話)
- 非情の衛宮切嗣、セイバー陣営の瓦解(16話)
- 裏切りの言峰綺礼、歪んだ娯楽(17話、21話)
- 激突!征服王と英雄王(23話)
- 最後の戦いと令呪、そして……(24話)
- 『Fate/Zero』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 海外のファンからも好評
- 『Fate/Zero』の主題歌
- OP
- LiSA:Oath Sign
- Kalafina:to the beginning
- ED
- 藍井エイル:MEMORIA
- 春奈るな:空は高く風は歌う
- Kalafina:満天