ヤニねこ(漫画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ヤニねこ』とはにゃんにゃんファクトリーによる喫煙ギャグ漫画である。2022年11月からTwitterで投稿・連載されている。『週刊ヤングマガジン』にて2023年18号から商業連載がスタートした。複数の作家が制作に関わっており、それぞれの作家が原案と作画をしているため、話によって画風が変わるのが特徴。物語は獣人が存在する日本を舞台にチェーンスモーカーの主人公・ヤニねこのやさぐれた生活が描かれている。あるあるの描写が多いことから喫煙者からの評価が高い作品となっている。

『ヤニねこ』の概要

『ヤニねこ』とはにゃんにゃんファクトリーによる喫煙ギャグ漫画である。2022年11月からTwitterで投稿・連載されている。『週刊ヤングマガジン』にて2023年18号から商業連載がスタートした。複数の作家が制作に関わっており、それぞれの作家が原案と作画をしているため、話によって画風が変わるのが特徴。参加が明らかになっているのは、『異世界ありがとう』の荒井小豆、『ヤバい女』のおさとう、『異世界スキルでスケベなことをしようと思うアンソロジーコミック』のみき郎、『パスドらいふ』の胡桃沢太郎などがいる。商業連載が始まる際に作家たちで「にゃんにゃんファクトリー」という名義を作って使用している。
タイトルの『ヤニねこ』の通り、喫煙描写が多数登場する。主人公のヤニねこがチェーンスモーカーであり、だらしない性格であるため、多くの喫煙描写はどこか汚いものとなっている。また、元々がTwitterでの発表作品であるためか、薬物中毒、アルコール依存、過激な下ネタなどいささか危ないネタが多い。あるあるの描写が多いことから喫煙者からの評価が高い作品となっている。

物語は獣人が存在する日本が舞台。チェーンスモーカーの主人公・ヤニねこは常に金銭的余裕はなく、少しでもお金があれば煙草を買うという典型的ダメ人間である。そんなヤニねこを中心に、アパートの大家や友人のヤクねこ、ハメねこなどを巻き込み、時には巻き込まれながら楽しい日常が展開されていく。

『ヤニねこ』のあらすじ・ストーリー

ヤニねこの日常

にゃがみ原にある安アパートに住む獣人のヤニねこは、チェーンスモーカーであり自堕落な生活を送っていた。ある時、実家に住む妹ねこに電話をして、和やかな姉妹の会話を楽しむ。アパートに1人で居るため寂しいからと妹ねこにアパートに来てほしいと頼んでみるが「タバコ臭いから嫌」と断られてしまう。ヤニねこは自身の汚部屋をチラ見したあと、妹ねこに来てほしいために部屋は綺麗であるとウソを吐く。妹ねこは「部屋が綺麗だとわかる写真を見せてくれたら考える」と言い、電話を切ってしまった。
ゴミが散乱した部屋をなんとか片付けようとするヤニねこだが、まず家にゴミ袋はおろか、掃除用具すらないことに気付く。外に出て掃除用具を買いに行くことを考えたところで、精神的負担からヤニねこは嘔吐してしまった。落ち着くために煙草を吸おうとするヤニねこであったが部屋に新品の煙草はなく、シケモクを畳の上に広げて吸えそうなものを探す。するとくしゃくしゃになった新品の煙草を見つけて気分が良くなったため、シケモクを使ってうんこを作り始めた。そして、完成したうんこを写真に撮って妹ねこに送ると「死んで」という返事が返ってきた。

ヤニねこと大家

平日の昼間から缶ビールを飲みながら歩いていたヤニねこ。煙草を吸ったあとにゲップと共に出てきた煙がハートの形をしていたため、縁起が良いと喜んでいた。上機嫌なヤニねこがアパートに着くと、大家がアパート前の掃き掃除をしていた。ヤニねこは大家にも幸せのお裾分けしてやろうと、大家に向かってゲップで出したハート型の煙草の煙を顔に吹きかけた。ヤニねこが爆笑するなか、大家は吹きかけられたアルコール臭を伴う煙草の煙に過去を思い出していた。大家は幼少期にアルコール中毒かつヘビースモーカーの父親に虐待されていたことがトラウマとなっており、ヤニねこの行為でそのトラウマを抉られた大家は膝から崩れ落ちて呻く。その姿にヤニねこは驚き固まった。

漫画家のアシスタントをするヤニねこ

ヤニねこは友人の大型連休で忙しい漫画家であるおちんぽ達郎(たつろう)の手伝いをやっていた。達郎はアナログで原稿を描いているため一緒の部屋で作業しなければならないのだが、達郎がヘビースモーカーであるため、アシスタントがなかなか雇えないでいた。そのため、煙草が平気なヤニねこに白羽の矢が立った。ヤニねこは「任せろにゃ」と意気揚々と原稿に取り掛かっていたが、口に咥えた煙草から火種が落ちたのか、原稿に描かれたキャラの顔を焦がして穴を開けてしまった。バレて怒られることを危惧したヤニねこは達郎に作業の進捗を聞かれた際に、原稿の裏から自分の顔をのぞかせることで誤魔化そうとした。達郎が酷い近眼であったために、原稿の穴に気づかれずヤニねこは事なきを得た。

煙草村とヤニねこ

ヤニねこは友達のヤクねことハメねこと共に、美味しい煙草を作っているという獣人たちが住むタバコ村へやってきた。タバコ村の族長であるラニに煙草を分けてほしいと頼むと、「働かざるものを食うべからず」と言われて煙草作りをすることになった3人。しかし、ヤニねこが煙草の葉っぱをうまく刻めないなど不器用すぎたため仕方なくラニが刻んだ葉を貰った。ヤニねことヤクねこが美味しそうに吸う中、普段加熱式煙草を吸っているハメねこは刻みたばこがまずいと嘆く。ヤクねこがラニに失礼だと焦るが、ラニは怒ることなくタバコ村にある煙草作る上で信仰している神様の話をしてくれた。その神様は巨大な石に宿るとして、争いが絶えなかった先祖の時代には「にゃーにゃー」と鳴いては諌めていたという。そして、信仰に関係する入れ墨を両手の甲に入れていると見せてくれるが、それを見たヤニねこは男性器と女性器に見えると指摘する。すると、怒ったラニは静かに光線銃を取り出し、ヤニねこに向かって撃ってきた。
神に不敬を働いた罰としてヤニねこたちは神様が祀られているという巨大な石像の天辺からバンジージャンプしろとラニに言われてしまうが、ヤニねこは難なく飛んだ。その姿を見て、怖がっていたハメねこは意外と簡単なのではと思い切って飛ぶ。しかし、思った以上に高かったことで恐怖から失禁してしまい、飛び散った尿で虹ができた。これがきっかけでハメねこは「虹をかけるもの」という称号が与えられた。無事にバンジージャンプを終えた3人は煙草を分けてもらい帰路についた。

立てない男たち

とある雀荘でバイトをしていたヤニねこは、不注意から雀卓を囲んでいた男・カズシの頭にいちごミルクをかけてしまった。そばにいた男がミスをしたヤニねこを叱責しようとするのをカズシが止める。カズシがヤニねこが小さかった頃から知っていたため、娘同然に思っていたことから許したのだ。それでも、店長は謝るように促して、ヤニねこはカズシに謝罪した。頭を下げたことで、ヤニねこのシャツの隙間から胸元があらわになり、それを見たカズシは勃起してしまう。そのせいで、柴田に店を出ようと促されてもカズシは席を立つことができなかった。カズシが立たない理由がわからずに困惑しながら急かしている柴田は、ヤニねこを迎えにきたハメねこと出会う。ハメねこを見た柴田はなぜか卓に座り直した。それを見たカズシは柴田がハメねこのような貧乳が好みであったため勃起したことを悟った。

営業とヤニねこ

派遣会社を通じて、営業課の本宮(もとみや)の手伝いをすることになったヤニねこ。本宮は体育会系のノリで無茶苦茶なスケジュールを組んだり、ヤニねこの失敗をネクタイで叩いて叱るなどスパルタ三昧であった。仕事が終わる頃にはヤニねこが叩かれた数はゆうに3桁を超えており、不満が爆発寸前で荒んだ表情をしていた。しかし、本宮はヤニねこの雰囲気に気づくことなく、彼女の仕事のできなさを目前で嘆いたあと、「だが愛そう!」と意味不明な熱血ノリでヤニねこを抱きしめた。そして、ヤニねこの成長のために自分のところで正式に働いてほしいと頼んだ。そこで、不満が爆発したヤニねこは差し出された本宮の手に噛みついて、拒絶の意を表した。

漫画家と小説家志望

達郎の元に、「創作活動がうまくいっていない」と小説家志望の女子高生・字書きねこがやってきた。字書きねこは「アイディアは湧くがまとめられない」「作品を作る時間が足りない」と大げさなリアクションをしながら、達郎にアピールする。字書きねこの話を聞いた達郎は彼女に「スマホのスクリーンタイムを見せてほしい」と頼む。スクリーンタイムとは各アプリの使用率を知られる機能である。達郎が字書きねこのスマホを確認すると、創作のための勉強はせずにSNSだけで1週間で60時間見ていることを知る。創作活動の時間が足りないと騒ぐわりに、活動に専念していない字書きねこにやや呆れた。

ヤバい弟とハメねこ

アパートの敷地内で配信用の動画を撮っていたハメねこの元に、チャラい風貌の男が話しかけてきた。男が「薫子いる?」と聞いてきたことで、友人のカンサイを名前呼びする男にハメねこは素性を尋ねる。男が「彼氏」と返したことで、ハメねこはカンサイが彼氏はいないと言っていたのがウソだったんだと思い、ショックを受けてしまう。追い打ちをかけるように男がカンサイの下着を出したことで、ハメねこはさらにショックを受けて固まる。さらに、男が詰めてきたところを、カンサイが現れて男に飛び蹴りを食らわせた。実は、男はカンサイの弟でハメねこをからかっていただけであったことを知ったハメねこは元気を取り戻した。しかし、すぐにカンサイ弟のウソに騙されてショックを受けていた。

ヤニねことペンペンねこ

ヤニねこはにゃがみ川の畔に住むホームレスの獣人・ペンペンねこのところへ遊びに来た。草を茹でているペンペンねこにヤニねこが「金ないにゃ?」と聞くと、ペンペンねこは「社会的価値観に縛られないで自然と一体になることで見えるものがある」と語る。そんなか、1匹の野良猫がやってきたので、ペンペンねこが撫でてやると指を噛まれた。指に穴が空いて血がダラダラと流れていることをヤニねこが指摘すると、ペンペンねこは顔色ひとつ変えずに「平気だよ」と返した。しかし、ヤニねこが帰ったあと、ペンペンねこは穴が空いた指の痛みに泣き始めた。すると、忘れ物をしたヤニねこが戻ってきたので、声色だけ元に戻して背中を向けたまま対応した。ヤニねこは自分の方を見ようとしないペンペンねこを無理やり振り向かせる。ペンペンねこは涙でぐちゃぐちゃになった顔で必死に「自然と一体になることで涙がでる」とヤニねこに言い訳をした。

ヤニねこと静江

実家に帰省したヤニねこは母・静江(しずえ)に近況を聞かれる。静江はヤニねこが煙草を吸っているのを見て、「1本欲しい」とお願いする。ヤニねこがメビウスの箱を差し出すと、しれっと2本抜き取って2本咥えた。静江は煙草を楽しんでいたが、妹ねこが帰ってくる時間が近づいていることに気づくと、慌てて消臭剤を体に吹き付け、口臭ケアタブレットを大量に口に含んだ。実は、ヤニねこの実家は禁煙であり、妹ねこに見つかると怒られてしまうのである。そのため、静江は隠れて吸っているのだ。そして、帰ってきた妹ねこは、静江が煙草を吸っているとは思わず、ヤニねこだけを注意した。その姿を見て静江は「いくつになっても仲良しね」と思った。

カンサイ一家の年始

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