Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀(サンファン)のネタバレ解説・考察まとめ

『Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀』とは、日台合同企画の武侠ファンタジー人形劇。『魔法少女まどか☆マギカ』などでおなじみの虚淵玄が原案と脚本、総監修を担当し、台湾の民間芸能である人形劇「布袋劇」をベースに、新しい形の人形劇を作り上げた日台合同映像企画である。実際に人間が人形を動かすアナログな手法とCGなどを使った演出を融合させた新しい「布袋劇」となっている。無双の力を発揮するといわれている武器群・神海魔械(しんかいまかい)をめぐって繰り広げられる武侠ファンタジー人形劇だ。

『Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀』の概要

『Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀』とは、日台合同企画の武侠ファンタジー人形劇である。『魔法少女まどか☆マギカ』などでおなじみの虚淵玄が原案と脚本、総監修を担当し、台湾の民間芸能である人形劇「布袋劇」をベースに、新しい形の人形劇を作り上げた日台合同映像企画作品である。台湾の伝統人形劇「布袋劇」にほれ込んだ虚淵玄が、日本であまり知られていないことに気づき、虚淵玄自身が原案・脚本・総監修をつとめ、キャラクターなどは彼が所属するニトロプラスがデザインを担当。人形の造形の制作などはグッドスマイルカンパニーが、そして『PSYCHO-PASSサイコパス』や数々の作品などで楽曲提供をしてきた澤野弘之がタッグを組み制作した、新しい形の人形劇だ。実際に人間が人形を操り、時には人形を投げたり、表情なども細かく動かせるのに加えてCGでも演出するなどアナログとデジタルの融合が素晴らしい作品となっている。
2016年7月8日から第1期の放送がスタートし同年9月に終了したが、それと同時に続編の発表もされた。コミカライズなど数々のメディアミックス展開がされ、2017年4月には小説 『Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀 外伝』が発売された。その中で、アニメ第1期の前日譚である「殺無生編」に加え、虚淵玄書き下ろしの「殤不患」のエピソードも合わせた『Thunderbolt Fantasy 生死一劍』が2017年12月2日より劇場公開となった。また2019年10月25日にはアニメ本編にも登場する「浪巫謠」の過去を描いた劇場作品2作目『Thunderbolt Fantasy 西幽玹歌』が公開。また、宝塚歌劇団によって制作発表がされたのち、2018年8月から星組台湾公演「異次元武侠ミュージカル『Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀』」と銘打って舞台化され話題になった。同年10月から第2期である『Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀2』も放送された。その最終回で第3期の制作決定と告知がされ、ますます今後の展開に注目したい。

『Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀』のあらすじ・ストーリー

東離劍遊紀(第1期)

追手から逃げる兄・丹衡(右)、妹・丹翡(左)

かつて魔界の軍勢が人間を滅ぼそうと起こした戦争「窮暮之戰(きゅうぼのせん)」で、一つの国だったが西幽と東離は二つの国に分かれ、呪いがかけられ行き来ができなくなっていた。人間たちは魔軍に対抗するため鍛造した武器群・神海魔械(しんかいまかい)を用い東離に平和を取り戻した。神海魔械は護印師たちによって守られてきた。その中でも最強の武器と言われる「天刑劔」を、神海魔械を監視する役目を担った護印師である丹衡(タンコウ)、丹翡(タンヒ)兄妹は守ってきたが、蔑天骸(ベツテンガイ)率いる玄鬼宗(ゲンキシュウ)によって奪われようとしていた。
激しい戦闘の末、丹衡は妹を逃がすため蔑天骸の攻撃をその身で受ける。そして天刑劔の柄を奪われてしまった。

七罪塔へ向け仲間を招集

一方、雨に濡れた旅人・殤不患(ショウフカン)は、煙管をくゆらせた美少年・鬼鳥(キチョウ)と出会った。殤不患は玄鬼宗から逃げてきた丹翡を助けたのだ。丹翡は気を失い、雨が降る中大きな木の下で鬼鳥はこの娘は護印師の一族だと殤不患に説明する。しかしその折、丹翡を追ってきた玄鬼宗の一人、残凶の襲撃に遭う。「この少女の災厄はまだ終わったわけではない」と鬼鳥が言う中、彼が得意とする幻術で残凶を惑わすのだった。そして殤不患もまた残凶に圧倒的な力を見せた。そして残凶は自らの首を斬り、魔界の使い魔である魑翼に自らの頭部を七罪塔に持ち帰らせたのだ。
意識を取り戻した丹翡は自分の護印師としての役目と、同じく護印師であった兄の仇を打つために鬼鳥と行動を共にする。別行動をしていた殤不患は蔑天骸の部下である獵魅と玄鬼宗から襲撃を受けるが、どこからともなく飛んできた矢と鬼鳥に招集された捲殘雲によって玄鬼宗を一掃。矢を放ったのは彼もまた鬼鳥によって集められた狩雲霄だった。

鬼鳥から招集された二人を加え、奇縁により導かれた一行は、蔑天骸の居城である七罪塔(しちざいとう)がある魔脊山(ませきざん)の3つの関門を突破できるよう一流の布陣をそろえるため、鬼鳥は夜魔の森でもう一人仲間にしようと考えていた。死霊術の達人・刑亥(ケイガイ)である。
最初は鬼鳥を殺しかねないほどの剣幕だったが刑亥は「天刑劔の封印が解かれると聞いては捨て置けぬ」と手のひらを返したように協力を申し出たのだ。あとは無銀寺で落ち合うことになっている廉耆が持つ、吹き鳴らせば正しい道が分かるという迴靈笛がそろうだけと鬼鳥は言ったが、しかし街道では「鳴鳳決殺」と名高い殺無生が待ち構えていた。鬼鳥の居場所を知る者すべてを殺してかかる殺無生に廉耆は応戦。しかし力及ばず命尽きるのであった。そして殺無生は迴靈笛を奪ったのである。

無銀寺にたどり着いた一行は、七罪塔にたどり着くのに必要な笛・迴靈笛を吹いている殺無生と出会う。殺無生は鬼鳥と過去に因縁があり、彼を殺すためだけに旅をしていたのだ。鬼鳥に手出しはさせまいと狩雲霄と捲殘雲は我先にと殺無生に攻撃を仕掛けるが、刑亥含めた3人がかりでもまったく歯が立たず、一時撤退となる。
鬼鳥は策を巡らせていたが、一人で殺無生のもとに出向いた殤不患。戦闘になりかけたが鬼鳥の幻惑によって水を差されたのであった。そんな鬼鳥は殺無生に対して迴靈笛は持っていて構わないと言い、そのうえで魔脊山まで一緒に来ないかと殺無生を誘う。そして無事に闇の迷宮を攻略できたなら、鬼鳥自身の首を差し出すと言い出したのだ。

いざ、七罪塔へ

殺無生を含めた一行は船に乗り、魔脊山へ向かっていた。しかしそこに待ち受けていたのは獵魅含めた玄鬼宗の集団だった。そして殺無生と捲殘雲は見事な連携によって獵魅を討ったが、突然現れた蔑天骸によって場は混乱、しかし運よく見逃してもらったのだ。
やっとのことで魔脊山にたどり着いたが、皆がそれぞれお互いに疑心暗鬼状態になり、特に狩雲霄と刑亥は素性の知れぬ殤不患ばかりを前線に立たせその力量を見極めようとする。それに憤然とした殤不患は一人で七罪塔へ向かってしまった。魑翼によって先に七罪塔にたどり着いた殤不患たちだったが、それを待ち受けていたのはやはり蔑天骸と玄鬼宗だった。兄の仇を討たんとすべく蔑天骸と一騎打ちになった丹翡だったが、実際に戦っていたのは鬼鳥の幻惑によって蔑天骸に化かされた殤不患だったのだ。鬼鳥の計略により殤不患と丹翡は牢に囚われてしまう。

牢に囚われた二人のもとに、あとからかけつけた殺無生らによって鬼鳥の正体が大怪盗・掠風竊塵(リョウフウセツジン)こと凜雪鴉(リンセツア)だと知る。凜の悪逆非道な行いに怒りを隠せず殤不患は牢を破壊し、凜のもとへ向かう。

凜雪鴉の思惑

一方、凜雪鴉は蔑天骸と天刑劔をめぐりなにやら交渉を持ちかけていた。丹翡が持っていた天刑劔の本物の鍔の在り処を教える代わりに自分には黄金五千金をよこすようにと。そして自分は天刑劔には興味がないのだと言い放った。そしてそこに突如現れた殺無生は蔑天骸に勝負を挑むが、無残にも敗れ去る。
密かに凜雪鴉に近づいていた殤不患は、凜雪鴉から蔑天骸に渡した鍔は丹翡からこっそり拝借した上に偽物で本物はまだ手元にあることを明かす。しかも無銀寺の石灯篭に隠したというのだ。天刑劔を取り戻すにはお互いに手を組まなければならないと悟った殤不患は、凜雪鴉に成り代わり魔脊山を下る。
一方、丹翡を牢から救い出した捲殘雲は、自分の師である捲殘雲が天刑劔の鍔を狙う敵だと知り袂を分かった。天刑劔の鍔が凜雪鴉によって無銀寺の石灯篭に隠されていると知った丹翡と捲殘雲は急いで無銀寺へ向かったが、狩雲霄と刑亥に鍔を奪われ捲殘雲は激闘の末、右目を失ってしまう。

柄を取り戻すのに失敗し追手から逃げていた殤不患は、右目を負傷した捲殘雲と丹翡と合流する。しかしそこにまたもや玄鬼宗の追手が現れる。しかし殤不患は二人を守るために木の枝を取り玄鬼宗を殲滅してしまう。彼は人呼んで「刃無峰(じんむほう)」鋼の刃をも凌駕する氣功術の達人だったのだ。

最終決戦

殤不患によって封じられる魔人・妖荼黎

そしてついに封印が解かれた天刑劔を手にした蔑天骸。そして目の前にはかつて窮暮之戰にて、東離の地に封印された魔人・妖荼黎(ようじゃれい)の姿が。しかし天刑劔には魔人を倒す力などなく妖荼黎を封印するのが精一杯だった。その場をあとにしようとする蔑天骸の前に剣を抜いた凜雪鴉が立ちはだかる。お互いに奥義をぶつけ合い、そして凜雪鴉の力量に驚嘆した蔑天骸は敗北したのだった。蔑天骸は命が尽きる前に魔人を封印する術である天刑劔を破壊してしまう。

天刑劔が破壊されたことで暴走する魔人・妖荼黎のもとに、殤不患が現れる。彼は西幽をめぐり歩きそこで集めてきた様々な聖剣や魔剣などを36振り収めた魔剣目録(まけんもくろく)を持つ英雄好漢だったのだ。目録から須彌天幻・劫荒劍(すみてんげん ・ごうこうけん)を召喚し、魔人・妖荼黎を時空の狭間に封印した。そしてやっと東離の地に平和が訪れたのであった。
そして東離を救った英雄好漢は傘一本、剣一本、そして魔剣目録を携え、再び旅に出るのであった。

Thunderbolt Fantasy 生死一劍(劇場版1作目)

『生死一劍(殺無生編)』

『Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀』の前日譚を描いた小説『Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀 外伝』をもとに虚淵玄が再構成し映像化。

凜雪鴉の用心棒を務めていた殺無生だが、凜雪鴉はすぐに相手を殺したがる殺無生の悪い癖を指摘する。だがそんな殺無生の悪名のみが知れ渡っていることに凜雪鴉は疑問を感じていた。そんな凜雪鴉に殺無生は、自分の冷酷非情で修羅、剣鬼であるこの「殺無生」という名を聞いたら当然だろうと言う。それを聞いた凜雪鴉はなぜ両親は「殺無生と名付けたのか」と問う。そして殺無生は自分が生まれた時のことを語り始めるのだった。
生まれたばかりの殺無生を父親は投げ捨て頭部を割り、かつての殺無生の師である鐵笛仙の道場の前に捨てたというのだ。父親が「殺無生」と名付けたのは邪鳥、奇鳥の類が鳴く中自分は生まれ母親は死んだからだ。そればかりか産婆たちは殺し合い、その凄惨な現場を目の当たりにした父親は狂気に満ち溢れ殺無生を投げ捨てるという凶行に及んだのだという。

真っ当な剣士になればいいと言った凜雪鴉に対して、殺無生は悪名高く悪鬼羅刹のような自分が今更どうやって真っ当な剣士になれるのかと問うた。凜雪鴉は「名前などどうにでもなる」と言い、そして違う名で名誉ある行いをし、今度は高貴な鳥に鳴かせてみてはどうかと提案する。
凜雪鴉の妙案、それは4年に一度行われる剣技を競う大会「劍聖會」に参加し、この大会の最高位である「剣聖」を掴み取れば殺無生の悪名など霞んで消えること間違いなしというものだった。百戦百勝の鐵笛仙から「剣聖」を奪うことがどれだけ大変かわかっていながらも、殺無生は過去を捨て真っ当な剣士になるために大会への参加を決意する。そしてそこには玄鬼宗の一人、残凶の姿も。

残凶は勝ち残り、次々と他の試合が進んでいく中、神箭手(シンセンシュ)という怪しげな弓使いが登場する。剣技を競う大会でありながら弓を持ち込んだ神箭手に憤慨する鐵笛仙。そしてあろうことか神箭手は「すでに死に場所が決したことを貴様らは知るまい」と言い3本の矢を3回放ち、別室に待機していた参加者たちを次々と射殺していったのだ。

外が見えぬよう別室には木製の窓が張られていたがこれを突き破り、参加者たちを一掃。そんな中で殺無生はひらりとかわしてのけ、撃ち込まれた矢を手に取った。神箭手は「この程度の矢もかわせないようでは」と言い残し煙幕とともに消えたのである。
幻術を使い、凜雪鴉は外の様子を確認しに行ったが、あのような凶行があったにもかかわらず大会は中止にならず続行するというのだ。そして次なる試合は、見事矢をかわしてのけた殺無生と残凶だった。激しい戦闘の中、殺無生は残凶が右手を負傷していることを指摘する。本来は2本の剣を使う残凶だが左手のみで戦っていたのだ。そして残凶は降参を申し出た。

試合を終えて控え室に戻った殺無生だが、先刻凜雪鴉に言われた「道場を開き、弟子を募り、時には赤子を育てるのはどうか」と言われたことに対して「隠居生活も同然、それならまだお前の用心棒を続けたほうが…」と言いかけた。その後凜雪鴉に対して意趣返しのように「ならお前は盗賊仕事を辞められるのか」と問うが、凜雪鴉は「他人の錠前をこじ開け中を覗くのは楽しいこと」だと言い、手に持っていた矢を殺無生に投げつけた。
殺無生が受け止めた矢は、一瞬のうちにして殺無生が携えていた笛に変わったのだ。幻術が得意な凜雪鴉がいつの間にか殺無生から拝借した笛が、一時的に矢に姿を変えていたのだ。殺無生は驚嘆し、凜雪鴉はそんな表情を見るのが楽しいのだと言った。「本物かどうか疑わしいなら一度吹いてみるといい」と言われ殺無生は見事に音色を奏でて見せた。
その後も殺無生は次々と勝ち進んでいきそのなかで、殺さずして試合に勝つ、今までの自分では考えられないことだと思い、そして自分に過去を捨て真っ当な剣士になることを示してくれた凜雪鴉に感謝するのであった。

ついに「剣聖」の一歩手前まで来たところで、審判席から傍観していた鐵笛仙が突如闘技場に現れる。ついに「剣聖」への挑戦権を獲得したことを知った殺無生は「願ってもないことだ」と意気込み、先ほどまで己の腰に挿していた笛を後ろで見守る凜雪鴉に向かって放り投げる。「かき鳴らせ、掠(リョウ)」(掠風竊塵からとった呼び名)と言った殺無生に対して、凜雪鴉はその音色を奏で始める。

殺無生の攻撃を受ける鐵笛仙

そしていよいよ、「剣聖」の座をかけた鐵笛仙との死闘が始まる。

鐵笛仙の凄まじい気迫と殺意に、殺無生は今日限りで封じるはずだった殺しの剣で本気で師である鐵笛仙に向かっていく。お互いに一歩も引かない状況のなか、鐵笛仙は「なぜこのような暴挙を行ったのだ、殺無生」と問いかける。殺無生は暴挙とは、と考える。鐵笛仙はさらに、由緒正しき剣の大会に怪しげな弓使いを引き入れたこと、それによって参加者を殺傷し自分は悠々と勝ち上がってきたことに憤慨し、怒りは頂点に。

だが殺無生は自分に思い当たる節がなく、それでも攻撃の手を緩めない鐵笛仙に全力で剣を振るう。殺無生の剣は鐵笛仙に一歩届かなかったが、鐵笛仙の動きが一瞬ひるんだすきに彼の剣が鐵笛仙の心臓を貫いたのだ。師の身に何が起こったのか殺無生自身もわからず呆気に取られていた。「剣鬼であることに変わりはなく、剣聖などなれるはずがない。剣など教えるべきではなかった、この手で殺しておくべきだった」と告げた鐵笛仙の足を見ると、そこはなんと矢で貫かれていたのだ。そしてそのまま言切れて絶命したのだった。
その瞬間、殺無生は取り囲まれ「俺になんの罪を問うている」と疑問を投げかける。その質問に代わりに答えたのは凜雪鴉だった。あのような惨劇の後で大会はとっくの昔に中止されたが、鐵笛仙の申し出によって別の目的で大会は進行していたのだ。それは、「剣鬼・殺無生の討伐」であった。

怪しげな弓使い・神箭手を利用し多くの参加者を殺傷、右手を負傷した残凶、しびれ薬を飲んだ別の参加者に対するすべての疑いを向けられた殺無生。自分も矢で狙われ、いまだに心当たりがないという殺無生に対して凜雪鴉は「矢で狙われた証拠がない。あるとすれば笛が1本あるぐらい」と殺無生に笛を見せる。
「この大会に出るように勧めたのはお前ではないか!」と鬼気迫りながら凜雪鴉に告げる。そこで殺無生はすべてを悟り、怒りに支配され自分を取り囲んだ大会の関係者を次々と皆殺しにしていった。それを傍観している凜雪鴉の後ろにいた弓使いの神箭手の正体は狩雲霄であった。二人は手を組み、殺無生一人を陥れるため、そして凜雪鴉にとっては不愉快な「劍聖會」の面目が丸つぶれになるように計画したものだった。そして狩雲霄が怒りで我を忘れ剣をふるう殺無生の足を矢で打ち抜き、殺無生は「絶対殺すっ…!」と凜雪鴉に殺意を向けたまま地面に伏したのであった。

『生死一劍(殤不患編)』

虚淵玄によって書き下ろされた『Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀』の後日譚。

平和を取り戻した東離で、丹翡たちと別れ旅を続けていた殤不患がある宿場の酒場を訪れたところ、そこで一人の男と出会う。その男は自らを「殤不患」と偽り、蔑天骸との戦いについて語り始める。
偽殤不患は自分は蔑天骸や玄鬼宗を打ち東離に平和をもたらした英雄であると酒場で触れ回り、その英雄譚をネタににツケでご飯を食べていたのだ。そこに居合わせた殤不患は自分がおごるからと、偽殤不患から英雄譚を聞かされるのであった。
驚くことに偽殤不患は旅の行方を知っていたのだ。丹翡たちに出会い、刑亥たちを仲間に迎え七罪塔を目指すといった内容まで知っていたのだ。しかしよく聞いていると所々おかしな点があることに殤不患は疑問を持ち始める。

最後まで英雄譚を聞いたところで殤不患は旅の続きがあるからと酒場を立ち去ってしまう。立ち去った後の酒場に玄鬼宗の残党が奇襲を仕掛けたが、そこにはすでに偽殤不患はいなかった。
玄鬼宗に追われるままに逃げてきた偽殤不患だったが、そこに現れたの本物の殤不患だった。玄鬼宗は蔑天骸や幹部たちでさえも及ばなかった殤不患を討伐しようとやってきたのだ。残党たちと戦闘を繰り広げた殤不患。陰に隠れていた偽殤不患に自分の正体を明かす。「俺が本物ならお前は誰ってことになる?」と問う。
そこで偽殤不患は隠し持っていた玄鬼宗の仮面を取り出した。自分には親兄弟どころか名前すらもなく、赤子のときに玄鬼宗に攫われ犬畜生のごとく人生を送ってきたのだった。自分の玄鬼宗の知識とチンドン屋が触れ回っていた話を融合させ、何もなかった自分を埋めるために自分を偽って吹聴していたのだった。

殤不患はそんな偽殤不患を咎めることなく「だれがどんな形でどんなふうに殤不患を語ろうが知ったことではないと」と言い見逃した。
そしてその後殤不患は街中でチンドン屋に扮した凜雪鴉が英雄譚を触れ回っていることを知ったのであった。
そんな様子をはるか遠く西幽の地から殤不患が生きているのを見ていた禍世螟蝗は、彼を打たんとすべく蠍瓔珞を送り込む。
そして同時に嘯狂狷のもとに殤不患が生きており、蠍瓔珞が出立したという知らせが届く。帝からの勅命により逆賊・殤不患を打つため進軍、鬼歿之地を渡ることも厭わないと、彼の眼鏡も光る。

そして鬼歿之地を渡る男が一人いた。

東離劍遊紀(第2期)

魔剣目録を携えて東離でも難攻不落と言われる仙鎮城へやってきた殤不患、安全な場所に隠すため城主である伯陽侯に委ねるのであった。殤不患は城をあとにしたがそこに西幽では殤不患の相棒だった浪巫謠と聆牙が駆けつける。そして禍世螟蝗の部下・蠍瓔珞が目録を奪うために動き出したと聞かされる。

殤不患は仙鎮城へ引き返したが、そこにはすでに蠍瓔珞が城内へ侵入し魔剣目録を奪っていたのだ。幻術と蠍を巧みに利用し殤不患と戦闘を繰り広げていたが、あろうことか目録を開いてしまったのだ。しかし二つに分断された目録の片方を蠍瓔珞に奪われてしまう。

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