Fate/Zero(フェイト ゼロ)のネタバレ解説・考察まとめ
『Fate/Zero』とはニトロプラスの虚淵玄の伝奇ライトノベル、及びそこから派生したアニメと漫画作品である。
「聖杯」と呼ばれる万能の力を持った杯を巡り、7人の魔術師(マスター)と7騎の英霊(サーヴァント)が戦い、競い合う「聖杯戦争」を描いた物語で、アニメは2011年1月から第1期が全13話、2012年4月から第2期が全12話構成で放送された。
CV:植田佳奈
時臣の娘で、後の「Fate/stay night」のメインヒロインのひとり。
まだ10歳前後で初歩の域を出ていないが魔術を使うことができる天才で、父の時臣からも家督を継ぐことを期待されていた。
魔術の名門である遠坂の血族であることに誇りを持っており、父とは親子ではなく師弟としてしか師弟としてしか接されたことが無く、凛自身もまた当たり前だと思っていたために頭を撫でられたこともなく、魔術師として立派な父と尊敬している。一方で兄弟子である綺礼には端から不信感を持っており、刺々しい接し方をする。
アサシン陣営
言峰 綺礼(ことみね きれい)
CV:中田譲治
アサシンのマスターで、言峰璃正の息子。後の「Fate/stay night」における第五次聖杯戦争の監督役。
「聖堂教会」と呼ばれる宗教組織に所属し、若くしてその直轄の超人揃いの特殊部隊「代行者」の一員に名を連ねた実力の持ち主。本作の3年前に令呪の兆候が現われてからは、教会の手回しと時臣の思惑によって時臣に弟子入りし、彼を援護して勝利させる役を担うことになる。
代行者が用いる特殊な武器である投擲剣「黒鍵(こっけん)」の使い手であり、さらに極限まで練度と威力を高め、殺人術に昇華した八極拳の使い手でもある。
また、魔術師としての修行も一応はしていたが、魔術師の家系でないことと、その修行を途中でやめてしまったことから魔術師としての実力は半人前である。
普通の人間が感じることができる物事の美しさ、そして喜びや充実感を感じることができないという、人間として欠落した部分があり、その欠落を埋めるために様々な物事に手をつけてきたが、聖杯戦争に至るまでに何の成果を得ることができなかったという過去がある。
開戦後は使命を忠実に全うして時臣を補佐してきたが、戦いの中で切嗣と出会い、彼に己に似た何かを感じてからは執拗に付け狙うようになる。そして、他人の苦痛や絶望にのみ愉悦を感じる本質を持っていることをアーチャーに見抜かれて興味を持たれ、彼に楽しみとは何かを教わっていくうちに、徐々にその残虐な本質に目覚めていくようになる。
アサシン
CV:阿部彬名
属性:秩序・悪
パラメータ: 筋力C / 耐久D / 敏捷A / 魔力C / 幸運E / 宝具B
クラススキル: 気配遮断A+
パーソナルスキル: 専科百般A+ / 蔵知の司書C
綺礼に召喚された暗殺者の英霊。髑髏の仮面を被り、黒衣に身を纏った女性。
真名はイスラム教の伝承に残る暗殺教団の指導者ハサン・サッバーハだが、ハサン・サッバーハとはその暗殺教団の指導者に代々襲名されてきたものであり、このアサシンはハサンを襲名した19人の歴代の指導者のうち1人で、多重人格障害を抱えていた「百の貌のハサン」である。
複数の人格を持った魂は死後肉体から離れることで人格ごとに分割され、分身として個別の肉体を得て作り出す能力を持っており、時臣に内通する綺礼の策略で、「ザイード」と呼ばれる分身のひとりを捨て駒に最初の脱落者を装いながら陰で諜謀活動に徹した。
また、戦闘力自体は大したことはないものの、この分身を作り出す能力は強力なもので、切嗣のように暗殺や諜報を得意とするマスターと組んでいれば勝者となり得たサーヴァントという評価を後に公式サイトで得ている。実際に切嗣も自身の戦法と特徴を理解していることから、結果のみを求める策略向きのキャスターかアサシンを求めていた。
言峰璃正(ことみね りせい)
CV:広瀬正志
綺礼の実父で、息子と同じく聖堂教会の人間であり、その中でも「聖遺物」と呼ばれる特殊な力を持った道具や遺物の回収・管理を務める「第八秘蹟部」に所属している。第四次聖杯戦争の監督役を務める。
謙虚かつ真面目な信仰者で、息子の綺礼が自分の性質について苦悩を抱いていることは全く知らず、修行に没頭するのは聖堂教会の人間としての敬虔な信仰心からだと信じきっていた。綺礼に八極拳を教えた人物であり、こと純粋に拳法の腕前では綺礼を凌駕するとされている。
万能の願望機である聖杯を私利私欲に使おうと狙ってくる人間から遠ざけ、古くから親交のある遠坂家と共謀して現当主の時臣を聖杯戦争の勝者へ導き、彼に聖杯を使わせようと画策する。また、過去の聖杯戦争において脱落したマスターたちが使い残した令呪を持っており、彼の判断でその令呪をマスターに委譲する権利を持っている。
ライダー陣営
ウェイバー・ベルベット
CV:浪川大輔
イギリスのロンドンにある魔術師たちの総本山「時計塔」の魔法学校に通う19歳の青年で、ライダーのマスター。
自信過剰で自分を優秀だと思っているが、魔術師としての力量は平凡で、さらに魔法学校に通う魔術師たちの中でも歴史が浅い家柄の出身であることから周囲から相手にされず、見下される毎日を送っていた。時計塔の講師であった頃のケイネスに「魔術の才能に家系と代は関係ない」という論文を読みもせず「ただの妄想」と馬鹿にされたことから彼に対しても怨恨の感情を抱くようになる。
ある日、自分の元へ手違いでケイネス宛の召喚の憑代が転がり込んできたのを機に、冬木の地で令呪を授かってライダーを召喚し、自分を見下したケイネスら周りの人間に、勝者となって聖杯を手に入れることで己の沽券を示すことを目的として聖杯戦争に参加する。
当初は「自らに忠実である使い魔」という理想としたサーヴァント像とは正反対のライダーと反りが合わず、現代の生活や文化に好奇心を示して好き勝手に行動する彼に振り回されてばかりだった。しかし、次第にライダーのカリスマ性と度量に感銘を受けるようになり、一方で自分がどれだけ非才で小さい存在だったのかを自覚させられ深く葛藤するようになる。
「理論の解釈と再構築」、「他人の才能を見抜き、それを開花させ伸ばす」ことに関しては天才であり、ライダーとの短くも波瀾万丈な一時は人生への大きな糧となった。
ライダー
CV:大塚明夫
属性:中立・善
パラメータ: 筋力B / 耐久A / 敏捷D / 魔力C / 幸運A+ / 宝具A++
クラススキル: 騎乗A+ / 対魔力D
パーソナルスキル: カリスマA / 軍略B / 神性C
ウェイバーに召喚された騎乗兵の英霊。真紅の外套に身を纏った赤髪の偉丈夫。
真名はイスカンダル。アレキサンダー、アレクサンドロスとも呼ばれる古代マケドニアの大王にして覇者で、20歳で即位してからは数年で世界帝国であったペルシャを征服し、当時ギリシャで「世界」と称された大陸を征服した。さらにその後は古代ギリシャで築き上げた軍勢を統率してペルシアへの侵攻に踏み切り、エジプト、西インドといった広域の地を征服し、「東方遠征」の偉業を10年も満たずに成し遂げた大英雄として知られている。
性格は文字通りの豪放磊落で、初戦では自らの正体を堂々と明かしたり、他のサーヴァントを自らの軍門に下るよう勧誘したりするなど、破天荒な振る舞いでウェイバーを振り回し、聖杯戦争を撹乱し続けた。
また、現代の世界とその文化にあるものに何でもかんでも興味を示しており、テレビを見ながら世界征服の案を練ったりし、昼間には手に入れたラフな服装に身を包んで街を歩き回り、日本の食事を楽しんだり、ウェイバーの財布を無断で使い、気になったゲームをハードごと通信販売で購入するなど時代を満喫していた。
聖杯に託す願いは人間として生まれ変わり、自らの力で再び世界を征服することを望んでいる。アーチャーに対しては好敵手として認めて競い合う一方で、セイバーに対しても戦士としては評価するが自分と対等の存在だとは認めていない。
ランサー陣営
ケイネス・エルメロイ・アーチボルト
CV:山崎たくみ
ランサーのマスターで、時計塔の講師であり、九代を数える魔術の名門・アーチボルト家の当主でもある魔術師で、「ロード・エルメロイ」という敬称で呼ばれるほど様々な実績を作り上げるほどの才能を持っている。
風と水の魔術を得意とし、戦闘では魔力の込められた水銀を変幻自在の武器として扱う「月霊髄液(ヴォールメン・ハイドラグラム)」を駆使する。
自分の才能と魔術に絶対の自信を持つ、プライドが高く傲慢な気性の持ち主で、魔術師以外の人種を完全に見下しており、同じ魔術師でもウェイバーのように才能や血筋の浅い者は歯牙にもかけない。反面、生まれつき失敗や挫折を知らないまま人生を歩んできたことから精神的に脆い所があり、少しでも自分の思い通りに物事が運ばないと感情を露わにして周囲に当たり散らすというヒステリックさを見せるようになる。ちなみに許嫁であるソラウに対しては強い恋愛感情を抱いており、彼女に対しては頭が上がらない。
また、聖杯にかける願いは特になく、魔術師としての経歴に「武功」という名の箔を付けるために聖杯戦争に参加している。本来ならばライダーを召喚する筈だったが、時計塔の管財課の手違いで弟子のウェイバーにその召喚の憑代がわたってしまい、急遽手配した代替の憑代からランサーを召喚して参戦した。
しかし、かつて主に背いたランサーの伝承を知っていたことに加え、ケイネス自身の価値観としてランサーの示した騎士の矜持を全く理解できず、さらにソラウがランサーの黒子の魔力に囚われたことで、ケイネスとランサーの関係は歪んでしまい、切嗣とセイバーの関係と似て非なる形で相性は最悪であることを証明してしまった。
ランサー
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目次 - Contents
- 『Fate/Zero』の概要
- 『Fate/Zero』のあらすじ・ストーリー
- 第四次聖杯戦争へ集う者たち編
- 英霊たちの召喚編
- 夜の倉庫街での混戦編
- キャスター討伐指令編
- 古城での戦いと言峰綺礼の目覚め編
- 魔獣の召喚とキャスターの最期編
- 切嗣の覚悟と綺礼の策謀編
- 聖杯戦争の結末と願望の果て編
- 戦いの終焉とそれぞれの行方編
- 『Fate/Zero』の登場人物・キャラクター
- セイバー陣営
- 衛宮 切嗣(えみや きりつぐ)
- セイバー
- アイリスフィール・フォン・アインツベルン
- 久宇舞弥(ひさう まいや)
- アーチャー陣営
- 遠坂 時臣(とおさか ときおみ)
- アーチャー
- 遠坂 葵(とおさか あおい)
- 遠坂 凛(とおさか りん)
- アサシン陣営
- 言峰 綺礼(ことみね きれい)
- アサシン
- 言峰璃正(ことみね りせい)
- ライダー陣営
- ウェイバー・ベルベット
- ライダー
- ランサー陣営
- ケイネス・エルメロイ・アーチボルト
- ランサー
- ソラウ・ヌァザレ・ソフィアリ
- バーサーカー陣営
- 間桐 雁夜(まとう かりや)
- バーサーカー
- 間桐 臓硯(まとう ぞうけん)
- 間桐 桜(まとう さくら)
- キャスター陣営
- 雨生 龍之介(うりゅう りゅうのすけ)
- キャスター
- 『Fate/Zero』の用語
- 聖杯(せいはい)
- 聖杯戦争(せいはいせんそう)
- マスター
- 令呪(れいじゅ)
- サーヴァント
- 宝具
- セイバー:風王結界(インビジブル・エア)
- セイバー:約束された勝利の剣(エクスカリバー)
- セイバー:全て遠き理想郷(アヴァロン)
- アーチャー:王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)
- アーチャー:天地乖離す開闢の星(エヌマ・エリシュ)
- アサシン:妄想幻像(ザバーニーヤ)
- ライダー:神威の車輪(ゴルディアス・ホイール)
- ライダー:遥かなる蹂躙制覇(ヴィア・エクスプグナティオ)
- ライダー:王の軍勢(アイオニオン・ヘタイロイ)
- ランサー:破魔の紅薔薇(ゲイ・ジャルグ)
- ランサー:必滅の黄薔薇(ゲイ・ボウ)
- バーサーカー:己が栄光のためでなく(フォー・サムワンズ・グロウリー)
- バーサーカー:騎士は徒手にて死せず(ナイト・オブ・オーナー)
- バーサーカー:無韻なる湖光(アロンダイト)
- キャスター:螺湮城教本(プレラーティーズ・スペルブック)
- 『Fate/Zero』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 凸凹コンビの誕生(2話)
- 殺人快楽者コンビの誕生(2話)
- 倉庫街の激闘(4〜5話)
- 非情の衛宮切嗣、セイバー陣営の瓦解(16話)
- 裏切りの言峰綺礼、歪んだ娯楽(17話、21話)
- 激突!征服王と英雄王(23話)
- 最後の戦いと令呪、そして……(24話)
- 『Fate/Zero』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 海外のファンからも好評
- 『Fate/Zero』の主題歌
- OP
- LiSA:Oath Sign
- Kalafina:to the beginning
- ED
- 藍井エイル:MEMORIA
- 春奈るな:空は高く風は歌う
- Kalafina:満天