ランサー／ディルムッド・オディナ（Fateシリーズ）の徹底解説・考察まとめ

ランサー（ディルムッド・オディナ）の概要

ランサー（ディルムッド・オディナ）は『Fateシリーズ』に登場する槍兵のサーヴァントの1人。サーヴァントは願いを叶える大釜・聖杯の助けを得たマスターによって召喚・使役される「英霊」であり、ランサーは槍兵のクラスを指す。『Fate/Zero』においては魔術師ケイネス・エルメロイ・アーチボルトに召喚される。

真名はケルト神話におけるフィオナ騎士団随一の剣士、ディルムッド・オディナ。大英雄フィン・マックールが首領を務めた時代において最強とも言われる筆頭騎士である。顔立ちが整っていることから「輝く顔」と謳われる。また泣きぼくろには異性を魅了する呪いがある。生前には主君のフィン・マックールの婚約者であったグラニア姫を誤って魅了してしまい、駆け落ちを余儀なくされる。ランサーは姫の愛に応える道を選んだことを後悔はしていないもののの、第四次聖杯戦争では愛でなく忠義を選ぼうと心に決めていた。
しかしケイネスはランサーの生前の逸話を知っており、彼のことを信用しなかった。さらにケイネスの婚約者ソラウ・ヌァザレ・ソフィアリがランサーの魔貌の呪いに囚われたことで2人の関係は悪化の一途をたどる。

ランサー（ディルムッド・オディナ）のプロフィール・人物像

身長：184cm
体重：85kg
属性：秩序・中庸
パラメータ： 筋力：B 耐久：C 敏捷：A+ 魔力：D 幸運：E 宝具：B
クラス別能力：対魔力：B
保有スキル：心眼（真）：B、愛の黒子：C
CV：緑川光

ランサーは騎士道に忠実で、名誉ある戦いを重んずる英霊である。片目の下に泣きぼくろがある美男子で、この泣きぼくろには異性を魅了する呪いがある。生前は向けられた愛情に殉じる道をたどる。そのことに悔いはないものの、第四次聖杯戦争では主君への忠義を第一としていた。そのため、彼に聖杯に託す願いはなく、「主君に聖杯を献上すること」こそが願いだった。このように高潔な精神を持つランサーだが、彼と同じタイプの人間以外からは理解されにくく、誤解やすれ違いを招くこともある。

戦闘では「破魔の紅薔薇（ゲイ・ジャルグ）」と「必滅の黄薔薇（ゲイ・ボウ）」という2つの槍を使用する。他の宝具のような圧倒的破壊力は持たないものの、同じ相手と長期に渡って戦うことに長ける。

ランサー（ディルムッド・オディナ）の宝具・必殺技

破魔の紅薔薇（ゲイ・ジャルグ）

ランク：B
種別：対人宝具
レンジ：2～4
最大捕捉：1人
由来：ディルムッドが養父であるドルイドのアンガスより贈られた紅槍ゲイ・ジャルグ

ランサーが右手に持つ紅の長槍。刃が触れた対象の魔力的効果を打ち消す効果を持ち、魔術的な強化・能力付加を受けた武具から、その魔力的効果を奪って物理的な防御力のみの状態にすることができる。ただし過去に交わされた契約や呪い、既に完了した魔術の効果を消すことはできない。あくまで「刃の触れた部分だけ」「刃の触れている間だけ」効果を打ち消すものである。

必滅の黄薔薇（ゲイ・ボウ）

ランク：B
種別：対人宝具
レンジ：2～3
最大捕捉：1人
由来：ディルムッドが妖精王マナマーン・マック・リールより贈られた黄槍ゲイ・ボウ

ランサーが左手に持つ黄の短槍。回復不能の傷を負わせる呪いを帯びた槍で、いわば相手のHPの上限を削ることができる。解呪するには槍を破壊するか、ディルムッド自身を滅ぼす必要がある。

魅了（チャーム）

ランサーの泣きぼくろには女性を魅了（チャーム）する呪いがかけられている。呪いであるため、ランサー自身にも制御できない。またこれは「相手に見られる」ことで効果を発揮する受動的な能力である。高位の魔術師であれば難なく抵抗できる。

ランサー（ディルムッド・オディナ）の来歴・活躍

フィオナ騎士団の筆頭騎士

ランサーは生前、フィオナ騎士団で活動していた。フィオナ騎士団随一の剣士とされ、筆頭騎士として活躍していたが、主君フィン・マックールの婚約者であったグラニア姫を誤って魅了してしまったことで彼の運命は狂い始める。名誉を試すゲッシュと忠義の狭間で思い悩んだ末、ランサーは姫の愛に応え駆け落ちをすることに。
怒り狂ったフィン・マックールは2人に追手を差し向けるが、ランサーはフィオナ騎士団の騎士とは決して矛を交えようとはしなかった。しかし敵を切り裂くたびに、ランサーは自身の心も切り裂かれるような思いを味わった。またランサーは逃亡中もフィンへの忠節を貫き、姫には指一本触れなかった。

後にランサーはフィン・マックールが折れたことでフィオナ騎士への復帰を許される。晴れて姫と結ばれたものの、その幸福は長続きせず、ある日の猪狩りで致命傷を負ってしまう。ランサーはフィン・マックールに助けを求めたが、姫のことで彼を恨んでいたために見殺しにされた。
こうして死んだランサーだったが、自分が選んだ道に後悔はなかった。だが、もし仮に再び騎士として槍をとることができるのならば、忠節の道を生きようと決めた。

『Fate/Zero』

『Fate/Zero』で起きた第四次聖杯戦争では、ランサーはケイネス・エルメロイ・アーチボルトによって召喚される。ランサーは愛でなく忠義を選ぼうと心に決めて聖杯戦争に臨むが、ランサーの生前の逸話を知っているケイネスは彼のことを信用できなかった。さらにケイネスの婚約者のソラウがランサーに魅了されたことで関係は悪化してしまう。またランサーの方もマスターや自陣よりも己の理想とする騎士道を優先した考えをしており、ケイネスとの信頼関係の築き方に難があった。

ランサーは主人公の衛宮切嗣（えみやきりつぐ）が召喚したセイバーと戦う。そこにライダーのサーヴァントが介入。さらにアーチャー、バーサーカーのサーヴァントも現れ、混戦になってしまう。ライダーはケイネスの思惑もあって撤退するが、セイバーの清廉な闘気に当てられ、彼女との決闘に執着するようになってしまう。
ランサーはその後、ケイネスからキャスターのサーヴァント討伐の命令を受けて出撃。そこでセイバーと共同戦線を張り、キャスターの宝具の破壊に成功する。一方でケイネスは切嗣と交戦し魔術回路を破壊されてしまう。間一髪でランサーが駆けつけたことから命は助かったものの、マスターはソウラに引き継がれた。

ランサーはセイバーやライダーたちと力を合わせてキャスターの撃破に貢献する。しかしその後、ランサーがソラウのもとを離れたことで切嗣の部下に右腕を切断されたうえで拉致されてしまう。ランサーはケイネスからなじられ、そこにセイバーが現れる。ランサーは彼女と騎士らしく正々堂々とした決闘を望むが、ソラウが人質にとられていることでケイネスは彼女を助けるためにランサーに自決を命じる。ランサーは生前と同じく主に殺された事を思い出し、血涙を流しながらセイバーは切嗣、この世のすべてに怨嗟をぶつけながら消滅した。

Fate/Zero（フェイト ゼロ）のネタバレ解説・考察まとめ - RENOTE [リノート]

renote.net

『Fate/Zero』とはニトロプラスの虚淵玄の伝奇ライトノベル、及びそこから派生したアニメと漫画作品である。
「聖杯」と呼ばれる万能の力を持った杯を巡り、7人の魔術師（マスター）と7騎の英霊（サーヴァント）が戦い、競い合う「聖杯戦争」を描いた物語で、アニメは2011年1月から第1期が全13話、2012年4月から第2期が全12話構成で放送された。

ランサー（ディルムッド・オディナ）の関連人物・キャラクター

ケイネス・エルメロイ・アーチボルト

ランサーのマスター。ランサーは彼に忠義を捧げるものの、魔術師であるケイネスにはそれを理解してもらえず、ランサー自身もケイネスを理解しようとしなかったことから信頼関係を築けなかった。

ソラウ・ヌァザレ・ソフィアリ