昭和天皇物語(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ

『昭和天皇物語』とは半藤一利の『昭和史』を原作とする、『ビッグコミックオリジナル』2017年9号より連載を開始した能條純一による歴史漫画である。原作以外にも複数の文献資料や当時の新聞などからも補強されている。主人公は昭和天皇である。明治天皇崩御から大東亜戦争前、戦中、戦後という激動の日本を昭和天皇がどのように駆け抜けたのか描かれている。他の重要人物も活々とリアルに描かれており、二十世紀日本の歴史全体の流れや天皇制の在り方など改めて振り返られる内容である。

高橋是清(たかはしこれきよ)

第5巻39話から登場する。
第20代内閣総理大臣である。第19代内閣総理大臣の暗殺から急遽就任する。元老の山縣有朋の葬儀を国葬とする。

山本権兵衛(やまもとごんのひょうえ)

第5巻41話から登場する。
第22代内閣総理大臣である。関東大震災からの復興にあたるも虎ノ門で裕仁が暴漢に襲われる虎の門事件の責任を取り総辞職に追い込まれる。

若槻礼次郎(わかつきれいじろう)

第7巻54話に登場する。
第25代内閣総理大臣である。また後に第2次として第28代内閣総理大臣も務める。第一次世界大戦後の戦後不況や関東大震災による金融不安から生じた昭和金融恐慌の煽りを受け総辞職をする。

幣原喜重郎(しではらきじゅうろう)

第7巻54話に登場する。
登場時は第一次若槻内閣の外務大臣を務める。また後に第44代内閣総理大臣に就任する。昭和2年(1927年)4月の御前での枢密院本会議で昭和金融恐慌の原因が幣原の外交上の失敗にあると責められる。

田中義一(たなかぎいち)

第7巻55話から登場する。
第26代内閣総理大臣である。噂絶えずガサツとして前評判は非常にわるいものであった。就任後張作霖爆殺事件が勃発する。田中は元々軍のいいなりのような人事を繰り返していた。元老の西園寺公望は張作霖爆殺事件に田中も関与していると踏み田中の元へ直接出向いた。その西園寺に対し田中は「(もし犯人が)日本であれば厳罰に処する」と言うのであった。

濱口雄幸(はまぐちおさち)

第8巻60話に登場する。
第27代内閣総理大臣である。
ロンドン軍縮会議においてロンドン海軍軍縮条約を締結し軍縮を進める。しかしこれが統帥権を有する天皇の意思に背く統帥権の干犯に値するとされる反発を受ける。後に浜口は極右の暴漢に襲撃されるも一命を取り留め重篤の身で再度国会に登壇する。しかしこれが祟り命尽きてしまう。

犬養毅(いぬかいつよし)

第8巻61話に登場する。
第29代内閣総理大臣である。
登場時ロンドン軍縮条約に調印した濱口雄幸内閣総理大臣を「統帥権の干犯」として与党政府の横暴であると濱口内閣を責める。第2次若槻内閣が関東軍の暴走を抑えきれず総辞職し、白羽の矢が当たったのが犬養であった。元老の西園寺公望が犬養そ指名した理由は囲碁の棋風であったとされる。満州事変を起こすなど軍部の暴走を抑えようとするも五・一五事件で海軍将校らに暗殺される。

近衛文麿(このえふみまろ)

第9巻72話に登場する。
第34・38・39代内閣総理大臣である。
貴族議員議長就任時は軍の刷新、革新を求める永田鉄山を評価する。革新どうあるべきかという点で意見が一致し永田を「早く陸相になるべきだ」と評する。
宇垣一成の組閣流産、林銑十郎内閣の早々の総辞職という流れで白羽の矢が立ち第34代内閣総理大臣に就任する。
第二次世界大戦勃発後、軍部が米内内閣の陸軍大臣である畑俊六(はたしゅんろく)陸軍大臣を辞任させ軍部大臣現役武官制の利用し陸軍大臣を出さないことで米内内閣を総辞職させると第38代内閣総理大臣として就任する。

斎藤実(さいとうまこと)

第10巻78話に登場する。
第30代内閣総理大臣である。
日本の国際連盟脱退を決定づけ日本の国際社会孤立を深めてしまう。

東條英機(とうじょうひでき)

第10巻81話から登場する。
第40代内閣総理大臣である。
関東軍時代は統制派で二・二六事件が勃発した際皇道派検挙を成功させ事態終息に貢献する。
近衛文麿内閣で板垣征四郎が陸軍大臣に就任すると東条は陸軍次官に就任する。

林銑十郎(はやしせんじゅうろう)

第11巻82話に登場する。
第33代内閣総理大臣である。宇垣一成の組閣流産により組閣の大命が下る。
昭和9年(年)陸軍大臣に就任した際は閑院宮載仁親王の強い推薦があった。これは統制派の東条が載仁親王に勧めたものでこれは陸軍大臣を眞崎甚三郎にさせないことで陸軍首脳陣の皇道派による占拠を抑止するものであった。

高橋是清(たかはしこれきよ)

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