昭和天皇物語(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ

『昭和天皇物語』とは半藤一利の『昭和史』を原作とする、『ビッグコミックオリジナル』2017年9号より連載を開始した能條純一による歴史漫画である。原作以外にも複数の文献資料や当時の新聞などからも補強されている。主人公は昭和天皇である。明治天皇崩御から大東亜戦争前、戦中、戦後という激動の日本を昭和天皇がどのように駆け抜けたのか描かれている。他の重要人物も活々とリアルに描かれており、二十世紀日本の歴史全体の流れや天皇制の在り方など改めて振り返られる内容である。

乃木希典(のぎまれすけ)

第1巻2話に登場する。
日露戦争で旅順要塞攻略、二百三高地占領など数々の戦いを指揮した陸軍軍人。日露戦争で多くの若い命を犠牲にした自責の念にかられ自刃を明治天皇に申し出る。しかしそれを退かれ学習院院長に任じられる。明治天皇が崩御するとそれを追い殉死する。

石黒忠悳(いしぐろただのり)

第3巻16話に名前だけ登場する。
日本陸軍の軍医総監である。裕仁のお后候補に挙がった久邇宮家に色弱の疑いがあることを調査し、発見する。

奈良武次(ならたけじ)

第3巻21話に登場する。
陸軍大将の経歴を有する東宮武官長である。裕仁の欧州外遊に同行する。

中岡良一(なかおかこんいち)

第4巻32話に登場する。
第19代内閣総理大臣である原敬を東京駅で暗殺した犯人である。大塚駅で転轍種を務めており、当時の原敬内閣の政策に反感を抱いていた。

大井成元(おおいしげもと)

第5巻37話に登場する。
日本の陸軍軍人である。富士裾野陸軍特別大演習において東軍の指揮を任される。

石光真臣(いしみつまおみ)

第5巻41話に登場する。
日本陸軍の第一師団長を務める。感動大震災に見舞われた東京市内を回る裕仁に状況報告を行う。

安藤輝三(あんどうてるぞう)

第6巻46話から登場する。
日本の陸軍の軍人である。同じく陸軍に所属している雍人を慕う。登場時、安藤は雍人から今後の日本の在り方を問われる。安藤は「アジアに重点を置き他民族が団結して欧米列強に当たるべき」とする。更にそのために「満州を安定させる」として満州の主権を握ることを彷彿とさせるのであった。

岡崎生三(おかざきせいぞう)

第7巻51話に登場する。
日本の陸軍軍人の一人である。
大正天皇嘉仁の様態が悪化している旨をイギリスに留学中の雍人に伝え、雍人に帰国を促す。

永田鉄山

第7巻54話から登場する。
日本の陸軍軍人で日本陸軍の刷新を目論む軍政家として日本陸軍に大きな影響を与えることになる人物である。
6年間欧州に駐在し軍事研究を続けていた。結果「戦争とは軍人だけのものにあらず、全国民が一丸となり国の威信をかけぶつかるもの」とする。山縣有朋が創設した陸軍を“古い陸軍”とし陸軍の刷新を目論む。これはやがて統制派と呼ばれる軍の近代化を目指す陸軍派閥となり、天皇親政による天皇中心の国体を目指す陸軍派閥である皇道派と対立するこになる。
また中国軍に対して電撃的な先制攻撃食らわせれば一撃で屈服するという対中一撃論を主張し続け、ソ連が強力になる前に中国を叩き配下に置くべきと考える。

河本大作(こうもとだいさく)

第8巻58話に登場する。
関東軍の参謀で張作霖爆殺事件の首謀者である。時の内閣総理大臣である田中義一はこの事実を裕仁に伝えることができなかった。これが裕仁の怒りを買い田中は総辞職に追い込まれることとなる。

板垣征四郎(いたがきせいしろう)

第8巻63話に登場する。
関東軍の最高級参謀である。同じ関東軍に所属する作戦参謀の石原莞爾(いしはらかんじ)と満州事変を決行する。

石原莞爾(いしわらかんじ)

第8巻64話に登場する。
関東軍に所属する作戦主任参謀である。板垣征四郎と同様に満州事変を決行した中心人物である。南満州鉄道の線路を爆破させこれを機に満蒙の占有を行うとする計画を立て実行したのも石原莞爾である。この柳条湖事件により満州事変が勃発するのであった。

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