昭和天皇物語(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ

『昭和天皇物語』とは半藤一利の『昭和史』を原作とする、『ビッグコミックオリジナル』2017年9号より連載を開始した能條純一による歴史漫画である。原作以外にも複数の文献資料や当時の新聞などからも補強されている。主人公は昭和天皇である。明治天皇崩御から大東亜戦争前、戦中、戦後という激動の日本を昭和天皇がどのように駆け抜けたのか描かれている。他の重要人物も活々とリアルに描かれており、二十世紀日本の歴史全体の流れや天皇制の在り方など改めて振り返られる内容である。

三種の神器(さんしゅのじんぎ)

第1巻5話に登場する。
日本神話における天皇家の象徴として皇位の印を表すものである。鏡が正しい判断力や知恵を表す“智”、玉が調和や慈しみの心を表す“仁”、剣が困難を切り開く“勇”をそれぞれ意味する。杉浦が裕仁への最初のご進講で掲げたテーマでもある。

教育勅語(きょういくちょくご)

第1巻6話に登場する。
明治23年(1890年)に発表された当時の日本の教育の根幹となった勅語である。勅語とは天皇が国民に対し発した意思表示の言葉をいう。「一旦緩急アレハ 義勇公に奏し」即ち「もしもひとたび戦争などの非常時になった際は、国、社会の為に国民として義務を尽くす」とする。杉浦はこれを「決して軍国主義を推奨するものではない。」とした上「天皇と国家は一体である」とする。更には「国民は天皇の為に死ぬのではない。天皇と国民はあくまで共に国体を守り生きていく」とする。

皇族身位令(こうぞくしんいれい)

第2巻8話に登場する。
皇族に対する身分や待遇、地位に関する規定を定めた法令である。明治23年(1890年)に制定される。

立太子の礼(りったいしのれい)

第2巻10話に登場する。
天皇が皇太子を決定し、皇太子であることを公に告げられる儀式をいう。

摂政(せっしょう)

第4巻26話に登場する。
幼帝、女帝に代わってすべての国事行為、政務をおこなう職である。大正天皇嘉仁の様態悪化により裕仁の摂政就任が待望されるようになる。

皇室典範(こうしつてんぱん)

第4巻26話に登場する。
皇室に関する事項を定めた法律をいう。

摂政設置に関する皇室会議(こうしつせっちにかんするこうしつかいぎ)

第5巻37話に登場する。
裕仁の摂政就任が正式に決定される会議である。

御璽(ぎょじ)

第5巻38話に登場する。
天皇が公式に用いる印章でる。

践祚(せんそ)

第7巻52話に登場する。
皇嗣が天皇の地位を受け継ぐことをいう。

剣爾渡御の儀(けんじとぎょのぎ)

第7巻52話に登場する。
天皇が譲位や崩御した後、皇位継承者が新天皇として践祚する際に剣と印象である璽を受け継ぐ儀式をいう。

節折の儀(よおりのぎ)

第7巻53話に登場する。
毎年6月と12月の晦日に行われる宮中祭祀をいう。

大祓の儀(おおばらえのぎ)

第7巻53話に登場する。
常に清らかな気持ちで日々の生活に勤しむよう自らの心身の穢れ、その他厄災の原因を祓い清めることを目的とした日本の伝統的な儀式をいう。

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