昭和天皇物語(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ

『昭和天皇物語』とは半藤一利の『昭和史』を原作とする、『ビッグコミックオリジナル』2017年9号より連載を開始した能條純一による歴史漫画である。原作以外にも複数の文献資料や当時の新聞などからも補強されている。主人公は昭和天皇である。明治天皇崩御から大東亜戦争前、戦中、戦後という激動の日本を昭和天皇がどのように駆け抜けたのか描かれている。他の重要人物も活々とリアルに描かれており、二十世紀日本の歴史全体の流れや天皇制の在り方など改めて振り返られる内容である。

菅波三郎(すがなみさぶろう)

第8巻64話に登場する。
日本陸軍の軍人である。歩兵第3聯隊に所属する。思想家の北一輝から君主の傍で君主を利用し悪政を行う“君側の奸”を排除すべきとする意見書を渡される。菅波はこれを友人であり秩父宮雍人親王と親しい安藤輝三に渡す。

本庄繁(ほんじょうしげる)

第8巻65話に登場する。
中国・旅順に駐留する関東軍の司令官である。張作霖爆殺事件後、奉天軍閥の駐屯地である北大営を襲撃する北大営襲撃事件を起こし、満州支配を確立させる。

南次郎(みなみじろう)

第8巻65話に登場する。
満州事変が決行された時期の陸軍大臣である。関東軍が北大営の張学良軍と衝突したこと(北大営襲撃事件)を上奏する。

金谷範三(かなやはんぞう)

第8巻65話に登場する。
日本陸軍の陸軍参謀総長である。朝鮮を守るため駐留している朝鮮軍が満州へ進軍するという事態を緊急事態とし、裕仁の不拡大方針の元、裁可を受け満州国の安定化に努める。

田中隆吉(たなかりゅうきち)

第9巻68話に登場する。
日本の陸軍軍人で上海公使官付武官を務める。第一次上海事変の首謀者である。

白川義則(しらかわよしのり)

第9巻68話に登場する。
元陸軍大臣の経歴を有する日本陸軍の陸軍大将である。上海事変における関東軍の一連の暴走を食い止めるための任務に当たることを裕仁から命ぜられる。白川は見事、中国の国民政府軍との停戦協定調印にこぎつける。しかしその後虹口公園で爆破事件が起こりこれが原因で死亡する。

土肥原賢二(どいはらけんじ)

第9巻69話に登場する。
日本の陸軍軍人で特務機関長を務める。満州国建国の中心人物の一人である。

荒木貞夫(あらきさだお)

第9巻73話から登場する。
日本の陸軍軍人である。犬養毅内閣で陸軍大臣を務める。
登場時裕仁に上海事変の停戦に導いた白川大将が上海虹口公園でテロに遭遇したことを上奏する。

小畑敏四郎(こはたとしろう)

第10巻77話に登場する。
関東軍の参謀本部第三部長である。
極東ソ連軍が強大化する前に撃破すべきとし、中国と戦闘すべきでないとする。

眞崎甚三郎(まさきじんざぶろう)

第10巻77話に登場する。
日本の陸軍軍人で関東軍で参謀次長を務める。
荒木貞夫や小畑敏四郎と共に天皇親政の皇道派の立場をとる。
眞崎が陸軍大臣のポストに就くことなく教育総監に就き、林銑十郎が陸軍大臣に就いたことを根に持つ。眞崎はこれを「永田鉄山の工作によるもの」と相澤に吹き込む。こうして相澤は永田を暗殺する相澤事件を引き起こす。これは眞崎を慕うからこそであったが「どこぞで会ったなぁ…」としらを切るような態度をとる。

岡村寧次(おかむらやすじ)

第10巻81話に登場する。
日本の陸軍軍人である。
当時の陸軍大臣である荒木貞夫の元へ陸軍人事の不満を伝える。参謀本部に対中一撃論を掲げる永田鉄山と対ソへの先制攻撃を主張する小畑敏四郎の意見が衝突し陸軍の内部分裂が危惧されるのであった。

鈴木率道(すずきよりみち)

第10巻81話に登場する。
日本の皇道派の陸軍軍人である。
廊下ですれ違った統制派で5期上の東条英機(とうじょうひでき)から「小畑敏四郎の直参旗本」と揶揄される。

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