昭和天皇物語(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ

『昭和天皇物語』とは半藤一利の『昭和史』を原作とする、『ビッグコミックオリジナル』2017年9号より連載を開始した能條純一による歴史漫画である。原作以外にも複数の文献資料や当時の新聞などからも補強されている。主人公は昭和天皇である。明治天皇崩御から大東亜戦争前、戦中、戦後という激動の日本を昭和天皇がどのように駆け抜けたのか描かれている。他の重要人物も活々とリアルに描かれており、二十世紀日本の歴史全体の流れや天皇制の在り方など改めて振り返られる内容である。

考え・言い伝え

長幼の序(ちょうようのじょ)

第1巻4話に登場する。
年齢や上下関係に基づく礼儀や秩序を表す言葉。特に年配者を敬い年少者がそれに従う社会的規範を意味する。

覇道(はどう)

第1巻6話に登場する。
武力による統治を意味する。杉浦の講義が「天皇が臣民に仕えるような教えだ」と指摘する東郷に対する反論で登場する。

王道(おうどう)

第1巻6話に登場する。
仁による統治を意味する。杉浦の講義が「天皇が臣民に仕えるような教えだ」と指摘する東郷に対する反論で登場する。

考道(こうどう)

第3巻20話に登場する。
親への愛や奉仕を中心とする“考”を中心とした道徳的実践や思想のことをいう。親孝行や家族関係の在り方を重視した社会秩序の基盤とされる。

宝積(ほうじゃく)

第3巻20話に登場する。
仏教用語の一つ。「人を守りて己を守らず、人に尽くして見返りを求めない」とした第19代内閣総理大臣原敬の信念とされる。

統帥権の干犯(とうすいけんのかんぱん)

第8巻61話に登場する。
大日本帝国憲法上に明記された天皇の統帥権に対し政府や議会などが侵害、介入することをいう。

君側の奸(くんそくのかん)

第8巻62話に登場する。
君主の側に仕えながら良からぬ企みを持つ人物のことを指す。

簒奪(さんだつ)

第8巻64話に登場する。
君主の地位を奪い取ること。雍仁が裕仁に抱いているという噂が宮中で広まる。侍従長の鈴木貫太郎が裕仁にそのことを伝えた際鈴木は「秩父宮様(雍仁)が陸軍と交流があるには事実」として「この事実を牽制する、(雍仁を)諌めたいという意味合いの風評ではないか」と裕仁に伝える。

対支一撃論(たいしいちげきろん)

第13巻99話に登場する。
短期決戦で中国軍を屈服させ、対ソ連に備えんとする考え方をいう。

五族協和(ごぞくきょうわ)

第14巻107話に登場する。
満洲国が掲げたスローガンで満州に居住する5つの民族(漢族、満族、蒙古族、朝鮮族、日本人)が共存できるよう平和と協力を謳った理念をいう。実際には日本が主導権を握っていた。

開戦劈頭(かいせんへきとう)

第15巻115話に登場する。
対英米に対し、開戦と同時に猛攻撃仕掛け相手の指揮を奪うとする作戦をいう。連合艦隊司令長官の山本五十六による対英米線の作戦案に盛り込まれる。

通称

keeper
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