正欲（小説・映画）のネタバレ解説・考察まとめ

大也が所属するダンスサークルの名称。
インスタグラムなどSNSを通じての発信も行っている。リーダーは高見優芽。
八重子は捨てアカウントを利用し、大也が写っている場面の投稿を増やしてほしいとインスタグラムにダイレクトメッセージを送っていた。それをきっかけに大也はダンスサークルを辞めている。

SATORU FUJIWARA

たいあきチャンネルに水に関するリクエストを書き込む視聴者。
正体は諸橋大也。夏月は水に関するリクエストが多いことから佳道が「SATORU FUJIWARA」を名乗って書き込みをしていると思っていたが、佳道も同じように夏月が「SATORU FUJIWARA」としてコメントをしていると思い込んでいた。夏月と佳道は自分たち以外にも水に対し特別な感情を持っている人間がいることを知り、佳道は「SATORU FUJIWARA」へダイレクトメッセージを送りコンタクトを取るようになる。

『正欲』の名言・名セリフ／名シーン・名場面

佐々木佳道「この世界で生きていくために、手を組みませんか？」

自殺しようと思っていた桐生夏月と佐々木佳道がホテルの一室で語りあっている時に、夏月は自分が生きてきた人生観を話すと、佳道は目を潤め「自分が話しているのかと思った」と返す。嗜好を理解しあえる同士と心が通じた瞬間であった。その後、佳道は横浜に行くことを決める。そのことを夏月に伝えた際、「これで擬態できないかな、世間並みに」と結婚指輪を差し出し、「この世界で生きていくために、手を組みませんか？」と夏月を誘った。二人は結婚し同居する道を選び互いに支えあっていくことを決める。

神戸八重子と諸橋大也の緊迫のやり取り

男性恐怖症にも関わらず、諸橋大也の存在が気になりストーカーに近い行為をしていた八重子。偶然大学の一室で大也と二人にきりになり大也に避けられていると知りつつも、自分の気持ちをぶつける。なかなか他人を受け入れようとせず八重子に言い返す大也と何とか大也を救いたいと願い本音をぶつける八重子。そんな八重子の気持ちに応えるように大也の心が少し動く。大也は自分のことを思いぶつかってくれた八重子に感謝を伝える。しかし大也は他人には理解されない性癖を持つ人と繋がろうとしていることをほのめかしつつ、八重子の告白を断る。
二人が声を荒げてぶつかり合うシーンの後、八重子は大也が一人でないことに安心するとともに自身の失恋も悟った。大也は八重子に「ありがとう」と声をかけるが、天を仰ぎ涙をこらえるようなしぐさを見せる八重子の切ない気持ちが描かれている。

桐生夏月と佐々木佳道の絆

佐々木佳道が逮捕され、妻である夏月も啓喜のもとに呼ばれ事情聴取を受ける。
佳道が小児性愛者であるという証拠を掴みたい啓喜だが、夏月は冷静であり取り乱す様子もなく淡々と夫が言っていることがすべてだと話す。
検察事務官である越川から水に対し性的な感情を持つ異常性愛者がいる可能性を知らされていた啓喜は、夏月に水に対し性的な感情があるのかと問う。しかしすぐさま「そんなことはありえない」と言うと、夏月は佳道とのつながりを啓喜に伝えた。息子の泰希を連れ実家に帰ってしまった由美を思う啓喜は、夏月が佳道に伝えてほしいと語った「いなくならないから」という言葉から感じ取れる二人の絆の深さに何も言えなくなる。

『正欲』の裏話・トリビア・小ネタ／エピソード・逸話

主要キャストは岸善幸の希望

岸監督は映画化にあたり、稲垣吾郎、新垣結衣、磯村勇斗のキャスティングを希望した。これまで演じた役柄が対極のイメージを持たれている人に演じてもらいたいという希望があり、ギャップを表現するのがとても大事と考え、新垣の名前が真っ先に浮かんだと語っている。佐藤寛太と東野絢香はオーディションにより選ばれた。

新垣結衣の役作りは想像力

桐生夏月役で新垣結衣の新境地と言われたが、その役づくりについて新垣結衣は「夏月が抱えている゛とある指向”に関しては、いろいろと探してみたんですが、何か具体的に参考になるものはなかったんですよね。だから想像で埋めるしかなかった。」と語っている。新垣結衣はひたすら想像して考え、いろんな方に意見を伺いながら作り上げた作品であると話している。

岸善幸は特殊な性描写に苦悩

夏月が性的興奮を覚える場面に対し岸善幸監督は「原作で夏月は太ももを閉じるとあるんですが、彼女が感じているのが体の部分なのか全身なのか。議論して、観客に理解できる映像を考えた」と語っている。「撮影がアップしてからも、編集しながらも悩みました。今も分かりません」と語っており、特殊な性描写に対し苦悩したことが明かされている。

『正欲』の主題歌・挿入歌

主題歌：Vaundy『呼吸のように』

日本のシンガーソングライターVaundyによる2ndアルバム『replica』に収録されている。
Vaundyは作詞、作曲、アレンジを全て自分でこなし、デザインや映像もディレクション、セルフプロデュースするマルチアーティスト。「東京フラッシュ」「不可幸力」などの幅広い音楽ジャンルの楽曲を発表し、SNSを通じて話題となった。